大河、山岳高原観光長野を駆ける(2)

業界紙トラベルニュースより 
山麓で感じる癒し
 国民の祝日「山の日」制定で山岳高原観光地が集積する信州観光は今年、一層の注目を集める。信州特集第2弾は長野県を代表する山々の麓に広がる各地にスポット。人の心をうつ絶景や心を癒す温泉郷は山の恵みに満ち、「日本の山」の素晴らしさを身体で感じさせてくれる。信州では昨今、魅力的な観光列車も続々登場。車窓風景で旅情を思う存分楽しむのもおすすめだ。今夏は信州で山を眺め、山に触れよう。
信州鉄旅のススメ(1) 観光列車で行く―「おいこっと」「ふるさと」
 全国的にブームの観光列車。鉄道各社が続々と登場させているが、信州でも個性豊かな列車たちが旅人を乗せ、大地を駆け抜けている。JR東日本は「日本人のこころのふる里」を表現し、しなの鉄道は今年の大河ドラマの主人公・真田幸村をイメージ。移動手段としてだけでなく、旅の目的のひとつとして定着してきた。加えて鉄道ファンに人気の車窓風景や秘境駅も旅情を演出。信州は鉄旅がよく似合う。
日本人のこころのふる里 JR「おいこっと」
 個性的な外観にぬくもりのある車内、地元の味と車窓風景―。観光列車の中には、ここでしか体験できない旅が詰まっている。信州で話題の観光列車も地元の風土を五感で感じられる魅力が満載。信州の大自然を列車で駆けよう。
 JR飯山線では「おいこっと」が長野―十日町を約2時間半で結ぶ。おいこっとをアルファベット表記で「OYKOT」とするが、これはTOKYOの反対から読んだもの。いわば東京の真逆、田舎を意味したものだ。
 
おいこっと
そのため、田園風景や川、山など「日本人のこころのふる里」をイメージさせる列車がテーマ。ライトアイボリーを基調にシックな趣きの外観は萱葺き屋根の民家の襖や障子を想起させ、内装はおばあちゃんの家のような懐かしさを感じさせる古民家風のデザインで、親しみと温かみが感じられるムードが漂う。
 列車は千曲川に沿って、里山や田園など日本の原風景を走る。車内では「おいこっとあてんだんと」が野沢菜の漬物を振る舞い、沿線案内も行う。「まんが日本昔ばなし」でお馴染みの常田富士男さんのナレーションが郷愁を誘う。
 土日休日を中心に長野―十日町を1日1往復。通常2両編成で定員は76人、全席指定。冬期は長野―戸狩野沢温泉間で運行。昨年開業した北陸新幹線飯山駅でも接続し、利便性も高い。
信州の自然景観を堪能 JR「リゾートビューふるさと
 JR信越本線篠ノ井線大糸線の長野―南小谷間には「リゾートビューふるさと」が走る。運転台の後部に展望室を設け、眺望用のソファーや腰掛けが備わる。大型の窓からは北アルプスの山々や仁科三湖などに加えて「日本三大車窓風景」の一つ姨捨の景観を堪能できる。

 客室には前方風景や観光案内を放映する車内モニターが設置されているほか、「リゾートアテンダント」が乗車し、沿線風景などの観光案内も行っている。
 運転は週末や休日が中心。1日1往復する。2両編成で78席。別に車イススペースがある。全席指定。