狐の王国

2010-07-27

日本人が本当に大嫌いなのは「異質な人々」

不景気だからこその移民政策のススメという記事のコメント欄に集まる外国人排斥的な言論に、移民もまた人間であるという記事でelm200さんが怒ってらっしゃる。

確かに日本人は外国人を避ける傾向がある。いや外国人どころじゃない。同じ日本人相手ですら、自分たちの言葉が通じない相手を極端に嫌う傾向がある。

言葉が通じないというのは、日本語という問題だけではない。その仲間うちで使われてる用語や名詞を知らない相手をひどく馬鹿にしたり避けたりする。

有名企業の名前を知らないだとか、名刺の渡し方を知らないだとか。日本人が「失礼」と感じるもののうち少なからずが「知らない」ことによって発生する。だから反社会的な少年たちは決まって「知らねえ」という言葉を発する。

こういった常識が形成される背景には、単一的な文化がある。万人が共通して「知っているはず」の知識というのがたくさんある。「知らないと馬鹿にされる」知識が山程ある。

おそらく日本において学校で学んだ知識を重要視されない理由もそこだろう。教育は社会に出てから「社会常識」というものを叩き込まれることで始まる。

だがひとたび世界に目を向ければ、そんな常識などまったく通用しない。常識はそれぞれの社会と文化に育まれているからだ。

なぜか東京大学や京都大学を卒業した友人や知人が多いのだが、彼らの多くはその出身校をあまり話したがらない。それで相手の態度が変わってしまうのが嫌なんだそうだ。確かにそういう反応をする日本人は少なくない。

だがある東大出身の知人が話してくれたのだが、「東京大学なんて外国にいけばただの無名校」なんだそうだ。朝日新聞の記事によれば東京大学は世界ランキングで22位。確かに上位のハーバードやケンブリッジに比べたら相当下だ。ソースはどうもTHEというところらしい。

タイの最高学府であるチェラロンコン大学を多くの日本人が知らないのと一緒だろう。チェラ大だってランキング138位で慶応大学や早稲田大学より上だったりするのだが。

かようにそれぞれの文化圏、それぞれの社会で、もっと言えば個人によって、持ってる常識は違う。確かに常識を共有する相手との付き合いは楽だろうが、それに甘えて常識の違う相手を排除していい理由なんて無い。

そういったローカルな常識にとらわれていると、「世界常識」といえるようなものを見失っていく。世界にはたくさんの人がいて、彼らがお互いの常識を越えてつきあってることを知らないのではないか。英語の価値を低く見積もる人は、ネイティブが誰一人いない場所で英語が話されてる現場を知らないのではないか。世界に比べて日本の治安が本当にいいと思いこんでいるのではないか。

ローカルな常識をあまりに当然のものと思いこみすぎて、正しいものさしを失ってしまっているのではないか。

世界には日本の常識を知らない人々がたくさんいる。それは彼らがバカだからでも失礼だからでもない。一般的な日本人と違う常識を持ってるだけのことなのだ。そりゃもちろん教育度の差があることもあるけどさ。

日本はもう一度世界を相手に戦う必要がある。日本は技術立国として世界と戦って来た。いい製品を作って売って来た。しかしそれらはコモディティとなり、生産コストの安い国に流れていった。コモディティ化を始めたのはもちろん日本だった。

コモディティではない新しい何か。それはイノベーティブな新製品かもしれないし、文化的な何かかもしれない。それらを世界に広げる、日本そのもののグローバル化。日本から広がるグローバリゼーションこそが今求められている。

移民や英語は、そのための重要なツールとなるであろう。

会話の途切れない友人

話を始めると止まらない相手というのがいる。趣味が同じだったり、妙に波長が合ったりして、どれだけ語り合ってもネタの尽きない相手というのがいる。そういう相手は貴重だがとても危険で、うっかりするとあっという間に時間が消えて行く。

でも大事にしたい。そういう話相手はたぶん、生涯の友となるであろうから。

そんな貴重な話相手の一人に、id:elm200 さんという人がいる。彼とは1年ほど前に出会い、昨年は1ヶ月近くうちに滞在してて、ほとんど朝から晩まで延々と議論を続けていた。

内容はというと、同じRubyを得意とするプログラマのはずなのに、Rubyの話がほとんど出てこない。なぜか社会構造や日本文化について語り合うことが多い。きっと興味の対象や問題意識が似てるんだろうな。

俺もニュースを見ては見解をここで述べて来たこともあって、いわゆるブロガーとしては「社会派」なんて呼ばれる事もある。常々日本社会を批判しているelm200さんとはやはり共通の問題意識が多い。

そのへんもあってか、俺も彼もいつの間にかライブドアのBLOGOSに記事が転載されるようになった。

彼との議論はストレスが無い。もちろん脳味噌はフル回転だが、問題を共通認識し、お互いの見解を述べ合い、そして解決を探る道程は、ただひたすら楽しい。ずっとふたりで雑談をするように議論を重ねて来た。幸福な時間。

そんなelm200さんと、今度久しぶりに会うことになった。ずっとUSCPAの勉強で忙しかったelm200さんがようやく解放されたのだ。

場所は東京、そう秋葉原リナックスカフェ。7月29日の昼過ぎごろから、そこでelm200さんといつものようにまったり議論を重ねる予定。どうせだからustreamで中継とかしちゃおうかなーとか考えてる。

俺たちの議論に参加してみたい、横から聞いててみたいという人がいたら、29日にリナカフェに来てみるといい。平日なので来れる人はそう多くなさそうだが。

当日の様子はtwitterでも。@koshian をフォローしといてください。

7月29日昼過ぎから、@elm200 さんと合同で「リナカフェなう」やります!

2010-07-10

「自然に任せる」は滅びの道だと知るべきだ

「ビタミンK与えず乳児死亡」母親が助産師提訴という記事。K2シロップの件というブログ記事とあわせてどうぞ。

いわゆるホメオパシーってやつだな。似非科学の代表のように扱われてる。似非科学というのは科学的(に見える)説明をしながら、科学としての体を成してないものをいう。ある程度の知識が無いと科学と区別がつかないので、ほとんど詐欺のような状態だ。

もちろん科学だけが正しいわけじゃない。だが本当に効果があるなら科学の皮をかぶる必要など無いし、科学が後から裏付けをとってくれることもある。

ホメオパシーは実際にそうやって科学が裏付け取ろうとして、プラシーボ効果と区別がつかないという結論まで出ているという話。

それでも信じたいという人は勝手に信じればいいと思うのだが、だからといって科学や医療でほぼ確実に生存できる方法が確立されてるのにそれを使わないというのは、いくらなんでも愚かすぎやしないだろうか。

どうも自然志向というのが広まっていて、できるだけ人工物に頼らず生きるのがよいという考え方があるようだ。

俺もオーガニック食品などは味が複雑なのもあってけっこう好きなのだが、こと医療に関してはまったく別の話だ。

我々人間のしてきたことを思い出せ。森を切り開き、畑を耕し、火を起こし、ビルをたてて都市を作って来た。その結果何が起きたか?

人間の平均寿命と生存率の圧倒的な上昇だ。

それは自然と戦って得た成果だ。人間の行いを悪く考える人は多い。だが自然とは人間が生き残るために戦う相手なのである。自然は優しくなんかない。自然はあるがまま、殺戮も捕食もするのである。

もちろん生き延びたから幸せだとは限らないし、生きるために動植物を殺すことや自然を破壊することへの罪悪感が強い人もいるだろう。

だからこそ環境問題は真剣に考える必要があるのだが、エコだエコだと言ってりゃいいってもんじゃない。きちんとした調査と結果の計測が必要なのである。そしてそのためのもっとも確度の高い手段は、魔術でも占いでもなく、科学なのだ。

高度に発達した科学は魔法と区別がつかないなんて言葉もあるし、普通の人には「何やってるかわかんないし無駄なもの」に見えるかもしれない。俺だってそんなに科学知識を持ってるわけじゃないから、気持ちはわからなくもない。

でもそれが我々完全ならざる人類が持ち得た最良の手段なんだよ。そう、自然と戦い、共生するための。

その事は理解してほしいと思う。

2010-06-06

タイ王国バンコク騒乱(3)、市民と戦争

世界で今起っていることという記事にタイのことが書いてあったので。

この記事では「和解した」と書いてあるが、別に和解したわけじゃないんじゃないかな。騒乱は落ち着いたものの、タクシン派と反タクシン派の争いは今後も続くだろうし、今も別の形で争ってるはずだ。

実はというと俺も先日まで日本にいた。バンコクの騒乱から逃げて来たといえば逃げて来たのだが、身の危険を感じたかというとそうでもない。

俺はシーロムという地区に住んでるのだが、たまたまスクンビットという場所にいたときに急激に暴動の範囲が広がってしまって、帰り道を塞がれてしまったのである。空港方面は平穏だったので、しょうがないからそのまま日本まで帰ってみたわけだ。

そんな中でも高速道路などを経由してスクンビットからシーロムへ行く豪の者も散見されたのだが、さすがに高速道路入り口の真下でデモやら銃撃戦やら行われてる所を通る勇気は無かった。

とはいえスクンビットの方は平和だったし、家のほうも銃撃戦のあったサラデーン交差点から500mほど離れてて、そう恐い状況でもなかったようだ。

シーロム地区は兵士がたくさんいたし、他の地区と比較しても安全性は高かったようで、他地区のようなコンビニの略奪等も起きてなかったらしい。いや店自体は閉まってたりしてたみたいだけども。

もちろんデモ集会の近くは治安も悪く騒音もひどかったみたいだけど、そこからほんの数百メートル離れただけで平穏だったり、数kmも離れれば別の国のように日常が過ごされている。そんな景色を目の当たりにすると、戦争というのはこういうものかという気分になる。

ベトナムのホーチミン市に行ったときもそうだった。やけに古いカフェなどがあってここは戦地ではなかったのかと思ったものだ。

自分が日本人で東京が焼け野原から甦った風景を知ってるからというのもあるのかもしれないが、どうも戦争というとすべてが焼失してしまうようなイメージがある。でもきっと実際はそんなひどい状況になるってことは珍しくて、ダメージを受けるのはこうして極一部、他は以前と変わらなかったりするんだろうな。

考えてみれば、東京も古いものいっぱい残ってるもんね。

集会周辺の地区では客の入りが悪くなった店舗たちが苦しんでいたり、閉店に追い込まれた店もあったようだ。けど街自体が破壊されたのは集会解散直後であり、主に略奪や放火など暴動によるものだった。

治安が悪い悪いと言われるが、土地勘さえあれば危険地区の情報は常にtwitterなどを通して入って来てたし、自分のいる場所が危なそうだったら食料を買い込んでひきこもっていた。正直、多少の恐さはあっても命の危険までは考えるほどじゃなかった。

集会場近くでベランダに出た人がスナイパーと間違われて撃たれたなんて話はあったし、自宅が危険地区になってて流れ弾に撃たれた市民などもいたようだが、基本的には出歩いてなければ安全そうだった。

コンクリートの建物の中にいればそこらの銃弾は貫通してこないし、グレネードランチャーが撃ち込まれたって死ぬまでいく人は少なかったし。さすがにロケット砲にはびびったけど。

もちろん集会場の近くでは強制排除の軍隊と銃撃戦が行われてたわけで、「まるでバンコクはルワンダのようだった」とつぶやいて帰った人もいたようだ。危険地帯は本当にそうだったみたいだけど、俺がいたところはあまりに平穏で実感がわかない。ほんの数km先なのにね。

バンコクはどうなったのかとよく聞かれるのだが、今のところ平穏と日常が戻って来たという印象だ。昨日は在タイ日本人オタクの会合があり、たくさんの人たちと平和にオタクトークをしてきた。

だがタクシン派と反タクシン派との争いが終ったわけじゃないし、今も場所を国会に移して様々な戦いが繰り広げられてるらしい。

今回のような用意周到で政府側が簡単に手を出せず、また政府側も下手を打ちまくってこじれるような状況は二度と無いと思うけど、デモはきっとたぶん来年も行われるんだろうな……。

もちろんデモ自体が今のところ収束してるので、そこらを歩いてて危険ということは無い。秋頃には放火されたセントラルワールドやそこに入ってる伊勢丹も営業を再開するらしい。

そしてあれだけ大規模なデモ集会をやった直後にまた同じような活動をする体力があるとも考えにくい。

というわけでしばらくは安心してていいんじゃないかなあ、というのが個人的な感想。

次のデモがこれ以上ひどくなるとは思わないのだが、デモの行われる地区が俺の住んでる場所や往き来する地区だと危ないことはあるかもしれない。極力早めに情報を仕入れて移動を避けたり、土地勘を深めるようなことはしていくつもり。

みんな外国の土地勘なんて無いからバンコク全土が大変なことになってると思ってるひとも少なくないけど、実際にはそんなことはない。激しい暴動が起きてた日に俺は日本へと向かったが、別に空港までの道は平穏だったし、コンビニで普通に買い物して行ったしな。

サイアムあたりで集会があってルンピニ公園あたりまで危ないけどシーロムにある家は別に平穏。でもアソークからシーロムに帰るルートが断たれちゃった。

俺のおかれた状況はそんな感じだったのだが、これを日本に例えると、

原宿あたりで暴動があって代々木公園あたりまで危ないけど新宿にある家は別に平穏。でも恵比寿から新宿に帰るルートが断たれちゃった。

これくらいの感覚かな? そんな状況でも上野や品川や池袋は日常だったりしてんのよね、恵比寿のほうまで戦火が広がりそうだったからとりあえず空港まで逃げたよって話。

そういうわけでそう心配するほどことじゃないし、無茶してるわけでもないよ、というのだけは伝えたくてね。しつこく3回もバンコク騒乱ネタを書いちまった。

みなさんご心配ありがとうございます。でも俺は元気に生きてるよ。

2010-04-25

タイ王国バンコク騒乱(2)、それでも市民は生きている

前回の記事のあと、うちの最寄駅であるシーロム通りのBTSサラデン駅にM79グレネードランチャーで爆発物が撃ち込まれた。

で、俺の日記を引いて「ほんの数日前はこんなのんきなこと言ってられたんだねえ」などという反応をいくつか頂いてたのだが、そういう意味じゃねえよ!ってところをもう一度書こうかと。

報道ではいまいちはっきりわからないだろうが、実際事件が起きたのはシーロム通りとラーマ4世通りの交差するサラデーン交差点で、その付近以外はいつも通り平和なのである。

事件当時、俺は所用でアソークというところにいたのだが、ここは現場から3〜4km程度しか離れてない。だがいつも通りのバンコクだったし、近くのソイ・カウボーイという繁華街はとても賑わっていた。

さすがにいつ撃ち合いが始まるのかわからない状態だった上に、事件のあった交差点が帰り道だというのもあって、シーロムに帰るのは断念したけどね……*1。まあそれもシーロムで家にいる分にはそんな恐くもないし、昼間は暑くてみんな動かないので平和だったり。

というわけで本日晩飯を食いに出たついでにシーロムの様子を写真におさめて来たのでご覧あれ。

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シーロム通りにある繁華街パッポン通りへの入り口付近。歩道に兵士が歩いてるのが見えるが、観光客向けの土産物屋台などが出ている。

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パッポン通り。いつもはここに大量の屋台が並んでるが、さすがにそれは出てない。軍か警察の車両がとまってるが、各店舗は煌々とネオンをきらめかせている。

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同じくパッポン通り。

人出もいつもほどじゃないがけっこういるのがわかる。

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こちら爆発物が撃ち込まれたBTSサラデーン駅。さすがにここから先に行くのはちょっと恐い。しかし俺にはやらねばならんことがある。

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サラデーン駅の下からラーマ4世通りとの交差点方面を見た様子。車が流れて来てるのを見ると、まだ封鎖はされてないようだ。いまならだいじょうぶだな……。

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駅の真横を通る日本人向け歓楽街タニヤ通りへと俺は歩を進めた。この先に重要な用事があるのだ。

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タニヤと並行に走る裏の小路。この先にサラデーン駅が見える。まさにこの場所に爆発物が撃ち込まれたのだそうだ。ここからシーロム通りに出るのは本気で恐いので行かない。俺の用事はこの写真に映る、日本人には見慣れた店舗にある。

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牛野家キムチ豚丼へ到達。そう、これを食べるためにここまで来たのである! 日本の牛丼と違ってごはんが見えないくらいちゃんとお肉が乗ってるというただそれだけで評価するね、俺は。

ああ食った食った。イムレーオ(おなかいっぱい)。

本当に重要なのは、複数の情報源を集めること

報道だけ見てるとタイ全土が戦争状態のようにも見えるだろうし、俺の日記だけ見てたらたいしたことないんじゃねーかとか思ったりもするだろう。

それはたぶんどちらも間違いだ。

重要なのは複数の情報を総合して考えること。俺にできるのは現場にいる人間として情報源の一つになること、他のシーロムの知り合いや友達のtweetをRTすることくらいだ。答えは自分自身が自己責任で出すしか無い。

こちらにUDDが占拠してる場所の地図画像が載っている。決して小さくは無いがそれほど大きくもない。多少土地勘のある人間なら充分避けて通れるだろう。

この地域以外でも爆発物騒ぎなどは起きてはいる。さきほどバンハーン元首相の邸宅に爆弾攻撃などもあったが、観光地やホテルが狙われることはまず無いだろうし、我々外国人が多数いる場所で武器が使用されるような事態にはならないと思ってる。

自分が住んでる場所のすぐそばで爆発物が撃ち込まれるとなるとさすがにびっくりしたけど、自分のアパートが直接狙われるわけじゃないのでそんなに心配はしてない。夜間はいつ衝突が起こるかわからないんで、移動は恐いけどね。ひきこもってる分には安全だろう。

実際ね、メディアの報道だけ見てるとバンコクが恐くてしょうがないのも理解できる。なんせタイ人ですらシーロムは恐いから行きたくないとか言うんだもん。いや昼間なら来てみりゃ別にどうってこたないんだけど……。あいつらもシーロムの状況はメディアでしか知らないからなあ。

今回の件でよくわかったのは、現場からほんの数百メートル離れただけで全然街が違ってるということ。数kmも離れたら別の国のように平和だってこと。

戦争というとベトナム戦争のような悲惨なものばかり思い浮かべちゃうけど、実際はこんなもんなんだろうね。誰も死にたくは無いものな。

*1:避けて通るルートもあるんだけど、タイ語でタクシーにうまく説明する自信が無かった……

2010-04-20

タイ王国バンコク騒乱、しかし市民は生きている

先月の日本滞在では様々な人に会えて楽しかった。みなさんありがとうございました!

さてバンコクに帰ってきたら帰ってきたでいろいろどたばたしてたのだが、ちょっと落ち着いて来たので久しぶりに日記を書こうかと。

このご時勢、日本ではタイがずいぶんと荒れているように報道されてるようで、ご心配をおかけしてしまっているようである。実際荒れてはいるんだけど、まあそんな心配するようなこともないよ、というあたりはtwitterなどで繰り返し発言してきた。

今回はちょっと写真などまじえて、タイ王国首都バンコクの様子をお知らせしようかと。

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こちらは先日行われたタイの旧正月、ソンクラン祭りという水掛け祭りの様子。この国の人たちに非常事態宣言など出したところで、お祭りを楽しむことをやめさせることなんてできやしない。

顔が白くなってるのはパウダーを水で溶かしたもの。ソンクランの3日間は普通に道を歩いてるだけで「サワディ・ピーマイ(あけましておめでとう)」という言葉とともに水をかけられ、顔にパウダーを塗りたくられるのである。

やられっぱなしじゃ悔しいのでこちらも水鉄砲を装備し、きっちり「お礼」をする。

確かに赤シャツ軍団(ニュースだとUDDって名前になってるかな?)の集会が行われてる近辺は軍や警察が武装して強制排除に来るので危険なのだが、そこらは封鎖されててそもそも入れなかったりする。

そもそも集会ったってライブ会場みたいなの作ってホントにライブしてたり演説してたりするだけなので、別にそれ自体が危険なわけじゃない。デパートなどがある商業地区を占拠してやってるから、市民生活の邪魔だし、警察や軍が動かざるを得ないだけなのである。

ソンクラン前の12日には、アビシット首相の自宅の前に多勢の赤シャツ軍団が押し寄せたのだそうだが、何をしたのかと言えば水掛けあって遊んでたのだそうだ。

実に平和な国である……。

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ソンクランが明けた月曜日。バンコク最大の歓楽街にしてビジネス街であるシーロムに、騒乱を起こしてる赤シャツ軍団がやってくるとの情報が入り、タイ軍が配備された。

とはいえ兵隊さんたちが大量にいるところにノコノコやってくるお馬鹿さんはいないので市民はそこまで不安がってはいなさそう。この軍用車をバックに記念写真を撮ってる人もいた。

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こちらは本日のシーロム通りにある市場の様子。さすがに今日は事前に赤シャツ軍団突入という知らせがあったので人出もお店も半分以下。

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こちらはシーロムのソイ(小路)にたむろする兵隊さんたちの様子。

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でもちょっと目先を変えるとみんな普通に生活してる。兵士がうろうろしてる以外はホントにみんな普通に生きてる。

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こちらはシーロム通り、バンコク銀行の対面にあるカシコーン銀行の前で、市民と兵士が雑談をしてる様子。

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同じくカシコーン銀行のATM前。警察がテントを張って水や食料を備蓄している。

この他、TL上にはシーロム通りの入り口のほうの写真もあげてくださる人たちもおり、鉄柵で囲まれてるのがよくわかる。

事態は流動的ではあるが、さすがにこれだけ守り固められてて攻められるということもないだろうなあ。戦わぬための武力とはよくいったもので。実際20日のシーロム突入はあきらめたという情報が午前中には流れていた。

もちろん市民が仕事をしたり生活をしたりする場所を占拠してる以上、武器を使った強制排除も行われてるし、死人も出てはいる。頭部を撃たれ、脳漿を飛び散らせて倒れる赤シャツの映像もYouTubeで見たし、そういった流れ弾にあたって亡くなったジャーナリストがいらっしゃった事も知っている。カオサン通りでの衝突は多くの外国人旅行者を巻き込んだことも。

しかしそういった事変の舞台となったごく狭い地区以外では、市民たちはごく普通に生活しているのだ。たとえ上野公園で大規模テロがあっても新宿は平和だろうし、日暮里あたりも平然としてるのではないか。

いま俺の住んでるシーロムは、その事変の舞台になるかならないかの狭間にいる。多少の不安はあるが、そこまで心配してはいない。

だってねえ。そんなもんに巻き込まれる外国人より交通事故で怪我したり死ぬ人のほうがはるかに多いんだってばよ、この国は……。