狐の王国

2008-08-31

「信じる力」が足を前に踏み出させる

この世の中、断言できる事などごくわずかだ。偉大な哲学者であるヴィトゲンシュタインは、それでもたった7つではあるが、断言して見せた。逆にこうも言う。

他方、本書に表された思想が真理であることは侵しがたく決定的であると思われる。それゆえ私は、問題はその本質において最終的に解決されたと考えている。そしてもしこの点において私が誤ってるのでなければ、本書の価値の第二の側面は、これらの問題の解決によって、いかにわずかなことしか為されなかったかを示してる点にある。

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「いかにわずかなことしか為されなかったか」。ヴィトゲンシュタインほどの哲学者をもってしても、たったこれだけしか語り得なかったということに、始めて本書に触れた20代の俺は愕然とした。

それからしばらくたって、俺はいかに「断言する」かを考えるようになった。どうせ明晰に語り得ることなど極々わずかなのだ。しかしおおよそ間違いないことや、自分がそう感覚したこと、自分が「信じる」と決めたことなどは、断言するようにした。

そうでなくては、前に進めないからだ。

いま歩んでる道は間違えてるかもしれない。さっきの分岐点は、逆を行くべきだったかもしれない。しかしそれは考えても始まらない。

いやわかってる。四角に見えたものも角度を変えれば丸に見えるかもしれない。でも今必要なのはそれが丸である可能性を論じることじゃなく、四角に見えたと発言することなんだ。

不安はいつもある。それをかき消す力は、「信じる」ことでしか生まれない。だってヴィトゲンシュタインですら、たった7つしか明晰に語り得なかったんだぜ? 俺らごときにどれだけ間違いないと言えるものを持てるっていうんだよ。もう、それは信じるしかないんだ。

日本のオバマになるべき人がもしいたら、間違いなく2ちゃんねらやってるだろうなという話という記事。

2ちゃんねるというのは、そういう社会の最前線の中で中核を担っている世代の声を代弁している側面もあって、その世代が自分の皮膚感覚に添って組織を動かせていないジレンマが噴出している場所であるようにも思える。

その世代全員がネットの全てを是としているわけではないだろうが、少なくとも、何が変化しているのかはつかんでいる。そして、集中したメディアに対応してできた社会の権力構造が、それに対応できないこともわかっている。

日本のオバマになるべき人がもしいたら、間違いなく2ちゃんねらやってるだろうなという話 - アンカテ

2ちゃんねるは俺も嫌いじゃないし、けっこう見に行く。だが決定的に行動力が足りないなと思うこともある。まれにゴミ掃除やら被災地への救援物資やら行動を起こす源動力になったりもしてて、俺も微力ながら参加(といっていいのかもわからんほどほんのちょっとだけども)させて頂いたこともあるのだが、そういった時に決まって出てくるのがこのフレーズだ。

しない善よりする偽善

この言葉自体は素晴しいと思うんだが、そうやって少し斜めに見てやらないと行動できないのがもどかしく思う。

いや、気持ちはわかる。信じろと言われた事は裏切られ、信じてる人間ほど騙されてるのを見てるんだろう。

       いいか、みんな
        (゜д゜ )
        (| y |)

      信じる者と書いて信者
       信  ( ゜д゜)  者
       \/| y |\/

    二つ合わされば儲けるとなる
        ( ゜д゜)  儲
        (\/\/

 つまり儲けるには多くの信者が必要と言うことだ
        (゜д゜ )
        (| y |)

これはよく2chで見掛けるコピペだ。

これだけじゃなく「信者」という言葉は2chじゃもはやダメな人の代名詞。信じたら負けなんだろう、彼らの価値観では。

疑うのと信じるのとは交互に行われなければまったく意味が無い。疑ってばかりでは何も行動できなくなるし、信じるだけでは間違いを見付けられない。

なんでもいい。自分が信じられないなら他人を信じればいい。他人が信じられないなら自分を信じればいい。過去の人物でも伝説上の人物でもラノベの登場人物でもその一部でもなんでもいい。

とにかく信じて、前に進む事を考えよう。考えるべきは疑うことじゃない。どうやって一歩前へ、歩き出すかだ。

アニメとともに「生き残りたい!」と叫ぶ

最近、アニメファンの間で「マクロスフロンティア」という作品が人気である。四半世紀ほど前に作られた「超時空要塞マクロス」と時系列的に繋がっており、そのおよそ50年後を舞台にしている。我々団塊ジュニア世代には、小中学生の頃夢中になった「マクロス」の正統な続編ということもあり、ネットでもよく話題になっている。マクロスを見ていなかった俺でも、主役メカである「バルキリー」のプラモデルを組み立てていたくらいの大ヒット作だった。

その「マクロス・フロンティア」のストーリーは、総人口1000万人規模の宇宙移民船団が未確認の宇宙生物「バジュラ」に襲われ、主人公たちが立ち向かうというSF物語。ただマクロスシリーズの伝統として、「歌」と「男女の三角関係」がキーワードになる。

歌がストーリーの中心的役割を果たすだけに、オープニングやエンディング、劇中歌などはさすがに気合いが入っており、オリコンでも上位に食い込んでいる。特に劇中でトップシンガーという設定のシェリル・ノーム役は、芝居と歌で別の人物を起用し、歌は実力派のMay'nが担当している。

そんな「マクロスF」の主題歌が変更され、「ライオン」という曲になった。劇中、主人公と三角関係を築いていく二人の歌姫、ランカ・リーとシェリル・ノームが、デュオで歌いあげる楽曲だ。

前主題歌「トライアングラー」に比べるとインパクトも耳への残音も少ないこの曲だが、何度か聞いてるうちにサビの「生き残りたい 生き残りたい」という言葉がやけに響くようになってきた。

さらに歌詞を読み込みながら聞いていると、なぜか、涙が溢れてきた。

生き残りたい
生き残りたい
まだ生きてたくなる
星座の導きでいま、見つめ合った
  
生き残りたい
途方にくれて
キラリ枯れてゆく
本気の身体 見せ付けるまで
私 眠らない
http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=B30017

我々団塊ジュニア世代は、「戦争を知らない子供たち」から生まれ、「飽食の時代」に育ってきた。そんな我々にとって、「生き残りたい」という言葉はもっとも縁遠いはずだ。縁遠いからこそ、響くのだろうか。

もちろんアニメのストーリー展開にマッチしてるというのもある。移民船団は「バジュラ」によって滅亡の危機に瀕し、人間とバジュラの生存競争といってもいい展開になっている。

だがそれだけでここまで自分の中に響いて来るとも思えない。

ちょっとブログサーチをかけてみると、どうも若い世代のほうがより強く響いてるようにも見える。

マクロスの新OPのライオンから。この部分がすごいいいっ!

聞いてて危うく泣きそうになる(笑

Sky Tears 生き残りたい 生き残りたい まだ生きてたくなる

「ライオン」の歌詞に 生き残りたい まだ生きていたい というフレーズがあるんです。

最近人の生死に関する報道や、アニメでも人が死ぬていう話が多いからか

凄い胸に来ます。

生き残りたい|LittlePromise ..。o○☆*

そういえばそうだ。我々はイラク戦争を間接的にとはいえ経験してしまった。バカな行為もあったとはいえ、イラクで邦人が拉致されたり殺されたりもした。アフガニスタンでも先日、若い日本人が命を落した。チベットの暴動はもはや日本人にとっても他人事ではないことを、一部の若者たちは知ってしまっている。

国内でも地下鉄サリン事件通り魔事件を通過し、比較的平和になったせいで報道が増えた殺人事件のニュースは日々我々を不安に陥れている。

栄華を極めた日本経済が凋落していく中で生まれ育った世代は、「戦争を知らない子供たち」や「飽食の時代」とはまた違う感性を持っているのだろう。

生き残りたい
埋まらない傷
光 恐れてた
許されたい生命がいま、引かれ合った
 
(中略)
 
生き残りたい
がけっぷちでいい
君を愛してる
目覚めた生命がいま、惹かれ合った
http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=B30017

この「埋まらない傷」や「がけっぷちでいい」という言葉に、ものすごい重さを感じる。それは本編の激しさを物語るだけでなく、日本の若者がいま抱えるものが表現されてるように感じた。

若い世代の人間と話すことも多いのだが、意外と保守的な人が多い。企業の人件費削減で給料が上がらない中、「これじゃ好きな人を守れない」と結婚に二の足を踏む人もけっこういるようだ。先日話題になった年収が低くて結婚に憂鬱な人の独白も、けっこう共感する人がいたようだ。

今の日本に「安心できる未来」が無いのは、みんなが感じてる事だろう。経済的にも国防的にも不安がくすぶっている。「埋まらない傷」を抱え、「がけっぷちでいい」から「生き残りたい」、せめて愛する人と共にありたい。そう願う若い世代の気持ちが、この楽曲と「マクロスF」にダブって見える。

アニメのストーリーも佳境に入った。せめて作品世界では、ハッピーエンドを迎えて欲しいものだが……。

ライオン

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