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2011-08-29 電力自由化という壮大な詐欺

電力自由化という壮大な詐欺

| 11:25 | 電力自由化という壮大な詐欺を含むブックマーク 電力自由化という壮大な詐欺のブックマークコメント

福島第一原発事故による損害で、東電倒産するかもしれないと考えたとき、

首都圏の電力を代わりに供給する会社が参入できるようにするための送電分離や、

自由競争によって「実は発電コストが高い原発」が次第に使われなくなるよう、

多数の電力企業会社が新規に参入できるようにするための電力自由化ということを考えたことがあった。

送電分離と電力自由化は、そもそもソフトバンク孫社長提唱していたように思う。

各家庭がソーラーパネルで発電して、スマートグリッドで売電する売電権を持つべきだと。

しかし、電力自由化世界各国で行われて、そして、今日本で起きているのとはくらべものにならない

腐敗構造を作り出した歴史があることの教訓を忘れてはならない。

かつて粉飾会計倒産したエンロンのような多国籍企業電気水道パイプラインの超巨大企業だった。


電力を規制緩和によって自由化した結果として、第二のエンロンのような多国籍企業日本の電力市場に参入してきた場合

どういうことがおきるのだろう。ヒントになる部分を引用してみる。


多国籍企業政治的理由などによってすべての発電施設を停止させることができるので、

 その結果、政府はなんの手出しもできぬまま経済システム重要部分が切断されてしまう。

 カナダケベックでは、米国民間企業希望する電力料金になるまで発電所を停止した。

 ドミニカ共和国でも、複数の米国企業が電力供給を止め、債務の履行をドミニカ政府強要した。


日本では輪番停電戦後初だと言われていたが、アメリカでは2001年1月に地域ごとの輪番停電

 行われている。その理由は電力供給事業者市場支配力を行使して価格を吊り上げるためだった。

 2001年1月28日には49の発電所が運転を停止していたという。

 停電がおきたのは、公益企業側が倒産をちらつかせて料金支払い者の金による100億ドル

 緊急援助を求めたのに成功せず、買電代の支払いを停止すると決定したあとのことだった。

 翌日、はじめての停電があり、その翌日も停電が起きると、電力購入費として4億ドルの州予算を追加

 するという知事の緊急要請を州議会承認した。すると停電は終わった。


エンロンは電力を州外の第三者に売り、次にわずかな価格上乗せで買い戻して上限価格をこえる価格

 カリフォルニアに売りつけた「メガワットロンダリング」。アビスタ社はエンロンポートランドゼネラル

 の間に仲介人と立つことで直接取引すれば違法となる売買を成立させたことを認めた。


・これらの戦術を駆使したのはエンロン社だけではない。エクセルエナジー社、ミラントエナジー社なども

 送電網混雑を偽装して、電力料金を吊り上げた事実を認めている。


規制緩和された民営公益企業は、利益のために点検の回数を減らしている。必要ではあるが緊急性のない修理は延期、

 ことによると無期延期される。


カリフォルニアでは電力危機が出現するにつれ、公営電力を支持する声が高まった。1999年には

 全米各地で公営公益企業電気料金は民営公益企業より平均18パーセント安かった。

 しかしその声は封殺された。のちにエンロン破綻したとき、司法省証券取引委員会による

 調査とならんで、連邦議会でも11の委員会が設置されたが、司法長官および検事当局の全員が

 調査担当を辞任しなければならなかった。彼らの多くが現在あるいは過去においてエンロンあるいはその社員

 とつながりを持っていたからだった。

 カリフォルニア州エンロンロビー活動に34万5000ドル以上をつぎこみ、グレイ・デイビス知事への

 9万7500ドルを含む43万8155ドル政治献金に当てた。元州議員公益事業委員会の当局者たち、

 それにマッキンゼー社のコンサルタントだったジェフ・スキリングを雇い、トレーディング事業を立ち上げた。

 

温室効果ガスの排出権を売買していたエンロンは、大気汚染防止のため規制を強化するようロビー活動を行った。

 地球温暖化に対するエンロン姿勢は、地球を救いたいという願いよりも排出権取引利益をもたらすだろう

 という期待のほうに力点があった。


規制緩和によって自由化された電力市場に入ってくるのは、電力や排出権を先物のように取引するかつてのエンロン

多国籍企業だろう。自由市場規制緩和を推進させて市場はいってきた後は、ロビー活動政府に介入し

自由競争の利点を称えながら競争を避けるために市場を操作し、支配していく。支配した後は倒産停電

ちらつかせて価格をコントロールし、エネルギー取引の架空売買、「メガワットロンダリング」のような手法

を使いながら、アーサー・アンダーセン社のような会計事務所から会計操作のアドバイスを受け、

自身はタックスヘイブンに身をおいて税金規制当局による詮索から身を逃れるわけである

一番重要なのは、電力が価格競争市場になればなるほど、安全性よりも利益が重視され、必要な保守点検などは

行われなくなるだろうということである。そこでは原子力発電所価格操作のための小道具に使われるかもしれない。

そしてもちろん、安全性の審査よりも、利益が優先されるだろう。


こうしたリスクに対して、何らかの対応策が十分そろわない限りは、

電力の自由化や送電分離は、電事連という既存の利権小集団を駆逐する代わりにエネルギーコングロマリットという

一層巨大な超巨大利権勢力に日本が喰い尽くされることになる見込みが強い。

それを踏まえてどういう未来が望ましいか、その為に足りないものが何なのかを議論したほうがいいと感じた。


参考:

東日本大震災回避されたこと

http://d.hatena.ne.jp/himaginary/20110826/biggest_threat_for_urbanisation

努力しない人を国家が救済すべき14の理由

http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20081214/p1

民主党代表選の「真の敗者」はもちろん脱原発

http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20110901/1314837700

送電分離のメリット

http://1000nichi.blog73.fc2.com/blog-entry-947.html

送電分離には大賛成

http://d.hatena.ne.jp/yamada-home/20110517/1305639005

東電は発電と送電を分離せよ

http://agora-web.jp/archives/1290994.html

原子力はチャンスだよ

http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20110904/1315116898

2つのレベルで復興を考える・『思想地図β vol.2』を読んで

http://d.hatena.ne.jp/morningrain/20110904/p1

発電・送電分離問題、エネルギー庁のサンドロー次官補に聞いてみた

http://hmatsuura.iza.ne.jp/blog/entry/2323563/

電力自由化問題点1 〜イギリス場合

http://1000nichi.blog73.fc2.com/blog-entry-967.html

「旧来右翼」に過ぎない正体を露呈したノビー池田信夫

http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20111002/1317514440

原発反対派の信用は既にゼロに等しい

http://d.hatena.ne.jp/kyoumoe/20111128/1322480916