2011-08-29 電力自由化という壮大な詐欺
電力自由化という壮大な詐欺
IT産業と経済 | |
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- 作者: シャロン・ビーダー,高橋健次
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2006/04/21
- メディア: 単行本
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福島第一原発事故による損害で、東電が倒産するかもしれないと考えたとき、
首都圏の電力を代わりに供給する会社が参入できるようにするための送電分離や、
自由競争によって「実は発電コストが高い原発」が次第に使われなくなるよう、
多数の電力企業会社が新規に参入できるようにするための電力自由化ということを考えたことがあった。
送電分離と電力自由化は、そもそもソフトバンクの孫社長が提唱していたように思う。
各家庭がソーラーパネルで発電して、スマートグリッドで売電する売電権を持つべきだと。
しかし、電力自由化は世界各国で行われて、そして、今日本で起きているのとはくらべものにならない
腐敗構造を作り出した歴史があることの教訓を忘れてはならない。
かつて粉飾会計で倒産したエンロンのような多国籍企業は電気水道パイプラインの超巨大企業だった。
電力を規制緩和によって自由化した結果として、第二のエンロンのような多国籍企業が日本の電力市場に参入してきた場合、
どういうことがおきるのだろう。ヒントになる部分を引用してみる。
・多国籍企業は政治的理由などによってすべての発電施設を停止させることができるので、
その結果、政府はなんの手出しもできぬまま経済システムの重要部分が切断されてしまう。
カナダのケベックでは、米国の民間企業が希望する電力料金になるまで発電所を停止した。
ドミニカ共和国でも、複数の米国企業が電力供給を止め、債務の履行をドミニカ政府に強要した。
・日本では輪番停電は戦後初だと言われていたが、アメリカでは2001年1月に地域ごとの輪番停電が
行われている。その理由は電力供給事業者が市場支配力を行使して価格を吊り上げるためだった。
2001年1月28日には49の発電所が運転を停止していたという。
停電がおきたのは、公益企業側が倒産をちらつかせて料金支払い者の金による100億ドルの
緊急援助を求めたのに成功せず、買電代の支払いを停止すると決定したあとのことだった。
翌日、はじめての停電があり、その翌日も停電が起きると、電力購入費として4億ドルの州予算を追加
するという知事の緊急要請を州議会は承認した。すると停電は終わった。
・エンロンは電力を州外の第三者に売り、次にわずかな価格上乗せで買い戻して上限価格をこえる価格で
カリフォルニアに売りつけた「メガワット・ロンダリング」。アビスタ社はエンロンとポートランドゼネラル社
の間に仲介人と立つことで直接取引すれば違法となる売買を成立させたことを認めた。
・これらの戦術を駆使したのはエンロン社だけではない。エクセルエナジー社、ミラントエナジー社なども
送電網混雑を偽装して、電力料金を吊り上げた事実を認めている。
・規制緩和された民営公益企業は、利益のために点検の回数を減らしている。必要ではあるが緊急性のない修理は延期、
ことによると無期延期される。
・カリフォルニアでは電力危機が出現するにつれ、公営電力を支持する声が高まった。1999年には
全米各地で公営公益企業の電気料金は民営公益企業より平均18パーセント安かった。
しかしその声は封殺された。のちにエンロンが破綻したとき、司法省や証券取引委員会による
調査とならんで、連邦議会でも11の委員会が設置されたが、司法長官および検事当局の全員が
調査担当を辞任しなければならなかった。彼らの多くが現在あるいは過去においてエンロンあるいはその社員
とつながりを持っていたからだった。
カリフォルニア州でエンロンはロビー活動に34万5000ドル以上をつぎこみ、グレイ・デイビス知事への
9万7500ドルを含む43万8155ドルを政治献金に当てた。元州議員や公益事業委員会の当局者たち、
それにマッキンゼー社のコンサルタントだったジェフ・スキリングを雇い、トレーディング事業を立ち上げた。
・温室効果ガスの排出権を売買していたエンロンは、大気汚染防止のため規制を強化するようロビー活動を行った。
地球温暖化に対するエンロンの姿勢は、地球を救いたいという願いよりも排出権取引が利益をもたらすだろう
という期待のほうに力点があった。
規制緩和によって自由化された電力市場に入ってくるのは、電力や排出権を先物のように取引するかつてのエンロン型
の多国籍企業だろう。自由市場と規制緩和を推進させて市場にはいってきた後は、ロビー活動で政府に介入し
自由競争の利点を称えながら競争を避けるために市場を操作し、支配していく。支配した後は倒産や停電を
ちらつかせて価格をコントロールし、エネルギー取引の架空売買、「メガワット・ロンダリング」のような手法
を使いながら、アーサー・アンダーセン社のような会計事務所から会計操作のアドバイスを受け、
自身はタックスヘイブンに身をおいて税金や規制当局による詮索から身を逃れるわけである。
一番重要なのは、電力が価格競争市場になればなるほど、安全性よりも利益が重視され、必要な保守点検などは
行われなくなるだろうということである。そこでは原子力発電所は価格操作のための小道具に使われるかもしれない。
そしてもちろん、安全性の審査よりも、利益が優先されるだろう。
こうしたリスクに対して、何らかの対応策が十分そろわない限りは、
電力の自由化や送電分離は、電事連という既存の利権小集団を駆逐する代わりにエネルギーコングロマリットという
一層巨大な超巨大利権勢力に日本が喰い尽くされることになる見込みが強い。
それを踏まえてどういう未来が望ましいか、その為に足りないものが何なのかを議論したほうがいいと感じた。
参考:
http://d.hatena.ne.jp/himaginary/20110826/biggest_threat_for_urbanisation
http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20081214/p1
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20110901/1314837700
http://1000nichi.blog73.fc2.com/blog-entry-947.html
送電分離には大賛成
http://d.hatena.ne.jp/yamada-home/20110517/1305639005
http://agora-web.jp/archives/1290994.html
脱原子力はチャンスだよ
http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20110904/1315116898
2つのレベルで復興を考える・『思想地図β vol.2』を読んで
http://d.hatena.ne.jp/morningrain/20110904/p1
発電・送電分離問題、エネルギー庁のサンドロー次官補に聞いてみた
http://hmatsuura.iza.ne.jp/blog/entry/2323563/
http://1000nichi.blog73.fc2.com/blog-entry-967.html
- 15 http://t.co/5djzCLa
- 14 http://babelfish.yahoo.com/translate_url_load?lp=ja_en&trurl=http://d.hatena.ne.jp/Kow/20080906?keepThis=true&TB_iframe=true&keepThis=true&TB_iframe=true&sig=n1HfDUmzwQn1yp_8nb8Hew--
- 11 http://electric-fence-for-dogs.net/
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