さらば、ライカ

『さらば、ライカ』は2005年3月に出版されセンセーションを巻き起こした(?)田中長徳先生の一冊。クラカメの伝道者・長徳先生もライカを捨ててデジタルへ宗主替えか、と。裏切られたような気持ちのライカ信者も多かったことでしょう。
ちょうどその年の1月に私はライカのM3を買いました。これは、私が背伸びをしたのではなく、あの伝説のM3が私の手の届くところまで落ちてきたことを意味するのでしょう。
それから2年11ヶ月に、通したフィルム約250本、切ったシャッター約10000回(ちょっとサバ読み)。
私が手にした時、すでに「並」品だったこのカメラは、その年の冬には裏蓋つまみがルーズになるし、翌年には気がつかないうちにアクセサリーシューのネジが抜け落ちているし、と満身創痍の兆候が顕著になっていきました。今年は、私が忙しいことや、スナップ中にトラブルがあったことで、あまり使ってやる機会がなくて、まだ40本ほどしか撮っていません。
昨日はよく晴れたスナップ日和でした。半月ぶりにフィルムを入れたら・・・なんと、カウンターがリセットされない状態に! しかもカウンターがフリーズしているじゃないですか。
ほっておいて、すまなかった・・・
まあ、修理に出せばいいだけなんですけれど。カウンターなんかなくったって、写真は撮れるんですけれど。
でも、この先、現在の社会状況でどれだけこのカメラを使う機会があるのだろうかと、ふと思ったわけです。
そんなんで、この際だからと、中野の中古屋さんにレンズから何から全部売ってきてしまいました。もうMマウントもLマウントも使わないだろうって考えたからです。不憫なライカM3は、私のところへ来た時の1/6の評価額で引き取られていきました。このご時勢で、いったいこのカメラは再びシャバへ出ることがあるのだろうかと、後ろ髪を引かれる思いではありましたが・・・
今はきっと長徳先生よりも私の方が、この言葉を言うのにふさわしいでしょう。
さらば、ライカ



渋谷 2004/10/31
Minolta α-7 + AF 50mm/F1.7
Kodak T-MAX3200@3200, TMAX(1:4)

写真はライカのじゃなかったりして・・・ 
でも、撮り方はいっしょで、マニュアルフォーカスの露出は勘でした。
当時は、こういう写真を撮っていたから、ライカというカメラに向かって行ったのでしょう。