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「お世辞をいうのは、愛情のない証拠です。お世辞をいうぐらいなら、皮肉をいってあげた方が愛情です」(川島雄三)

2016-03-31

Kurobaku2016-03-31

[]その他の3月に見た映画(下)

珍遊記(日:東映ほか2016 山口雄大監督)→つまらないけど、この程度で最低とは思わないぞ。もっとヒドい映画は北村龍平の『ルパン三世』とかたくさんある。最低映画の確信犯は、真の最低映画にはなれない。わかるかな?(『ピンク・フラミンゴ』は除く) それにしても松山ケンイチはいつまでマンガのキャラクターをやり続けるのだろう。ちょっとは仕事を選べ、とは言わない。こうなったらマンガキャラを最も多く演じた俳優としてギネスブックに載るまでとことん突きつめてもらいたい。いっそ『テラフォーマーズ』も『暗殺教室』も『アイアムアヒーロー』もマンガものは全て松山ケンイチにやらしてほしかった。あと三蔵法師を演じた倉科カナがちょっといい感じ。


『オートマタ』ブルガリア、米、西班牙、カナダ2014 ガベ・イバニェス監督)→放射能によって滅び行く人類と、人工知能搭載のロボットが新しい人類として生き延びていく未来を示唆する終末SF。オープニングの、人類とオートマタの歴史をダイジェストにした映像の作り込みの丁寧さに驚くも、本編に入ると『ブレードランナー』やら『A.I.』やらをすぐ想起。どうしてもこの手のSFは先にやりつくされてて、既視感の域を出ないのが残念だ。むしろSFというよりは、企業に雇われた始末屋の登場や廃工場での銃撃など、70年代アメリカの犯罪バイオレンス映画の匂いに監督の個性を感じる。あとバンデラスの元嫁はん、メラニー・グリフィスが重要な役のように出てくるが、さあこれから出番だと思ったとたん、あっけなく退場するのにワロタ。


『ロブスター』アイルランド、英、ギリシャ、仏、和蘭、米2015 ヨルゴス・ランティモス監督)→義務づけられるとできなくて、禁止されるとできてしまう。恋とはまことにやっかいなもの。さらに最後には本当の愛、究極の愛ってなぁに? というところまで追及されてしまうSF風味の寓話、もしくはオフビートコメディ(?)。陰険なレア・セドゥ、愛らしいレイチェル・ワイズがよかった。それにしても山に潜む革命分子って、いつの時代の感覚だ。


『胸に輝く星』(米1957 アンソニー・マン監督)→『サイコ』以外のアンソニー・パーキンスは初めて見る気がする。頼りない新任保安官を演じていた。ヘンリー・フォンダが荒くれた賞金稼ぎで最初出てくるが、どうも不似合いだと思ったら、やっぱり物語が進むにつれ家庭的なリベラル人になっていった。そのあたりがどうも古くさい西部劇に感じられて、もの足りない。ネビル・ブランド、リー・バン・クリーフが若いなあ。


『ザ・シャーク』(米、メキシコ1969 サミュエル・フラー監督)→悪党たちが沈没船の中の黄金を狙うも、その海域には凶暴なサメがいて邪魔される、という海洋トレジャーもの。水中撮影は動きがスローモーになるので、どうしても見ていて退屈になる。そのうえ、撮影中にダイバーがサメに殺されるという事故があり、さらに強欲なプロデューサーによって編集を滅茶苦茶にされたとフラーは怒っている。それでもフラーらしいヘンテコな部分はけっこう残っていて、例えばバート・レイノルズが逃げる子供を捕まえるのに、明らかに屋台にダイビングしている変なアクションがあったり、桟橋を歩く場面で突然超ロングショットが入ったりする。最後のどんでん返しも立て続けに2回もあるので苦笑してしまう。確かに災難続きだったかもしれないが、たぶん意図通りに作っていたとしても、いつものフラーのヘンテコ映画になっていたと思う。


×『椀』(日:日大芸術学部新映画研究会1961 足立正生監督 ※16mm、25分の短編)

×『鎖陰』(日:日大芸術学部新映画研究会ほか1963 足立正生監督 ※35mm、56分の短編)

シネ・ヌーヴォでやった「足立正生と断食芸人」という特集から、足立の大学時代の短編を見た。こういうのもそのうちデジタル化されて、フィルムで見られなくなったら嫌なので、今のうちに見ておく。『椀』はチラシの解説にあるように地方の土着的因習から逃げ出そうとした男が村落共同体に捕まってしまうという内容。『鎖陰』の方は、えーっと、なんだろう、これ(笑)。タイトルは女性の処女膜や膣、子宮などが閉鎖している状態のことらしいが、一種のハッタリに思える。どちらの作品も観念的なイメージだけで、ストーリーはない。『椀』はまだ解説にあるような内容が読みとれて見やすいが、『鎖陰』に至っては自由奔放すぎて、何がなにやらわからない。いかにも当時の学生が何か難しいことを考えて作りました的な自主映画である。

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