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「お世辞をいうのは、愛情のない証拠です。お世辞をいうぐらいなら、皮肉をいってあげた方が愛情です」(川島雄三)

2016-04-01

Kurobaku2016-04-01

[]蜜のあわれ(日:蜜のあわれ製作委員会2016 石井岳龍監督)

あまり私と合わないことが多い石井岳龍監督作。今回も合わず…。

二階堂ふみがエロい格好で本を読んでいるポスターを見てエッチな映画かと思っていたのだが、ちょっとアテが外れた。二階堂は老作家・室生犀星大杉漣)の妄想から生まれた金魚の化身のような役どころ。お尻を見せり、交尾をするようなポーズをとっていたりしたが、しょせん子どもの金魚なのでそれほどエロくない。むしろ大杉と韓英恵がからむ場面の方がエロっぽく感じた。

内容は老いていく作家の心境を描いたという感じだが、それほど伝わらず。二階堂の言動を大袈裟にしたり、コミカルにしたり、いろいろしたので、そっちに全部持っていかれたような感がある。

また絵面としてはちょっと鈴木清順っぽいところもあった。桜の花びらが散る川に真木よう子の幽霊が小舟に乗って進むところなど、まんまである。大杉が映画館の前を通るとき、上映されている映画が『踏みはずした春』(1958)という鈴木清順作なので、敬意を表していると考えていいだろう。そういう清順っぽさがもっと映画を侵食すれば面白くなったような気もするが、中途半端でもの足りない。この題材ならもっとブッ飛んだセットを作ったりして、もっと遊んでもよかった。

二階堂は『この国の空』につづいて変な言葉遣いだが、まあ、金魚なので気にならない。大杉漣の老作家役は以前にも『不貞の季節』の団鬼六役があって、ほとんどそれと変わらない演技。この人もコミカルな印象が強すぎて、あまり深い芝居を見せていない気がする。真木よう子も和服の幽霊にしては、幽玄さというものもなければ色気もなかった。このあたり、監督の演出の力量を疑う。ハマっていたのは金魚屋の永瀬正敏。久しぶりに昔演じていたような、ニヒルなキャラクターで印象に残るが、残念ながら出番は少なかった。

なお公式HPの真木よう子の発言によると本作はフィルム撮りだったとのこと。

<4/1 梅田ブルク7、シアター4、座席L-01にて鑑賞>

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