エイガ・デイズ このページをアンテナに追加

「お世辞をいうのは、愛情のない証拠です。お世辞をいうぐらいなら、皮肉をいってあげた方が愛情です」(川島雄三)

2016-04-15

Kurobaku2016-04-15

[]今週のひとりごと

新しいつまらない映画を見分ける法則を見つけた。映画のタイトルの頭に「劇場版〜」「映画〜」とついていたら、それはきっと映画じゃない。飛ばしてもいいのではないか(笑)。

[]その他の4月に見た映画(上)

博徒外人部隊』(日:東映1971 深作欣二監督)→懲りずに新世界東映へ。前回ゴキブリがいなくなってた、と書きましたが、今回はいつもどおりいてました。やはり季節と関係あるみたいです。さておき。本作は私の大好きな映画で、劇場で見るのは2回目。何回見ても惚れ惚れするほど面白い。まあ、たった七人だけで沖縄の黒社会を制覇するのはウソっぽいけど、それ以外は3部仕立ての構成といい、役者のメンツといい、男くさいハードボイルド観といい、文句なし。最後の、鶴田浩二たちの斬り込みとその散りっぷりが凄まじかった。山下毅雄の音楽も絶品。


『トラック野郎 熱風5000キロ』(日:東映1979 鈴木則文監督)→こちらを目当てで新世界に足を運んだが、あちゃー、真っ赤に褪色したプリントでガッカリ。昔はそれでも我慢して見ていたが、今やデジタル時代なので、フィルム上映の真価を伝えるためにもこういうプリントは即廃棄して、きれいなニュープリントを焼いてもらいたい。というわけで映画の評価もチト自信ないが、これはいまいちだったのでは? 地井武男の北海道開拓にまつわる復讐話と、死んだトラック仲間の幼子をその母親に届ける泣かせ話と、その他せんだみつおの諸々のサイドストーリーがつぎはぎのように並べられた感じで、全体的にまとまりがない。文太とキンキンが別行動(同一画面が少ない)なのもそれに拍車をかける。そもそも暗い因縁の復讐譚と、子どもを使ったメロドラマのカップリングというのが、いつものお笑いを期待している方としては肩透かしである。マドンナの小野みゆき、ライバルの地井武男はよかったんだけどなあ。また文太と小野みゆきの呑みくらべや、牛の乳搾りの会話がセックス中の会話にしか聞こえないという笑わせる場面もあるのだが…。


『あやしい彼女』(日:日テレほか2016 水田伸生監督)→これはもう歌ったり踊ったり泣いたり怒ったり笑ったりする多部未華子をひたすら堪能する映画やね。本当に面白いほどコロコロ表情が変わるのが見もの。意外だったのは、昔よくあった歌謡映画として楽しめる側面で、登場する昭和歌謡が実にいい感じ(韓国オリジナル版を見たときは歌に馴染みがなかったので気づかなかった)。特に「悲しくてやりきれない」はヒロインの苦労する回想場面とあいまってよかった。こういうのはベタな演出を積極的に楽しみたい。また本作のための書き下ろしである「帰り道」という歌もよかった。多部ちゃん、初めてにしてはけっこう歌がうまい。/韓国映画『怪しい彼女』のリメイクだが、そのままうまく日本に移し変えたようで好印象。中国版リメイク『20歳よ、もう一度』は公開済みだが、今年のアジアン映画祭ではベトナム版リメイクも上映されていた(どちらも未見)。ここまで人気のあるコンテンツとは思わなかった。


×『映画 暗殺教室〜卒業編〜』(日:フジテレビほか2016 羽住英一郎監督)→1作目を見たので、仕方なくつきあいで見たがひどいね。CGキャラクター+マンガの実写映画化という2000年代の映画界でもっとも最悪な組み合わせの典型例。『デビルマン』『20世紀少年』『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』…と枚挙暇がない。私に言わせればこないだの『バットマンVSスーパーマン』ですら例外ではない。こんな映画をつまらなくするデジタルCGのために、映画はフィルムを捨てたのかと思うと本当に情けなくなる。登場人物はみんな見た目どおりのペラペラな存在。内面性も奥行きもないので実写でやる必要性は微塵も感じられない。原作はまだ完結していないようだが、ラストの「卒業までに殺せるといいですね」をうまくオチに使ったのだけ褒めてやる(脚本:金沢達也)。