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「お世辞をいうのは、愛情のない証拠です。お世辞をいうぐらいなら、皮肉をいってあげた方が愛情です」(川島雄三)

2016-08-06

Kurobaku2016-08-06

[]ロスト・バケーション(米2016 ジャウマ・コレット=セラ監督)

見逃しているのだが、前に『フローズン』という映画があった。スキーに来た若者が乗っているリフトを途中で止められ、その上で一夜を過ごすというサバイバル映画である。見た人に聞くとリフトの下にオオカミが集まってきて、襲いかかるそうだ。本作はそのサメ版で、誰もいない秘密のビーチへサーフィンしに来た女性が、サメに襲われ、たどりついた岩礁でたった一人サバイバルするという話。一度噛まれているので傷口から血液はどんどん流れ出るし、おまけに満潮になればその岩場は海の底へ沈む。回りには襲ったサメが彼女を狙って回遊している。もちろん脱出しようにも船もなければ、携帯もない。なかなかよく考えられた絶望的シチュエーションである。

ヒロインはそれでも医学生としての知識を使って傷を応急処置したり、腕時計のストップウォッチでサメの周回するタイムを計ったりする。前半に登場する何気ない小道具が後半で役に立ったり、サンゴやクラゲといった彼女を邪魔立てする存在が後半でうまく活かされたり…という映画ならではの仕掛けがいくつもあり、脚本が実によく練られている。

蝋人形の館』の監督(どうでもいいけど、この監督の名前ジャウマは以前、「ジャウム」と表記されていたはずだが、どうなってるの?)なので、クジラの腐乱死体に掴まるときのドロドロの気持ち悪さや、傷口を縫い合わせるときの直接描写など手加減がなく素晴らしい。またラスト近くのヒロインとサメとの1対1の死闘はこれまた『ラン・オールナイト』の監督らしく、手に汗握るたたみかけで思わずヒロインに「ナイスファイト!」と声をかけたくなる。

ヒロインのブレイク・ライブリーはそれほど美人でもかわいくもないんだけど、スタイルがよく、水着からのびた長い脚を見せてくれる。ちなみにこの映画、ほとんど彼女の一人舞台である。

ちょっと最後の方、ブイを留めてある鎖を切ると海底に引き込まれる仕様になっているとか普通は知らないだろうから御都合主義的な感じがしないでもないが、まあ、許せる範囲かな。『激突!』とかそういった昔からある、ワンアイデアだけで勝負をかけた、正しいB級アメリカ映画の血統を引き継いだ映画で、じゅうぶん楽しんだ。

<8/6(土) なんばパークスシネマ、シアター9、座席H−4にて鑑賞>

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