妄言銃

2016-05-17 『帰還兵の戦場』『ラスト・ウィンター・マーダー』

[]ギャビン・スミス著 金子浩訳 『帰還兵の戦場』


三ヶ月連続三部作連続刊行第一弾。(調べたら三部作じゃなくて三分冊だった)

遥かな未来。『スターシップ・トゥルーパーズ』よりちょっと先くらいの未来

人類は外宇宙に進出し、活動の場を銀河系外にまで広げていた。

だが、シリウス星系で出会った異星起源存在

コミュニケーション不能、共存不能の人類絶対殺す星人との間で宇宙戦争が勃発し

その戦争は長引き、人類を疲弊させ、地球はサイバーパンクSFによくある感じのディストピアと化した。


主人公の元特殊部隊員ジェイコブさんは最前線帰りの重サイボーグであり


不名誉除隊となった後は故郷のスラム街(廃棄された会場プラットフォームを利用して作られている)で酒と煙草と仮想現実に溺れながら日銭を稼ぐどん底の日々を送っていた。


そんな彼の元にかつて彼を切り捨てようとしたいけ好かない上官が現れて特殊任務要求する。


「軌道警戒網をすり抜けて地球に降下した異星体のスパイを探しだせ」


売春窟の奥深くで首尾よく標的を見つけ出して破壊しようとする彼の前に一人の少女娼婦が身を投げ出し、それが「大使」であること。平和最後希望であることを告げる。


ジェイコブさんは彼女を信じた。


かくしてジェイコブさんと少女娼婦ラグ、異星の大使は苛烈極まる政府権力から追われる逃亡者となった。


手段を選ばぬ恐るべき追手を逃れ、彼等は行く先々に厄介事を振りまく疫病神としてロードムービーを展開するのだ。



というのが基本のあらすじなんだけどもこの作品のすごい所はここじゃない。



ガジェットよ!!



オマージュよ!!


臆面もないパスティーシュよ!!

パスティーシュって言葉は初めて使うからあんまり自信がないけど後でググるわ。ひょっとしたら投稿した時にはてなキーワードで解説出るかもしれないし!!


まず主人公の帰還兵ジェイコブ(ジェイク)・ダグラス軍曹の造形から


彼は宇宙の最前線帰りの元特殊部隊員であり、当然の事の様に物凄くバッキバキにサイバーウェアで強化されている。

彼の掌にはスマートリンクコネクタが埋設され

からプレデターのプラズマキャノンみたいな半自立型のレーザーキャノンポップアップ

両手の甲からウルヴァリンみたいな強化セラミック製の4本ブレードが飛び出す。プレデターも爪で戦うけどあっちは2本なのでウルヴァリンモチーフであってると思う。

鋼化神経により反応速度は限界まで高められ

両目は黒いレンズ型のサイバーアイに換装されている。赤外線視覚と、視界内ディスプレイ、スマートリンク制御機能等がある。

皮膚科装甲が埋め込まれた肉体は黄褐色の装甲レインコートで包まれ

砂色の髪を後ろで短いポニーテールにまとめている……ってそれ首から上は『攻殻機動隊』のバトーですよね?


お砂糖スパイス、男の子の好きなものい〜っぱい煮詰めたら強力無比でハードボイルド主人公が出来上がった感じ。


まりに強力な戦闘能力故にインプラント機能制限されており、依頼を受けるのと引き換えにそれを解除してもらえるって始まり方は


サイバーパンク好きには非常に馴染み深いあれよ。『ニューロマンサー』の主人公ケイスよ。


任務終了後に地球に捨てられてスラムを彷徨いている重サイボーグっていうのは

エリジウム』のM・クルーガー(役名)や『JM』のドルフ・ラングレン役者名)*1と同種のアレね。『エリジウム』は2013年映画から2010年に書かれたこっちのほうが先だけど。


シリウス星系(「なんか外宇宙」くらいの認識)での戦闘から戻ってきたという事は多分、オリオン座の肩の近くで炎を上げる戦闘艦や暗黒に沈むタンホイザーゲートのそばで瞬くCビームも見てそうなので

ブレードランナー』のルトガー・ハウアーみたいな経験もしている。


あとタイ系の母親から習ったムエタイも使う。

スラムから始まるサイバーパンク主人公が”ジェイク”って名前だと僕はSFC版の『シャドウラン』を思い出して勝手に嬉しくなる。

作中で本人は「”ジェイク”と呼ばれるとアメリカ人みたいな気がするから嫌だ」って言ってるけど。

ジェイコブさんは元SASなのでイギリス人だ。




そんな彼が耽溺する仮想現実は法外な接続料金を取って一定時間望みの幻を見せてくれるスタイル


ここまで技術が進んでいるのならそういうのはオンラインか埋込み型のチップになりそうなものだけど、仮想現実ルーム描写


受付で金を払ってブースに入り、中で寝台に寝て自分ジャックに結線するスタイル


なんかこれどこかで見た感じだな……『ハードワイヤード』かなあ……って思ってたら


いけ好かない元上官が主人公を脅すためによこした監視役、軍在籍時代から処刑人として特殊部隊員達から恐れられていた女スナイパー”グレイレディ”ジョゼフィン・ブランの登場で


Avalon 灰色貴婦人』のオマージュに違いない!って思うようになりまんた。


女スナイパーでコードネームがグレイレディで、名前がジョゼフィン・「ブラン」*2


これだけ要素が揃うと押井守監督映画Avalon』の主人公伝説ソロプレイヤーにしてスナイパーのアッシュを思い出す。


イギリスから始まる話なのでアーサー王伝説をモチーフにしてるのはおかしくないんだけど彼女の外見が「どこにでもいるような平凡な姿に整形したという噂もある」って書いてあるのよね。


攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL』の主人公草薙素子少佐と『Avalon』のアッシュの外見はだいたいおんなじであり、草薙素子はわざと目立たない普及型義体の外見を使用しているって設定があったから多分間違いないと思うわ。


本作の”グレイレディ”は感情が読めないわ、主人公死ぬほど怯えさせるわ、目撃者は呼吸するかのように殺すわ、最初狙撃がいきなり衛星レーザーだわで


ソロプレイヤーってよりはポストヒューマン処刑マシーン*3みたいな感じね!



そして色々大盛りの主人公達が動き始めると、今度は物凄くサイバーパンクRPGみたいな展開になってくるのだった。


ダグラスさんが殴りこむ酒場の客達。


刀を携えた「企業剣士」のサラリーマン

ストリートネームを名乗るブースギャング若者

トーキョーN◎VA』か『トワイライトガンスモーク』かって雰囲気

「大使」の声がモラグには聞こえてダグラスさんには聞こえない理由

「肉がほとんどないからエッセンスが削れ過ぎてるってこと?『シャドウラン』なの?

ネットの神々への言及

仮想現実上の聖堂、狂ったハッカーが説教する教会。

腐った都市を出て郊外のタウンで暮らす人々。いい感じに汚染された環境と折り合いをつけ、自然派の暮らしを営む。

そこを襲う権力ウォーカーマシン!

メタルヘッド』っぽい!


唐突に現れる強敵武器はモノフィラメントウィップ!

マシンと結線して制御するパイロット達は「キメラ」って呼ばれている。かっこいいネーミング。


そして物語は、水没し海賊都市と化したニューヨークへ。



帯には”英国冒険小説系譜を継ぐ迫真ミリタリーSF!”って書いてあるけどわたくしはサイバーパンクだと思いまんた。


おっと、何がサイバーパンクで何がSFでどこに埋没したジャンルかなんてジャンル分け定義戦争は御免よ!


こういう『トーキョーN◎VA』で遊びたいなあってゲーマーが思うようなイカスお話くらいの意味よ!


ずらずら並べた作品タイトル群が好きな人はきっと楽しく読めると思うわ!



わたくしはすっごく好きです。


あと、表紙イラストかっこいい。

[]バリー・ライガ著 満園真木訳 『ラスト・ウィンター・マーダー』


シリアルキラーエリート教育を受けて育った全米最悪の殺人鬼の息子が、父親を追う。


行方不明母親果たして生きているのか。


連続殺人の裏に見え隠れする共犯者”みにくいJ”とは誰なのか。


謎が謎を呼び、急転直下の展開を見せる三部作完結編。



とんでもないぶった斬り方で終わった前巻の直後から物語は再開し、最初からトップギアで突っ走る。


前回僕を戸惑わせた登場人物達のホルモンに惑わされた愚かな行動も減り、物語は謎の解明と主人公ジャズ選択を中心に展開する。


心理的にも肉体的にも社会的にも追い詰められ、それでも追跡をやめないジャズは実に格好いい。


読み始めて一気に最後まで読める面白さであった。


どんでん返しもきちんと用意されて、期待を裏切らない作り。


でも何故かわたくしの心にはなんとなく釈然としない感情が残るのであった。はて。

*1:なんで表記統一されないかというと『JM』のドルフ・ラングレンは「『JM』のドルフ・ラングレン」としか言いようが無いと思うからです。役名で言うより「『JM』のドルフ・ラングレン」って言ったほうが発狂して牧師の真似をしてるターミネーター表現できると思うの

*2:『Avalonステージ内の撃破目標フラグとなる強力な標的である装甲攻撃ヘリMi-24ハインドの別名。大鴉(ブラン)。合ったら大体死ぬ無理目のボス映画版小説版共に”灰色貴婦人アッシュドラグノフ狙撃銃を使って単独でこれを撃墜する印象的シーンがある

*3:『エンディミオン』のラダマンス・ネメス

2016-04-27 亡霊星域

[]アン・レッキー著 赤尾秀子訳 『亡霊星域



「それが限界点になるんじゃないか?あくまで可能性としてはね。だったら艦船皇帝を愛するように最初から設計すればいいんだ」

中略

「三千年以上生きていれば彼女も変化する。死なないかぎり、誰だってそうだと思う。人はどれくらい変わって、どれくらい同じままでいつづけるのか?

自分が何千年かの間にどれくらい変わるかなど、その結果何が壊れてしまうかなど、予測しようにもできないのでは?なにか違うものを利用したほうがはるかに楽だ。

例えば、義務。たとえば、信念」


超弩級面白さと目新しさで色んなSF賞を根こそぎにした『反逆航路』の続刊にして三部作の第二部。


星間先制国家ラドチの皇帝アナンダ・ミアナーイ。

数千に及ぶ自らのクローンと並列化された意識を持つ超越者。

攻殻機動隊』の草薙素子が順調にクラスチェンジしていくと多分こんな感じのクリーチャーになる。

いつの頃からアナンダ・ミアナーイは2つに分裂し、争い始めた。


前巻で皇帝を付け狙い続けた主人公ブレクさんは、様々な事情から2つに別れた皇帝の片割れと協力関係になり、艦隊司令としてとある星系に派遣されるのであった。


皇族苗字を名乗り、更迭された前艦長の代わりにその椅子に座って現れた若きエリート


甘やかされた貴族ボンボンが偉そうに来やがってよぉ……と舐めた態度で対応する現地の偉い人は

相手が年齢2000歳オーバーで人智を超えた演算能力と戦闘能力を持ち、銀河帝国の勃興をその目で観てきた生き字引であり

愛と別離を知って人間以上に人間らしく、既知宇宙のあらゆるシールドをぶち抜く人類圏にただ一丁のエイリアン銃を携えたハイパーAI主人公であることを知らないのであった……


銀河帝国ラドチとその文化本体を失った戦艦である主人公と、その体である”属躰”の設定から割と噛みごたえがある感じだった前巻とはちょっと毛色が変わって凄く読みやすい。


登場人物は大抵みんな失ったものに苦しんでいたり、愚かで他人を虐げたりしているんだけど、物語的に限りなく無敵に近いブレクさんが凄い勢いでもつれた事情をぶった切って進んでいくので大変に痛快でございます


この面白さはビジョルド小説に感じていたものと同じなので当然ビジョルドファンであるわたくしはアン・レッキーファンにもなるのであった。わかりやすい!

2016-04-23 遠隔機動歩兵ティン・メン

[]クリストファー・ゴールデン著 山田和子訳 遠隔機動歩兵 ティン・メン



今よりちょっとだけ先の未来


アメリカの戦闘用ドローン技術は一層の発展を遂げ


衛星通信経由の遠隔操作でコントロールされ、死なず、休まず、向かうところ敵なしのロボット兵士を創りだした。



オズの魔法使いに出てくるブリキ男のイメージから、彼等は”ティン・メン”と呼ばれた。



ティン・メンの力を背景により積極的に武力介入を推し進めた結果、紛争自体は減ったように思えたがアメリカの敵は超増えた。


増えすぎた敵。テロリスト、聖戦主義者無政府主義者達の連合が繰り出した恐るべき計画。


超強力なEMP攻撃による現代文明崩壊


通信が途絶した結果、生身の体に戻れなくなったティン・メン達に恨み骨髄のテロリストたちが襲いかかる!



生身の体が置きっぱなしのドイツの基地へ戻らなければ、いろんな理由で命が危ない!


この戦争で破壊されたらログアウトは出来ない。ティン・メンのボディが壊されるだけでなく、そこに収まった操縦者精神も一緒にどこかに吹っ飛んでしまう。


ログアウト不能のデス戦闘だ!! そしてこれはVRMMOじゃない。戦争だ!!


無茶苦茶シビア洒落にならないけどどこか皮肉な状況に陥ったティン・メン達が派遣先のダマスカスから駐在大使とその娘を連れて脱出


専用のロケットランチャーを担いだボット・ハンターと呼ばれる殺し屋がうようよする戦場を潜り抜け


G20国際会議滞在中だったアテネで孤立している大統領を救出し


そしてドイツの基地で生身の体に戻るまでのハイパー高難度ミッション



恐るべき追手を振り切り、文明崩壊していく只中のカオスを泳ぎ切って帰還することが出来るのか。


驚異のアナシスが今始まる……!


無人攻撃機、テロリストの連合やダマスカスからドイツへの脱出と、なんか現在進行形の敏感なモチーフが一杯出て来てドキドキしたけど


お話自体ストレートエンターテイメント


揺るぎない強靭精神を持った兵士や、孤高のヒロイン、恐るべき敵や卑劣漢が一杯出てくるタイプのお話なんだわさ。

2016-04-20 両腕へし折れシティー・オブ・ザ・デッド

[]ダイス・オブ・ザ・デッド


コヤマさんが「新作出るからみんなでやろうぜ」って声かけてくれたので『ダイス・オブ・ザ・デッド』をプレイしてきまんた。


ゾンビ禍で壊滅状態になった東京都。


隔壁で外界と隔てられ、生き残った僅かな人間たちが脆弱コミュニティを命で購って命脈を繋いでいる過酷ティ


PC達はゾンビウィルスに感染しつつも人格を保ち、コミュニティのメンバーから不安混じりの視線を向けられながらもその頑健さで無くてはならないハーフゾンビとなってサヴァイヴするのだ。


頼れる仲間はこの三人。



PC名 MC.RMT a.k.a 業者(えむしー あーるえむてぃー えーけーえー ぎょうしゃ) サンプルキャラ探偵  PL:吉井さん


フリースタイルにトーキョーダンジョンを生き抜くマジでヤバいラッパー

オンラインゲームアカウントの売買(リアルマネートレード)での逮捕歴あり。

繰り出されるパンチラインはそこらのハンパモンならマジワンパンノックアウト

高度に発達したラップ駄洒落区別がつかない。

つのない動きでチームを牽引する。

初期武装は釘抜き。


PC名 オラツキ童子(おらつきどうじ)  サンプルキャラ学生  PL:夏瀬マン


ただオラツキたいだけの人。

基本的に「ウーィ」と「オーラァ!」しか言わないというコンセプトだが、ゲーム開始後の第一声は「おはようございます」だったので割と礼儀正しい説が流れた。

調子に乗ってオラツキまくってたらゾンビに襲われてハーフゾンビになった若者

その余りにも無軌道なオラツキっぷりに「長生きの出来ないタイプだぜ……」などとコメントされていたが本当に長生きできなかった。

チームの特攻隊長

初期武装は木の棒。



PC名 オール半神巨人(おーる はんしんきょじん)  サンプルキャラ スポーツ選手  PL:わたくし


東京ドーム地下100メートルにある地下野球場。そこは金と権力に腐敗した汚い金持ちが野球を言い訳に人の生死に大金を賭ける暗黒球界。

身長2.5m、ギリシャ彫刻のような完璧に均整の取れた肉体を持つオール半神巨人は暗黒球団読売タルタロスの四番バッターだったが、なんか怪我して野球ができなくなったので

わざとハーフゾンビになることによって運動能力を取り戻したティターン末裔

身体は治ったが、暗黒球界は東京と一緒に壊滅した。

結果的パーティータンク担当

初期武装はシャベル



GMはコヤマさん。


※以下のプレイレポートうろ覚えかつ割と大雑把にボカして書きますが

基本ルールブック付属シナリオのネタバレになる可能性があるのでプレイ予定や内容を覚えてる内に遊ぶ可能性がある人はGM確認するかちょっと読むのを待ってください。

(我々が選んだ選択肢の結果起きるイベントがなんとなくわかってしまう為、初回プレイ時の判断に影響を及ぼす恐れがあります。ただ、わかってても死ぬ時は死ぬわ!












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2016-04-12 竜に愛されし少女イオナ

[]アリソングッドマン著 佐田千織訳 竜に愛されし少女イオナ


『竜に選ばれしものイオン』の続編にして二部作完結編。


鏡の竜の真の名を見出し、竜眼卿としての道を歩み始めたイオナ


だが皇弟セソンの謀反はイオナとその仇敵、鼠の竜眼卿イド以外の竜眼卿の命を奪い、皇宮に関わる全てのもの運命を狂わせた。


からくも簒奪者の手を逃れ、皇子と共に辺境へ逃れたイオナ


だが、彼女は自らの能力制御することは出来ず


彼女の仕える皇帝は激しくも脆く、彼の兵は少ない。


そして彼女は仲間に明かせぬ秘密をいくつも抱えていた。



12方位の竜と竜眼卿の秘密


イオナ祖先、キンラの残した謎。


祖先の剣に宿る恐るべき憤怒はなんなのか。


謎を解き明かし、竜眼卿の勤めを果たすために必要な訓練を施し、知恵を授けることが出来る人間はこの世にただ一人。


裏切りが露見し、今や皇弟セソンの獄舎で恐るべき拷問の責め苦に悶える仇敵、鼠の竜眼卿イドだけだった。


周囲の反対を押し切り、真実を隠したままイオナはイドの救出へと赴く……




塩田奴隷出身であるが故、自らの素性を偽り続けたが故にイオナは自らが最も信頼し、心を預けなければならぬ人々に真実を告げることが出来ない。


彼女の恐怖と不安は最も彼女に近い人々のうちにも懐疑と絶望を芽生えさせてしまう。


そして竜眼卿のあまりに強大な力と権力は、虐げられ、常に弱者に寄り添い続けたイオナ強者加害者立場へと追いやる。


残虐超人もびっくりのハードコア悪役、皇弟セソンの冷酷非情な悪役っぷり


猜疑心に囚われた良き人々の苦悶とつよさ。


そして焦れったさ最高潮のハンデキャップを背負ったイオナがのたうち回りつつもエンディングへと這い進む様が面白いグッドファンタジー



第二部に入って面白さのギアが明らかに2段階くらい上がった傑作でございます



繊細な心の襞をそっとなぞるような乙女心理描写、飛び散る血と臓物の飛沫。代わりばんこに炸裂する物凄いワンツーパンチを是非ご賞味ください。面白いぞォー!