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2008-12-16

「半分の月がのぼる空(1巻〜8巻)」 橋本紡

いきなり入院した。僕にとってはちょっと早い冬休みみたいなもんだ。 病院には同い年の里香って子がいた。彼女はわがままだった。まるで王女さまのようだった。でも、そんな里香のわがままは必然だったんだ…。 里香は時々、黙り込む。 砲台山をじっと見つめていたりする。 僕がそばにいても完全無視だ。 いつの日か、僕の手は彼女に届くんだろうか? 彼女を望む場所につれていってあげられるんだろうか―? 第4回電撃ゲーム小説大賞金賞受賞の橋本紡が贈る期待の新シリーズ第一弾、ついに登場。(半分の月がのぼる空 1巻あらすじより)


 伊勢神宮がある伊勢市を舞台に、いつ死んでもおかしくない心臓病の少女と普通の少年との交流を描いた、普通の恋物語。

 「何か軽い物が読みたいな」と思っていた時に、人に薦められて読み始めたものです。

 まあ、テーマから言えば見事に重めなシロモノだった訳ですが。とは言えそこはラノベですから、時折挿入されるシリアスな場面や拭えない死の影に彩られつつも、比較的明るい雰囲気で物語は進行していきます。なので、読後感はそんなに悪いものではなかったです。


 内容は、一言で言えば「優しくも綺麗な物語」でした。

 少年と少女の恋模様を中心に、その様を理解のある大人や友人が協力し見守っていく。

 そこには「毒」や「黒い部分」は殆ど無く、悪人も存在しない。

 暖かくも穏やかな展開です。


 当時、比較的暗い内容の物ばかり読んでいたので、丁度良い気分転換になりました。ですが、この作品を読んでいて常に感じたのが、どうしようもない物足りなさでした。

 本来は評価すべき箇所であるその穏やかな展開、毒気の無さが自分にとってはマイナスだったようで。「なんか物足りないなぁ」と言う気持ちが終始付き纏ってました。

 なので、この作品を1冊読む毎に「黒成分補充」と称して、「鬼平」やらミステリなど他の作品に手を出したりしていました。その結果作品全体を読み終えるのにエラく時間が掛かってしまった訳ですが、はい。

 ここら辺はもう性分なのでしょうね。

 でも、話自体は良かったので、たぶん中学生か高校生の中頃の時……と言うか、あまり小説に手を出していない時に読んでいればのめり込んでいたような気もします。

 少々、色々な話を知り過ぎたのが駄目だったようです。ティーン向けですね。


 面白かったものの自分には合わなかったこの作品ですが、安易な奇跡などには頼らず、淡々と日常を描写していたのには好感が持てました。

 これでイラストを廃し、登場人物の「いかにも」なアニメ・漫画的な性格が無ければ、個人的にはもう少し楽しめたかもしれません。ついでに「最期」まで描かれたりしていると、より印象に残ったかも。内容、テーマ自体はなかなかのものだったので、ちょっと残念。まーそのテのものをラノベに求める事自体間違っているのでしょうけどー。


 ちなみに登場人物の中では捻くれ医師こと夏目先生が何気に好きでした。

 ああいう捻くれた大人は面白いですね。

 彼がメインだった4巻は比較的好きな方かも。


 この作者さん、この作品を書く前は主にSFなどを書いていたようです。

 今作のような話を書く作家さんが、どのようなSFを書いていたのかとても気になります。

 どんな作品なのでしょう? そのうち、読んでみたいですねー。

桜 2009/04/18 12:50 よんでみたい!

KuryuKuryu 2009/04/20 18:14 >>桜 さま
 興味がおありなのでしたら、ぜひぜひー。

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