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Kyojiのよろずひとりごと このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2008-11-03 情報社会の落とし穴(4) 情報化社会でなぜ想像力がなくなっていくのか このエントリーのブックマークコメント

昨日まで情報過多となった現代社会で「常識レベルの知識を持たない人」や「思考停止の風潮」そして「家族や周囲とのコミュニケーション不足」について私なりの分析を述べました。そしてそれら全てはつながっていて相関関係を持っていると思います。

つまり

1.「わかったつもり症候群」による断片的情報のみで判断する傾向。

2.情報に対する受身の姿勢による思考停止

そして

3.家族や周囲の考えの「わかったつもり」から来る社会全体のコミュニケーションの崩壊

実はこの3つの要素は最近の別の傾向の原因のような気がしています。

それは最近よくいわれる「想像力のなさ」です。特に猟奇的な犯罪を犯す人を見ると「こういう行為をしたらどうなるか」ということに対して全く考えていないでその犯罪に及んでいるように見えます。事実殺人を犯すと刑事裁判だけでなく、特に最近は顕著ですが遺族からの損害賠償民事裁判を起されることが多いです。そうなると犯人の家族はその裁判に勝つ見込みは極めて薄く、裁判判決の結果はよほど財産とかが裕福でない限りほぼ例外なく破産に追い込まれます。このように殺人事件のような重大犯罪を犯すと犯人だけでなく犯人の家族も地獄を見るケースが多いです。

最近猟奇的な、凶悪な犯罪を犯す人間ー困ったことに若い人だけでなく私に近い世代の人間も最近結構いますがーにほぼ共通するのは

1.自分のやった行為が具体的にどういう結果をもたらすかについての想像力のなさ。

2.人間的な幼さ

この2点が挙げられます。

まず想像力のなさ、というのは考える、頭を使うということを放棄したために起きます。これは情報に対して受身の姿勢による思考停止、ネット等を始めとする情報の「わかったつもり」から来ているような気がします。そして人間的な幼さは家族や周囲とのコミュニケーションの崩壊がもたらすものだと思います。

勿論犯人の犯行の動機には「自分を受け入れない社会への憎悪」「希望を持てない社会での自暴自棄」が背景にありますが、そうした動機が発展した背景には情報過多の現代における情報へのリテラシー、「わかったつもり症候群」が問題の根幹にあると思います。

よくこれらの犯罪がゲームとかアニメとかがきっかけになっているために、現実とバーチャルの区別がつかない、とか「オタク文化」が社会の害悪になっている、といった類の議論が出てきますが、それは私は問題をあまりに表面的な部分しか見ていないと思います。マスメデイアの悪い癖で何でも「悪者」ー特に「オタク」は悪者にしやすいーを探しそれを徹底的にバッシングする(その方が視聴率も雑誌新聞の発行部数も伸びるからですが)傾向がありますが、こういう報道の仕方はいただけません。そして残念ながらこの情報のリテラシーの観点からこれらの現象を分析した記事は私は見たことがありません。

全ては「わかったつもり症候群」「情報に対する受身による思考停止「家族や周囲とのコミュニケーション不足」の3点が現代社会のさまざまな問題の原因になっているように思います。

では、これらの問題を改善するにはどうすればよいのか、正直こうすれば必ず解決する、というほどの解決策が出るわけではありません。しかし我々一人ひとりが心がけることによって少しでも改善の方向に結びつく方法はあると思います。

明日、このシリーズ最終回でこの点を述べたいと思います。