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2017-03-04

『社史の図書館と司書の物語―神奈川県立川崎図書館社史室の5年史』

| 21:20 | 『社史の図書館と司書の物語―神奈川県立川崎図書館社史室の5年史』を含むブックマーク 『社史の図書館と司書の物語―神奈川県立川崎図書館社史室の5年史』のブックマークコメント


神奈川県立川崎図書館司書である著者が、社史担当の5年間の実践を振り返りながら紹介しています。

私自身は、2012年の11月、神奈川県図書館および県立川図書館の機能集約・廃止の検討についてのニュースがあったことをきっかけに、神奈川県立川図書館を訪問したことがあります。*1 その時に、社史室にも立ち寄りました。ちょっと入りにくい感じの狭い部屋で、書架いっぱいに、様々な社史がぎっしり詰まった空間があったことを思い出します。白黒ですが、p.7に社史室内の様子を紹介した写真が載っています。

新聞連載「社史をひもとく」、大阪府立中之島図書館と共催で行った「社史グランプリ」、社史ができるまで講演会社史室情報誌「社楽」による情報発信、社史フェアなど、担当した業務について、どういうきっかけで、どういうように取組んできたかが紹介されています。おそらく、たくさんの苦労があったと思うのですが、読んでいると、著者はそのようなことも楽しんでいるように思いました。途中に、メディアや「社楽」で紹介した社史について紹介した記事も採録されています。


読んでいて、著者の「社史に対する愛(?)」のようなものを感じました。社史の魅力をもっと知って欲しい、もっと活用して欲しい、という熱い思いといったものでしょうか。


 社史は企業の歴史だけでなく、産業史、経営史としての側面もあります。企業の歴史的な資料(写真、図)、統計や年表など、長期データなども提供されているので調査資料としても役立ちます。社会教育やPR活動にも活用できます。また、複数の業界の社史を紐解くことによって、日本や世界の動きについても学び取ることも可能です。

 社史は読者の関心や読むタイミングなどによって様々な読み方や受け取り方ができるのが、大きな特徴といえるのではないでしょうか。(p.229)


そして、1つの取組みが縁で、新たな取組につながったり、社史の寄贈につながることもあるそうです。

私の勤務館にも社史があり、レファレンス等で使ったこともありますが、こんな活用方法もあったのか、ということも紹介されていました。

p.81で紹介されている『日清食品50年史』は、とても目を引くユニークな装丁だったこともあり、職場内でもちょっとした話題になりました。確か、企画展示で使ったと思います。


この本を読んでいて面白かったのは、各章末にある「読む註」でした。本文には書けなかった(?)著者の思いが書かれているように思いました。

 この本には図書館員の読者も多いでしょう。そうして社史が寄贈されたときには「神奈川県立川図書館にもきぞうしておくといいですよ」とお伝えください。(p.259)

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