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2010-04-20 『片腕マシンガール』もうここまで下品、グロでくると唖然・・・・

LACROIX2010-04-20

[]『片腕マシンガール』(2007)

●一部でちょっと話題になっていたので記憶の片隅で「観てみようかな」と思っていた。

井口昇監督作品は『恋する幼虫』(2003)は観ていたが、これは映画といっても自分の嗜好とは大きく外れるものであったし、一つの極端なまでの映像表現の一例としては挙げられるが、素晴らしいとかいうものではない。と思っていた。北野武園子温も自分にとっては同類項に入る。

●アクやトゲを寄せ集めテンコ盛りにし、ごちゃごちゃと塗り固めて繋いだような映画を才能のある監督の作品だとか、感性の傑出だとかいう気は全く無い。デザインでもそうだ、感性を思ったことをただただ露出させたものはアクが強いだけのデザインであり、それは単なる吐露であり、嘔吐のようなものだ。それは芸術でも、美術でも、デザインでもない。そして映画においてもそれは当てはまる。監督の頭のなかの妄想を嘔吐して繋いだものを才能だとかいう輩とは相容れることは無い。

●ただし、井口昇という人物のやることはかなり徹底しているし、自分の吐瀉物を「芸術です、才能です、感性です」などと勘違いのひけらかしをするそぶりが全く無い。映像にもそんな意志は漂っていない。もうただ単に「ズビャー、ドバー、エロー、グロー、僕はそれをヤリタイケナンデスヨ」という感じである。一歩間違えば精神異常の犯罪者扱いにでもされるような自分の内面吐露をこうして映像にしてしまって、それでカルト的な人気まで集めてしまっているのだから、まあその点では井口昇というのはやはりある種の才を噴出させた人物であろう。それを受け入れる土壌が今の世の中にできたのは良いことなのか、悪いことなのか・・・・果たして?  自分としては歪んだ世の中だからこそ・・・・と思うのだが。

●まあもう、ここまで品性のかけらもなく(そんなものを入れようともしていないのだろうが)。下品、下劣の極み、グロ、エロの大暴走となると、もう最初からただ唖然。よくもここまでやってるよなぁと肩を落としながら感心し、もうため息をつきながら観ているしかない。『ピンクフラミンゴ』なんてのもあったが、井口昇と並べられるような感覚はずっと以前から映画の中にはあったし、人間の中にはしつかり巣くっているのだろうし、類としてしっかりと存在していると思うのだけれど。

ストーリー客観性整合性もなし・・・・正直言わなくてもナンセンスだらけ・・・・でもいいか、この作品は。話のつじつまなんかあってない方が面白いかも?

●まあよくもここまでやってるなぁという感じで、それを才覚だとかとは思わないが、ある種の普通では出来ない力の発散であることは確か。異才という言葉は確かに合っているかもしれないが、異才能ではなく、やはり変態、異常者的な精神発散じゃないのだろうか? それが映画になっているのだからこの人は認められ、映画によって社会での暴走は食い止められ、暴走を願望する人間から慕われる。

●この異常な映像でもうちょっとストーリーがちゃんとしたもになれば、ひょっとしたら? と思う部分もあるのだが、そうなったら井口昇の井口昇らしさも消えるのだろう。

●監督は本当はもっとAV作品のようなH臭さをいっぱい入れた映画にしたかったんではなかろうか? まあそうなると一般映画ではなくなるが、監督がH映画を撮りたいという欲望はもうAVで叶えているようであるし。

●まあそれにしてもマシンガンをぶっ放して人間が撃ちまくられるシーン、血しぶきドピャーのシーンはもう唖然。井口昇の妄想、欲望、フルパワー全開といったところだろうか? おぞましいけど、感心。

●こういった作品に熱狂する人種というのは日本でもアメリカでもいったいどんなものなのだろうとは思うのだけれど。でも居るよなぁ、周りにも、秋葉辺りを歩いていても。

●人間の体の一部をマシンにする、マシンにして強くするという発想は古今東西絶え間なく人間の煩悩の中に生まれてくる欲望なのだろうか? タランティーノにしろ、永井豪にしろ、コブラにしり、最終兵器彼女にしろ・・・・人間の能力を越えて強くなりたいという欲望であり願望・・・邪念。スケベ心。

セーラー服を着て戦う美少女・・・この設定もやたら映画やアニメで目に付く。武器は刀だったり、マシンガンだったり、最終兵器だったりするけれど。やはりセーラー服というのも男のスケベ願望の象徴であろうか?

●まあそういう意味では男のスケベ願望をあれこれ映像化した作品だとも言える。

女性の胸がドリルになって攻撃するというのも・・・・たぶんいろいろな映画や漫画でよく出てくるものだが、男の願望なのだろう・・・・裸にエプロンみたいなものじゃないかと思う。

八代みなせがセーラー服でマシンガンを腕に装着してるイメージというのはオタク、オタクでない含めて多分、多くの男が共通して抱く妄想の結実した総体であろう?
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●全く好きではないし、二度と観ることもないとは思うが、印象には残った。........と思いつつこ日記を書き終えたら『ロボゲイシャ』(2009)も観てみようかななんて気持ちが湧いてきた。んーこういう作品はクセになるのかもしれない・・・・・ちょっとそれはヤバイかな?

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