「リング」(1998)

・20年以上前の映画になるんだねぇ、これも。今観てもやはり不気味さ、怖さはあるな。

・ビデオテープだとか、そんなものも合ったなぁというくらい古く感じるのだけれど。ポラロイドカメラにしても、分厚いブラウン管テレビにしても、車にしても画面に出てくる色々なものが時代を感じさせる古いものだらけ。この当時を思い起こさせるものがいっぱいだがなぜか懐かしいというより、この頃はこんなんだったんだなぁと時代の至らなさを感じてしまう。なんでだろう。古きゆかしい、懐かしさって感じない。カッコ良さも感じない。どれもこれも凄くカッコ悪い。不細工なものに見える。

・この訳の分からぬ正体の想像がつかぬ不気味さはまったくもって健在。この訳の分からなさこそがこの映画の怖さなのかな。

・怨念、怨みっていうのは物理的には避けられないし、どこをどうやっても逃げる手がない。それが日本的な湿り気と一緒になると更に怖い。よくあるホラー映画みたいに音や突飛な映像で驚かせようとしていない。じわじわと絡みつくように怖さが増してくる。井戸の中の黒髪や爪なんていうものもそれだけで怖い。

・やっぱりこれは上手い。日本人、日本的な不気味さ、怖さ、怨み怨念というなにをどうしようが、外国に逃げようが鉄格子の中に入ろうが電波で周りを包み込もうがやっても逃げられない。そういう怖さなんだろう、この映画が見事にフィルムに映し取ったものは。

・いやーそれにしても井戸から這い出してきて画面から出てくる貞子は・・・何度観ても菜美だが出てくるほど怖くて不気味だ。この恐怖だけは映画史上世界一かもしれない。

竹内結子が出てたって今回初めて知った。最初の方にでてきていちばん最初に呪い殺される役・・・こんな役やってたんだねぇ。