2007-02-05
■[NFLレビュウ06]スーパーボウル予想。
いつもはプレビュウ書いたりしてるんですが、今年は簡単に。
予想としては、一番ベタなのは3点差でのIND勝利。もちろん最後はアダム・ヴィナティエリのサヨナラ決勝FGです。さすがにもうしつこい気もしますが。
昨年のようにビッグプレイ一発で均衡破れるパターンというのは、どうでしょう。両HCとも守備畑出身でトリックプレイなど好むタイプではないですが、QBはどちらも一発あります。一発あるというか一発しかないグロスマンのCHIとしては、有望な展開か。INDとしては一発頼みよりも厚みで押していくべき。
大差がついてしまうパターン。今年のプレイオフはここまで接戦続きで盛り上がりましたが、最後で台無しというのもある話。大差つく展開となれば、攻撃のINDかというと必ずしもそんなことなく、むしろCHIもある気がします。攻め合いなら攻撃型、接戦なら守備型が有利とか言われますが、過去のSBでも意外と守のチームの方が圧勝したりするものですから。OAKをこっぱみじんに粉砕したTBとか、あまりの圧勝ぶりで見てて途中で寝てしまったBALとか。これはCHIの奪TO力の高い守備と、デヴィン・ヘスターの破壊力溢れるリターンがどこまで威力を発揮できるか次第。INDは、このプレイオフ絶好調のラン守備がCHIのラン攻撃を完封して、あとはグロスマンのやけ投げさえ気をつけておけば、普通に圧勝してしまう危険性も。圧勝しないでください。
INDで、カギ握るのはTEダラス・クラークですかね。プレイオフに入ってQBマニングの調子が上がってこない中で、それでも困った時に何とかしてたのがクラーク。見た目がヒゲの割りにスピードがあり、ビッグプレイ能力が高いので、一発で局面を打開してきます。この厄介なヒゲを、無類の守備範囲を誇るLBアーラッカが封じることができるかどうかが勝負を左右しそうな気がします。あ、ランを抑えるとかは前提条件です。ジョセフ・アダイあたりに走られるてるようでは、守備のチームとは言えませんから。IND守備でのカギは、DB陣のタックルのキレ。果敢さを通り越してる凶暴な突進をこの大舞台でも見せられるか。ニック・ハーパーはケガで微妙らしいですが。ベセアという新人Sの動きがよく目につくので注目してます。
CHIでは、上述のヘスターと、あとはKのロビー・グールド、Pブラッド・メイナード、まあ、要するにスペシャルチーム全般。トータルの戦力では劣勢なだけに、スペシャルチームでのつまらないミス一つが致命傷になりえます。そういう試合の崩し方だけはしないようにしてください。ガックリしますから。あとはもちろんグロスマン。ガックリさせるなよ。
2007-01-24
■[NFLレビュウ06]AFC決勝。
- NE@IND
「いいか、ブリッジではときどき、どんなに勝ち目が薄くとも勝つチャンスはそれしかないのだから、希望どおりにカードが配られるという仮定にもとづいてプレイしなければならない。幸運に恵まれれば、勝つ。そうでなければ、そうだ、どうせ負けるはずだったんだから、少なくとも成功の可能性に挑戦したことにはなる」
「オールド・ディック」L・A・モース
クロスゲーム・ショウのトリを飾ったのは、18点差を引っくり返す大逆転劇。しかし、心臓が痛くなるような劇的な試合ではありましたが、終わった時に「まさかの」という印象はありませんでした。かのNEが、あのINDに逆転負けしたにも関わらず。その逆ならともかく。それというのも、NEに配られていた手札では、そもそも限りなく勝ち目が薄かったのですから。前半は、まんまと希望通りのカードを引き当ててリードを奪うことができたのですが。
逆に言うと、唯一切ってはいけないをカード切ってしまったのが、前半のIND。ペイトン・マニングは、あくまでも「INDはマニングのチーム」であろうとしたのか、WRマーヴィン・ハリソン、レジー・ウェインとのホットラインでの勝負に出たのがド裏目。魔人と化しているアサンテ・サミュエル、更にこちらも素晴らしい出来だった逆サイドのエリス・ホブスというNEのCBとの局地戦となってしまい、サミュエルにはINTリターンTDまで奪われるという大惨敗を喫することに。
それが、後半。リターンTD喰らった後、失意のズンドコに落ち込んでたマニングがハーフタイム中に過ちに気づいたのか、前半は消え気味だったRB、TEを前面に押し出して、厚みを活かした総力戦に切り替えてきました。そして、その気づきは、幸いにも遅過ぎることはなかった。総力戦となると、NE守備はもういけません。SD戦もそうでしたが、厚みをこらえられるだけの足腰が今のNEディフェンスには、全くない。RB、TEに対しては、S、LBが対応することになるわけですが、ロドニー・ハリソンが間に合わず手薄なままだったSがやられるのはともかく、NEの王朝時代を支えたテディ・ブルスキ、マイク・ブレイベルの黄金LBコンビがなす術なく押し込まれていたのはショッキングでした。これまでは、ここぞというところでこのLBコンビが会心の一撃を繰り出すことで、勝負をものにしてきたのですが。2人がベンチに並んで呆然と荒い息をついてる姿は、見てて悲しくなりました。解説の高野元秀氏が、盛んにNEのアウェイ連戦による疲労というのを心配してましたが、30代の2人にはことさらキツかったのかもしれません。
ビル・ベリチックとトム・ブレイディは、それでも最後まで可能性に挑戦しましたが、WRリシェ・コールドウェルの瞳孔開きすぎ落球(ビックリしたいのはこっちだっての)などもあって、SD戦に続いての幸運には恵まれなかったようです。そもそも、相手にどんなカードが来ようとも、あらゆる可能性をカウンティングした上で、それを全て封じることで勝ってきたのがNE。そこには、幸運の入る余地などなかったはずですから、この敗北を不運と嘆くこともないでしょう。
INDは、ついに、NE>>(超えられない壁)>>IND、という図式を乗り越えました。まあ、NEの方が壁から落ちてきたという面もありますが、最後の3連続ランによるTDなど見ると、最後の一歩はINDが自分の力で乗り越えたと言うべきなんでしょう。今までなら間違いなく3回中2回以上はパス投げて、きっと止められてたと思いますもの。
- 追記。
最後、ブレイディの投げたパスがINTされジ・エンドとなった時、福原アナが「あっけない結末」と言ったことに対して、高野氏が「そんな風に言うべきではない」と強く反論してました。ブレイディは、最後まで王者の矜持をもって勝利の可能性のためにプレイしていた。その誇りには敬意を払うべきだと。この日の福原アナは、初っ端から夜に放送するNFC決勝の結果を連呼したり、まだどう試合転ぶか分からないというのに「IND勝てばアフリカ系アメリカ人HC同士のスーパーボウル」なんてことを何度も言ったり、いささかデリカシに欠ける実況で残念でした。史上初か知りませんが、そんなこと言ってる場合じゃないだろうと。まあ、NFCの結果は、どっちにしろ放送画面からバレるだろうと私は諦めてた(実際、スタジアムのスコアボードで結果映されてたりした)ので別にいいですけど。ただ、ゴルフ中継延長でイライラしてた人には追い討ちになったかもしれません。何をプレイオフまでやってるか。
2007-01-20
■[NFLレビュウ06]ディヴィジョナルプレイオフその2。
- SEA@CHI
クロスゲームの見本市と化してる感のあるディヴィジョナルプレイオフ。均衡化も極まれりという感じですが。この試合は、お互いが必死に流れを掴もうと手を伸ばすも、シカゴの寒さにかじかんで掴みきれずOTまでもつれ合うという展開。
シカゴ守備は、スロースタータというかしり上がりに調子出してくるような印象。レギュラシーズン中にも同じようなこと感じたので、これはチームとしての傾向なんでしょうか。オフェンスでスロースタータというのはよくありますけど。消耗して出足鈍くなることが多いディフェンスでは珍しい。若手が多いので、試合の入り方に課題がある反面、スタミナが豊富なので消耗戦になるとパワーで圧倒できるとかそういうことなのかも。
注目のグロスマンの出来は。うーん。280y投げてるんですが、そのわりに微妙な印象。なにかイライ・マニングに近いものを感じるんですが。デジタル世代。プレイコールが当たりの時は、素晴らしいパス投げて才気を感じさせるんですけど、プレイが崩れた時に神経の行き届いてないスロウというか、心無いパスを投げてギョッとさせるようなところあります。そのパスが、守ってる方がギョッとするくらいにストライクでINTされることもあれば、捕る方がギョッとするような狭いところに通ったりもするという。このQBでスーパーボウルまで行きますかねえ。あまり、イメージ湧かないんですけど。
SEAは、しぶとく戦って、一度は勝ちそうな流れを持ってきたかに見えたんですが。オフェンスは、最後はしり上がりCHI守備にビタッと止められてしまいましたが、24点取ったのだから上等です。RBアレキザンダも100y走りましたし。ディフェンスも悪くないように見えましたが、CBトゥルファント離脱で手薄になってたCBがしばしば一発を被弾したのが痛かった。新人ジェニングスとバビノーですからねえ。思えば、昨年のSBでも先発Sが壊れて、一発で炎上したりしてました。
- NE@SD
この試合は何と言ったらいいか。これまた3点差のクロスゲームだったわけですが、手に汗握る好ゲームというより、開いた口を塞ぐヒマがないドタバタ劇といった風情。NEのプレイの出来は最低といっていいくらいでしたが、SDは出来以外の部分が最悪でした。地雷踏みまくり。NEのチャンスの芽が完全に潰れたと思ったら、片っ端からSDが水をやって芽を復活させてあげてるんですから。
地雷踏まなかったら、この前の対戦時のように40-15ぐらいでSDが勝てたはず。それくらいの力関係だったように見えました。NE守備は、頼みの知性派LB陣が立ち上がりからSDのパワーに圧倒されっぱなしで、トムリンソンはおろか、控えRBのターナーすら止められず。私はこの前のIND@BALの試合後のインタビュウで結果知ってしまってたのですが、これでどうやってNE勝ったんだろうと不思議に思いながら見てました。それぐらい圧倒的なやられよう。頑張ってたのは、あいかわらずキレキレのアサンテ・サミュエルくらい。あと、一部で注目のチャド・スコットは初っ端にゲイツ相手に良いタックル決めてました。それっきりでしたけど。
攻撃でも、ブレイディはSDの3-4守備をなかなか読み切れず、3INT喫する大苦戦。ランを真面目に出すことは早々に諦めて、ディロンでもマローニでもなくケヴィン・フォーク先生を使い続けたのは、恐るべしベリチックという感じでしたが、単なる苦し紛れとも言えないことはない。
で、やってしまったSD。何なのでしょう、この負けは。非常に受け入れ難いものがあるんではないかと思います。ほとんど自業自得ではあるんですけど。戦前に不安点として挙げた、リヴァースのこれまでの過保護ぶりとか、ショッテンハイマーの保守性というのも、敗因とまではいえなかったと思います。リヴァースも、誉めるような出来ではなかったですが、派手にぶっ壊れることもなく。通したパスの半分以上がゲイツとトムリンソンというのも別にいつものことですし、良くも悪くも目立ってませんでした。ショッテンハイマーも、4th&11からギャンブルとか、やけに積極的な采配もしてました。11y残しでのGoは、積極的というよりただのキチガイ沙汰な気もしましたけど。ギャンブルはともかく、あれだけ地上戦で圧倒してたのですから、もっと保守的にいってもいいくらいだったと思います。しかし、だとすると結局のところ、ミスで負けただけとしか言うほかないんでしょうか。あるいはショッテンハイマーは本格的に呪われてるとか。うーん。
一つ。これは前から気になってたことなのですが、近年、アントニオ・ゲイツ、トニ・ゴンサーレス、ジェレミ・ショッキー、トッド・ヒープ、ジェイソン・ウィテン、アルジ・クランプラなどなど、WR並にパスキャッチで活躍するTEというのが流行してるわけですけど、にも関わらず、そうしたTEをメインターゲットとして活用してるチームがスーパーボウルに進めてないということ。いずれもかなりの強豪チームですし、ヒープのBAL、ショッキーのNYGなどは加入する1,2年前にSB進出してるチームだったことを考えると、ただの偶然ではないんではないかと。偶然ではないとしたら、何なのかといいますと。
まず、TEへのパスというのは、LBに対してはスピードで、DBに対してはサイズでミスマッチが生じるので、ローリスクハイリターンが狙えるというので流行ってるわけです。ただ、プレイオフになると、当然、相手は守備の強いチームばかり。多少のミスマッチはなんとかしてしまう戦術、タレントを備えてる。そうなると、万能に見えたTEが、WRほどのスピードもないし、RBほどのパワー、走力もないという、どっちつかずな存在に成り下がってしまい、オフェンスが手詰まりになってしまう、と。ちなみに、この試合のゲイツは6キャッチ61y。それなりでしかないです。
もう一つ考えられるのは。TEへのパスというのは、投げるQBからしたら難度は低いわけです。的はデカいし、多少ブレても上述のミスマッチで何とかしてもらえますから。そういう難度の低いパスをメインに頼ることで、QBの判断力が徐々に鈍化していき、いざプレイオフで厳しい状況に陥り、上述のようにTEも頼りにできないという時に対応できなくなる、とか。
まあ、一つの仮説です。特に二つ目のは、そもそものQBの資質(デカい人にしか投げられないマイケル・ヴィック、カイル・ボウラーみたいな)とかプレイコールの問題も大きい気もするのでかなり怪しいのですが。こう考えると、結局、最後までゲイツ頼みのパス攻撃だったSDに対して、NEも今季WRがごっそり抜けたことで繰り上がり的にTEベン・ワトソンがメインターゲットとなってたのが、プレイオフに入ってWRジャバ・ギャフニィがラッキーボーイ的に浮上してきたのが大きかったとか、もっともらしいことも言えるということです。
2007-01-17
■[NFLレビュウ06]ディヴィジョナルプレイオフ。
- IND@BAL
紙一重を完璧な集中力で凌ぎまくるディフェンスと、完璧な集中力で仕事を果たすキッカーたち。ギリギリの均衡が崩れそうで崩れない、なんとも重厚な試合。これぞプレイオフです。実は、前日に試合結果を知ってしまってて(Yahooでサッカーの移籍情報チェックしようと思ったら…、痛恨でした)、ガックリしながら見始めたのですが。ギリギリのテンション保たれた試合に引き込まれて、そんなガックリ感もどこか行きました。まあ、試合後のインタビュウで見てはいけないものを見てしまって、またもの凄いガックリしたんですけど。次のラウンドは○○が待ってるとか何とか。あああ。
しかし、なぜINDは、ペイトン・マニングは勝てたのか。ワイルドカードの時にもちらっと書きましたが、マニングが以前のようにオーディブルを濫用しなったのが大きいんではないかという気がします。この試合でもそれなりに使ってはいますけど、かつてのようなヒステリックさ(ちょっとでも相手守備に気に入らないところあるとプレイ変えようとするような)というのはだいぶ薄れてました。これまでのマニング独裁体制下では、マニング個人の頭脳vs相手チームという構図になって、最終的にビル・ベリチックやディック・ルボウといった鬼才に、マニングの頭がパンクさせられてドボンという負け方を繰り返してきたわけですが。この試合では、チームvsチームという、当たり前の戦いをしていたように見えました。序盤に、早いスナップからポンポンプレイ始めたりしたのも、チームとしての作戦でしょうし。
で、チームvsチームとなると、独裁体制下ほどのキラメキによる爆発というのは生まれにくくなりますが、その代わりにハリソン、ウェインというリーグ屈指の両翼に、アダイ、ローズとそれなりのRB2人、その全てが抑えられても飛び出てくるヒゲのTE、そして全てを支える堅実なOLという、オフェンス全てのポジションにタレントを揃える「厚み」が活きてきます。BALとしても非常に厚みのある守備でよく対抗したのですけど。
そして、ここにきて俄然輝きを増してきた、クラッチャー、アダム・ヴィナティエリの存在。今さらながら、なんでNEは手放しましたか。プレッシャかかるプレイオフ、しかもアウェイにおいても、当然のように50y前後のFGを決めるこの男。この勝負の鬼が控えてるからこそ、マニングもヒステリィを収めたんでしょう。これで待ってるのがヴァンダージャットだったら、勝負託す気になれませんもの。
- PHI@NO
総合力でじわじわロープに詰めようとするNOに、ビッグパンチ一発でリング中央まで押し返すPHIという、↑の試合とは全く違ったバランスの取れ方をしたシーソーゲーム。これも見応えありました。NOのDB陣のうっかりぶりはちょっとどうかと思いましたけど。あんな振りのデカいパンチ、そんなに何発も貰ってはいけません。
しかし、レジー・ブッシュの華のありようは異常。立ち上がりに、ハンパじゃないハードヒット喰らってグッタリした時は、これはプレイオフの洗礼浴びるかと思ったんですが。あのヒザがどうにかなりそうなカットバックのキレは凄い。実際は、デュース・マカリスターの方が重要な役割果たしてたとは思うんですけど。いかんせんマカリスターは華がない。
PHIは、これが連勝の勢いというやつなのか、なかなかしぶといところ見せましたがあと一歩届かず。頼みの大黒柱ウエストブルックの不振が響きましたか。一度、65yTDというのはありましたけど、それ以外では立ち上がりから徹底マーク受けてランは封殺、得意のパスレシーヴでもらしからぬ落球連発。生命線のジャブが機能しなかったせいで、コンビネーションも何もなくなって、ビッグパンチ一発頼みとなってしまったという印象です。意外とそれが当たって善戦になったりしたわけですが。ただ、これだとどうしても時間支配などは出来ませんから。接戦ではあったものの、じわじわ消耗していって最後勝ちきれずという結果は、必然だった気もします。