激安の10GbEカードで1.2GB/secの速度が出せるのか

最近はヤフオクやアマゾンで激安の540X-T2などが出回っていて、それらがまともに使えるなら10GbEを安価に構築できるかもしれません。正規品を買ったら5万円くらいはするでしょうからやってられないですが。

とりあえずアマゾンで1枚頼んでみましたが付属のインストールディスクは若干古いバージョンで中国語のファイルが書き込まれていましたのでおそらくは中国か台湾あたりの流通品でしょう。であるならばヤフオクではもっと安く売っているはずだと思い探してみると1万2千円くらいのものがありました。アマゾン以上に安いので落札してみました。しかも動作しなかったら交換してくれるということなので。

合計3枚送ってもらったのですが2枚は540X-T2で1枚はT1です。開封してみるとアマゾンの流通品とまったく同じです。製造時期まで近いものでなんだか怪しい感じがしてきます。もちろん怪しいのはアマゾンとヤフオクの両方ともですけれど。

クライアントにはT1でも十分なのでサーバーにはT2を刺しクライアントにはT1を刺してみましたがT1はまともに動作せずT2は2枚とも良品っぽい感じでした。もちろんT1は差額をお支払いしてT2に交換してもらうことができました。

T2についてはどれくらいの転送レートが出るか試してみることにしましたが、実のところ、1.2GBちゃんと出ることがわかりました。今回に限ってはインチキな模造品ではない?可能性が高いということのようです。チップ部品はかなり小さいものが使われており実装密度も高いので外観的に区別のできない模造品を作るのは困難だと思われます。なのでロットアウト品かOEMと称した横流し品である可能性が高いと思われます。ただし1枚だけ買ったT1が不良ということは低くはない確率で不良に当たる可能性があると考えておいた方がよいのかもしれません。NC/NRだと損をすることにもなりかねない危険がありそうです。

コントローラーのキャッシュの状態によって速度が変動するのでなんともいえませんが...ディスクの台数を減らし論理ドライブを1つにすると最大1.2Gbytes/secになります。

結論としては「速度に関しては10GbEの規格値≒1.2GB/secは出せる」でした。

無料アップデート期間が過ぎたWINDOWS10はいまでもWIN7,8からクリーンインストールできるのか(2017年8月)

この話題はネットで結構いろんなところで書かれていて、確実に実行可能なのは支援技術支援名目のアップデート(クリーンインストールではない?)だと云われています。
一方、アップでデートが可能であると謳ったDISKをオークションで販売しているのをみかけることがあります。もし使用出来なかったらクレームが殺到するので継続販売は不可能になると思われます(1600枚も売ったそうです)。ですのでそれらを勘案しますとくクリーンインストールはハードルが高いかもしれないがアップデートが「出来る」「出来ない」のどちらかで判定するなら「出来る」になるでしょう。

素人オーディオの試した限りでは一部ネットに書かれている通りクリーンインストールには何度も成功しています。8月にもWIN7からのアップグレードで3台クリーンインストールしましたがいずれも成功です。ただしコツがあるようではあります。MSのサイトから最新のディスクイメージをダウンロートして実行することです。できればUSBメモリにビルドした方が良いです。古いイメージで実行すると認証が通りません。

MSとしてはWIN8.1からのアップグレードは弾くが7/8からのアップグレードは未だに通すということなので7/8のサポート台数を減らし早めに打ち切りにしたいということでしょう(XPで懲りている)。あるいはアップグレード期限までに目標とする台数がアップグレードしなかったということなもかもしれません。
ということで7/8の正規品をお持ちの方は現状WIN10のライセンスを買う必要はなさそうです。
ただし7--10の順でインストールしてリビルドするのは面倒なのでWIN10のイニシャルとカレントのバックアップが必要になるでしょう。こうなるとNASの速度と容量が問題になってきそうです。

別の話題になってしまいますが最近はNASも一般家庭に普及しつつあるところだと思います。初期のNAS製品はヒドいものが多かったです。たとえはN社の4ベイなどは書き込みエラーが発生して読み出せなくなるなどに遭遇しています。WINDOWS ServerがあればNASは不要なのですがいかんせんディスクを大量に内蔵するスペースもないし頻繁にR/Wしないものはパフォーマンスの落ちるNASでもいいかなという考え方もあります。唯一まともだと思ったのはすでに販売が中止されているLG-NASでした。1TのDISK4台(HGST)とブルレイドライブ付で4万以下でR/W性能もWINDOWS Server並です。メインメモリが交換できるようになっていて最大限実装(4GBでしたでしょうか)して使っています。1GbEネットワークで使っている限りは現在市販されているNASにまったく劣らない性能(ただし10GbEになった場合はわからない)でトラブルもまったくありませんし素晴らしいです。
しかしながらWINDOWS Serverの場合HPなどのサーバーマシンではRAIDコントローラーにキャッシュが2GB乗っているものがあり普通のディスクを使っても(非SSD)1GBvtesのファイルでベンチマークをかけるとR/Wともに3.5GBytes/s以上の速度が出るものがあります。なのでエンベディット的なものでは太刀打ちできない性能と言ってもよいでしょう。出来合いのNASなら4万円のLG-NASで十分ということになりそうです。それ以上を求めるなら強力なRAIDコントローラーを使ったWINDOWS Serverでしょうか。

結論としては「できる」でした

ギガの回線で1Mbpsも出ないは本当なのか?

いま使っているインターネットの回線は遅いなと思ったことはあまりないのですがいかんせん費用が高くつくので何とかしたいと思っている今日この頃です。
10年使ったら普通の車が買えちゃうくらいの値段なので安い回線に変えたいのは山々といったところ。
結論としては固定IPで下りが速い回線は基本的に無理っぽいので固定IPとNUROの10Gなどを併用するに限るのではということです今のところ。
LAN側から出てゆくゲートウエイをNUROにしておけば問題ないということにはなります。
ルーターにNATをやらすと遅いのでLINUXのGWマシンが1台必要になるでしょうけれど(電気代がかかる)。
もちろん10Gが対象エリアになったら速攻契約だと思いますが設備が古いことで有名?な近くのNTTの局が対応可能になるまではたぶん1年かそれ以上必要でしょうか?


素人オーディオはne.jpを持っているのでそれをどう移管してゆくかが問題なのですがJPRSDirectという手があります。
移管すると2万円くらい取られちゃうのですがそれはワンタイムで以降は年額7560円だけになります。ネームサーバーの設定なども自由みたいですしヘンなレジストラに頼むよりはよさげです(NUROの場合も管理料金は8000円ですから同額と云えるでしょう)。
→ 実はもっと安いレジストラさんがあってJPRSDirect同様に使えることがわかりました。激安なので凄いです。

某サービス(契約書類が届いていないのでまだ試してはいません)の場合はホスト名の逆引き権限も委譲してくれるらしいのでJPRSDirectと組み合わせることでおそらくですが好き勝手に設定できるようになると思われます。とりあえず汎用JPドメインを5年くらい登録延長してから →実はこの手は使えないようにブロックしてあるみたいです。更新は1年ごとで1年以上の有効期限が存在しないようです。→ JPRSDirectに移管して(汎用JPの場合は移管料金が掛からず有効期限を引き継げる)どんな設定ができるのか試してみたいとは思います。→ 廃止予定のドメインで有効期限が1年未満のものを移転しました。速攻移転できます。

さて、今回は人柱とも云える行為ですがフレッツの光などを引いてみて回線速度をチェックしてみようという試みです。
実用になりそうであれば高い回線をやめて移管することをもくろんでいるわけではございます。いわゆるダークファイバーを使って独自網に接続しているところに普通のフレッツを追加するので何の問題もないです。

まずは2か月無料で使えてしまう太っ腹INTERLINKさんです。混雑時間帯の速度は10Mbps程度ということでしたがNURO BIZに比べると比較にならないというのが正直なところです。でもこれでも最遅ではないということが明らかになることに...



これって79.95Mbytes/secですよ。bitsではないです。
ほぼ同時(10秒くらいの差)に測定していますのでどちらが有利ということもなく使っているPCのせいで激遅になっているわけでも当然ないです。
ダークファイバーでは問題なく速度が出ているのですからNTTさんの問題あるいはその上流のプロバイダーさんの問題でしょう。

ちなみに某とくとくなんとかさんに契約して同じように接続してみましたがさらにとんでもない速度だったことをお伝えせざるを得ないところです。
ギガのファイバーで1Mも出ないという現象が本当に存在するなど思ってもみませんでしたがまざに実在するようです。しかも21時以降で速攻出現とは恐れ入りますし、しばらくしてまた測定してみても同じです。
もちろんときどき2Mとか3Mも出ますが大抵は1M以下で5Mとか10Mが出ることはありませんでした。


激遅の場合どうなるかというとたとえばYAHOOのトップページですら重く広告がなかなか表示されてこないという状況です。お天気予報の動画などバッファして動画になるまで数分を要していました。もちろんLTEスマホよりひどいと云えばひどい状況でしょう。


夜中の1時でもこの速度ですから最悪の品質と評されるに相応しいレベルではないかと(回線はギガです)
しかし2時過ぎに測定してみると300-500Mbpsなどどいう速度が出ています。

激遅になるのはOEをかける先までの経路、および、プロバイダーさんの回線容量と加入者数の関係等に左右されそうですが、とくとくの場合は速度が出ないケチケチ設定になっている可能性が高いでしょうね。21時以降おそらく1時過ぎくらいまでは意図的に速度を絞っているようにも見えます。1Mbs以下が出たのはさすがにひど過ぎるとしか云いようがないですしわざとやっている可能性があるのではと思えます。

その他とくとくさんの問題点としては契約時の案内にはDNSが明示されておらず使用できるDNSがよくわからないことです。たとえはクライアントあるいはサーバーで157.7.33.254/ns1.gmointernet.jpを指定しても157,7.32.53/01.dnsv.jpを指定しても使用できません。PINGへの応答は返すけれど問い合わせには答えない(問い合わせ拒否設定)のはどういうつもりなんでしょうか?固定IP接続で自動でDNSをもらって来いというももあまり聞いたことがありません。防火壁の設定を作るときにDNSのIPが必要になることが多いはずですし何なんだと云いたいところです。もちろん太っ腹のINTERLINKさんではちゃんとDNSの情報は提供してくれています。
ですのでとくとくさんはいろんな意味でお勧め度の低いサービスであると云わざるを得ないところでしょう。

とにかくギガのファイバーで1Mbpsも出ないことがあるのは本当だった! です。もちろんNTTさんの回線容量のせいもありましょうが同じ時間帯でもさらに速度が出ているプロバイダーさんもありその差は5-10倍程度はありましたからプロバイダーさんの問題である可能性は大です。しかも比較的空いてくる1時過ぎでも高々数Mbpsだったりするわけですからとんでもない品質ではないかと。

これならソフバンさんのWiFiの方がずっとましなんじゃないの状態です。ファイバーの工事や高いルーターなど必要ないですから。上りは24時近くなればそこそこ出てるみたいですが。


結論としては「ギガの回線で1Mbpsも出ない(極悪に近い絞りを行っている)プロバイダーは実在する」でした!

Symmetricom 6502B

先日手に入れたディストリビューターアンプの6502Bです。
パネルには6502としか書いていないのですがSymmetricomが出しているのはほぼほぼ6502Bで側板ラベルの型名は6502Bとなっています。

10MHzの周波数リファレンスしかも1V RMSレベルに特化した(内部アンプのゲインが2固定ということ)ディストリビューターなどは単体では売れるはずもないので高精度な周波数標準機器を扱っているメーカーならではのラインナップでしょう。

分配器など自分で作ったら面倒なことになりそうなので安く出回っているものをゲットするに限るのですが、以前オークションで比較的安価な米国製のキット(有志団体製作)を購入して製作したことがありましたが特性はさほどよろしくなかったです。確かに中身は結構贅沢な構成で出力にはトランスが入れてあるなどトラブルのないように配慮されてはいましたが。

6502Bは10分配でこれだけあれば一通りの機器にはリファレンスを供給できるのでとても便利ですが問題は位相雑音特性です。入力周波数がリファレンスと同じであればリファレンス以上の測定精度は期待できないので重要なファクターになり得ます(10MHzで10MHzを測定する場合などがそれに当たる)。

なのでZ3801Aの信号を使って直結と6502Bを通した場合(もちろんスルーではなくアンプを通したもの)を比較してみましたがほぼ劣化なしにバッファされているようでした(カタログ以上の性能)。もちろんオーディオに使っても悪くはないと思いますし100万円以上もするルビジウム+分配器よりはよほど性能は良いはずです(素人オーディオはオーディオには使いませんが)。

ただまあ入手した個体に関しては改造してあるのか壊れているのかわかりませんが50Ω受けができないようでした。入力端子が2つあってスルーしているのでカスケードのときは恐らくHi-Zで受けるのでしょうけれどカスケードしない場合は50Ωで受けるのが普通だと思います。しかしながらスイッチをHi-Zから50Ωに切り替えてもHi-Zのままで片方の端子にターミネーターを入れないとアンプが飽和してしまうようでした(もちろん飽和してくれないと接続機器を壊す可能性があるので飽和してくれた方が良い)。ターミネーターを入れても特性は劣化しないのでまあ悪くはないのですが。

ダメダメな性能なものしかなければ自分で作るしかないかなと思ってはいたのですが基板を興すだけでもやたらに経費がかかるのでちょっと高くても買ってしまった方が得策と云えば得策かと。

6502Bは素人オーディオとしてはまあまあ普通に使えるレベルのよさげな製品という感想でした。
何度も言いますけど分配器って自分でイチから作ったらお結構金かかりますからこういうのは有り難い製品です。性能の良いGPSセシウムの出力数はそんなには多くないですから。

パッチボックスみたいのを作って差し替えるという手ももちろんなくはないのですが...それもまあめんどいですよね。
手間がかかることすなわち泥沼にはまりやすいこととも云えるのでそういうのは避けておいた方が無難かと。

中華DACの試聴 ハイエンドのSPシステムにて

中華DACは結局OP-AMPを交換した以外には何もしていないですが割と良いと思えたのと、基本試聴はスタックスのコンデンサヘッドフォンで行っていたのでまともなシステムで聴いたらどうなのかは興味のあるところでした。

そんな折に知人の方が素晴らしいSPシステムを導入されたということで聴かせていただいたのですが(もちろん素晴らしいの一言です。本体価格は1000万円だそうです。)そのとき時間があったのでエソの300万超えのトランスポート+DACシステムのDACの代わりに中華DACをつないで音出をしてもらいました。

結果としてもちろん300万円には及ばないはわかるのですが、予想以上の出来具合であったため何度も聞き比べてやっぱり300万円がいいなというくらいでしたし試聴が終わった時点で中華DACはまともだしかなり良いというコメントを戴きました。

ちなみにどんなSPシステムか写真をもってくればよかったのですが自分のシステムでもなくブログへの掲載を申し出るのもなんだか図々しいのでやめることにしました。同価格帯のマジコやYGの上を行くシステムではないかと思います。ツイーターはボロンそれ以外のユニットはナノカーボンで低音は内蔵のデジタルアンプ駆動です。ツイーターは4個使いで球面配置されています。かなり音量を上げでも解像度が落ちずダイナミックレンジも素晴らしく広いようでした。

試聴は中華DACはエソのトランスポートから同軸でSPDIFをもらってきて再生、対するエソのセパレートDACは左右独立のES LINKを使ってトランスポートからDACに接続しDACには高品位の外部クロックを使用。なのでエソDACの方が条件が良いのは明らかなのですがそれでも割と健闘していました。セパレートに比べれば音数は減るし奥行きも出なくなるのですが全体的にとても綺麗な音で嫌な感じがしないということす(帯域バランスは良い)。フィルタ設定についてはSLOW ROLLが良かったです。これは私の試聴結果と同じです。

エソのセパレートDACはデュアルモノ構成で電源部にお金をかけているので格調高い質感が出せるのだとは思いますが、その点中華DACは全体的に安い作りなので負けてしまうのは仕方ないところでしょう。しかしながら価格差を考慮すると素晴らしい出来だと云わざるを得ないです。なにせ何度も比べて聴いていたくらいですから決して悪くはないのです。全然ダメだったら「ダメだなこれは」ということで終わってしまうのが常ですから。ちゃんと聴いていましたがから少なくも何か良い点があったに違いないですし安いなりにまとまりが良かったということもありましょう(ちなみにエソのセパレートはAK4490です)。

ということで激安の中華DACは値段を考慮すれば十分な実力があるということでAK4495のポテンシャルの高さを証明できたということ、あるいはOP-AMPのセレクションは比較的重要な要素なのかなということが伺い知れたところでしょうか。もちろん超高速のOP-AMPでなくてもそれなりの質感が出せているということでしたし試聴の結果システムに合ったものを選べば良いということなのでしょう。

超高速アンプを使っても発振などしてればまともな質感は出せないと思いますが、中華DACは若干高速性が劣るOP-AMPを使っていますがその代わり発振などおかしな動作はしていないことは確認できているの綺麗な音が出せているのだとは思います。部品はケチ臭いし基板はイモですけれどね。

ちなみにですが知人宅は最近までスカルラッティシステムをお使いだったのですが4497を積んだ200万円くらいのCDPや4490を積んだ300万円くらいのセパレートシステムなど複数のシステムを比較試聴してスカルラッティと入れ替えを行っています。そろそろスカルラッティは入れ替えた方が良いのではとそそのかしたのは素人オーディオなのですが。なにせトランスポートだけでも中古で100万はくらだないにしても積んでいるのはエソの比較的古い型ですしペアで使うDACも若干古くなってきたように感じられただからです。
そういうこともあり試聴には立ち会っていますが新進気鋭の4497のCDPは世の中では評価されているようですが試聴した限りにおいては荒削りであまり良くなかったように記憶しています。ちょっとだけ聴いた感じでは華があるようにも聞こえるのですが一体型のCDPでは厳しい感じもなきにしもあらずのようです。やはりDACチップだけでは音は決まらないというのが実情ではないでしょうか。

しかし驚いたのはエソのトランスポートの実力です。最初からハイレゾで提供されるPCやメモリからのストリーミング再生が良いのもわかるのですがとくに元がCDの場合はリッピングしてファイルで再生するまでもなくそのままお皿をかけてもかなりまともです。DACへの転送方式もHDMIなのでUSBより帯域が広く悪い点は少ないです。あるいは幅広いクロック入力に対応し送り出し側と受け側の両方に供給できるので高品位クロックの恩恵受けることもできます。なので300万はちょっと...とは思いますがCDあるいはSACDをメインとするならばあれこで自分で試して良いものを探すことにくらべると時間と手間を節約できリスニングの時間に回せるという意味では価値があるかもしれません。ちなみに素人オーディオはこのシステムの2世代くらい前のシステムを使っていますがトランスポートの実力はなかなかのものだと思います。

素人オーディオはハイエンドのシステムを聴かせていただいてすばらしいと感動はするのですが...それよりもオシロやスペアナあるいは基準周波数関係の機器等をいじって遊んでいる方が今のところは楽しいです。一部屋潰してまで測定機器を入れるなど普通はしないでしょうけれどね。

THS4601EVM (THS4031,AD811)

発注していた4601のEVMが届きました。早速動作させてみましたが100Ω負荷でrise 20nSだったので前回と大差ないようです。
S/Rは約78Vでソケットの下駄などは履かしていないので波形は綺麗です。一点でしか評価していませんが高速性ではAD845と互角のようです。リテールの販売価格も大体同じですがAD845は古い設計のICであることもありTHS4601に比べると電圧性ノイズが桁違いに多いようです。

EVMは50Ωで送り出すようになっていてゲインは+2です。50Ωで受けている(100Ω負荷)割にはS/Rが落ちていないようです。
しかしこれだけのパスコンかましてやっと綺麗な波形になるのかと思うと意外に手間のかかるチップかもしれません。
2番と3番ピンは結構いい加減なレイアウトでも問題ないようです。高速広帯域の電流帰還アンプだったら発振しているかもしれませんが。

現時点で中華DACはTHS4601で聴いています。当初手元にあったLME49990が良かったので100個くらい追加で取り寄せようかと思いましたが(普通の値段で購入できるところもあります)参考用としては充分な数をもっているのでやめました。某サイトでのご指摘の通り低音が弱いのと鮮度や空気感がイマイチだからです。もちろん中音の密度感は他のOP-AMPにはない魅力だと思いますが。


THS4031矩形波応答特性 G=+2 RF/RG/RL=1kΩ ±15V
THSシリーズで30Vの耐圧のあるもので残っているのは4031になりますが初段はTrです。4601より高速で割と綺麗な応答特性なのでソケットに乗せて適当に使っても大丈夫な感じもしなくはないですが10KHzの正弦波を再生してみると高い周波数にノイズが乗っていました(恐らく発振ではないかと思いますが大振幅ではない)。あくまでも中華DACに使った際の動作状態で他のセットでは安定に動作することもあり得るとは思いますが4601に差し替えるとこの雑音は消失します。4031の音を聴いてみましたが若干暗めで硬く分解能もあまり良くなかったです(なのでよく調べてみたら雑音あるいは発振が乗っていたということです)。

ということでしたが...素人オーディオは低周波アンプよりも100MHzくらいで超低歪とかそういうアンプの方がそそられますね。10MHzを超える周波数では多くの場合負荷は100Ω(あるいは150Ω)ということになるのでビデオアンプのAD811はもちろんOKですが他のアンプの場合は1KΩで特性を取った場合と比較してひずみ特性が大幅に劣化することもあり得ると思います。あるいは100Ωを負荷する場合は電源電圧をかけてもたとえば10Vppなどの大振幅の信号を(低歪で)取り出すことが難しくなってくるのでよほど電圧利用率の悪いアンプでない限りは±5V程度で充分ということになります。電圧をかければPDが大きくなり単に熱くなるだけです。

ではではおまけですがAD811を±15Vで動作(G=+2)させて100Ωで負荷したときの特性です。

100Ωで負荷してもそこそこの振幅が取れるようで(ただし1MHzの矩形波)さすがビデオアンプですね。電圧を30Vかけているので10Vかけて1kΩで測定した場合より若干riseは速いです(30V/1KΩ負荷では7nS程度)。信号源抵抗を小さくできるAK4497などでは電流性ノイズがさほど問題にならなくなってくるのとこれだけのドライブ力があるので後段のバッファーなどは不要になりそういう点では有用なOP-AMPなのかもしれません。時間のあるときにG=+10か+2のフラットアンプで質感をチェックしてみたいです。
ただいまさらDIPは使いたくないのでPLCCかSOP20かのどちらかになるので他のOP-AMPとの互換性がないところが痛いです。CERDIPなら格好いいかもしれませんがミリタリーグレードになるのでめっちゃ高いです。

SOP8はADのラインナップにはあるみたいですがdigikeyでは生産中止品扱いになっているようですし熱的な問題が大きいので避けた方がいいでしょう。SOP20の半田面をレジスト抜きにしてべったりくつけて使いますか。

ところで前にもちょっと書きましたが素人オーディオは最近2GHzのオシロをよく使っています。6GHzもあるのですがマザーボードのリビジョンが若干古いらしく処理速度が若干遅い(というか若干重いです)ので2GHzで足りるときはそっちを使います。さすがに2GHzのオシロは2GHz付近でばっさり切られているのですがどちらも40GS/Sです。50000シリーズの2.25GHz20GS/Sを使っていたこともありますが帯域はわざと切ってはいないようで2.5GHzまでは伸びていました。ただし解像度がVGAなので今となってはかなり荒く80000シリーズのように綺麗なレポートにはならないです(データーを吸い出して再構成すれば解像度の問題なくなるかもしれませんが)。オシロも解像度はXGAでないと使いづらいように思います。あるいは現時点では垂直は8bitですが広帯域オシロでも12bitの時代が訪れるかもしれません。

特性の似たFET OP-AMPの比較(AD845, THS4601, OPA627)

中華4495SEQを使ったOP-AMP質感評価の続きとしてAD845とTH4601を新たにテストしてみました。
THS4601はOPA627やTHS4631の関連製品としてTIのサイトに記載があったので取り寄せてただけなのですが。

素人オーディオが試したいと思っていたもののひとつは初段がN-Channel FETのOP-AMPです。唯一?かどうかはわかりませんがAD845は独自プロセスで初段をN-CHで作っているということだったので試してみました。

AD845矩形波応答特性 G=+2 RF/RG/RL=1kΩ ±15V

さすがにOPA627よりは若干高速でオーバーアンダーも少ないです。癖はあるようですがそこそこ綺麗に調整されていると思います。

しかしながら音を聞いてみると雑味が多く分解能もイマイチで全体的な印象はあまりよくなかたです。初段をN-Channelで作ると音楽性が高くなるとか独特の質感があるとかそういうことは特にないようです。あるとすれば実音的な感じで5WAYホーンシステムなど元々分解能の高いシステムでは音が遠くならないと云う点で向いているかもしれません。

次にTHS4601ですがDC付近のオープンループゲインはTHS4631より20db近く大きく広帯域なBI-FET(DIFETではないんでしょうね)OP-AMPアンプとしては特異な存在かもしれません。ノイズ特性はOPA627とほぼ同等でラインレベル(一般に1V RMS程度のことを云うのでしょうか)であれば何ら問題ないと思われます。

THS4601矩形波応答特性 G=+2 RF/RG/RL=1kΩ ±15V

例によって特性をG+2(ただし1MHz矩形波, tr=1nS)で評価してしてみましたが規格(tr=7nS typ)よりずっと低速ということがわかりました。チップは正規ディーラーから購入していますがあまりにも規格値より遅かったので本当なの?ってことでEVA BOARDを発注しておきました(1週間くらいで届くと思います)。なおS/Rは21倍すれば実際の値になるのですが約63V/μSというところでしょうか。波形はオーバーシュートとリンギングが乗っていますが帯域を制限するとOPA627に近い特性になると思われます。

音的にはどうなのかと云うと...これが意外に良かったです。LME49990のどろどろまったりをなくし鮮度を良くした感じです。
透明感がありハイレゾ音源の輪郭の良さを綺麗に表現できていると思います。音数も多いし分解能も高いです。Liveモノなど聞けばはっきりわかります。これだけの質感はディスクリートでも簡単には出せないかもしれませんしもちろん値段の高いOPA627をあえて買う必要はないと思います。OPA627の質感が好きな場合はこの限りではないかもしれませんが...素人オーディオは元々OPA627はさほど好きではないのでどうしてもDIPが欲しいとき以外は使わないでしょうね。もちろん自分で基板を設計するならDIPなんてやらないです(笑)。

OPA627AP矩形波応答特性 G=+2 RF/RG/RL=1kΩ ±15V

LME49990はTr入力にしてはかなり良いと思っていましたがどちらを使うかと聞かれれば素人オーディオはTHSでしょうと答えると思います。LME49990を使っておられる方にもお勧めしたいところです。THSはさらに透明感が高く立体的な音です。

このOP-AMPは云う程に高速でもなんでもなく比較的安定で適当にソケットに乗せても発振などもしていません。OPA627よりは留意点は多いにせよ問題なく使える可能性が高いです。ただしソケットに乗せるよりはSOP用のパターンを設計する方が良いと思われます。LME49990とTHS4601を差し替えて比較するなどもできると思いますし実装屋さんに依頼するのであればPowerPad付きのDDAが使う方が良いでしょう。消費電流がLME49990よりちょっと多いのでやはり熱くなります。

蛇足ですがTH4631は4601よりもずっと高速です。当然ソケット変換あるいは上乗はよろしくないです。きちんとパターンを設計して応答をオシロでチェックしながら調整するのが筋です。何もしなければとてつもないオーバーやアンダーあるいは発振に悩まされる可能性大です
発振を覚悟して音を聞いてみましたが全体的に硬くつまらない音ではありました。発振していれば必要以上に電流を喰うでしょうしDCオフセットが乗ることなどもありまともな評価にならないこと請け合いです。

中華DACにTHS4601を使用して96/24 10KHz -3dbを再生した際のスペクトルです(RL=1k正確には1050Ω)。なお10KHz再生時の3rd HDを測定するとOP-AMPの種類にはおおよそ関係なく一定になります(だいたい0.04%くらいです)。なので差動合成がうまくいっていない可能性がありそうですが中華DACなんでそんなもんだとは思います。がさすがにクロックノイズダダ漏れとかそういうひどい状況ではないです。

ちなみにフィルタ設定はSLOW ROLLです。最初はSUPER SLOWで聴いていましたがOP-AMPをいじりながら聴いていくとSLOW ROLLがまっとうな特性あるいは質感であることがわかってきました。

これはフィルタをSUPER SLOWに設定して10KHzの正弦波を再生したものですがまるでDDSで正弦波を出力しているような波形です。パルスは綺麗に通るようになるのかもしれませんが正弦波は歪んでしまうことになります。なお中華DACのフィルタ回路は恐らくAKのデーターブックに準じて作られているので甘すぎるということはありません。もちろんSUPER SLOWの方が質感が高い可能性もありますが空間のゴミが多く見通しが悪くなってしまうようです。

フィルタをSLOW ROLLに変更すると(アベレージをとってますが)この通り正弦波は綺麗になります。質感もSUPER SLOWに比べると改善しています。輪郭がくっきりして自然な感じです。