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2007-06-17

[][]百合漫画の”男性向け”と”女性向け”をちょっと考えてみる

明日は「百合姫S」の発売日ですね。

楽しみで仕方がありません。


作家ラインナップを見る度に思うのですが、男性向けな作家陣だな、と。

ん?男性向け?


近年、百合漫画の数は昔に比べ増えてきました。

それにより、まだまだ毎月の新刊の数などは少ないながらもジャンルとして多様化しているんですよね。


大きく分けると”男性向け”表現と”女性向け”表現で描かれている作品があります。

”男性的・女性的””男性寄り・女性寄り”という言葉の方がしっくりくるかもしれませんが、ここでは”男性向け・女性向け”として書いていきます。


「百合姫S」を読んでからまた考えるつもりなので、今回は軽く考えてみます。

”百合の定義”は人それぞれなので、完全に私個人の考えであることをご了承下さい。

羅列する項目も、全てが当てはまるワケではありません。



”男性向け”百合を考えてみる

思いつくポイントを羅列してみます。


・ポップでギャグ要素が多い

・”萌え”を多く含みキャラ重視

・同性を好きになることに抵抗がない

・両思いENDの方が多い

・イチャイチャ

・全キャラが百合キャラだったり

・作者が少年誌、青年誌などの男性向け漫画をメインに描いている

・成年向け漫画を描いていたり

・作者は男性


こんなところでしょうか。


考えてみると、”少年誌的なラブコメ”のアプローチで描かれている印象があります。

コメディ要素強めで、萌えやキャラに重きを置いている感じ。


キャラが”女の子を好きなことに疑問を持っていない、悩みが薄い”場合がチラホラあるのですが、百合キャラの割合が高い空間を舞台としていることが土壌として考えられますね。

その部分での悩みをキャラから取っ払うことで、読みやすく、純粋に”好き・嫌い”といった展開を楽しむことができるんじゃないかな。


キャッキャウフフとイチャイチャしている姿が見れるので、即効性があります。

見てると幸せ。

男キャラは基本的に空気ですが、終盤に百合キャラをかっさらってヘテロ展開になったりすると「なんじゃそりゃああああ!」と本を投げたくなるのは普通ですよね?



”女性向け”百合を考えてみる

同様に思いつくポイントを羅列してみます。


・幻想的な雰囲気や耽美描写などの独特の雰囲気を持つ

・舞台設定、雰囲気の重視

・同性に恋愛感情を抱くことに対して悩む

・気持ちを伝えることなく、片想い・悲恋ENDもままある

・身体的な接触よりも、精神面に比重が置かれる

異性愛者の中に同性愛者がいる

・作者が少女漫画など女性向け漫画をメインに描いている

・BL漫画も描く

・作者が女性


少女漫画の恋愛表現で描かれていることが多いと思います。

ラブコメではなく”恋愛漫画”として。


独特の雰囲気が”秘密の花園”という空気を持っている作品も少なくない。

女子校などを舞台として、女性のみの空間としていることも多いです。

そこには”普通の女の子”(=ヘテロ)がおり、その中に百合キャラ(=同性愛者)がいるわけですね。

そういう背景があるからこそ、女の子が好きなことに対して悩むわけです。女の子が。

苦悩萌えですね。


また、少女漫画の恋愛が少年漫画のそれに比べ、深い部分まで描写することが多いのと同様に、百合漫画でも深い部分まで扱う傾向があります。

だから、やっぱり悩む悩む。

彼氏がいる女の子を好きになったり、異性愛が常識な感覚とわかっている上で女の子を好きになる娘の葛藤が堪らんのですよ。


”感情の揺らぎ、苦悩・葛藤”こそが百合の醍醐味、真骨頂だと思っていて、それは女性向け百合の方が強いですね。

ただ、異性愛が普通の世界ゆえに悲恋に終わることも少なくありません。

その分、両思いになった時のカタルシスといったら!



「百合が好き」それでいいじゃない


実際は男性向け・女性向けに分けるのはあまり意味がないんだろうなぁ。

でも、こういうジャンル分け的なものは考えるのが楽しいので、仕方がない。


んで、「百合は百合!百合が好き!」でいいと思います。

でも色々と考えてしまうのです。



今回考えていて思ったことが、男性向け百合に比べて女性向け百合を読んでないなぁ、ということ。

単純に私が知らないだけだと思いますが、最近は男性向け作品が多いのかも。萌え4コマとか。



そんなわけで、良い百合漫画を教えて頂けると泣いて喜びます。

ご意見も頂けると嬉しいなぁ。



コミック百合姫S (エス) 2007年 08月号 [雑誌]

コミック百合姫S (エス) 2007年 08月号 [雑誌]

double_timedouble_time 2007/06/18 10:05 始めまして。
男性向・女性向百合というのもありはするのでしょうが、例えば少年・少女漫画などのようにははっきり分かれていない感があります。自分は男性ですが両方違和感無く読みますし…。
同人では自分が知る限り、ほぼ全ての人気ジャンルで女性の書き手が半数以上を占めていますし、その内容も多岐にわたる為、上記のような類型分けは更に難しいのではないかと思っています。
例えばは×ブは比較的女性人気の高いジャンルですが、原作・同人ともどちらかと言えば前者の類型によく当てはまります。

ただ関係性の描写に関しては、801の蓄積があるからでしょうか、女性作家に一日の長があると感じます。
男性作家でも上手に描く人はいるのでこれも一概には言い難いのですが。

あとお勧めですが、志村貴子の「どうにかなる日々」2巻のうちの一編が凄く好きです。リバなので、苦手だったら申し訳無いのですが。

LITLIT 2007/06/19 23:50 はじめまして、コメントありがとうございます。

今回は「こういった要素を含む傾向があるんじゃないかな」といったもので、勿論はっきりとした境界があるとは思いません。
ただ、百合をテーマにした作品でも、例えば紺野キタ先生の漫画と高木信孝先生の作品では大きく方向性が違います。
そこで感じた違いをざっくり分けてみた、というのがこの記事だと思って頂ければ。

私は百合オタなので両方の作品を読みますし、BLも割と違和感無く読みますw
女性作家が多いジャンルだというのも、重々承知してます。
「マリみて」以前は女性向けジャンルだった記憶があります。記憶違いかもしれませんがw

作家の描写に関しては男性・女性よりも、”801→百合”と”ラブコメor男性向けエロ→百合”で表現の違いが大きいかな、と昨日今日で今後の記事用に考えてました。
”801の蓄積”の他に、”女性”という性別そのものが、女性作家に一日の長がある要因かもしれませんね。
仰る通り、男性作家でも上手い方はいらっしゃいますよね。

そもそも、こういったカテゴリ分け自体、完全に分かれることはないことは判っているのですが、考えるのが楽しいんですよね。
なので、意見を貰えると凄い嬉しいです。
他の方の意見を聞くのは面白いですし、また発展して考えれますし。議論はそこが面白いところです。


「はブ」は女性人気ありますよね〜
その辺もまた次の記事で触れようと思っているので、色々考えてます。

志村貴子先生は大好きなので「どうにかなる日々」も好きですよ。
でも、百合があったのを失念していましたw
ありがとうございます、読み直しますね。


本当、コメントありがとうございました♪
百合は比較的マイナーなジャンルだと思うので、今後ともご意見頂けるとありがたいです。

double_timedouble_time 2007/06/20 02:09 お返事ありがとうございます。
http://d.hatena.ne.jp/kaien/20060828/p1 こちらの海燕氏の記事で詳述されていますが、セラムン以前の百合は現在よりも更に女性向けのジャンルだったようですね。ちょっと自分はその辺詳しい訳ではないのですが…。
現在の百合も、ベースの部分は女性向け文化(特に801の影響大)であり、そこにあずまんが大王やマリみて同人等からの男性向け文化が合流して現在の百合文化が形成されたのではないかと自分は考えています。
例えばひだまりスケッチは両方の文化の影響が見られる作品ですし、男性向け・女性向け文化が混在しているからこそ独自の魅力が出ているとも思います。
あえて男性向け・女性向けを分けて考えるのも分析的視点の一つとしてある程度有効だとは思いますが、その視点からは数多くの魅力的な例外、また男女混合文化としての百合の魅力が見え辛くなってしまうのではないか…という危惧を僭越ながら感じてしまい、書き込みさせて頂いた次第です。

それと関係性描写の巧拙についてですが、非常に妄想力豊かな腐男子の方もいますし、男性作家の可能性もそこまで限定されたものでもないと思っています。
ただ、関係性萌えの感覚自体が今ひとつ普及してないのかなと思うことはあります…。そのあたりの普及が百合の発展には必要かなという気はします。

けいけい 2007/06/26 22:39 はじめまして。
男性向けと女性向けに分けていますが、具体的に作品名を教えて頂けると有り難いです。

LITLIT 2007/07/15 00:21 >けいさん

はじめまして。レスが物凄く遅くなってしまって申し訳ありません。

全項目が当てはまっているわけではないですが、
男性向け…「PUREまりおねーしょん」「SCAPE-GOD」「夢みたいな星みたいな」「ストロベリーシェイクsweet」
女性向け…「ひみつの階段」「青い花」「ピエタ」「最後の制服」
あたりはオススメです。

今、百合記事を作っている途中で連休中にアップする予定なので、よろしければそちらも見て頂ければ嬉しく思います。
それで時間が取られてたという言い訳にさせてください(笑

SHMTSHMT 2011/08/19 01:46 昔の記事ですが、なかなか共感のできる記事でした
その基準によるならば、男性向けっぽい百合漫画をかく女性作家さんは結構いる気もしますが女性向けっぽい百合漫画をかく男性作家さんって少ないですよね
というよりも、女性作家さんはこの記事で言う「男性向け」も「女性向け」も書くけれど数少ない男性作家さんは「男性向け」ばかりという感じなんですかねえ