毒少なめ、メガネ多め - メガネ×パルフェ!



メガネ×パルフェ!/きづきあきら+サトウナンキ(Amazon)


ヒロインのみさおはメガネ男子好きで、メインの男キャラが全員メガネ。
女子にもメガネっ娘
というか、メインキャラは主人公のみさお以外、みんなメガネ。



みさおが昔出会った白衣メガネの人を探して入った高校で、出会ったその人はとんでもない変人でした。
その人・究太朗が主宰している部は「白衣メガネ部」。
「白衣を着るために実験をする」怪しい部です。


周囲の評価の通りの変わり者である究太朗は、自分を慕って入学してきたみさおを「恋愛実験」と称する実験に参加させます。
実験と言っても、怪しげな薬品や装置を使うものではなく、シチュエーションを利用して”恋愛感情が芽生えるか”を実験するもの。
しかし、恋愛実験の相手は究太朗の弟の欧次朗で…



こんな内容の一風変わった恋愛漫画です。
掲載誌がガンガンパワードと少年誌よりの雑誌なだけに、また、主人公のみさおがおバカで明るく元気なこともあり、他のきづき作品よりも明るく毒が薄いですね。


しかしまぁ、自分に好意を持つ少女を、自分の身内とどういう状況で恋に落ちるか、という外道な実験をする内容だけに、終盤はやや不穏な空気が漂っています。
薄いだけで多少毒はあります。



単行本一冊で完結ですが、最終回の後に起こり得る展開のひとつとして、ドロドロしたものが容易に予想され、ここで終わりというのはやや消化不良な感じはします。
ただ、もし続いていたとして、この先の展開は遅そうなイメージはある*1し、まだ”関係が崩れ始める兆しが見える”だけのこの段階で終了というのは良いのかも。
ラスト自体は爽やかなイメージで、想像の余地を残しているので。



”読んでいて痛い”、きづき作品特有の毒は他の連載作品よりも薄いので、きづきあきら先生の漫画を読んでみようという方には、初めて読む本として良いかもしれません。



メガネ×パルフェ! (ガンガンコミックス)

メガネ×パルフェ! (ガンガンコミックス)

*1:個人的には、彼が「気持ちは変化していく」と知ったものの、それまで大切だと思っていたものを突然に蔑ろにするとも思えないので。