2011-09-30
Attack The Block(2010)
中坊ギャングスタ VS 宇宙モンスター in 高層アパート!
こりゃハンパない大傑作!!
「スカイライン」、「スーパー8」、「モンスターズ」、「世界侵略:ロサンゼルス決戦」と、宇宙侵略系の映画が大流行する中、それら全てを呑み込む程の傑作でした!
「ショーン・オブ・ザ・デッド」「ホット・ファズ」「スコピル」等のエドガー・ライト監督の弟分であるジョー・コーニッシュが監督、エドガー・ライト自身がエグゼクティヴ・プロデューサー、エドガー・ライト映画の常連俳優ニック・フロスト出演のモンスター映画とあって面白くないはずがない!
さて今回宇宙からやってきたモンスターと戦うのはこいつら。
え?子供?
いやいや侮るなかれ。
彼らは年齢こそ14〜15歳の中坊ですが、れっきとしたギャングスタです。
表情が生き様を物語るカリスマリーダー・モーゼス!
童顔だけど怖い物知らずの花火野郎・ペスト!
犬好きのブラックサムライ・デニス!
こいつらはそんじょそこらのチンピラとは違って、麻薬売買を仕切るボスやディーラーとコネクションを持っています。
でもディーラー的な事はなかなかやらせてもらえず、彼らが何をしてるかと言うと…
カツアゲです。
いかにも真面目そうな看護士サムを恐喝する中坊達。
これが冒頭なんですが、いきなり物語は展開します。
突如宇宙から何かが落ちてきたのです。
宇宙から落ちてきたもの…それは…未知なるモンスターだったのです!
ここに中坊達とモンスターとの壮絶な戦いの幕が切って落とされるのです!
ちなみに…
我らがニック・フロスト!
ジャージに身を包む長髪の彼は、麻薬のディーラー。
一体、彼はモンスターといかに戦うのか…
と思いきや…
ハッパ吸ってるだけ!なにやってんだよ!
あらすじはここまでにしておいて、ここからは本作の魅力について語っていきます。
数々のモンスター映画を観てきた自分ですが、この作品は特に斬新な部分が多く、モンスター映画好きにとっては大好物とも言える内容となっています。
魅力1:「Block」の箱庭感
「Attack The Block」というタイトルの通り、今回の戦場は「Block」に限られます。
「Block」とは集合住宅区画の事を指し、中坊達や麻薬の売人達は皆この低所得住宅区画に建つ高層アパートに住んでいます。いわば、ここが彼らの庭です。
この住宅区画にモンスターがうじゃうじゃ出現し、中坊達は自転車やバイクを駆使して逃走したり、金属バットや花火や水鉄砲と言う身近すぎる武器を掲げてモンスターを撃退するわけです。(なぜか一人は日本刀を持っていますが)
この “箱庭感” が実に面白い!
小学生ぐらいの頃、当時の「自分の行動範囲」の中で宇宙人や怪獣が襲来してきたら…という妄想を膨らませてはワクワクしていたものですが、20年経ってようやくあの頃の妄想が映像化されたような気がして、もうワクワクしっぱなしでした。
魅力2:奇抜なモンスターデザイン
あらゆるモンスター映画の登場により、そのデザインはだいぶ出し尽くされてきたような気がしていましたが、本作に登場するモンスターはシンプルかつ斬新なものでした。
最初に登場するモンスター(カツアゲ中に落ちて来たやつ)は赤ちゃんで、「フィースト」のモンスターを思わせるデザインでしたが、成獣の方は真っ黒モコモコに口内だけ蛍光色という斬新なスタイルで、これによって暗闇の恐怖感が倍増するという素晴らしいデザインでした。
なんとなく体系や動きから、スーパーファミコンソフト「LIVE A LIVE」のSF篇に登場するベヒーモスを思いだし、さらにワクワクする自分でした。
魅力3:リアルな社会背景の描写
本作が他のSF・モンスター映画と一線を画しているのは、おそらくここが最も大きいように思います。
本作の主役である中坊達は、一般的に言うところの “悪” を行っているのですが、彼らがなぜこのような事をしているのか、なぜこの住宅区画に暮らしているのか、ここには実際の社会背景が大きく反映されています。
主人公のモーゼスは叔父と二人暮らしをしていますが、叔父はほとんど家にいる事はなく、実質的に一人で暮らしているような状況です。他の面々も似たような環境で暮らしています。
職をもてない15歳の少年が一人で生きていくためにはどうしたら良いのか。
「RISE」というドキュメンタリー映画でこんな台詞が記憶に残っています。
男が生きていくためには、ピエロになるか、ギャングになるかしかない。
本作の中坊達は、親を頼りにできず、麻薬の売人であるボスには世話になっているがいつ殺されるかわからず、かと言って警察を頼ることもできません。
彼らは自分の身は自分で守るしかないと知っています。
だから映画のクライマックスでモーゼスが言う「自分の手でケリをつけるしかない」という台詞は非常に説得力があります。
彼らにとってモンスターはまさしく「生きるために解決しなければならないもの」なのです。
誰にも頼れず、自分の力で生きるために、花火や水鉄砲でモンスターに立ち向かう中坊達の勇姿には涙が出ます。
そして、当然の如く中坊達の多くは戦死します。ここには一切の容赦がありません。
ここにも彼らの過酷なリアルが反映されているのです。
こういった社会背景を含ませつつ、基本的なコメディ路線を外さずにエンターテイメントとして仕上げた製作陣の手腕を大いに買いたいです。
魅力4:日本文化へのリスペクト
エドガー・ライトのジャパニーズカルチャー嗜好は有名ですが、本作においてジョー・コーニッシュもまたそうである事が判明しました。
先程も紹介した中坊の一人は日本刀を掲げてモンスターと戦います。
日本刀での一閃に思わず発された言葉は、「Ninjya!!!!!」
本作はれっきとした忍者リスペクト映画なのです!
忍者を思わせる大ジャンプ、隠れ身の術、モクモクの術が登場し、こんな台詞まで!
「お前らは家に帰って宿題して “NARUTO” でも観てろ!」
こういった魅力満載の傑作モンスター映画「Attack The Block」は、来年の日本公開が決定しているようです!
この作品はしたコメのような環境で観ると最高に盛り上がる作品だと思います。
公開された暁には、是非劇場に足を運んでこのワクワク感を体験しましょう!
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