::: BUT IT'S A TRICK, SEE? YOU ONLY THINK IT'S GOT YOU. LOOK, NOW I FIT HERE AND YOU AREN'T CARRYING THE LOOP.

 [ABOUT LJU]
 [music log INDEX] 
 

 Hauschka “SALON DES AMATEURS” (2011)



Salon Des Amateurs






 今までポスト・クラシカルに興味を引かれつつあまり手を出さずにいたのは、どれだけきれいな音であってもアルバム一枚まるごとビートレスだとどうしても退屈に感じてしまう、というのが自分の理由としてあったように思う。Hauschka に対しても、何度となく店頭で試聴しながらいつも二の足を踏んでいた。
 けれど今回のこのアルバムは一聴してわかるほどに変貌していて、とてもリズミカルでアクティヴなものになっている。Múm の Samuli Kosminen などドラマーが参加してる曲が多いし、ドラムレスの曲でも、ビートを強く意識した音づくりがされている。
 このようなアルバムを聴くと、ピアノという楽器には確かに打楽器の延長としての側面があるな、と気付かされる。プリペアード・ピアノであればなおのこと。離散的な音の連なりがメロディを綴っていくのだけど、ひとつひとつの音はそれ自体ビートそのものとも言えるわけで、両義性がある。
 ピアノ以外の音も多く併用されていて、ミニマルなアンビエントという印象はない。空間が音で満ちている。また、リズムという意味では、ドラムよりもむしろチェロなどの低音がよく効いていると思う。
 きちんと設計された曲ではあるのだろうけど、どことなくインプロヴィセーションのようにも感じさせる。ちょっと Nik Bärtsch っぽい雰囲気もあるかも。


曲リスト
 M-1 “RADER” 
 M-2 “TWO AM” 
 M-3 “GIRLS” 
 M-4 “PING” 
 M-5 “CUBE” 
 M-6 “SUBCONSCIOUS”
 M-7 “NOSLEEP” 
 M-8 “TANZBEIN” 
 M-9 “TAXITAXI” 
 M-10 “SUNRISE”
 Bonus track for Japanese edition
 M-11 “WHITE AND CLEAR 1”
 M-12 “WHITE AND CLEAR 2”


参考
 Hauschka およびこのアルバムについては、dirtydirtさんが書いているエントリが決定版だと思う。
 ‘Hauschka “Salon des Amateurs”、そしてSomewhere’ http://dirtydirt.jugem.jp/?eid=424
 


Information
 Birth name : Volker Bertelmann
 Origin : Germany

Links
 Official : http://www.hauschka-net.de/
 MySpace : http://www.myspace.com/hauschka
 Wikipedia : http://en.wikipedia.org/wiki/Hauschka
 BBC Music : http://www.bbc.co.uk/music/artists/767026a6-9e39-463b-9d04-ed0f86ac5ee7
 release info (fatcat records) : http://fat-cat.co.uk/fatcat/release.php?id=351

ASIN:B00104COPE






music log INDEX ::

A - B - C - D - E - F - G - H - I - J - K - L - M - N - O - P - Q - R - S - T - U - V - W - X - Y - Z - # - V.A.
“でも、これはごまかしよ、ね。つかまったと思ってるだけ。ほら。わたしがここに合わせると、あなたはもうループを背負ってない”
―Angela Mitchell