今までポスト・クラシカルに興味を引かれつつあまり手を出さずにいたのは、どれだけきれいな音であってもアルバム一枚まるごとビートレスだとどうしても退屈に感じてしまう、というのが自分の理由としてあったように思う。Hauschka に対しても、何度となく店頭で試聴しながらいつも二の足を踏んでいた。
けれど今回のこのアルバムは一聴してわかるほどに変貌していて、とてもリズミカルでアクティヴなものになっている。Múm の Samuli Kosminen などドラマーが参加してる曲が多いし、ドラムレスの曲でも、ビートを強く意識した音づくりがされている。
このようなアルバムを聴くと、ピアノという楽器には確かに打楽器の延長としての側面があるな、と気付かされる。プリペアード・ピアノであればなおのこと。離散的な音の連なりがメロディを綴っていくのだけど、ひとつひとつの音はそれ自体ビートそのものとも言えるわけで、両義性がある。
ピアノ以外の音も多く併用されていて、ミニマルなアンビエントという印象はない。空間が音で満ちている。また、リズムという意味では、ドラムよりもむしろチェロなどの低音がよく効いていると思う。
きちんと設計された曲ではあるのだろうけど、どことなくインプロヴィセーションのようにも感じさせる。ちょっと Nik Bärtsch っぽい雰囲気もあるかも。
曲リスト
M-1 “RADER”
M-2 “TWO AM”
M-3 “GIRLS”
M-4 “PING”
M-5 “CUBE”
M-6 “SUBCONSCIOUS”
M-7 “NOSLEEP”
M-8 “TANZBEIN”
M-9 “TAXITAXI”
M-10 “SUNRISE”
Bonus track for Japanese edition
M-11 “WHITE AND CLEAR 1”
M-12 “WHITE AND CLEAR 2”
Hauschka およびこのアルバムについては、dirtydirtさんが書いているエントリが決定版だと思う。
‘Hauschka “Salon des Amateurs”、そしてSomewhere’ http://dirtydirt.jugem.jp/?eid=424
Information
Birth name : Volker Bertelmann
Origin : Germany
Links
Official : http://www.hauschka-net.de/
MySpace : http://www.myspace.com/hauschka
Wikipedia : http://en.wikipedia.org/wiki/Hauschka
BBC Music : http://www.bbc.co.uk/music/artists/767026a6-9e39-463b-9d04-ed0f86ac5ee7
release info (fatcat records) : http://fat-cat.co.uk/fatcat/release.php?id=351
ASIN:B00104COPE