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 Keith Kenniff “BRANCHES” (2010/2012)



Branches






 さまざまなユニット形態で活動している Keith Kenniff による、本人名義のアルバム。
 (“Goldmund” … ポスト・クラシカル。“Helios” … 穏やかなエレクトロニカ。“Mint Julep” … 女性ヴォーカルのエレクトロ・シューゲイザー。その他 “Meadows” “Hollie & Keith Kenniff”)
 映像音楽を手がけるときには Keith Kenniff 名義としているらしい。このアルバムでは、2007年〜2010年にテレビCMや映画のサウンドトラックのためにつくった曲が収録されているとのこと。もともとMP3アルバムとして2010年にリリースされていて、2012年にCDバージョンも出された。
 本人が運営しているレーベル “Unseen” のサイトにライブラリがあって、100曲以上の音源が試聴できるようになっている。映像等で使いたい人はライセンス・リクエスト受け付けますよ、っていうプロモーション・サイトなんだけど、予想外にビジネス・コンシャスでびっくりした……。曲の雰囲気のタームでソートできたり、けっこうおもしろい。(http://www.unseen-music.com/library/


 映画やCMのバックグラウンドとなるためにつくられた曲っていうと、独立したアルバムの曲と比べて他律的で、音楽としての純粋性も低いように思えてしまう。……別に価値が劣るっていうことじゃなくて、映像と不可分に価値を持つものだという意味で。だから逆に言うと、文脈から完全に切り離してそれだけを聴くのもどうなんだろう?って気もしなくもない。
 “BRANCHES” の場合、各曲があてがわれた映像が正確には何なのかっていう情報は見つからなかったんだけど、いずれにせよ全然異なるもののために使われたはずで、それなのにアルバムとして雑多な寄せ集めっていう感じはあまりなくて、統一された世界が表現されてる印象を受ける。実際はポストクラシカルな曲もあるし Helios みたいなルーラルなエレクトロニカもあっていろいろな作風なんだけど、でも全体を通して聴くとそういうのは微小な差異で、大局として同じ方向を向いているのがわかる、というような。共通してもたらされる機能としては、もうただ単純に心が癒やされるということに言い尽くせる。


特に銘記しておく曲
 M-1 “FLOW & BRANCH”
 M-2 “IMMERSION”
 M-6 “HOOD RIVER” Goldmund “Two Point Discrimination” で “From” というタイトルで収録されている曲。
 M-7 “ANYONE” Goldmund “Two Point Discrimination” で “Leading” というタイトルで収録されている曲。
 M-8 “EVERY MORNING”
 M-9 “GRACE”
 M-11 “SYMMETRY”
 M-12 “SPARROW SONG”
 M-13 “EVEN NOW”
 M-15 “MANY THINGS”




Information
  Origin : Pennsylvania, US
  Years active : 2004 -

Links
  Official : http://www.unseen-music.com/
    SoundCloud : http://www.soundcloud.com/keithkenniff
    Twitter : http://www.twitter.com/_helios
  Wikipedia : http://en.wikipedia.org/wiki/Keith_Kenniff
ASIN:B007TJ5ELK






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―Angela Mitchell