あらゆる発言に対して批判可能な福島メソッド

福島メソッドをマスターすれば、攻撃対象のどんな発言でも逃さずに批判することが可能だ。味方が圧倒的に優勢で、相手が論理的思考力を失っているときに畳み掛ける場面では効果的な場合もあるが、発言内容を後から第三者が検証可能な場合や、相手が冷静な論理的判断力を有している場合には効果が無いし、空気を読み違えて優勢でない場合に利用するとむしろ滑稽に写り失笑を買う恐れもあるので、素人にはお勧めできない。以下は福島メソッドの応用例だが、あくまで例であり、実在の人物・団体・事件等とは関係ない。

3 :名無しさん@七周年:2007/02/06(火) 20:24:56 ID:0/pW0oqG0
柳沢「おはようございます」
福島「夜勤でこれから寝る人もいる、労働を監督する大臣のこの認識は恐ろしい」

柳沢「ご飯は好き嫌いなく食べましょう」
福島「どの食材を食べてどの食材を残すかは個人の自由だし、衣食住という
   根源的な問題で、政治家が一方の主張のみ押し付けるのは人権上問題がある」

柳沢「今日は良い天気ですね」
福島「快晴が良いなどと誰がいつ決めたのか。雨が好きな人は不健全だというのか」

柳沢・厚生労働大臣の「女性は子どもを産む機械」に対し、社民党の福島党首が噛み付いているが、発言の趣旨を解釈せず、言葉尻だけを捉えた批判のように見える。もちろん、機械と言う比喩は不適切であった上、そもそも比喩が必要な状況だったのかという気もするが、福島党首の批判はとどまるところを知らず少々ヒステリックにも感じられる(橋下徹弁護士 「柳沢擁護」に熱弁)。

産経新聞の報道によれば、柳沢大臣が、「若い人たちは結婚したい、子供を2人以上持ちたいという(希望を持つ)極めて健全な状況にいる。若者の健全な希望にフィットした政策を出していくことが非常に大事だ」と述べたことに関連して、社民党福島党首は、「子供が2人以上いない人は健全じゃないのか」と早速噛み付いた。もう批判のための批判、福島メソッド炸裂という感がある。

誰が個々人の話をしているのか。発言は社会的な視点に立ったものであり、カップルが平均して2人以上の子供を作らないと少子化が進行するので、カップルが2人以上の子供が欲しいと望む社会が健全であると述べているに過ぎない。

人口を維持するのに必要な合計特殊出生率は2.08と言われるが、現在の出生率は2005年の1.26を下回っていると見られる。国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」(平成14年1月推計)の中位推計では、日本の人口は2050年で1億人、2100年には6400万人程度に減少すると試算されている。まさに国家存続の危機だ。

先月26日、厚生労働省少子化対策の効果があがって出生率が改善することを見込んだ「仮定人口試算」を公表した。これによれば、同省調査で結婚したいとした女性(9割)が全員結婚し、希望通り2人以上の子どもを産んだ場合を想定すると、出生率は1.75まで回復。その場合、2055年には人口推計の基準となる中位推計より1398万人多い1億391万人となり、1億人台を維持するとした。

柳沢大臣の発言はこの試算結果を受けたものであったことは明らかだ。彼は同省調査で女性の多くが2人以上の子供を持ちたいと希望していることに安堵し、彼女たちが希望通り子供を持てる社会にしていくことが厚生労働省の役割であるとの認識を強くしたに違いない。これが前述の発言につながったのだろう。

発言の趣旨に関する是非を議論せず、言葉尻を捕まえた批判を繰り返すのはもうそろそろいいだろう。重要法案の審議など案件が山積みの状況において、政治を空転させる野党の姿勢はいただけない。もうちょっと身のある議論に時間を費やしてもらいたいものだ。