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2010年9月12日付でライブドアブログに引っ越しました。
新URLはhttp://blog.livedoor.jp/lunarmodule7/になります。
これからもどうぞよろしくお願い致します。



2007-06-30

LM-72007-06-30

サイト開始から6ヶ月

6月も今日で終わり、本blogも丸半年続いたこととなる。累計アクセスは145,000程度。先月まで倍々ゲームで増えていたPVはここに来て前月の半分弱の28,000に留まった。急に面白くなくなってアクセス数が減ったわけではないと信じているが、前同比半減と言う結果は企業なら存続が危うくなるほどの由々しき事態である。多数のブックマークを集めるようなエントリを提供できなかったことが敗因と見られるが、抜本的な解決には筆者の文筆能力を向上させるしか無くある程度の時間がかかるだろう。上記の事から、本blogのアクセス数は今後は大体毎日1,000PV、月刊30,000PVぐらいで落ち着くことになると見ている。

アクセスランキング

今月のアクセス数トップ5は次の通りだ。

  1. 3,435hit: イカサマ霊能師やインチキ占い師の手口まとめ
  2. 1,350hit: 痛車の希少性を高めると言う点で極めて秀逸なFORZA2の貧弱なペイントツール
  3. 1,092hit: メガカロリー時代のハンバーガー戦争
  4. 801hit: FORZA2に見るコンテンツ創造型コミュニケーションのあるべき姿
  5. 776hit: 社員流出を促進する違法ツールWinny特別調査員2

トップの『イカサマ霊能師やインチキ占い師の手口まとめ』は2ちゃんねるのオカルト板などでもリファレンスとして利用されており、累計アクセスも10,000hitを超えてビリーバーと戦う時に重宝されているようで好ましい。疑似科学ネタとしては、2007-06-11付エントリ『スタッフの多大な努力によって支えられている超能力捜査番組』も同様に標準リファレンスとして使われると良いのだが。また、超能力捜査番組が放映された時にでも読まれると筆者としてもうれしい。

2位と4位のFORZA2ネタだが、筆者はFORZA2をプレイしていないしそもそもXBOX360自体所有していない。それでもFORZA2は、コンテンツ共有型コミュニケーションのあり方を考察する上で非常に貴重な実例であることは確かであり、このような例を多く集めそれらに共通する法則が見いだしたいと考えている。新たなコミュニケーションのあり方の考察としては、『ニコニコ動画の傾向と対策』と『ニコニコ動画最大のイノベーション』で取り上げたニコニコ動画のコミュニケーションについての考察がWIRED VISION / 濱野智史の「情報環境研究ノート」 / 第3回「Twitter」と「ニコニコ動画」の共通点(2):ニコニコ動画編で紹介されており、新たな考察とともにコミュニケーションのあり方が論じられており興味深い。

3位のメガテリヤキネタだが、「カロリー メガテリヤキ」で検索してきた人が600人以上いた。そんなにカロリーが気になるなら食べなければいいのにとも思うが、怖いもの見たさと共通するモノがあるのだろうか。カロリー計算をしてみるとちょうどパティ6枚のギガマックが1,000kcalちょうどなので、246kcalずつ加算するとテラマック(8枚)、ペタマック(10枚)、エクサマック(12枚)と計算できて便利だ。このギガマック単位系を使うと、メガテリヤキLセットメニューがエクサマック(12枚)に相当するというのは衝撃的な事実だろう。

5位のWinny特別捜査員2のネタだが、このソフト自体にはほとんど関心が集まらず多くはYahoo!知恵袋経由で、流出した暴力団情婦の女優名を求めてアクセスされた。しかし、こんな検索すれば一瞬で答えが分かるような質問をする意味が分からない。検索エンジンで検索するよりも見ず知らずの人に聞く方が手軽で良いのだろうか。2ちゃんねるでは100年ROMれ!とか怒られそうな質問だけど。

あまりに酷い中国の衛生管理と職業倫理

明らかに利用者に健康被害が生じることが分かっているのに、平気な顔をしてそれを作って売りさばく中国の倫理観の酷さには呆れるばかりだ。経済規模の発展に人々の意識がついていっていない感じがして、粗野な成金を連想させる。ノブレス・オブリージュ(noblesse oblige)という言葉があるが、財産、権力、社会的地位には社会的責任が伴うのだ。義務をおざなりにして権利ばかりをふりかざすDQNのほうがしっくり来るかも知れない。いずれにせよ、早急な法整備と、教育による民度の向上を図ってもらいたいところだ。中国には「衣食足りて礼節を知る」とか「倉廩実つれば則ち礼節を知り、衣食足れば則ち栄辱を知る」という言葉もあることだし。

今月の残念賞

国際捕鯨委員会の理不尽な運営に関してはもっと周知されるべきだと思う。論理的な話が出来ない団体と付き合うのにエネルギーを費やすのは馬鹿げている。その点でIWC脱退、新しいクジラ資源管理機関の設立の可能性を表明した日本代表団の行動は理にかなっている。もしこれが実行に移されるのならば、国際協調に重きを置き、アメリカ追従路線をひた走ってきた戦後日本外交の明確な転換点となるだろう。

全国はちみつ公正取引協議会が検査対象の二割に上る純粋蜂蜜不正表示を黙認していた問題は、業界ではそうした偽装が公然の秘密と捉えられていたと言う点で、ミートホープの牛肉偽装事件とも通じるところがある。どちらもどうせ消費者は偽装に気づかないという事実が動機になっているわけだ。表示でしかホンモノを見分けられない消費者側にも問題があるのは確かであり、普段からホンモノに触れてホンモノとニセモノの違いをしっかりと確認しておくことが必要だろう。きっとホンモノの方が美味しいのだろうし。

最後のエレベータの話は昨日のエントリなのでまだほとんど閲覧されていないが、知っておいて損をすることはない。まあ、使う機会がないことが一番だけど。

2007-06-29

Pan Pacific Singapore (sanchom)

落下するエレベータから生還する(かもしれない)方法

最近エレベータの事故が相次いでいる。エレベータに乗っていても、もしかしたら故障してエレベータが落ちるかも知れないななんて思っていることがよくある。仮にエレベータを支えるワイヤが切れて、エレベータが落下した場合、助かる方法はあるのだろうか。

教えて!goo エレベーターの落下時の人間等を見てみると、エレベータの落下時の状態としては次の3つのどれかだと考える人が多いようだ。

  1. 床に張り付く
  2. 天井に張り付く
  3. 空中に浮かぶ

このうち、天井に張り付くんじゃないかと考えた人は中学校の理科から復習する必要があるだろう。無重力状態になって空中を浮かぶと考えた人は、空気抵抗やケーブルとの摩擦を考慮に入れるのを忘れている。地下無重力実験センター(JAMIC)では総延長710mの落下型実験施設で10秒間の無重量時間を生成することが出来るが、外側のカプセル内が真空となった二重カプセル構造になったガススラスタ方式の空気抗力補償機能を有している。エレベータはそのような補償機能を有さないため、エレベータ落下時内部にいる人は通常と同様に床に張り付くこととなるHIRAX.NETにおいてエレベータ落下時の計算結果が示されている。摩擦を考慮に入れると落下当初は一瞬からだが軽くなった感じがするが、その後はほぼ1G(通常)の重力加速度を感じるはずだ。

Wikipediaによれば、エレベータのワイヤは定員の10倍以上の重さに耐えられる強度を有することが義務づけられており、3本以上あるワイヤが総て切断されることは稀である。仮に切断されたとしても、非常用停止装置が導入されており、安全に停止するようになっている。また、最終的に落下したとしてもその衝撃を吸収する緩衝器(バネあるいは油圧ダンパー)があり、地面にたたきつけられることはないとされている。

ところが、2005年2月に福岡市で起きたエレベータ落下事故では、エレベータ改修工事中にワイヤを外していた際にエレベータを支えるチェーンが外れ、エレベータが屋上から落下した。通常は設定以上の速度が出ると非常用停止装置によりガイドレールをつかんで落下を停止することになっているが、このときには安全装置が働かなかった。また、昇降路の底には緩衝器があったが、衝撃を吸収しきれず、作業員が死傷することとなった(1人死亡、1人骨折)。一方、2000年にはエンパイア・ステート・ビルにおいて女性2人を乗せたエレベータが44階から突然落下を始めた。このときには安全装置が働き40階分120m落下した地上4階でエレベータは停止、2人は特に大きなけがもなく無事だった。ロープの重さを解消するコンペンセーティング・ロープの切断が原因*1だったようだが、いくら稀とはいえワイヤが切断される事故は発生しうるし、安全装置がはたらかないこともあるわけだ。

万が一、エレベータが落下し始めた時、少しでも生還率を上げるにはどうしたらよいだろう。wikiHowにそのものずばり"How to Survive in a Plummeting Elevator"というエントリがあるので、その心構えを紹介しよう。もしかしたら役に立つことがあるかも知れない。

ステップ

  1. エレベータの中心付近で寝そべる。
  2. 体をエレベータの床となるべく水平になるようにする。
  3. 衝撃で天井から部品が落ちてくる可能性があるので、頭と顔を覆って衝撃に備える。

Tips

  • 油圧式のエレベータはワイヤ式のエレベータよりも比較的落下事故が発生しやすいと考えられる。油圧式のエレベータは、車のジャッキアップと同様に底から巨大なピストンで押上げられる。このピストンが腐食はエレベータが落下する原因となりうる。ただし油圧式のエレベータの高さはその構造上約70フィート(21m)までに限定されるため、落下したとしても死ぬ事は無いと思われる。
  • エレベータには複数の安全装置が付けられている。非常用停止装置で止まらなかったとしても、緩衝器は衝突時の衝撃を和らげ、あなたの生存確率を上昇させてくれるだろう。パニックにならず、適切な姿勢を取って衝撃に備えることが肝要である。

注意

エレベータが底に衝突する瞬間にジャンプしようとするのは馬鹿げた考えである*2。たとえ、衝突の瞬間、数10cm空中に浮いていたとしてもあなた自身は依然として高速で落下しており(慣性の法則)、一瞬後にエレベータの床面にその速度を保ったまま衝突することとなる。衝突する時間がちょっとずれるだけで衝撃を吸収するような効果は全くないし、不安定な姿勢を取ることは得策ではない。

もし、あなたの乗っているエレベータが突然落下を始めたら、上記のステップを思い出し冷静に対処することができれば、死なずにすむかも知れない。前述の福岡市のエレベータ落下事故において中にいた2人の生死を分けたのは、衝突時の姿勢が大きく影響したと考えられる。くれぐれもジャンプの準備をしたりしないように。

関連エントリ

*1:詳しくははるかの毎日!昇り降り!!: 摩天楼でフリーフォール エレベーターが落下参照

*2:エレベータの抵抗を考えなければジャンプ自体不可能だが、抵抗により1G程度の加速度がかかる事を想定すると、ジャンプは可能であると考えられる。

2007-06-28

LM-72007-06-28

ダイソーはやはりやばかった

中国製製品に有毒物質が含まれている問題で、先日中国製製品を多く扱っているダイソーについて、次のように記した。

しかし、半数の容器に問題が見つかる中国の外注工場において製造されている容器が、本当に食品衛生法に準じて製造されているかどうかをどのような手順で確かめているのか。社内規定はどうなっているのか。そもそもまともな社内規定が存在するのか。これだけ問題になっているのにダイソーは一切何の表明も行っていない。もちろん、ダイソーの製品でなにか問題が出たわけでもないが、顧客の安全を第一に考えるのならば、自社の扱っている中国製製品の安全性確保に対する施策と現状などを説明するべきだろう。

半分の中国製使い捨て食器は毒 - A Successful Failure

筆者としてはダイソーが安全宣言を行ってくれることを期待していたのだが、その期待はもろくも打ち砕かれることとなった。産経新聞の報道によれば、ダイソーで販売されていた中国製の使い捨て歯磨き粉からジエチレングリコール(DEG)が8.5%検出され、ダイソーは店頭から商品を撤去したという(広島県/ジエチレングリコールを含有する中国製練り歯磨きの自主回収について。上記写真は本公告より引用)。昨年8月から計130万1328本(18万5904パック)が出荷されたらしい。当該製品をお持ちの方は即座に使用を中止し、廃棄すべきだ。

ジエチレングリコールが混入した歯磨き粉を輸入した9社はいずれも中国の工場の報告を額面通り受け止め、原料表に記載されていないジエチレングリコールの混入を見逃していた。ダイソーの歯磨き粉を輸入していたコーライの場合は次のようなおざなりな検査しかしていなかった。

輸入販売業者のコーライは2カ月に1度程度、中国の工場から歯磨きの品質検査表を受け取っていた。これをもとに輸入前検査を実施していたため「想定外の含有成分は見つけられなかった」という。検出された量は9社中で最多の8・5%。担当者は「工場を信じていたのがこういう結果になった」と唇をかむ。

表示できません - Yahoo!ニュース

結論として、半数の容器に問題が見つかる中国の外注工場において製造されている容器が、本当に食品衛生法に準じて製造されているかどうかは、中国業者の自己申告を信じているだけであった。社内規定としては、中国業者の自己申告に基づいて検査をすれば良かった。これだけ問題になっているのにダイソーは一切何の表明も行っていないが、表明したくても出来る状況になかったらしい。有毒物質を含有する商品の自己回収という事態に陥った事態を重く受け止め、早急に再発防止策を説明しなければならない。

担当者のコメントを見ると、いかにも自分たちは中国の工場に騙された被害者ですみたいな言い分となっているが、製造販売の許可を受けた以上、製造現場のチェックや品質管理の徹底は当然の責務であり、その義務を怠った彼らは加害者である。今回の事例も、得体の知れない中国工場の言い分を鵜呑みにせず、定期的にサンプル検査を実施していれば防げたはずだ。

しかし、もうちょっとまともなチェックをしていると期待していたのだが、この程度の会社だったか。

関連エントリ

2007-06-27

毎日新聞と離縁して産経新聞と縁組したマイクロソフト

Internet Watchが伝えたところによれば、マイクロソフトは9月いっぱいで毎日新聞社と共同して運営してきたMSN毎日インタラクティブを終了、10月1日からは産経新聞グループと提携し、MSN産経ニュースを開設すると発表した。

毎日新聞側としてはMSNとの提携を行っても思ったほどアクセス数が伸びず、サイトデザイン等に制約がかかるのを嫌ったとの見方があるが、Web音痴の新聞社がマイクロソフトと手を切るのは毎日新聞社にとって良いことなのかどうか。ただでさえ宅配部数の減少という新聞業界未曾有の危機に直面しており、Webで新たな収益モデルが確立できなければ先細りは明らかな状況にあるのに、世界最大手のソフトウェア会社との提携を打ち切るのは奇妙に見える。

今までの収益モデルが通用しなくなってきた以上、新聞記事というコンテンツを武器に、自社サイトにユーザを集めそこからなんとか収益が上げられる枠組みを構築しなければならない。たとえば、AFP新聞社は、読者がコメントをアップしたり、関心のある記事をクリッピングしてマイページを作ることが出来るAFPBB Newsを開設している。さらにAFP BB Newsの記事や写真を自由に引用できるブログサイトActiblogの開設も行っている。こうした試みがうまくいくかどうかは分からないが、旧態依然としたニュースサイトのままでは、記事をタダ読みされるだけで収益が上がらないのは明らかだ。いろいろな施策を打って、新たな枠組み構築の努力を続ける必要があるだろう。

もし、毎日新聞がマイクロソフトとの関係を解消したことで、多くのユーザを巻き込むような新たなアクティビティを始めることができるのならば、是非歓迎したい。そうでなく単に旧態依然のサービスを続けるのならば、座して滅びを待つことになるだろう。記事中の全角のURLをちゃんと機能するように直すところからでもいいので、変わろうとする姿勢が見えると良いのだが。個人的には、各記事のパーマリンクを維持し、時間が経ち削除された記事も一部は無料で読むことが出来、有料会員となればいつでも全文読めるような、そんなアーカイブ機能を持つサイトになってくれるとありがたい。

一方の産経新聞がどう変わるのかと言う点も注目だが、そもそもMSN自体あまり斬新なサービスをやってきたわけでもなく、提携によるメリットは見えにくい(だからこそ毎日が提携を解消したのだろうが)。産経新聞も、このままではじり貧なのは毎日新聞と同様であり、マイクロソフトというパートナーを得て、何が出来るのか期待したいところだ。

一番分からないのは、マイクロソフトは新聞社と組んで一体何がしたいのかという点だ。毎日新聞と組んだ3年余、特に何もしなかったように思えるのだが…。

2007-06-26

(acme)

バイオハザードは防げるか?

AFPBB Newsが伝えたところによれば、広範囲薬剤耐性(XDR)結核に感染した米弁護士が、感染の診断を受けてわずか2日後に、渡航を禁じられたにも関わらず、結婚式と新婚旅行のため海外に渡航した。米国疾病予防管理センター(CDC)は、渡航先のイタリアで彼に連絡を取り、彼が大半の抗菌剤が効かない菌に感染していることを告げ、即座にイタリアの隔離病棟に入院するよう求めたが、彼はこれを無視、プラハ、モントリオールを経由して米国に帰国した。帰国後彼は即座に身柄を拘束され隔離、コロラド州の病院で治療を受けることとなった。

感染を知りながら、渡航を断行した彼の身勝手さは非難されてしかるべきだろう。特に、航空機内という密閉された環境では空気感染の可能性が飛躍的に高まることが予想され、スーパー・スプレッディング現象が発生すると乗客を中心に感染が急速に広がる危険性もある。弁護士である彼は、隔離が米国憲法違反である可能性を認識し、現行法に基づいて彼の渡航を止めることが出来ないことを理解した上で、今回の行動を起こしたわけだが、バイオハザード(生物災害)の危険性を過小評価した蛮行であると言わざるを得ない。

日本においても以前、エボラ出血熱(Ebola haemorrhagic fever)の感染を疑われる症状を訴える患者が、アフリカから帰国後、関西空港から直接大阪大学付属病院の外来に診察に訪れ、病院関係者に緊張が走った事例がある。本来そうした患者は特定感染症指定医療機関である市立泉佐野病院に隔離搬送されなければならないが、彼は公共の交通機関を用いてのこのこと阪大病院まで移動したのである。しかも阪大病院はエボラ出血熱の治療体制を備えておらず、もし本当に彼がエボラ出血熱に感染していたとしても何も出来なかった可能性が高い。幸い彼はA型肝炎に感染していただけで、エボラ出血熱では無く事なきを得た。

エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘瘡、南米出血熱、ペスト、マールブルグ熱、ラッサ熱の7つの疾患は感染症予防法において一類感染症に分類されており、特定感染症指定医療機関もしくは第一種感染症指定医療機関でしか治療が行えない。特定感染症指定医療機関は、成田赤十字病院、国立国際医療センター、市立泉佐野病院の3機関しかなく、病床数はわずかに8である。

感染が疑われる患者が発見されると、内部が陰圧に保たれたアイソレータで隔離されて、すみやかに専門の設備を有する指定医療機関に移送される。アイソレータは気密が保たれているが、万が一気密が破壊された場合でも、内部圧力が外界に比べて低く保たれているので、ウィルスが外部に漏れることがないように設計されている。医者などの医療従事者は防護服(レベルによっては陽圧に加圧される)を着て患者の治療に当たる。特定感染症指定医療機関もしくは第一種感染症指定医療機関には陰圧に保たれた隔離病室が完備されており、エボラウィルスなどの致死性の高いウィルスが病院外部に漏れ二次感染が広がることを防ぐ。隔離病室は二重ドアもしくはエアロックにより隔離されており、内部への進入は厳しく制限される。

たとえば、市立泉佐野病院感染症センターの高度安全病室は次の設備を有する。

  • 各室前室・洗い・シャワー付き
  • ナースステーションとの双方向テレビモニター設備
  • 前室陰圧(5mmAq)
  • 病室陰圧(10mmAq)
  • 清浄度クラス10,000
  • 各室独立した排気ファンを有し、3重のヘパフィルターを通し紫外線滅菌後排気
  • 排水は高圧蒸気滅菌槽で滅菌後排水

エボラウィルスなどの危険なウィルスを扱う機関はバイオセーフティーレベル(BSL: biosafety level)によって1〜4の4段階に分類されている。最も高いBSL4を有する施設はアメリカCDCを始め11カ国で稼働しているが、感染症対策は事実上CDCに大きく依存している状態だ*1。日本においても国立感染症研究所がBSL4設備を有するが、施設近隣住民の反対によりBSL3レベルでの稼働しか出来ていない。BSL4病原体感染患者の確定診断や検査法開発、基盤的研究を行うことができない状況であり、未知の新興感染症に対して、ウィルス分離やその後の解析による病原体の迅速な同定も行い得ないのが現状である。

数年前のSARSの流行により、日本国内でもエマージングウィルス対策への関心が高まり、アイソレータの導入や感染症指定医療機関の整備などが進められてきた。しかし、空港では多少熱っぽくっても申告する人は稀で、たいていの人々はそのまま検疫をすり抜け入国してしまう。そうした行動が引き起こすであろう潜在的リスクを過小評価しているのだ。

仮に日本国内でBSL4ウィルスの爆発的感染が発生した場合、打てる手はほとんど無い。設備も薬も人員もマニュアルも何もかも足りない。そして恐ろしいことに、航空機などの交通機関の発達、人の移動頻度の増加に伴い、バイオハザードが現実に起こる可能性は日々増加している。いざバイオハザードが発生した時に我々は何が出来るだろうか。

*1:冒頭の米国人弁護士の結核の感染経路だが、CDCにおいて同結核菌の研究を行っている彼の義理の父が疑われている。これが事実だとすれば、BSL4のCDCからの病原菌の漏洩という大問題である。

2007-06-25

LM-72007-06-25

∞プチプチはプチプチつぶしの欲求に答えられるのか?

バンダイはプチプチを潰した感覚をホンモノそっくりに再現したキーチェーン型玩具∞(むげん)プチプチを発表した。表面の気泡の粒を指で押すと、プチプチとはじける感触を味わうことができ、内蔵されているスピーカーから出る効果音で、本物のプチプチをつぶしているかのような感覚を楽しめるという。全5色、各819円だ。

ムゲンプチプチ ホワイト

ムゲンプチプチ ホワイト

ムゲンプチプチ ブラック

ムゲンプチプチ ブラック

ムゲンプチプチ ピンク

ムゲンプチプチ ピンク

そもそもプチプチは川上産業株式会社の登録商標である。ポリエチレンの膜で空気を包み込んだ、無数の気泡をシート状にした緩衛材であり、シート状なので、包装対象物の形状に左右されず、どのようなものでも安心して包むことができる。さらに、断熱効果もあり、様々なものの包装に利用されている。

特に今回話題を集めたのは、プチプチには約1万個に1個の割合でハート型の粒が含まれていると言う新事実であり、手近にあるプチプチを思わず調べてみた人も多いだろう。これは、ハート型の粒を見つけた人に「プチラッキー」を感じてもらいたいという演出のようで、たしかにマユゲ付きのコアラのマーチよりはレアそうだ。

さて、∞プチプチの機能としてはホンモノそっくりのプチプチつぶしを無限に楽しめるということだが、Wikipediaによれば、プチプチつぶしには、気を紛らわしたり、ストレスを発散する効果もあり、ポリエチレンの袋を破る軽快な音と、無数に繰り返される動作に中毒性があるとされている。TBS系バラエティ番組「脳力探険クイズ!ホムクル」で紹介された実験によれば*1生まれてプチプチを一度も見たことのない赤ちゃん(2歳)が見てつぶしたとか、世界中でつぶされまくっているとか、伊豆シャボテン公園のチンパンジーくんで実験したところ、めちゃめちゃハマったという実験結果があるそうだ。海外のプチプチファンサイトVirtual Bubblewrapプチプチつぶしシミュレータを見ても、プチプチつぶしが世界的な娯楽であることが分かる。英語版Wikipediaには次の記述がある。

Bubble wrap is used by some as a distracting amusement or stress relieving activity. These people enjoy popping the plastic bubbles and listening to the sound that it makes. The noise is created when pressure is exerted on the small hemisphere of air and the high pressure eventually breaks the plastic barrier. This practice has even spawned a website in which one can move the mouse cursor over "virtual bubble wrap" and hear it pop.

プチプチは気晴らしやストレス解消のためにも利用される。人々はプチプチを潰してその音が鳴るのを楽しむ。プチプチの音は小さな空気の半球に圧力が加えられ、最終的に圧力がプラスチックバリアを破壊した時に発生する。マウスカーソルで仮想的なプチプチをつぶして音を楽しむwebsiteも誕生するなど、プチプチつぶしの楽しみは広がっている。

Bubble wrap - Wikipedia

Wikipediaでは、プチプチのつぶし方として次の3手法が挙げられている。

  • シートを持ち、エアキャップの一つ一つを親指と人差し指ではさんで潰す(基本形)。
  • シートをテーブルなど平らな面に置き、人差し指などで押して潰す。
  • シートを雑巾のように絞り一気に大量に潰す。

雑巾絞りのように潰す方法は、想像する分には一度にたくさんのプチプチを潰せて気分爽快になれそうな気がするが、プチプチつぶしの肝とも言える軽快な音が死んでしまうので、筆者は好きにはなれない。プチプチのあのつぶれる感覚と軽快な音がどれだけ再現できているかが∞プチプチの価値を決めることになるだろう。こればっかりは実際に触って確かめてみるしかないだろう。

川上産業株式会社はプチプチ文化研究所というぷちぷち研究機関を運営しているし、2006年にはプチプチを1冊丸ごと紹介したプチプチ OFFICIAL BOOKの発売も行っている。プチプチを4tトラックで踏んだらどうなるか?やプチプチでどれだけのヒマがつぶせるか考察したコラム等が掲載されているようだ。また、販促グッズ、PR素材、コミックなど様々な場面で利用されるプチプチの活用例の紹介も行われているようだが、筆者が知る限り最も馬鹿らしいプチプチの利用方法は、ぷちぷちディスプレイ方式VSSTである。シアン・マゼンタ・イエローの3色のインクをプチプチに注入することでカラー表示を実現した画期的ディスプレイだが、1スキャンラインの表示に1日かかるという致命的欠点があるようだ。

また、8月8日がプチプチの日であるという。プチプチの日の制定目的としては、プチプチが環境負荷の低い素材ということと、プチプチの新しい可能性を、広く一般消費者の方に知ってもらうためとの事だが、今回の∞プチプチの発売がプチプチの魅力を広く世間に知らしめ、プチプチの思いがけない活用方法が発明されることを期待したい。

*1:TBSのバラエティ番組なので信憑性は不明

2007-06-24

LM-72007-06-24

Logicool MX620 Cordless Laser Mouse

Logicoolから22日に発売になった無線レーザーマウスMX-620を購入した。それまで、同じくLogicoolの無線光学マウスMX-700を利用していたのだが、どうも最近挙動が不振なのと、赤外形式のため可動範囲が1m以内とちょっと離れると利用できない点が不満で、今回の購入となった。ITmedia +D PC USERにもレビューが挙がっている。

追記:MX-620のフリースピンは2ヶ月で回らなくなるので購入の際には注意することをオススメする。

LOGICOOL ワイヤレスレーザーマウス ワンタッチ検索ボタン搭載 MX-620

LOGICOOL ワイヤレスレーザーマウス ワンタッチ検索ボタン搭載 MX-620

MX-620のスペックを列挙すると次の通りだ。

  • 高性能レーザーによる高精度のトラッキング
  • 可動範囲10mの無線方式
  • 最大1年の電池寿命
  • カスタマイズ可能なボタンが6(左右チルトスイッチも入れれば8)
  • ハイパーファストスクロール機能で超高速スクロール可能(2ヶ月で壊れる

まずレーザーによるトラッキングだが、筆者の環境では特に光学マウスとの違いは感じられなかった。環境にもよるのかも知れないが、たまにマウスの動きにカーソルが追随してくれないことがあってストレスがたまる。これらはMX-700にも見られた現象なのでLogicool製品に共通してみられる現象なのかも知れない。

無線による可動範囲の延伸は確実に感じられる。筆者は本体と別場所に2ndモニタを配置、その前でマウスだけもってインターネットブラウジングを行うことが多いのだが、多少離れてもマウスがストレスなく利用できる。赤外方式だとすぐに制御不能になるのだが、この点では無線方式のメリットが出ている。一方で同じ周波数帯を利用するワイヤレスヘッドホンとの共用時に干渉し、操作不能になるという不具合もある。これはヘッドホン側の周波数を変更できれば回避できるが、そうした機能を有していない機器と併用する時には注意が必要だ。特にSONY MDR-DS6000との併用時には、極めて高い頻度でマウスが操作不能になる。これを防ぐには、それぞれのレシーバーを離れたところに配置するなどの工夫が必要だ。はっきり言って筆者の環境ではかなり使い勝手が悪い。

電池寿命については利用してまだ1日なのでよく分からないが、充電無しで1年持つとすれば非常に便利だ。MX-700には専用の充電スタンドが付いていて、毎日充電する必要があった。そしてたまに充電するのを忘れるとすぐにバッテリ切れとなってしまった。最近は充電池をeneloopに変えたので幾分ましになったがそれでも充電を意識しないと利用できなかった。ところが、GX-620は単3電池二本で1年間稼働するという。充電の手間が要らなくなっただけで、かなり見えない部分の利便性が向上している。

カスタマイズ可能なボタン数は6。MX-700が8個のボタンを搭載していたことを考えると2個も減っている。前モデルのMX-610が10個搭載していたのだが、Logicoolはボタン数の削減を推進しているようだ。個人的に「バック」と「フォワード」のナビゲーションキーは必須なので、あと通常利用する左右ボタンを外せばカスタマイズして利用できるのは「検索ボタン」と「ホイールボタン」の2つだけだ。「検索ボタン」は文字列を選択してクリックすると任意の検索エンジンで選択文字列を検索するというものだが、使ってみると存外便利だ。Firefox等では右クリックメニューから任意の検索エンジンで検索が行えるが、右クリック→メニュー選択という流れがワンボタンになるだけでかなり利便性が向上する。

筆者はFirefoxに対して、「左チルト」をCtrl+W、「右チルト」をCtrl+F12キーに割り当てている。左チルトは今開いているウィンドウを閉じるのに、右チルトは閉じたウィンドウを再度開くのに利用している。いちいち×ボタンを押さなくてもウィンドウを閉じたりまた開き直したりできるのは便利だ。エクスプローラでも同様のことがやりたくなるが、閉じたウィンドウを再度開く手段が用意されていないので、残念ながら同様の操作は実現できない。

キー割り当て時の注意として、Ctrl+W、Alt+F4など、修飾キーとの同時押しによるショートカットを割り当てて、アプリケーションを閉じた場合、CtrlやAltなどの修飾キーが有効になったままになってしまうという問題が発生する。たとえばAlt+F4をキーに割り当てて、それでアプリケーションを終了させると、Altキーが入ったままになるので、アイコンのドラッグなどが出来なくなるなどの問題が発生する。この問題を回避するには、キーストロークではなく、予めSetPointに用意されている「閉じる」等の機能を代わりに割り当てるか、アプリケーションを閉じないようにする必要がある。筆者はFirefoxでCtrl+Wをタブを閉じる操作に割り当てているが、同時にTab Mix Plusのオプションで「キーボードショートカットで最後のタブを閉じたときウィンドウ自体は閉じない」のチェックを有効にすることで、アプリケーションが終了することを防いでいる。

ハイパーファストスクロール機能による超高速スクロールは、使う前はどこで使うのかよく分からなかったが、使ってみるといろいろ使い道がある。たとえば、100件ぐらいたまったRSSリーダーの未読一覧を高速でスクロールしたり、大量のデジカメ写真をIrfanviewで高速で切替ながら見たりと、大量の情報をざっと見て必要な情報を探し出すのに便利だ。高速スクロールで文字を読むのは大変なので画像の切替に利用する方がメリットがわかりやすい。iPodにおいて写真をホイールパッドで高速に切り替えて閲覧する時の感覚だ。ハイバーファストスクロール機能のフリースピンモード(超高速スクロール)/クリック・トゥ・クリックモード(通常)はマウス底面のスイッチで切り替えるようになっているが、アプリケーションに従って自動的に切り替わるとより便利だっただろう。筆者は常にフリースピンモードを利用している。

MX-620は前モデルよりも安価な価格設定がなされているが、ハイエンドモデルしか搭載されていなかったハイパーファストスクロール機能を搭載するなど、機能的には妥協はない。無線送信、電池寿命などマウスの基本的な部分できちんと改善が進められており、古いマウスを利用している人は乗り換える価値が十分にあると思う。惜しむらくはボタン数の減少だが、ボタン数が必要な人はMX-620の登場で安くなったMX-610ないしはMX-610BKを購入すればよいだろう。

追記

MX-620のフリースピンは2ヶ月で回らなくなるという不具合が報告されている。実際、筆者も購入2ヶ月後に新品交換となった。サポートの対応が悪く、故障品を送付して交換品が送られてくるまで軽く1ヶ月はかかるので、購入時には注意を。

2007-06-23

LM-72007-06-23

硫黄島は「イオージマ」から「いおうとう」に

朝日新聞の報道によれば、国土地理院は18日、硫黄島の呼称を「いおうじま」から「いおうとう」に変更すると発表した。

硫黄島と言えば第二次世界大戦の激戦地として知られ、本サイト題名"A Successful Failure"の由来となったアポロ13号の回収においても、強襲揚陸艦イオージマ(USS Iwo Jima, LPH-2) が運用された。なお、イオージマ級強襲揚陸艦に分類される7艦、イオージマ、オキナワ、ガダルカナル、グアム、トリポリ、ニューオーリンズ、インチョンは、総て激戦地の地名を持つが、2002年に退役したインチョンを最後に全艦が退役済みである。

最近では映画「硫黄島からの手紙」が大ヒットするなど、完全に「いおうじま」の名称が定着しているが、戦前は「いおうとう」と呼ばれており、「いおうじま」は米軍による誤った呼称だったらしい。戦後なぜか「いおうじま」が定着してきたが、旧島民は戦争で故郷の名前を奪われ、複雑な思いを抱いてきたという。

村は昨年3月、地理院に旧称への変更を要望していたが、同12月公開のクリント・イーストウッド監督の映画「硫黄島(いおうじま)からの手紙(原題はLetters From Iwo Jima)」がヒットすると、旧島民らの間で、改めて本来の呼称を使いたいとの声が高まった。村は都の承諾を得て、村長が地理院に直訴。地理院は18日、海上保安庁と合同で地名修正の連絡協議会を開き、「現地の現称が原則」として変更に踏み切った。

朝日新聞デジタル:どんなコンテンツをお探しですか?

もともと「いおうとう」と呼ばれていたのであれば、呼称を本来の形にもどすのは当然であり、むしろ遅すぎた感もある。ところが、痛いニュースでも話題になっているが、イオウジマが第二次大戦における勝利を象徴する地名として定着しているアメリカでは困惑が広がっているという

米国内では20日、東京発の外電を通じて硫黄島の呼称変更が伝わった。報道は今回の措置が日本での旧称復活に過ぎないことを紹介しつつ、米映画「硫黄島からの手紙」などで描かれた「第二次世界大戦で最も英雄的な戦闘」(AP通信)の呼称変更に戸惑いを隠さない。ローマ字表記が頼りの米国では、同じ漢字でも呼称の変更は地名そのものが変わるのに等しいためだ。

不満の声は、とりわけ米軍の退役軍人らの間で根強いようだ。海兵隊のヘインズ退役中将は、AP通信に対して、「(呼称変更は)率直にいって好きになれない。イオウジマの名はわれわれの伝統であり、遺産の一部なのだ」と指摘。退役軍人協会(VFW)のデービス広報官は、FOXテレビで「旧称への差し戻しは日本のやったことだが、イオウジマの名は米国の軍事史に燦然(さんぜん)と輝く*1」と語った。

表示できません - Yahoo!ニュース

本件に関する海外での報道に関しては、I have got some news from ... - 「硫黄島」呼称についてで詳しくまとめられている。一応、今回の呼称の変更が、本来の名称への復帰であることはきちんと伝えられているようだ。また、硫黄島の名称変更があったとしても、その場で行われた激戦とそれがもたらした作用は変わることが無いのは当然のことだ。退役軍人が硫黄島の戦闘を誇りに思うなら、そうすればいいし、それは名称の変更とは無関係だ。日本が歴史を書き換えようとしているといった事実無根の言いがかりが幅を利かせているわけではなく、理性的な反応が大半であるように思える。心情では納得できない面があっても、論理的に今回の呼称変更が正当なものであることを理解しているようだ

そろそろ、富士山もフジヤマじゃなくってフジサンだと、誰か教えてあげたほうがいいんじゃない?

2007-06-22

半分の中国製使い捨て食器は毒

先日、大腸菌や結核菌、エイズウィルスなどが中国製紙ナプキンや爪楊枝から検出され、中国製品はもはや怖くて使えないというエントリを書いたところだが、それから1週間もしないうちに、厚生労働省が、中国から輸入販売された練り歯磨きから、毒性のあるジエチレングリコール(DEG)が検出された発表、輸入販売元は商品の自主回収を始めた。検出量は微量で毎日使ったとしても健康に直ちに害が出ることは無いと言うが、毒物を摂取させられていると考えるとぞっとする。

米国政府は中国製練り歯みがき廃棄を米国民に呼びかけており、有毒物質を含有する中国製製品の問題がクローズアップされている。DEGが混入した中国製練り歯磨きはパナマ、ドミニカ共和国、オーストラリア、米国、そして今回、日本で発見されたように、世界中に流通しているようだ。FDAによると、中毒患者の報告例はないが、混入したDEGの濃度は3〜4%で、腎臓や肝臓に疾患がある消費者には発病のリスクがあるという。

そして中国国家品質監督検験検疫総局(質検総局)はこのほど、使い捨て食器の半数以上で品質が不合格だったとの調査結果を発表した

特に問題が深刻なのはプラスチック製の弁当箱、椀やトレーで、原料に廃棄プラスチックが使われていたり、薬品が添加されているために、熱い食品や油を入れた際に有害物質が溶け出し、急性あるいは慢性中毒の原因になるという。胎児に奇形を生じさせる催奇性物質や発がん性物質も指摘された。

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半数もの製品に問題が発見されたという事実は極めて衝撃的である。日本に輸入されている中国製製品が残りの安全な半数である保証はどこにもなく、それらも高い割合で有毒物質を含有していると考えた方がよい。日本では製造コストの安い中国産の紙コップや割り箸などの使い捨て容器・食器が大量に流通しているが、それらを継続的に利用することで体の中に有毒物質が少しずつ蓄積されている可能性がある。

ただし、2ちゃんねるの書き込みによれば、現状のスーパー、コンビニエンスストアなどで利用されている食品容器の大半は国産で、中間に再生材を利用することはあっても、食品に接触する表面にはバージン材(再生材ではない材料)を利用しているようだ。これは、原反シート成型時に出る端材を粉砕したものを再溶融したものであり、密閉された製造建屋において200〜300℃で成形されるため、雑菌や危険物質混入の可能性は低い。ただし、最近原材料が高騰しており、産廃品や一般廃材料を使用した再生材の利用の増加が見込まれることから、本当に容器が安全かどうかは分からない。

一方、ダイソーなどの100円ショップで売っている使い捨て容器は、純然たる中国産であり、まともな衛生管理が行われているか疑わしい。ダイソーの紙コップ*1に記載されている注意書きを読むと「食品衛生法に準じて飲料用簡易コップとして製造されております」と記載がある。食品衛生法の対応する規定は次の通りだ。

第15条 営業上使用する器具及び容器包装は、清潔で衛生的でなければならない。

 

第16条 有毒な、若しくは有害な物質が含まれ、若しくは付着して人の健康を損なうおそれがある器具若しくは容器包装又は食品若しくは添加物に接触してこれらに有害な影響を与えることにより人の健康を損なうおそれがある器具若しくは容器包装は、これを販売し、販売の用に供するために製造し、若しくは輸入し、又は営業上使用してはならない。

食品衛生法,(略)食衛法

もちろん、これらが本当に守られているのならば問題ない。しかし、半数の容器に問題が見つかる中国の外注工場において製造されている容器が、本当に食品衛生法に準じて製造されているかどうかをどのような手順で確かめているのか。社内規定はどうなっているのか。そもそもまともな社内規定が存在するのか。これだけ問題になっているのにダイソーは一切何の表明も行っていない。もちろん、ダイソーの製品でなにか問題が出たわけでもないが、顧客の安全を第一に考えるのならば、自社の扱っている中国製製品の安全性確保に対する施策と現状などを説明するべきだろう。

中国政府関連部門は今後2年内に金属、紙、陶器製の食品包装、容器などに対して許可制を導入する方針だというが、それではあまりに遅すぎる。日本を含む全世界で中毒症状を訴える患者が急増、奇形児が続々と誕生し、癌患者数も増加、そんな地獄絵図を回避するには中国製製品の利用を控えるのが一番のようだ。

関連エントリ

*1:材質はバージンパルプ100%とあり、得体の知れない再生材が使われていることはなさそうだ

2007-06-21

LM-72007-06-21

ブログに疲れてもね…

POP*POPにブログに疲れたらどうするか?というエントリが挙げられていて、ブログを楽しく続けるためのコツが紹介されている。筆者も半年以上ブログを続けてきてそろそろ飽きてきたので、参考にしたいところだ。それぞれの解説はリンク先を見てもらうとして、実際にやってみようとするとなかなかできないので、その理由というか言い訳をつらつらと書いてみたい。

  1. あなたの中の基準を下げよう
    本日記は一般的なブログと比べて長文のテキストが多い。なんだか2,3行の一言コメントだとよっぽど気の利いたことでも書かないと面白くない気がするが、そうでもないのだろうか。一般的な一言感想系ブログの場合は、発見された記事自体がユニークで面白いか、記事の選択ポリシーが自分の嗜好にマッチしているか、短くても気の利いたコメントを付けているか、あるいはごくごく限られた友人・知人しか見ないのどれかだと思うが、どれも筆者には出来そうにない。
  2. タイトルから始めよう
    タイトル以前にネタ切れが酷い。正確にはネタはあるがそれを書くためには、長い時間がかかるので、時間がある時にしかかけない。時間がない時に短時間で書け、かつ、何か一つでもユニークな視点なり情報なりが含まれているエントリを目指そうとすると厳しい。時事ネタに対して誰もが思うような感想を書き連ねるエントリは当日記にも多いが、それらのエントリは他のブログでも代替が効き、そのブログの特長とはなりにくい。基準が高すぎるのだろうか(それにしてはエントリの質が低いというツッコミは却下)。
  3. 締め切りを設定しよう
    毎日更新のこの日記は、翌日の8時までは当日分となる設定をしているが最近は翌日の22時ぐらいに更新することもしばしば。既に日記じゃないので締め切りはないのか。
  4. 集中力を妨げるものは排除しましょう
    ブログの更新をするのに、インターネットで調査するが、この調査はエントリ作成に必要であるにも関わらず、集中力を妨げるのでどうしようもない。エントリを書くはずが、ついつい読みふけってしまう。
  5. 夜よりも朝に書こう
    最近は朝起きてブログを更新するようにしているが、やはり朝に書くと慌ただしいし、ケアレスミスなども散見される。夜に更新して、次の日の朝にすっきりした頭で見直し、ケアレスミスなどを直すぐらいが理想ではある。
  6. たまには休みましょう
    なんとなくサイドバーに表示されているエントリーカレンダーに抜けが出来るのが嫌。単なる自己満足に過ぎないのは分かっているが。
  7. アクセス解析をしよう
    検索語を調べても、アクセスしている人は既にその検索語でそのWebページに辿り着いた人であり、アクセス増のために未知のユーザを求めるのならば、そのページのアクセス解析で抽出されるキーワードを参考にするよりは、より一般的な検索エンジンの旬のキーワード等を参考にした方がよいと思う。でも、旬のキーワードを追い求めたところで検索エンジンの上位に来ないと意味がないので、あまり流行を追っても見返りが少ない場合がほとんどだろう。Google PageRankが既にある程度高いブログならば、旬のキーワードを見つけてその関連エントリをタイムリーに投入できれば、検索結果の上位に表示されるのでアクセス増につながる気はする。
  8. 友達に相談しよう
    本日記は実世界の人間関係とは断絶しているので、相談不可。オンラインでの友人でもいればいいのだろうが…。
  9. 思いついたアイディアを逃さないようにしよう
    これはやってもいいかもしれないが、なかなかメモを常に持ち歩き、思いついたらすぐメモというのは難しい。
  10. 深呼吸を忘れずに
    まあ、所詮個人のブログで何の責任もないのだから、気楽に考えて続けるのがいいかもしれない。継続は力なり、ちりも積もれば山となることを信じて、少しずつ積み重ねて行くのみだ。

2007-06-20

社員流出を促進する違法ツールWinny特別調査員2

既報のとおり、警察官の私物PCからWinnyに1万点、1GBを超える警察庁捜査資料が流出し、強姦の被害者の個人情報が大量流出したり、現役の数名の女優が暴力団の情婦であると名指しされた警察内部資料が見つかったりと、Winnyの被害は留まるところを知らない。なお、警察は彼が法に触れることをしたことではないことを理由に流出元PCの所有者である警察官の実名開示は行っていない。

 データは、監視中の被疑者を撮影したとみられる写真や、被疑者の通話記録、取り調べ状況報告書、犯罪歴照会結果報告書などと記載された捜査関連資料が多数含まれている。このほか「強姦(ごうかん)関係」「殺人未遂」「変死」など事件ごとに分けたフォルダーもあり、中には、住所、氏名などの個人情報が記された少年事件の書類もある。

no title

暴力団との関係が指摘されている登場人物としては以下が挙げられる。

  • 嘉門○子 (タレント 組長 情婦)
  • 宮脇麻衣○ (タレント 組長 情婦)
  • 須ノ○美帆子 (タレント 組長 情婦)
  • 篠塚○夫 (巨○軍 フロント企業取締役)
  • 石井○義 (正道○館・刑務所収監中)
  • 周防○雄 (バー○ングプロダクション クライアント企業)

この文書の真偽は不明だが、例えば山口系暴力団組長との関係が指摘されている上記3人に関しては、彼の海外渡航歴を記録したファイルにおいても、一緒に海外旅行に行っていることが記載されている。一人の組長にタレントが3人付くとすれば、芸能界全体で何人のタレントが暴力団と関係を持っているのかと怖くなる。

このようなWinnyによる情報流出への対応として、ネットエージェントは、PC内をスキャンし、従業員が持ち出した機密情報や個人情報が含まれていると自動的に回収する持ち出し情報回収ソフト「Winny特別調査員2」を発表した。

 Winny特別調査員2は、同社が1月にリリースした「Winny特別調査員」同様、CD-ROM形式で配布されるソフトウェア。実行したPCに接続されているHDD内のファイルを調査し、プロパティなどに企業名や指定したキーワードが含まれていないかどうかをチェックする。

 対象となるのは、電子メールやその添付ファイル、HTML、OfficeドキュメントやPDFなど。プロパティ情報からファイルの中身までをスキャンし、設定したキーワードが含まれるファイルをリストアップする。もし該当するファイルが見つかれば、WebDAVを介し、あらかじめ指定したファイルサーバに強制的にアップロードする仕組みだ。その後対象PCでファイル復旧を試みても復元できないように削除することも可能という。

ネットエージェント、今度は「データ持ち帰ってません」がホントかどうかを調査 - ITmedia エンタープライズ

いくら何でもあまりに酷いソリューションだ。このソフトは対象者に自宅のPCで実行してもらう必要があるが、個人情報が満載の私物PCでこんな得体の知れないソフトを実行する気が知れない。対象者の例としては、役員、従業員、従業員の家族、派遣社員(派遣元との調整)、退職者、下請け先、下請け従業員が挙げられているが、100歩譲って役員、従業員はともかく、従業員の家族にまで強要するのはいかなる論拠に基づくものか。従業員にしたところで、自宅のPCにおいてこのようなソフトの実行を強制される道理はないだろう。仮に従業員が断れないような雰囲気を作って強要するとすれば、パワーハラスメントに該当するし、立場の弱い下請けなどに強要する場合には、下請代金支払遅延等防止法で禁止されている「物品等の購入・利用強制」に該当すると考えられる。

また、ファイルに関しては指定されたキーワードが含まれるかどうかで判別され、指定キーワードが含まれていれば、強制的に消去、会社のデータベースにアップロードされる設定も可能だという(設定により本機能を無効にすることも出来る)。元PCでは復活できない仕組みだ。キーワードの設定がまずい場合、会社に関係のない個人的なファイルが強制的に削除され、アップロードされるという理不尽な状況が発生しうる。

また、会社が適切なキーワードの設定を行っていると、誰がどうやって確認をするのか。もしかしたら担当者が興味本位で、全然関係のないキーワードを設定していたとしたらどうするのか。たとえば"kakikomi.txt"というキーワードが設定されていた場合、あなたの今までの2ちゃんねるへの書き込みログが会社にアップされてしまう(Jane等、一部の2ちゃんねる専用ブラウザ利用時)。恥ずかしい書き込み記録も白日の下にさらされるわけだ。これらは私生活の平穏、財産権の侵害に該当する。 日本国憲法35条1項によれば、何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利を有する。そして、この権利は、正当な理由に基づいて発せられ、かつ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ侵されない。それをいかなる理由があって、会社が従業員もしくはその家族に強制できるのか。権限もないし、令状もない、押収するものの明示もない。社内文書にはすべて電子透かしを導入し、その電子透かしを含む文書類を検索するというようなソリューションの方ならまだ分かる。なぜフリーキーワード指定なのか。

仮にこうしたソフトウェアの導入を行う企業があるとすれば、情報流出の抑止にはつながるかも知れないが、社員流出は促進されることだろう。社員には当然満たすべきコンプライアンスがあるが、経営側にも当然満たすべきコンプライアンスがある。この導入を決めるような会社の経営者はそのコンプライアンス意識を疑われることになるだろう。

Winnyはそのテクノロジは問題が無いとされたが、作者の47氏は著作権法違反幇助の罪で起訴され一審で有罪判決を受けた。Winny特別調査員2も、推奨されている利用法に従って使うと上述のように様々な法律を侵害する可能性が高い。Winnyが悪質というならば、Winny特別調査員2も同様に悪質だ。

2007-06-19

フジモリ元大統領が参議院議員ってあり?

朝日新聞の報道によれば、国民新党は18日、フジモリ元ペルー大統領に参院選への立候補を要請したという。国民新党の関係者がチリ・サンディエゴのフジモリ氏の自宅を訪れ、1時間半会談し出馬を要請したようだ。東京選挙区か比例区での擁立が検討されているという。

Wikipediaによれば、フジモリ氏は1990年新党Cambio 90を結成し大統領に初当選、フジショックと呼ばれる大改革を断行してペルーの経済を一気に立て直した。1992年には大統領の権限を強化するためにクーデターを実行、国民からは支持を得たものの、一時国際社会から孤立することとなった(まもなく国際関係は修復)。

1995年の大統領選には圧勝したが、人気はかげりを見せ始め、1996年にはペルー日本大使公邸占拠事件が発生、翌年4月に特殊部隊が突入、人質1人、特殊部隊2人が犠牲になったが、犯行グループは全員射殺され、最後まで拘束されていた人質71人が開放された。この際、無抵抗の犯行グループが虐殺されたのではないかという疑惑があり、後に人道犯罪の罪で訴追されることとなる。

2000年には憲法解釈の強引な変更を行い3選を達成したが、投票に不正操作が行われており、事実上死に体であった。2000年9月に側近による国会議員への買収工作が明るみに出て人気が急落、2000年11月来日中に突然大統領辞任を表明、辞表をペルーにFAX送信し、そのまま日本に滞在を続けた。事実上の亡命である。

ペルー政府は辞任を受理せず(当たり前だ。どこの世界にFAXで送信された大統領の辞表を受理する国があるというのか)、大統領を罷免。殺人罪、人道犯罪の罪、権力乱用罪など様々な罪状で、日本政府に身柄の引き渡しを求めたが、日本政府は彼が日本国籍を有していることを理由に、引き渡しを拒否した。

フジモリ氏は日本国籍とペルー国籍の二重国籍者である。国籍法第十六条2の規定によれば、二重国籍を有するものが自己の志望で外国の公務員になった場合には日本国籍を剥奪することが出来るが、日本政府はその権利を行使していない。そして、日本国籍を有する30歳以上の人物には参議院議員選挙の被選挙権が与えられるので、法律上は彼は確かに参議院議員選挙に立候補することが出来る。

しかし、事実上の独裁者として一国の大統領を長年勤め、現在は祖国から国際手配されている人物が果たして日本の国会議員になることが許されるのだろうか? もちろん、彼の経験や行動力、人脈など日本政治にとって有利に働く面もあるかもしれない。彼のような強力なリーダーシップは、安倍首相がのどから手が出るぐらい欲しい能力だろう。しかし、少なくともペルーとの関係は冷え込まざるを得ないし、国際手配犯を国会議員という要職に就ける事への諸外国からの反発もあるだろう。

個人的にはそういったリスクを払ってまで彼に国会議員をやってもらう理由はない。国民新党も彼の知名度が欲しいだけで、彼の政治手腕に期待しているかどうか怪しいものだ。知名度の観点だけでタレント候補を擁立する政党には(そして彼らを当選させる有権者にも)毎度呆れるばかりだが、知名度の観点だけで他国の元大統領で国際手配者を引っ張り出す国民新党には驚いた。最低限厳守すべき一線を越えている気がしてならない。

フジモリ氏にしても、自分の牙城(最近はそれも怪しいが)のペルーならともかく、支持者もいない勝手も分からない日本に連れてこられても困るだろう。どうせフジモリ氏からFAXでお断りの返事が来るに決まってるって。

2007-06-18

なぜ朝鮮総連がいつまでも存続できるのか

東京地裁は、破綻した在日朝鮮人系の金融機関から整理回収機構が引き継いだ不良債権の内、約628億円は朝鮮総連(在日本朝鮮人総聯合会)への貸し付けだったと認定し、朝鮮総連に対し全額の返済を命じる判決を下し、仮執行宣言を付加した。

Wikipediaによれば、朝銀信用組合には公的資金1兆4000億円が投入されている。日本人の血税である。ところが朝銀信用組合の破綻の原因は、朝鮮総連の指揮により「書類上ペーパーカンパニーに融資し焦付いた事にして実際は預金を北朝鮮へ不正送金した。極一部は政治献金として日本の政治家にばら撒いた」事によるといわれている。日本は北朝鮮に国家収入5年分を超える金額を無償で援助し、核開発を支援したのだ。公的資金の投入を決めた野中広務と柳沢伯夫の日本に対する裏切りは極めて重い。そもそも朝銀信用組合には、在日朝鮮人たちの不透明な資金の受け皿先としての機能と、最初から破綻・血税投入を前提とした、北朝鮮に送金するための機能という2つの目的があったと思われる。金正日は笑いが止まらなかっただろう。

今回、その1兆4000億円の中から、わずか628億円ではあるが返済が命じられた。朝鮮総連は差し押さえを逃れるため、仮装売買工作を画策、朝鮮総連側の代理人で元日本弁護士連合会会長の土屋公献が仲介し、元公安調査庁長官の緒方重威が代表取締役を務める投資顧問会社「ハーベスト投資顧問」への売却が決まっていた。ところが判決前にこの事実が明るみに出て、工作は頓挫、強制執行回避目的の買収は白紙に戻った。日本の中枢に、北朝鮮の息がかかっていることが再認識させられた事件である。この工作に関しては、特捜部が電磁的公正証書原本不実記録容疑で捜査を開始しており、今後は強制執行妨害容疑も視野に入れて捜査が行われるようだ。

また、拉致事件をはじめとする日本国内における同国の非合法活動(スパイ、不正送金、麻薬・拳銃売買等)において朝鮮総連関係者が深く関与してきた事実が明らかとなっている。この機に乗じて、破壊活動防止法を適用して徹底的に捜査し、北朝鮮の日本国内における非合法活動の実態を洗いざらい明らかにしてもらいたいものだ。朝鮮総連の関与が疑われる犯罪には以下が挙げられる。以下、Wikipediaの在日本朝鮮人総聯合会在日本朝鮮人科学技術協会朝銀信用組合より抜粋。

  • 1974年、埼玉県の主婦、渡辺秀子さん(失跡当時32)の子供2人が北朝鮮に拉致。親子が数カ月間監禁された後、子供が1974年6月中旬に福井県小浜市の海岸から連れ出された疑い。渡辺さん親子は1973年6月に北朝鮮に渡ったとされる在日朝鮮人の夫を、勤務先の貿易会社「ユニバース・トレイディング」の周辺で捜していて行方不明になった。同社は朝鮮総連幹部が実質的に設立した工作活動の拠点で、工作員数人が親子を監禁したとされる。ユニバース・トレイディングにかんしては、同社の工作員が在日朝鮮人の妻や日本人との子ら、日本国籍を持つ20―30人を北朝鮮に送り、工作員教育を受けさせていたとみられることがすでに判明している。警視庁と兵庫県警の共同捜査本部が朝鮮総連の徐萬述議長(80)ら最高幹部3人に事情聴取に応じるよう求めたが、朝鮮総連側はこれを拒否。一切の事情聴取に応じていない。
  • 1974年8月、当時の大韓民国大統領・朴正煕夫人、陸英修が在日韓国人の文世光に射殺された事件(文世光事件)において、犯人が派出所から拳銃を窃盗したり、韓国への偽造ビザや偽造パスポートを作成するのを支援した疑い。朴の娘である朴槿恵が北朝鮮を訪問した際、金正日総書記が北朝鮮の関与を認めて謝罪したことは、朝鮮総連が大統領暗殺の工作に関与していた証左とされている。
  • 朝鮮総連下部組織の在日本朝鮮人科学技術協会(科協)によって核兵器開発に転用可能な機器が北朝鮮に不正輸出され、さらに防衛庁からのミサイルデータの流出に関与した疑い。イザ!によれば、科協は朝鮮労働党の工作機関「対外連絡部」の直轄下にあり、本国の内閣の一機関である国家科学院などと共同研究を指示されていたことが、警察当局の調べで判明。会員は在日の研究者1,200人弱で、国立大の研究機関などに勤務し、幹部級は万景峰号で祖国訪問した際に北の研究者と接触していたことも判明。科協を介し日本の先端知識が恒常的に流出し、10月の核実験やミサイル開発に転用された疑いがあり、警察当局は研究者の動向把握など全国規模の捜査に乗り出している。
  • 1998-2002年、朝鮮総連の指揮の下、朝銀信用組合において、書類上ペーパーカンパニーに融資し焦付いた事にして北朝鮮へ不正送金。経営破綻を招いたが公的資金1兆4,000億円が投入された。朝銀信用組合では脱税目的の架空口座が見つかっており、パチンコ店経営の預金者が架空預金34億円の支払いを求めて整理回収機構を相手取り提訴。裁判では時効となっていた脱税行為が指摘され、「脱税資金を公的資金で払い戻すのは正義に反する」と反論されたが、預金者の勝訴が確定、結局は遅延損害金を含めた総額41億円が支払われている。

破防法の適用には次の2つの要件を満たす必要がある。

  1. 団体の活動として暴力主義的破壊活動を行った団体であること
  2. 継続又は反覆して将来さらに団体の活動として暴力主義的破壊活動を行うおそれがあると明らかに認められるに足りる十分な理由があること

これだけ反覆して犯罪行為を繰り返して来たと疑われるのならば、破防法適用による徹底捜査、組織解体も正当化されるのではないか。オウムにも適用できなかった破防法、使うとしたら朝鮮総連ぐらいしか残ってないし。個人的には朝鮮総連がまだ存続していることが信じがたいが、公安当局が監視のために泳がせているのかも知れない。

2007-06-17

LM-72007-06-17

残業無しの生活

産経新聞は、"広がるノー残業デー 仕事効率化、私生活有意義に"という記事で、残業を減らすように呼びかける企業が増えてきたことを報じている。仕事の効率化、私生活の充実による仕事の能率アップ、環境面の配慮など企業により様々な狙いがあるようだ。

「残業ゼロ」意識の徹底で、終業時間後も働くのは月1、2回−。こんな生活を送っているのは、下着メーカー、トリンプ・インターナショナル・ジャパン(東京)広報室の増田佳子さんだ。

同社は現在、管理部門は毎日、営業部門は水・金曜日が「ノー残業デー」。午後6時終業で、30分後には退社しなければならない。帰宅を促すチャイムも鳴るという。

 自宅に帰り着くのは午後8時ごろで、それから夕飯を作る。その後、同社の営業部門で働く夫が帰宅。午前0時ごろの就寝まで、毎日のように夫婦水入らずの時間を楽しめているという。

 「残業がないおかげで、仕事と生活のバランスを十分とることができます」と増田さん。

 子供がいる社員は保育園への「お迎え」も余裕をもってでき、独身社員は、おけいこ事などに使える。「みな有意義に時間を使っているようです」と増田さんは話す。

産経ニュース

トリンプ・インターナショナル・ジャパンの管理部門は毎日がノー残業デーで残業するのは月に1,2回だという。自宅に帰るのは夜の8時ぐらいで、家族と過ごす時間が多く取れ、有意義な生活を送っているようだ。また、無印良品やライオンでは毎週一回ノー残業デーを設定し、ワークライフバランスの充実や、CO2の削減などを図っているという。

一方、サービス残業に対する取り締まりが厳しくなってきたことから、それが告発されるリスクを冒すぐらいなら、残業を禁止してコストを抑えようとする会社の思惑もあるようだ。いままで残業代による収入を計算して生計を立てていた場合、急に残業が無くなると生活に支障をきたす恐れもある。会社の方針として残業のカットを進めるのならば、何らかの保障をするか、移行期間を十分取るなどの対策が必要だろう。

さて、筆者の勤めている会社というか部門には基本的に残業というものがない(一応断っておくと、前掲の会社ではない)。毎日定時に退社して、夜7時には帰宅すると言う生活をずいぶん長い間続けている。先のトリンプ・インターナショナル・ジャパンの例よりも極端な例と言えるだろう。夜12時に就寝するとして5時間もの時間があるわけで、筆者は主にネットサーフィンやブログの更新にあてているわけだが、本当はもっと他の有意義な使い方もある気がしてならない。

残業が無いと、自由な時間が出来る代わりに残業代が無くなるので、確実に収入が減る。例えば月60時間ほど残業したとすると年200万ぐらいにはなるかと思うが、年収で200万円違うと生活レベルに大きな差が出る。筆者の場合、主に残業代の有無で大学の同期と少なくとも200万円ぐらいの年収差があるわけだが(安月給なので差はもっと大きいと思う)、200万払って自由な時間を得ているかと思うと、なんかもっと真剣に使わないといけないのではないかと思う。時間の使い道が分からないのなら、闇雲に働いて金を稼いでおく方が後々有効だろう。

ただ、どちらかと言えば、多少年収が減っても1日の内4,5時間ぐらい自由に使える時間がある方がよいように思う。これは筆者が独り身で家族を養う必要がないと言う理由にもよるのかも知れないが、毎日朝から晩まで仕事漬けで、自分の時間が取れるのは週末の限られた時間だけという生活は、極めて味気ないように思える。ま、せっかくの時間を無為に過ごしていては意味がないわけだが。

2007-06-16

FORZA2に見るコンテンツ創造型コミュニケーションのあるべき姿

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2007-06-02付エントリ「痛車の希少性を高めると言う点で極めて秀逸なFORZA2の貧弱なペイントツール」で紹介したXBOX360用レースゲーム、FORZA2における痛車製作とそれに伴うコミュニティの盛り上がりだが、IT-PLUS痛いニュースでも取り上げられ、再び注目を集めている。FORZA2のこの成功はコンテンツ創造型コミュニケーションを活性化させるための様々な要因がうまく機能した最初の例だといえる。一部は既に先のエントリにおいて触れているが、FORZA2がこれほどまでに盛り上がった理由について、以下にまとめておきたい。

驚愕すべき痛車の数々、海外フォーラムの反応などは先のエントリを参照願いたい。右写真はそのほんの一例のサムネイルである。

貧弱なペイントツールの提供

FORZA2では標準のペイントツールを使って、車を自由にペイントすることが出来るが、画像のインポート機能はない。信じがたいことだが、これらのペイントは総て予め用意された基本図形の組み合わせで描画されているのだ。基本的な作成方法はYouTube - Forza Paint 2を見るのがわかりやすいが、この貧弱なペイントツールであのような詳細なディテールの絵(中には実写にしか見えないものもある)を描くというだけで賞賛に値する。これが外部画像をコピペして誰でも作れるのならばここまで盛り上がったりはしない。ゲームユーザはみんな対等の条件であるはずなのに、信じがたいほどのクオリティの痛車が走っている。この驚きは海外フォーラムの次の反応に集約されていると言えるだろう。

中にはPhotoshopによるFakeだと主張する人もいて、彼らに与えた衝撃の大きさを物語っている。そして同じゲームを買ったとしても自分たちにはとうてい真似できないと言うことを悟るのだ。こうした賞賛は、作者にとっても心地よいものであるに違いなく、それが新たなモチベーションとなって次の新作を生み出すこととなる。こうして貧弱なペイントツールは、多くの痛車を生み出す正のフィードバックを生み出すのだ。

プレゼンテーションの場の提供

FORZA2ではゲームのスナップショットを取ってそれを公式フォーラムやblog等に貼り付けて公開することが出来る。代表的なところでは次が挙げられる。

ゲーム中では他のユーザのカスタムカーとレースが行えるため、他のユーザに見せつけながら走ることが出来るし、最近ではYouTubeやニコニコ動画などにその様子がアップされ、それがまたblogで紹介されるというフィードバックが形成されている。たとえば、デジモノに埋もれる日々: Forza2 Live!対戦 - 「痛車走行会」におじゃましてきました。などはその典型だろう。

今までも自分でカスタムすることが出来るゲームは多くあったが多くは自己満足にとどまっており、他のユーザに触れることはなかった。ところがFORZA2は、blog等のインターネットコミュニティとスクリーンショット/リプレイ動画などを通して連携し、広く他者にアピールする場を提供したのだ。これによりコミュニティの場はゲームユーザだけに留まらず広く一般に開放され、より多くの賞賛(=作者のインセンティブ)が得られるようになった。

これと全く反対の事を行ったのが、7月末でサービスを終了するときめきメモリアルONLINEである。ネットコミュニティが崩壊するとき - GIGAZINEWikipediaで詳細にまとめられているように、スクリーンショットのインターネットにおける掲載に極めて厳格な制限を課したのだ。スクリーンショットの掲載にはコナミに対し公認申請を提出し、審査を受け「公認ファンサイト」とにしての認定を受けて初めて許可された。こうした制限がネットにおけるコミュニティの育成を阻害し、ひいてはコミュニティの衰退へとつながったのは明らかだろう。

オークションの場の提供

上記は日本人による痛車を見た外国人ユーザの嘆きだが、FORZA2ではオークションハウスでカスタムカーを仮想通貨によって取引することが出来る。作者にとっては自分の作ったカスタムカーがどの程度の価格で落札されるのか、定量的な評価を得ることが出来るし、元データさえあればいくら売っても無くならない(希少性が少なくなるのを防ぐためにバリエーションの総数には気を使っている人が多そうだ)。より高い価格で落札された車があるならば、次はそれを超える車を作ってやろうと燃える作者もいるだろう。一方、他ユーザにとっては、自分では作ることが出来ない車を購入するチャンスがあるということで、大いに盛り上がっている。デジモノに埋もれる日々によれば、1レース勝つと0.3万〜2万CR入手できるのに対し、人気の痛車の相場は50万CR〜200万CRだといういまや200万〜1,000万CR超だという。それでも手に入れたいと思う人がいるということだ。

このような流通手段の提供により、ペイントツールによるカスタマイズの楽しみは、一部の選別されたユーザに限定されたものではなく、他のユーザをも巻き込んで普及していく。実際、貧弱なペイントツールによる痛車の製作には長時間かかりそちらにかかりきりになると、レースをしている時間が取れなくなる(本末転倒だが)。せっかく作っても、せっかくプレゼンテーションの場が提供されていても、それをアピールする機会が少なくなってしまう。ところが、オークションなどを通して流通すると、忙しい作者の代わりに他のユーザが彼の車を他人に見せびらかせてくれるのだ。彼らは顧客であり、そしてセールスマンという側面も持っているのだ。現実世界における車の流通と全く同様である。

まとめ

このようにFORZA2は、ユーザが創出するコンテンツを、ゲーム内やインターネットにおけるコミュニティで共有し、評価し、流通させるための仕組みを多く備え、それらが相互に連携し、正のフィードバックを生み出すことで、コミュニケーションを活性化させることに成功している。FORZA2の成功例は、コンテンツ創造型コミュニケーションのあるべき姿を考察する上で非常に重要な示唆を多く与えてくれる。

もっとも、FORZA2は日本では1万本しか売れていないし、発売から1ヶ月を経たぐらいで熱狂は冷めようとしている。一時的な熱狂状態を作り出すことに成功しても、それをさらに広げ、長期的に維持していくことにはまだ成功していない。たとえば、車の種類を増やす、内装、オプションパーツなどカスタマイズ・ペイント出来る部分を増やす、複数ユーザによるチーム作成をサポートし、統一感のあるペイントがなされた車の所属するチーム間のレースなどを行う、等々コミュニティを維持・発展させる施策はいくつもあげることが出来る。

FORZA2の事例をよく分析し、それらをふまえた上でより洗練されたコミュニティが提供されることを期待したい。ネットワークを介したコミュニケーションと連携することで、ビデオゲームは大きくその性格を変えた──FORZA2はそう思わせるのに十分な衝撃をもたらしてくれた。

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2007-06-15

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税負担は西欧諸国と同レベルなのに、社会保障は低レベルな日本

定率減税全廃により、6月にいよいよ住民税の減税分が撤廃され、今月の給与明細において増税効果が目に見えて現れることになる。All Aboutでは、住民税と所得税が昨年に比べてどれだけ増加するか世帯モデル毎の試算結果をまとめている。それが次の表だ。

世帯\年収300万円500万円700万円1,000万円
独身17,000円38,000円67,000円117,000円
夫婦12,000円32,000円60,000円109,000円
夫婦と子1人7,000円26,000円51,000円101,000円
夫婦と子2人700円18,000円41,000円89,000円

独身者への増税額が明らかに大きいことが見て取れる。独身者の場合年収300万円でも17,000円の増税となるが、フリーター等ワーキングプアと呼ばれる人々には大きな数字だろう。

参議院選挙を目前に控えて、自民党幹部は、「今月25日、日本中のサラリーマンが怒りまくるだろう」と懸念しているようだ。所得税の減税効果が今年の1月から、住民税の増税効果が6月から出るのだが、そのタイムラグのせいで6月の税金アップが納税者には強調されて感じられることになる。参議院選挙の1ヶ月前というタイミングはいかにも悪い。

もっとも国民総所得に占める国民負担の割合(国民負担率)は諸外国に比べてまだまだ低い。下のグラフは財務省資料による各国と日本の国民負担率を示したものである。

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国民負担率が低いと言うことは北欧諸国のような手厚い社会保障が受けられるはずもなく、ワーキングプアが社会問題化するわけだ。かといって税金を上げて社会保障を手厚くすると経済が停滞しがちとなる。国内に資源を持たない日本としては致命的だ。

ところが、国民負担率には、財政赤字を将来世代に対する負担とみなし国民負担率に財政赤字の対国民所得比率を加えた潜在的国民負担率を重視する考え方もあり、これによると、日本は近年の財政赤字の拡大から、西欧諸国の負担率に近くなる。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、2004年度から基礎年金の国庫負担を2分の1としても、25年度の潜在的国民負担率は約60%に達するとしている。西欧諸国と同程度の負担をしているのに、西欧諸国のような社会保障は受けられないという何とも理不尽な状態が現在の日本なのだ。

果たしてこれは美しい国と言えるのだろうか。

2007-06-14

とうとう怒られたNOVA

朝日新聞の報道によれば、経済産業省は13日、英会話学校大手NOVAに複数の特定商取引法違反(不実告知など)にあたる行為があったと認定し、一部の業務に対し6カ月間の停止命令を出した。NOVAは1年または70時間を超える長期の契約に限り、新規契約の勧誘、受け付け、締結ができなくなる。契約済みの授業は続けられると言うが、同社の顧客の大半、そして利益の大半は長期契約からのものであり、もともと弱い経営基盤をさらに弱体化させることになりかねない。

NOVAを巡っては全国の消費生活センターに年間1,000件以上の苦情や相談が寄せられていたという。NOVAが指摘された違法行為は勧誘時にうその説明をする「不実告知」のほか、「書類の記載不備」「誇大広告」など6項目の条文にわたり、18種類の行為に及んでいる。個々で指摘された違法行為は本部が作成したクレーム対応のマニュアルや通達をもとに、全社的、組織的に繰り返されていたといい、極めて悪質と判断されたようだ。600ポイントを約76万円で買い、54ポイント使った時点で解約を申し出ると、示された返金額は約45,000円という事例は悪質としか言いようがない*1

asahi.com:NOVA、不正の山 看板サービスでもでは、具体的な不正の例が詳細に示されている。NOVA創始者の猿橋望社長は、「規模拡大で経営管理が希薄になった」としたが、消費者不在の拡大路線が招いた帰結だと言えるだろう。NOVAは経済産業省になんとか処分を回避するよう陳情を繰り返していたようだが、正念場となった。

筆者は過去2年間ほどNOVAに在籍したことがある。そこで感じた変な部分を示しておきたい。

レベルによっては転校を余儀なくされる。

筆者は入学時にレベル4で、退学時にはレベル3であった。ちなみにNOVAでは英語能力に応じてレベル7からレベル1まで分類されており、レベル7とか6が最頻値となる。筆者はTOEICは900点を超えるが、それでもレベル3にとどまっており、レベル1,2はほとんどネイティブと遜色ないレベルであると言える。レベル4でTOEIC700ぐらいだろうか。筆者がNOVAを選択した理由は単に駅前にあり通学が楽だからという理由だったのだが、実は大半の教室はレベル5までしか受け付けておらず、レベル4は中堅校、レベル3以上はさらに都市部の大型校にしかない。もともと通おうと思っていた教室には自分にあうレベルが無いということもあり得るし、レベルが上がると転校を余儀なくされる。筆者もレベル4→3に上がる時に転校を強いられた。近いからNOVAを選んだのに、そのメリットが無くなった格好だ。

スタッフによるサポートはほぼ無い。

確か宣伝では日本人スタッフによって定期的に面談などを行い、学習進捗の確認、アドバイスなどを行うとされていたが、筆者が2年間通って、スタッフによるアドバイスを受けたのは3,4回しか無かったと記憶している。半年の一度のペースだ。しかも1度はレベルアップのためであり、もう1度は契約更改のためであった。ほとんど放って置かれているというのが正しい。もっとも辞める時にも、「転校により遠くなったので契約更改しません」と言うと特に慰留されなかったので、単に嫌われていただけかも知れないが。NOVAの悪い噂をいろいろ聞いていたこともあって、しつこく慰留されるのではないかと思っていたのだが、そんなこともなく拍子抜けしてしまった。

予約は絶望的なまでに取りにくい。

今回の処分でも問題が指摘されていたが、予約は本当に取れない。社会人だと昼間にレッスンに入るのは難しいので、レッスンを受けるのは平日の夜、ないしは土日ということになるが、次のレッスンを予約できるのは3週間後とかざらにある。レベル6付近の生徒数が多いレベルならばもう少し取りやすいのだろうが、生徒数の少ないレベルでは本当に取れない。基本的に講師の数が全然足りておらず、都市部の大型校などは教室数は15以上あるのに、常時埋まっているのは4,5個という状況が常態化している。600ポイントとか購入した人は、期限内に使い切ることは物理的に困難であったと考えられる。

筆者は1年間60ポイント(単価2,982円)の短期契約を2年間継続し、ポイントを総て使い切ってNOVAを辞めた。短期契約だと多少割高になるが、大量のポイントを余らせることを考えれば、結局は賢い方法だろう。また、当時は毎年1万円で10ポイント購入サービス(最大20ポイント)をやっていたため、それを最大購入し単価の引き下げに努めた。元々の60ポイントにキャンペーンで20ポイント追加した場合の単価を計算すると2,486円となり、524,790円払って210ポイント購入する場合の単価にほぼ相当する。年間80回のレッスンだと週に1回か2回は通うこととなるので、社会人だとまあまあのペースであると考えられる。

英会話上達のためにはなんと言っても英語に触れる機会を少しでも多く持たないといけない。その点では英会話学校は良いシステムだと思う。ただ、ある程度能力がある人なら、レッスンを受けずにVOICE(フリー会話、1チケットで1日出入り自由。1チケットは大体2000円ぐらい)だけを取るというのでも十分だと思う。ただしレッスンを受けず、VOICEだけ取ろうとすると入学料(5万円)を取られるので、VOICEのチケット単価が上昇してしまう(ちなみに入学料はレッスン選択時には無料になるキャンペーンが常時行われており、レッスン受講時には意識することはない)。VOICEだけでも継続しようかと一瞬考えたのだが、あまりにも割に合わなくなるので辞めてしまった。もうちょっと生徒の利便性を考えたシステムに改善しないと、そりゃ生徒も増えないって。

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*1:NOVAでは1ポイントで1コマのレッスンが受けられる。マンツーマンを希望すると3ポイント必要。1ポイント当たりの単価は購入量によって変動し、最低で25ポイント(単価3,990円)、最大で600ポイント(単価1,554円)の一括購入が可能だ。購入量によって利用期限が決められており、100ポイント以下の場合は1年、それ以上は3年で消化しなくてはならない。600ポイントを3年だと1年当たり200回もレッスンを受ける計算となり週4コマペースだ。はっきり言ってよっぽどの暇人か、マンツーマンレッスンにしない限り消化は不可能である。600ポイント購入者の大半が途中で挫折しているのではないか

2007-06-13

みんなが反則金を納付しなくなったらどうなるか?

都知事選において過激な政見放送で注目を集めた、外山恒一容疑者が反則金納付を拒否し逮捕された

 調べによると、外山容疑者は昨年1月17日未明、鹿児島市千日町の一方通行の市道をバイクで逆走。同年7月10日午前には、同市吉野町の国道10号線で、法定速度(時速30キロ)を20キロ超過してバイクを運転した疑い。

 同署によると、外山容疑者は一方通行の逆走についてはその場で認め、反則切符(青切符)を受け取った。しかしその後、5000円の反則金を納付せず、電話やはがきで十数回呼び出しても「任意出頭には応じない。裁判で話す」と拒否。

 速度違反についても署名・押印を拒んだという。外山容疑者は「すべて黙秘する」としているという。

no title

極めて軽微な罪であり、現行犯で冤罪の恐れがないように思えるが、本人のblogにおける意思表明によれば、後になっていくつか納得できない点、争いたい点が出てきたため、正式な裁判において真相を明らかにしたいと考え、任意出頭に応じなかったという。

納得できない点や事実誤認があるのなら、裁判で争うのもいいだろう。しかし、2007年05月23日のエントリには先の意思表明とは少し毛色の違うことが書いてある。

が、原則として私は、たとえこっちが悪くても、反則金など払うつもりはない。

私はかつて、「ほぼ無実の罪」で2年間も投獄された人間だ。

つまり国に恨みがある。

そんな私から、簡単にカネをむしり取れると思ったら大間違いだ。

最高裁まで争ってやる。

当然、国選弁護人も要求する。

で、負けたら労役に行ってやる。労役というのは、一日5千円換算で、罰金を刑務所での労働奉仕で支払うということだ。5千円換算だが、実際には数百円も国に利潤をもたらさないような労働内容である。

「ほぼ無実の罪」での2年間もの拘束に耐え抜いた私には、もはや覚悟の上での1、2ヶ月の投獄など屁とも思わない。しかも、軽微な交通違反の罰金など、数日の労役で終わってしまうのだ。

つまり私から数千円をむしり取るために、国は莫大なカネを投入せざるを得ないばかりか、その数千円すら結局むしり取れないということだ。

ざまあみろ。

外山恒一、また逮捕!? (我々団(九州ファシスト党) 告知用ブログ)

どうも国に損をさせることが目的のような書き方だ。警察、検察、裁判所、国選弁護人、刑務所…と、彼から数千円を取るために莫大なコストが投入されることになる。彼の目論見通り、国は最初から大損することが決まっている出来レースなのだ。

だからといって、警察は彼を見過ごすことは出来ない。彼を見過ごすことはすなわち、全国民にとって公平な処置が行われることを放棄するものであり、それによる影響は数千円どころではないからだ。国は多大なコストを払っても、特別扱いはないと言うことを示し続けねばならない。

そもそも犯罪者の拘留にかかるコストが直接的な形でペイすることなどあり得ない。終身刑受刑者は基本的には一生刑務所の中で過ごすので、社会に一切寄与しない。彼らに投入される投資は回収されることはない。 単純なコストの観点から言えば、終身刑にするぐらいなら死刑にしてしまってさっさと殺してしまう方が負担が減って財政に優しい。そうしないのは、それだけのコストを払っても、殺してしまうのは厳罰に過ぎ、社会の秩序を保てないとのコンセンサスがあるからだ。バランスの問題である。

もし、軽微な反則金を払わない人が全国的に増加するとどうなるだろう。国は追加的なコストを負担することになるので、その財源をどこかに求めることとなる。最終的には厳罰化という方向に進み、軽微な違反でも多額の罰金を求められることになるだろう。犯罪の増加により世の中は厳罰化の方向にあるが、正当な権利の行使ではなく、腹いせにその流れを加速させるような行動をしているのならば、迷惑この上ない。2007年05月23日のエントリの内容はその疑念を抱かせるのに十分だ。

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2007-06-12

インタビューを成功させる三原則

最近、『ネットで人生、変わりましたか?』という本を出版したIT戦士こと、岡田有花女史。新人時代の2003年に発表した線メリ記事が彼女を一躍有名にした。

2004年には悪ノリしたイーレッツにより、彼女をモデルにしたフィギュアを搭載した戦場のメリークリスマスIVが製造されたが(参考記事)、大量の不良在庫を産むこととなった。そんなわけで、毎年自虐的な記事を書く人ぐらいの印象しかなかったのだが、IT戦士 岡田有花リンク集によれば、ITmediaにおいて数多くの記事を担当しており、名実ともにITmediaを代表する記者に成長していることが伺える。

IDEA*IDEAに掲載された岡田有花さんに学んだインタビュー術というエントリは、筆者の彼女に対する見方を一変させた。これによると彼女は極めて上手くインタビューが行える才能を持った人らしい。詳しくはリンク先を確認してもらいたいが、インタビュー前にインタビュー相手に対する基本的な調査を行い、「よく聞かれる質問」をせずにその先から入るのは基本的なことだが疎かにされる場合が多い。インタビューのまとめ方にしても、しゃべった順に時系列に書くのではなく、読者の興味を引き、かつ要点が上手く伝わるように構成する工夫を行っているようで、かなり考えられている事がよく分かる。単に毎年クリスマスに自虐ネタを書くだけの人じゃなかったのだ(失礼)。 

インターネット時代におけるインタビューのやり方に関しては、日垣隆が『知的ストレッチ入門―すいすい読める書けるアイデアが出る』で次のように論じている。

話は変わりますが、インタビューやアンケートの要諦を考えてみましょう。

これらの知的活動において何よりも重要なのは「質問をどう作るか」です。これに総てがかかっていると言っていい。質問を作るのは、仮説を構築する作業ですから、ここでコケたら何百人に会っても、何万という回答を入手しても「ご苦労さん」という話でしかありません。質問の方が100%大切で、回答は仮説の裏付け作業に過ぎないと思った方がいいでしょう。

(中略)

一昔前なら、データベースも閉ざされており、情報が公開されていなかったので、情報を引き出すために、当事者にあって話を聞く必要性はありました。けれども、今はほとんどの情報はオープンになっています。インタビューをする人が知らないというだけでなされる質問は、もはや重要ではなくなっています。事前に調べてきてください、という話です。

(中略)

インタビューにおいて意味のある質問というのは、例えば、事前に集めたデータをもとに「こういう仮説を立ててあなたの説を検証してみたところ、あなたの発言には、これこれの矛盾があるのではないですか」というような質問です。相手が言葉に詰まったり、一日悩んでくれたら、しめたものです。

IDEA*IDEAでは岡田有花女史が「毎日書くの大変ですよね?」とか「百式ってガンダムですよね?」とかいったよく聞かれる質問をせずに、「百式の名前の由来については○○のインタビューで答えていましたが・・・」と始め、彼女がきちんと調べてきていることに気づかされ、身が引き締まる思いがしたとしている。インタビュー前にきちんとオープンな情報を調べて、それを前提にインタビューをした方が、時間の節約にもなるし、よりよい情報をインタビューで引き出すことが出来るのは自明の理だ。

そして、日垣氏は「サイエンス・サイトーク」というラジオ番組で次のような準備をしてインタビューに臨んでいるという。

ゲストによっては本を1冊しか書いていない人もあれば、30冊以上書いている人もいます。どんなゲストの場合でも、私はそれらの本を自腹で買って、総て読んでから収録を迎えます。平均20冊として、なんのためにそれらを読むかというと、理由は3つあります。第1には礼儀として、第2には質問を準備するため、第3には相手の思考回路を把握するため、です

(中略)

事前に著者の本を読みながら、浮かんだ質問を全部書き出す、という作業をしておくのです。質問を何百と用意してあれば安心できます。短時間で総ての著書に目を通すことで、1時間や2時間はもつだけの材料は確保しておくわけです。

(中略) 

さて、20冊くらいを3時間で一気に目を通すと、相手の思考回路に馴染んできます。

私はいつも、相手の思考回路を乱さないように質問をしたい、できればなるべく雑談に近い形でインタビューしたいと思っているので、相手がおおよそどんな思考パターンをするかをつかんでおくことは欠かせません。

それはつまり、その人が物事をどうやって納得したのか、を知っておくことということです。自分の納得の仕方しか知らないと、相手との会話はスムーズに成立しません。納得したのは自分ではなく相手なのですから、相手の納得の仕方に沿って話を進めなければならないということです。

(中略) 

相手の思考回路をなぞることができるようになれば、相手のバックボーンがどうなっていて、どういう因果関係でものを言っているのかが、よくわかるようになります。そうすると、どこを突き抜ければ相手と通じ合えるのかも見えてきます。

インタビュー前にインタビュー相手の著書に総て目を通し、質問を何百と用意、相手の思考回路を把握し、相手の発言がどのような意図で行われているか理解しやすい状況を作る。こんな準備をしてインタビューに臨んでいる人がどれだけいるのだろうか。もっとも、ここに挙げたのはあくまで日垣氏の手法であり、人によっては過剰であったり、逆に足りなかったりすることもあるだろう。しかし、やり方はどうあれ、1)礼儀として相手の基本的な背景を抑えておく、2)過去の発言内容や著書から、質問すべき内容を予め準備しておく、3)相手の思考回路を把握しておき、スムーズにインタビューが進むようにするという3点は両者に共通する、良いインタビューをするのに必要不可欠なエッセンスであるようだ。

インタビューにおいては、相手から必要な情報を上手く引き出し、それを過不足無くまとめることに目が向きがちだが、実際にはインタビューを行う前にどれだけの準備をしたかによって、インタビューの成否の大半が決まっている。開票が始まった時点で既に出口調査によって当落が決まっているようなもので、事前準備が大きなウェイトを占める。インタビューをするようなことがあれば、これらのことに心掛け、インタビューを受ける側から、「あの人のインタビューはすごい」と思われるようなインタビューをやりたいものだ。

2007-06-11

スタッフの多大な努力によって支えられている超能力捜査番組

嘘を垂れ流すTV番組のせいで超能力者が行方不明の人を探し出したり、未解決の事件を解決したりすると本気で信じている人が結構いるらしい。あんなのは大嘘である。たまに行方不明の人が見つかったりするが、見つけるのは番組が雇った探偵であり、TV局はさもそれが超能力によって見つかったかのように演出するのだ。超能力で見つかったことにしてしまうのである。それを喜んで見ている視聴者は、実に痛々しい。

超能力番組を10倍楽しむ本」は、子供向けに書かれた本ながら、そうした超能力番組の嘘を一つ一つ丁寧に暴いた良書である。もっとも似非超能力者どもの手口が毎回似たり寄ったりで読んでると飽きてくるのが玉に瑕だ。もうちょっとバラエティ豊かなら良かったのだが。この本では、全米一と言われる透視能力者、ジョー・マクモニーグルの透視が超能力番組内で見事当たったように演出される様子を丁寧に検証している。ここではその概要を紹介したい。詳細が気になった人や他の超能力番組の嘘が知りたい人には一読をおすすめする。

彼の経歴は次の通りだ。

  • アメリカが極秘裏に行っていた超能力の軍事応用研究スターゲート計画に参画。退役後、FBI捜査官として、難事件を数多く解決。
  • 1979年のイラン革命政権によるアメリカ大使館占拠事件では、アメリカ国防省にいながら、9900kmも離れたアメリカ大使館内部を透視、人質の位置、武装した兵士の配置、地雷の位置などを言い当て、この情報を元に64人の人質全員が無事解放された。
  • 他多数の伝説。

ところが、まずもってこの人はFBIとは何の関係もない。自伝の題が「FBI超能力捜査官 ジョー・マクモニーグル」となっているが、このFBI超能力捜査官というのは日本出版社が勝手に付けた題名であり、自伝のどこにも彼がFBI捜査官だという話は出てこない

また、1979年のアメリカ大使館占拠事件ではデルタフォースによる救出作戦が計画されたが、トラブルが続出し大使館にたどり着くことさえ出来ずに、作戦は失敗している。結局、事件発生から444日後、イラン政府によって人質が解放されるが、このプロセスにマクモニーグルは一切関与していない。なぜ彼の手柄になっているのか不明である

他にもベトナム戦争時代に爆発を事前に予知、仲間とともに移動し難を逃れたと言う話や、スターゲートプロジェクトにおいて透視のテストを受け、見事合格した話、1981年イタリアでドジャー准将が監禁された際に、監禁場所を透視、その情報に基づきドジャー准将が無事救出された話、1979年国家安全保障局からの依頼によりソ連の工場内部を透視した話などが番組の再現フィルムで語られているが、そんな話はもともと信憑性のない彼の自伝からさらに脚色され、誇張された嘘八百である(前掲書では、自伝の内容との詳細な比較がなされている)。バラエティ番組の超能力者の紹介ほど信用できないものは無い。なんと言っても第三者による検証のない自己PR*1をさらに番組独自の解釈で脚色した捏造VTRなのだ。まともに見るだけ時間の無駄である。

さて、イカサマ霊能師やインチキ占い師の手口まとめを読んだ読者の方なら分かるだろうが、彼の手口は事前調査による推理、ホットリーディングと、マルチプルアウトな透視を数多くするコールドリーディングの組み合わせである。彼が透視をした後、探偵がターゲットを発見、後はTVスタッフが必死に彼の透視を当たったように解釈する方法を模索するわけだ。

2004年9月に放送された『THEスペシャルFBI超能力捜査官 第7弾』における彼の透視を検証してみると次の興味深い事実が明らかになる。

  • ナレーションでは彼の透視した、ターゲットのKさんの住居への道順を示した絵が6枚提示される。ところが6枚目のイラストには8という通し番号が振ってあり、少なくとも番組で取り上げられなかった絵が2枚は存在したことが分かる。使いようのない外れた絵はカットされているのである。
  • マクモニーグルの東京の西、鉄道が交差している駅を示すイラストから、スタッフは三島市周辺と断定するが、三島駅では鉄道は交差しておらず、三島駅を中心に東海道新幹線と東海道線が東西に走り、三島駅から南に伊豆箱根鉄道駿豆線が伸びている。交差している都市なら神奈川県松田市、岐阜県岐阜市、瀬戸市、京都市、大阪府新大阪駅、天王寺駅、和歌山市、奈良県橿原市、兵庫県姫路市などがあり、彼の地図が示す鉄道が交差した駅という情報から三島駅は絶対出てこない。スタッフは探偵が見つけたKさんの所在地から逆算して三島駅を割り出したのである。
  • マクモニーグルは交差した駅から南に1駅進んだ所にKさんが住んでいると透視していた。スタッフは三島駅から伊豆鉄道を南下、いくつもの駅を通り過ぎる。番組内では最終的な駅名は伏せられていたが、前掲書における実地検分から、番組内でターゲットが住んでいた駅は伊豆長岡駅と判明した。三島駅から実に8駅も先の伊豆の国市である。繰り返しになるが彼の透視内容から1駅目の三島広小路駅ならともかく、8駅目の伊豆長岡駅に辿り着くことはあり得ない。スタッフは探偵が見つけたKさんの所在地から逆算して伊豆長岡駅を割り出したのである。
  • マクモニーグルはターゲットが住んでいる駅の特徴として、駅を出てすぐ右に店、すぐ左には駐輪場があるとした。日本中どこの駅にも店や駐輪場ぐらいあるだろう。マルチプルアウトな何の情報量も無い典型的な透視である。番組内ではさもマクモニーグルの透視が当たったかのように伊豆長岡駅の周囲の様子を紹介したが、実際の伊豆長岡駅では駐輪場は駅から数十メートル離れたところに位置しており、すぐ左には土産物屋がある。ここも大ハズレだ。
  • マクモニーグルはこの街には正面が半円形をした病院があると言い、それがKさんが通っている病院だという。絵と実際にあった病院を比べると、正面が半円形というのは当たっているように見えるが、背面側が透視と実物では大きく異なる。また、マクモニーグルは商店街のアーケードを透視するが、残念ながら伊豆長岡駅付近にはアーケード街はなかった。番組では週一度開催される朝市を取材し、朝市のテントが彼の透視に現れたものだと紹介したが、こじつけもいいところである。ここもハズレだ。
  • マクモニーグルは、朝市から大通りから斜めに左折した後、1回右折、1回左折したところにKさんの家があると透視し、番組ではさもその通りに進んだところに見事Kさんの家が見つかったように放映されていたが、後の検証によれば実際には、左折、左折、左折、右折と進まなければ目的地に到達しなかった。スタッフは通ったはずの交差点をVTRからカットしたり、わざわざ狭い道を通って回り道をしてマクモニーグルの透視に合わせて目的地に着こうと努力をした痕跡が伺えた。繰り返しになるが彼の透視内容からKさんの家にたどり着くことなどあり得ない。スタッフは探偵が見つけたKさんの所在地から逆算してさも透視が当たったかのように編集可能なルートを見つけ出したのである。

このように彼の透視は最初から最後まで大ハズレだったといえる。にもかかわらず、Kさんが見つかったのは、優秀な探偵の努力の賜であり、彼の超能力のおかげでは断じてない。彼の超能力を信じていれば、Kさんは絶対見つからなかったことは確実だ。行方不明者を捜す時には、超能力者ではなく、探偵を雇うのが賢いのは言うまでもない。超能力番組は、いい加減な透視をする超能力者と、なんとかそれを当たっているかのように見せようとするスタッフの涙ぐましい努力によって支えられているのである。次にこのような番組を見る時には、どうか陰から支えるスタッフの人知れぬ努力に思いを馳せてほしい。

参考文献

関連エントリ

*1:自伝には日本のテレビ番組に出た様子も掲載されており、前掲書において当時のVTRと見比べて信憑性が検証されている。検証はその番組に関する記載の部分だけだが、その部分だけでも外れた透視が当たったことにされていたり、全く事実と異なる記載が複数見つかった。他の部分の信憑性も似たようなものだろう。彼の記憶は彼の都合のいいように歪められており、自伝の内容をそのまま鵜呑みにするのは危険である。

2007-06-10

怖くて使えない中国製製品

読売新聞が伝えたところによれば、中国でレストランの紙ナプキンやつまようじに様々な病原菌が発見されたそうだ。

発見された紙ナプキンは、回収したゴミを漂白したものが流用されており、製紙工場の作業員は「原料の中には、使用済みの生理用ナプキンや病院が廃棄したガーゼもある」と証言している。色つきのナプキンの中には、漂白剤すら利用せずゴミを着色してごまかしただけのものもあり、大腸菌や結核菌、肝炎ウイルスなどが検出されたという。

一方、つまようじにかんしても、レストランやゴミ捨て場から回収したつまようじを水につけて汚れを落とし再包装した回収ようじも発見されており、大腸菌や結核菌、エイズウイルスが検出されたそうだ。

口に付けるものにも関わらず、それによって他人が死のうが気にしない中国の意識の低さは非常に怖い。日本で大騒ぎになった不二家事件なんて中国に比べたらかわいいものである。

中国系の話題を多く取り上げる痛いニュース(ノ∀`)の過去ログから中国の衛生管理に関する話題をピックアップしてみると怖さが倍増する。

目を覆いたくなるような惨状だが、当然日本にもその被害は及びつつある。

身の回りを見渡せば安い中国産の食品や日曜雑貨にあふれている。安い加工食品は中国で作られることも多いし、100円ショップで売っている割り箸や爪楊枝等も中国産だろう。こうしたものは現地の工場で安く買いたたかれているものであり、外注の現地工場で適切な管理がなされているかどうかは極めて疑わしい。知らず知らずの間に日々中毒物質を摂取しているかも知れないのだ。とりあえずイオンとかダイソーとかの中国製商品を自社ブランドで多く扱っている企業は、その安全性について何らかのアピールをしてもらいたいものだ。

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2007-06-09

LM-72007-06-09

メガカロリー時代のハンバーガー戦争

6年前に日本から撤退したバーガーキングが日本に再上陸し、6日新宿に1号店が出店した。1号店の開店にはなんと700名が列を作ったと言う。読売新聞朝刊紙面には、ワッパーをほおばる来店客として、TBSのサンデー・ジャポンの街頭インタビューに4回も登場した男性が2ちゃんねるTシャツを着て写っているが、狙いすぎでもう面白くない。

朝日新聞によれば、バーガーキング・ジャパンの社長、笠真一氏は元マクドナルド上級執行役員営業推進本部長という経歴の持ち主ながら、バーガーキングの日本再上陸を推進しているという。日本市場に受け入れられるハンバーガーの味を目指し、試食を繰り返して、肉の微妙な焼き加減や保存状態を確かめるため、多い時は1日半で47個のワッパーを平らげたという。ワッパー1個670kcal、47個では31,490kcalとなり、さすがに笠氏の健康が心配である。

バーガーキングではパティの追加が自由に出来るが、6年前の撤退時に追加パティ20枚を注文した人が、今回は5枚とおとなしい。もっとも20枚のYouTube動画を見たら、二度とやる気にならないのはよく分かる。パティ20枚追加した時のカロリーは670+230x20=5,270kcal、優に2日は何も食べなくても生きていける。

一方、マクドナルドは2匹目のドジョウを狙って、903kcalのメガテリヤキを投入。テリヤキ2枚なんだからメガテリヤキでなくて、ビッグテリヤキだろうというツッコミにもめげずに話題のようだ。ちなみにメガテリヤキ、ポテトL、コーラLで1,613kcalとなる。1日分の摂取カロリーが680円で採れると考えればお得なのだろうか。

メガマックが流行った時にパティを限界まで追加し、16枚のヨッタマックからその上の70枚ぐらいまで、こことかこことかここで紹介されているが、パティ16枚のヨッタマックは2,230kcal。カロリー量は一日分と考えればそれほど大きくはないが、見ただけで吐き気がする。

こんなに強烈な外観をしているのに、カロリー量はメガテリヤキ、ポテトL、コーラLとそれほど大きな差はない。メガテリヤキのカロリー量はギガマックに相当するし、サイドメニューのカロリーも馬鹿にならないのだ。メガテリヤキLセットメニュー1,613kcalに相当するのはパティ12枚のエクサマック(1,738kcal)となる(パティの数を1枚減らしても良いが、11枚には名前がない)。この辺りのカロリーを一覧にすると次の通りだ(パティ1枚123kcalで計算。チーズは加えないものとする)。

商品名パティカロリー
ビッグマック2枚508kcal
メガマック4枚754kcal
ギガマック6枚1,000kcal
テラマック8枚1,246kcal
ペタマック10枚1,492kcal
エクサマック12枚1,738kcal
ゼッタマック14枚1,984kcal
ヨッタマック16枚2,230kcal

メガテリヤキと言えば、:title=メガマックの兄弟となる第二弾商品を当てれば、第二弾商品の100個無料券がもらえるキャンペーンをやっていた。第二弾商品はメガテリヤキであることが判明したので、予想が当たった人から抽選で10名にメガテリヤキ100個分の無料券が贈呈されることになる。一人で全部食べる必要はないが、総カロリーはなんと90,300kcalとなる。

こうなると、もはや摂取カロリーはキロではなくメガで表すべきだろう。

  • バーガーキング・ジャパン社長、笠氏の1日半の試食量は31.5Mcal。
  • バーガーキングで20枚の追加パティを注文した際の、ワッパー(パティ21枚)は5.3Mcal。
  • マクドナルド、メガテリヤキ、ポテトL、コーラLで1.6Mcal。
  • マクドナルド、ヨッタマック(パティ16枚)は2.2Mcal。
  • マクドナルドでメガテリヤキを予想した人に与えられるメガテリヤキ100個は90.3Mcal。

ちなみに、成人男性でデスクワーク中心の人の摂取カロリーは大体1日当たり2〜2.5Mcalぐらいであり、近年話題のメタボリックシンドローム対策を鑑みれば1.8〜2Mcalぐらいに抑えることが望ましい。せめてドリンクにコーラは止めてウーロン茶にしましょう。

2007-06-08

LM-72007-06-08

米国に比べ割高な年会費は、Amazon依存症ハイリスク層を識別する

Amazonは年会費3,900円で配送料完全無料になるAmazonプライムを始めた。

指定時間までの注文で、

  • 関東地方*は、当日または翌日にお届け (*一部地域を除く)
  • 関東地方以外の全国*は、1〜3日後までにお届け (*一部地域を除く)
  • 沖縄および離島は通常配送が無料
Amazon.co.jp: Amazon Prime

ということなので、通常350円かかる「お急ぎ便」が何度でも使い放題。また、1,500円未満の場合にかかる配送料(300円)もかからなくなる。筆者は関東在住なので、通常の処理でも1〜3日あれば配送されるため「お急ぎ便」のメリットが無く利用したことが無いのだが、配送されるのに長時間かかる人には良いサービスかも知れない(*一部地域を除く)。年会費3,900円ということなので1年間で「お急ぎ便」12回以上、もしくは「1,500円未満の通常配送」13回以上で元が取れる計算になるが、よっぽどのヘビーユーザーでなければメリットがない気がする。

筆者は大体月に1万円以上なんだかんだとAmazonで購入し、1年間で数十回はAmazonからの荷物を受け取るが、普通にカートに商品を入れていけば1,500円以上になるし(ハードカバーなら一発だ)、1日も早く欲しいと思う事は無いのでそれほど魅力的なサービスとは思えない。これを使ってメリットが出るのは、お急ぎ便を常用するようなヘビーユーザーぐらいだろう。

先行して開始された米国では79ドルという日本に比べて割高な年会費にも関わらず好評で、米Amazon.comの創業者兼CEOのJeff Bezos氏は「米国で好評を得ているからこそ日本でも導入した」としている。しかし、国土の広い米国において本を購入した場合、通常の配送(3〜5日)で3ドル+0.99ドル/アイテム、急行便(2日)で9.99ドル+1.99ドル/アイテム、特急便(1日)で12.99ドル+4.99ドル/アイテムとなっており、配送コストが日本とは全然異なる。米国のAmazonプライムでは年間79ドルで急行便(2日)が使い放題となるため、7回も使えば元が取れるし配送期間の短縮効果も日本に比べて大きいと考えられる。また、米国では25ドルを超えないと通常配送料が無料にならない点も大きい。日本とは状況が異なるのだ。米国と同様の急行便7回分の2,500円程度ではなく3,900円という価格設定はむしろ割高であり、記者発表における米国の79ドルとの比較は、安いと錯覚させる巧妙な情報操作だ。

Amazon プライムについてBezos氏は、「何度利用しても発送料が発生しない『使い放題』のサービス。これまでのように、(配送料を無料とするために)まとめ注文する必要がなくなる」とメリットを強調。「短期的に見ると、配送料を負担することはコスト増につながるが、今後発送センターを増設することで、発送料を下げられる」として、長期的な視点では意味のある投資であるとアピールした。

年会費3,900円で配送料完全無料、Amazon.co.jpが会員制プログラム

Amazonも配送期間短縮ではなく、配送料を無料にするためのまとめ買いの手間が要らなくなることをメリットとして強調しており、1-Click注文による売上増を期待していることがよく分かる。しかし、お急ぎ便を常用し年会費3,900円がペイできるユーザーは元々Amazonヘビーユーザーである可能性が高く、Amazonの売上が劇的に向上するとは思えない。Amazonとしてはライトユーザーが、Amazonプライムの利用によりヘビーユーザーへと成長することを期待しているのだろうが、それにしては年会費の設定がやや高い。

このハードルの高さは、Amazon依存症に陥る可能性の高いユーザー(ハイリスク層)を識別する試金石なのかも知れない。ちょっと高いな〜なんて思いつつも、まとめ買いをする手間が無くなるなら3,900円払ってプライム会員になろうかなんてユーザーは、手間が無くなるなら多少のコストを払うことを厭わない程度には余裕があるので、衝動買いの罠にはまりヘビーユーザーへとレベルアップする可能性が高いのだろう。こうしたユーザーを囲い込むことが出来れば、Amazonは将来にわたって安泰である。

年会費3,900円のAmazonプライムにちょっとでも心を動かされた人は、Amazon依存症のハイリスク層だ。ご利用は計画的に。

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2007-06-07

ばっかじゃないか、TBS

TBSの情報番組「ピンポン!」が、ハニカミ王子こと石川遼選手のプレー中の声を拾うことを目的として、同じ組で回る選手に小型マイクの装着を依頼、拒否されていた。

TBSによると、マイク装着を依頼したのは大会前日の三日。番組ディレクターが石川選手と同じ組でプレーする選手に「マイクを付けてプレーしてほしい」と電話し、拒絶された。

 さらにディレクターはKGAに対し、石川選手のキャディーバッグを運ぶカートにマイクを付けることを依頼し、断られていた。

ページが見つかりません:イザ!

本人に直接依頼せず同伴選手やカートにマイクを付けようとするのは盗聴の意図があったとしか思えず、6日放送の同番組の冒頭で司会の福澤朗氏が涙ながらに謝罪したように、非常識な暴挙と言わざるを得ない。さらに同じ組で回る別の2選手にも同様の依頼を行っていたことが明らかとなっており、依頼を受けた選手は、「いったん断ったが『協力してくれれば、それなりに費用は用意させてもらう』と懇願された」と証言しており、謝礼を払ってまで盗聴を成功させようとしていたようだ。

呆れて開いた口がふさがらないのが、TBS社長の態度である。

TBSの井上弘社長は同日の定例会見で「ばっかじゃないか。非常に腹立たしいし不愉快。(石川選手には)申し訳ない」と話した。

ページが見つかりません:イザ!

なんだこのいかにも他人事のような物言いは? この発言の行間を読むと次のようになるのだろうか?

(あるある問題とかで世間の風当たりが強くなってきていて、管理職には自重しろと強く言い聞かせているのに、全く俺の言うことを聞かない馬鹿どもめ。全く)ばっかじゃないか。(またマスコミどもの矢面に立たされて謝罪しなければならない俺の身にもなってみろ。)非常に腹立たしいし不愉快。(なんでいちいちこんな些事に貴重な時間を割き、神経をすり減らさねばならんのだ。関係者は閑職に飛ばしてやる。…ん?、おっと、一応謝罪の態度は見せておかないとな)申し訳ない。(くそっ、何で謝罪なんか…)

あの発言のどこをどう補完しても彼が自らの責任を感じているようには見えないところがすばらしい。トップがこんな感じだから、コンプライアンスも名前だけのお飾りで機能していないのだろう。視聴率至上主義で、番組を面白くするためには多少の誇張も嘘も、盗撮も盗聴も、ヤラセも犯罪行為も正当化されると心の底では思っているに違いない。こっちはおめえらを楽しませるためにやってんだ、多少のことにうだうだ言うなっという叫びが聞こえてきそうだ。

そもそも放送事業者はその高い公共性から、一般企業に比べてより高いレベルの倫理性が求められてしかるべきだ。それが、一般企業の感覚から見てもお粗末きわまりない醜態を繰り返し、TBSの自浄能力に期待することが間違いであることを日々思い知らせてくれている。楽天による敵対的買収と言う劇薬は、TBSという企業を変えるにはいいきっかけになるのではないか。

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2007-06-06

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ホンモノのハチミツの見分け方

読売新聞が"「純粋はちみつ」加糖の疑い"として報じたように、全国はちみつ公正取引協議会の定期検査で、規約に反して人工甘味料などの混入が疑われるはちみつ商品が、過去7年間で延べ120点、検査対象の約2割に上っていたことが明らかになった。

純粋はちみつとして売られている商品の2割が虚偽記載であるにも関わらず、同協議会は、各業者に注意や警告しただけで十分な調査をせず、検査結果も公表していないという。消費者を馬鹿にするにもほどがある。なにが公正取引協議会か。

続報によれば、検査で陽性となった商品を販売する業者の中に、同協議会の役員が経営する会社が含まれていたことがわかったという。また、同協議会が品質を保証する公正マークを付けた混入はちみつ商品も確認されており、同協議会の保証が形だけのものであることが明らかになった。そもそも同協議会は公正シールの販売収入によって運営されており、チェックが極めて甘い体制となっていたようだ。腐敗しきった組織のなれの果てである。

さて、ハチミツがホンモノかどうかどうやれば見分けることができるのだろうか? wikiHowに"How to Verify the Purity of Honey"というそのものずばりのエントリがあるので紹介しよう。

テスト手順

  1. ラベルをチェック。買う前にラベルをチェックしないのは論外である。法律によって内容物は一覧表示することが求められており、ラベルを見れば純粋ハチミツかそうでないかは分かることになっている。残念ながら、日本では公正マークさえ信用できない状況にあるようなのでこの手はだめだ。次に行こう。
  2. 味をチェック。何か違う気がするが、ラベルには純粋ハチミツと書いてある(全国はちみつ公正取引協議会の公正マークも付いてたりする)。どうも怪しい。そんな場合にハチミツの純粋性を見分ける方法がある。
    • 溶解テスト
      • グラス一杯の水とハチミツ用のテーブルスプーンを用意する。
      • スプーンでハチミツを水に注ぐ。もしハチミツが純粋でなければ、ハチミツは水に溶ける。最も一般的なハチミツへの添加物である果糖は水に溶けるのだ。もしハチミツが純粋なら、ハチミツは固まったままグラスの底に沈殿する。
      • このテストはハチミツと同量の変性アルコールを混ぜることによっても行える。純粋ハチミツは底に沈むが、混入ハチミツは溶けやすく液体を白濁させる。
    • 燃焼テスト
      • ライターと糸芯のロウソクを用意する。このテストは少量のハチミツにも利用できる。
      • ロウソクの糸芯をハチミツに漬け、余分なハチミツを落とす。
      • 糸芯に火を付けてみる。もしそれが燃えたらなら、それは完全に純粋なハチミツである。もし燃えなければ、それはハチミツに加えられた水の存在がロウソクが燃えるのを邪魔したというわけだ(もしほんの少ししかハチミツを芯に漬けなければロウソクは燃えるだろう。パチパチという音がしたら、ロウソクを消して、もっとハチミツを漬けてやりなおすのがよい)。
    • 吸収テスト
      • 吸い取り紙にハチミツを数滴垂らして、吸い取られるかどうか観察する。もし吸い取られればそのハチミツはニセモノだ
      • もし吸い取り紙をもっていなければ、ハチミツを白い布に垂らして、その布を洗ってみると良い。もしハチミツによる染みが残っていれば、そのハチミツはおそらく純粋ではない。

注意

  • もしあなたがハチミツ業者直営店や地元のハチミツ業者から購入している時には、このようなテストを購入前にやろうとしても認められないかも知れない。彼らがあなたの一見奇妙なリクエストを受諾しなかったとしても、彼らが添加物の混入をやっているというワケではない。それでもテストしたい場合には、ちゃんと理由を話して頼もう。くれぐれも何も言わずライターを取り出してハチミツに火を付けようとしないように。
  • 結晶化したハチミツは常に純粋である。もし絶対に純粋なハチミツを手に入れたいのならば、結晶化したハチミツを購入することが最も確実な方法だ。この方法を選択する場合には、結晶化したハチミツを溶かす方法が役に立つだろう。

さて、あなたの家にあるハチミツは純粋ハチミツだろうか?早速チェック、チェック。

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2007-06-05

LM-72007-06-05

真に救われるべきは脱北者ではない

既報のとおり、2日午前、青森県深浦港に男女4人の脱北者が乗った船が入港していることが発見され、青森県警と第2管区海上保安本部が身柄を拘束、不法入国の疑いで取り調べを行っている。

脱北の動機については生活苦と自由、人権保障を求めてと供述しており、1日おきぐらいにパンを食べるのがやっとだと生活の窮状を訴えている。最初は韓国に向かうつもりだったが警備の厳重さを恐れて、日本に向かったようだ。5月27日に出航し、発見されたのが今月2日なので1週間弱の行程となる。現在は人道的見地に従い、韓国移送で調整されているようだ。

ところが、その内の一人が覚醒剤を所持していたことが明らかになった。所持の理由について、「北朝鮮で覚醒剤は簡単に入手できる。長旅なので、眠らないようにするため持っていた」と供述しており、一応筋は通っているが生活の困窮している庶民が覚醒剤を所持しているのは変な気がする。国際社会の監視の強化により、北朝鮮産の覚醒剤の輸出が激減、その分北朝鮮国内流通量が増えるのは分かるが、庶民が手にするようなものなのだろうか。

さらにZAKZAKの報道によれば、彼らは庶民がとうてい手にすることが出来ないような物資を漁船に積んできていたらしい。船の中には約100リットルの軽油が残っていたが、出港時には180リットルあったといい、まともに買えば平均年収の10年分に匹敵する価格になると言う。年収10年分の現金があれば、危険を冒して日本に向かう必要はなかったのではないか。

このほか「大韓赤十字社 米 40キロ」と書かれた麻袋2枚が見つかっており、人民元の所持、革靴にジャンパーという整った服装を考えても、どうも供述通り貧困を苦に逃げてきたようには見えない。北朝鮮の工作員とは言わないが、脱北には国内で犯罪を犯したなどの別の理由があったのではないか。

脱北者のニュースが伝えられるたび、いつも思うことだが、本当に苦しい生活を強いられている人々は、今この瞬間も北朝鮮国内で次々と死んでいるのだろう。韓国はいつでも脱北者を受け入れるが、そんなことをしている暇があるなら北朝鮮を一刻も早く金正日の支配から脱却させ民主化させる手段を模索すべきだと思う。ところが、全く残念なことに、韓国は同胞国家であるにも関わらず、北朝鮮崩壊時の自国への打撃を恐れ太陽政策という生殺しの道を選んでいる。圧制下にある同胞の窮状には見て見ぬふりをして、金体制を生かさず殺さずなるべく長い時間現状維持を続けるよう努力をしているのだ。北朝鮮の民主化が困難なのは明らかだが、そぶりぐらいは見せても良いだろうに。

太陽政策という名前でいくら取り繕っても目的は一つ、金政権の延命である。結局は問題の先送りをしているだけで、先送りをすればするほど犠牲が大きくなるのは目に見えているのに、必死で目を背け続けている。脱北者を支援し少人数を救ったところで、真に助けが必要な人々は見捨てられる。北朝鮮国民の窮状は日本から見れば他人事だが、どうも韓国から見てもそうらしい。

2007-06-04

エックス線鑑定機を騙す偽造金塊

朝日新聞によれば金の延べ板を偽造し、多額の現金をだまし取ったとして、大阪府警は、東京都の貴金属ブローカーの男ら計6人を詐欺や同幇助の疑いで逮捕、延べ板の偽造拠点とみられる都内の宝石加工会社を家宅捜索した。大阪府内などで十数件の被害が相次いでいたという。

偽装された延べ板は表面のみ純金で覆われ、中身は金(19.32g/cm3) と比重がほぼ同じタングステン(19.3g/cm3)の固まりだという。1kgの偽造金塊は127gの金と873gのタングステンで出来ていたのだ。1kgの金の体積は51.76cm3となるが、偽物は51.81cm3となる*1。極めて微妙な差しか生まれない。

延べ板には、世界中で流通している「SWISS BANK CORPORATION」の刻印があり、形状も本物そっくりだった。中には金の比重に極めて近いタングステンの黒い塊(873グラム)があり、その上を純金(127グラム)で覆っていた。エックス線鑑定機や電気抵抗を調べる導電率計でも金と判定されるという。ただ、流通している延べ板に比べ、表面が鏡のように光ったり、刻印がぼやけたりしている特徴があるという。

偽モノ 金塊?金の延べ板を質屋で現金化・・・!

日本金地金流通協会は自社の鑑定機でも判別できないとして注意喚起の警告を会員企業に送付したというが、鑑定機が騙されるとなればやっかいだ。偽装紙幣の作成には高度な印刷技術と専用設備が必要となるが、金の延べ板ならばそれほど高度な技術も設備も必要ないだろう。そこに目を付けたブローカーは目の付け所がいい。

日本金地金流通協会によれば、2001年実績で金の年間生産量は約2,600トン。有史以来、世界の主要な産地のすべての産金を合計しても、およそ146,000トンと見込まれている。その容積は50mプール3杯半くらいにしかならない。世界中の金をかき集めてもたったこれだけなのだ。

金の埋蔵量は、あと60,000トン程度と推定されている。ところが未採掘の鉱脈のある場所は、地底深く何千メートル、海底の火山脈の近くやアフリカの奥地、さらには3,000メートル以上もある山塊などであり、今後は金の採掘がますます困難になっていくものと懸念されているという。

核融合が一般的になるか、どこかの宇宙で金の塊で構成された小惑星でも見つかるかしない限り、金の相場は長期的には上がっていくだろう。とするならば、投資も犯罪も金をターゲットにすることが望ましいと言うことになる。

ちなみにプラチナはさらに希少で、今までの採掘量がわずか4,200トン、埋蔵量は16,000トンとされている。プラチナの比重は21.45g/cm3イリジウムが比較的近い比重を持つ(22.50g/cm3)が誤差が大きい。しかもイリジウムは高く希少なので使えない。ここからも金に目を付けるのは正解という事が言えそうだ。

タングステンを使う今回の手口は公知になってしまったので、大がかりには使えないだろうが、アクセサリなどの小物には応用可能だろう。知らないだけで、既に流通しているのかも知れない。

*1:重量の有効数字が足りないので数値は参考

2007-06-03

ブラインドタッチを覚えるたった4つの魔法のコトバ

タイピングに関する調査に関する調査によれば、約4割の人がブラインドタッチ(タッチタイピング)が行えると言う。調査対象は10代から50代まで均等に分布した男女300名であり、若い人に限った話ではなく、中高年も含めての数字だといい、意外に高い。

とはいえ調査結果を見てみると、完璧にタッチタイピングが出来るのはわずか5.7%しかいない。利用する指に関してもすべての指を使う人は全体の55%で、タッチタイピングを完璧に出来ると回答した17人中、すべての指を使う人は11人で残りの6人は我流のようだ。その6人はタッチタイピングが出来るとは言わない気がする。正しい指で全くキーボードを見ずに打てる人はそれほど多くないようだ。

最近はタッチタイピングを覚えるためのソフトが氾濫しているが、それらのソフトを利用して覚えた人は25%ほどと案外少ない。多くは独学ということになるが、それが正しいタッチタイピングを覚える妨げになっているようだ。タッチタイピングのソフトもただ単に出てきた単語を打つだけという感じで、指の動かし方とか配置とかがおざなりになっている例もあるだろう。正しいタッチタイピングが出来ると生産性が大きく向上するので、多少時間がかかっても矯正した方がよい。

タッチタイピングをマスターするのに『短文4つでブラインドタッチができる本―小指もスムーズに動きます (噛んで含める入門書)』という本は、実によく考えられた良書である。残念ながら絶版になっているようだが*1、マーケットプレイスでは購入が可能なようだ。とはいえ、この本のエッセンスは短文4つに凝縮されているのでここに紹介してしまおう。この本では次に挙げる4つの短文の入力を繰り返すことでタッチタイピングをマスターしていく。

  1. FだJださあ来いさあ来い(FDAJDASAAKOISAAKOI)
  2. ファジイで粋で最高だ(FAJIIDEIKIDESAIKOUDA)
  3. ここはどこわたしはだれ(KOKOHADOKOWATASIHADARE)
  4. 奥の細道ぼくの近道(OKUNOHOSOMITIBOKUNOTIKAMITI)

最初の文はホームポジションから指を動かさずに打つことが出来るように考えられている。FDAJDAは全く動かす必要が無く、SAAKOISAAKOIのところで上下移動が加わるが、左右への移動は無く、中指と薬指をどう連動させて動かしてキー入力するのかを反復させて覚えることが出来る。ここで重要な点は、正しい指でそれぞれのキーを入力することだ。ここで変な指を使ってしまうと、タッチタイピングの習得にはならない。この本の秀逸なところは、そうした連動した指の動きを短文毎に多くのページを割いて解説しているところであり、どう動けば理想的かという理想形態が理解できるようになっている点だ。ここではKOIの部分が該当し、中指のK入力中に薬指はOに動き、Oの入力中には中指はIに移動している。ここは一息に入力するところだ。この連動がタッチタイピングの肝となる。反復練習をしていると、どんどん無駄な動きが淘汰され、効率的な指の動かし方に洗練されていくだろう。理想的な指の動きが出来るように最初の短文をマスターしたところで、次の文に進む。

以降の文では、前回のおさらいを含みつつも、少しずつ新たな指の動きが増えていく。2つめの文では新たな上下移動が加わり、3つめの文で左右移動が登場する。4つめの文ではBやTへの斜め移動が加わっているが、優しいところから指の動きを指に覚えさせてステップ毎に進むのでそれほど難しくないはずだ。大体これらの短文入力をマスターすれば、日本語を打つためのキー入力はあらかたカバーできている。英語入力をするためには別の短文(4つの短文以外にもいくつか用意されている)で練習する必要があるが、ここまで基本が出来ていれば我流にはならず正しいタッチタイピングがマスターできるだろう。

この4つの短文は、正しいタッチタイピングが段階を踏んでマスターできるようによく考えられている。タッチタイピングが行えない人は、この4つの短文を打つ訓練をしてみてはいかがだろう。10日間もやればキー入力速度が速くなって目の疲労も抑えられていることに気づくだろう。

*1:同じ著者の『ワープロ検定にも使える!短文4つでブラインドタッチができる本』という本もあって、おそらく内容は同一の新装版だと思われるがこちらも品切れ中

2007-06-02

痛車の希少性を高めると言う点で極めて秀逸なFORZA2の貧弱なペイントツール

XBOX360用のレースゲームFORZA2で、車体をアニメ絵などでペイントする痛車作りが流行っているようだ。画像掲示板Forza Motorsports 2 画像うpでは多くの痛車画像がアップされており、なつみかん。 | FORZA2 痛車&ペイントカーまとめでジャンル毎に分類され紹介されている。ゲーム画面はXBOX360の実写と見紛うリアルな描画能力と相まってシュールさを際だたせている。

もともとこのゲームにはシンプルなロゴを描くためのツールが備わっており、矩形などのシェイプとデカール、テキストを組み合わせることが出来る。ただし、あくまで単純なロゴを想定したもので、アニメのような複雑な絵を描く人がいるなんて開発チームも想定外だっただろうが、一部の匠が超絶美技を駆使した痛車を発表し注目を浴びた。単に画像を貼り付けておしまいということなら、それほど話題にもならなかっただろうが、あの貧弱なペイントツールで一体どうやって?という面も注目を浴びた一因だろう。それらの車がフォーラムで話題になるとともに、ゲーム内のオークションで高値で落札され、注目度が一気に上昇、多くの人が痛車づくりに没頭する事態となっている。

日本人の奇行は海外のフォーラムでも話題になっており、次に挙げるような一連のスレッドでは、これらの痛車に驚愕し、羨ましがる外人の反応を見ることが出来る。

外国人の反応について2ちゃんねるで紹介されていたので、まとめておく。日本だと、キターとか、スゲーとか反応がテンプレ化する傾向があるが、海外の反応はなかなか独創的なものが含まれていて興味深い。

  • なんてこった、奴らは正気じゃない
  • 実に欲しい。だがいったいどうやったらこれだけの金を用意できるんだ?
  • (絵画調のペイントを見て)精神異常者だ…
  • 凄すぎる。俺はこの車を買うために金を稼ぐレースを続けてきたんだ。でもいつも誰かが高値を付けるんだ。畜生!
  • ああ、俺は奴らがヘンタイ絵の車でXBOXライブ中を走り回る事を知ってるよ…
  • 俺は日本のFM2サイトで素晴らしいアートの数々を見てきたよ。ああ、神様。奴らは凄すぎる
  • 俺はこの車を手に入れる必要がある!日本人たちは俺の心をぶっ壊すつもりだ
  • (KFCカーを見て)なんてこった!こんな物に乗ったらコレステロール値が5ポイント上昇してしまう!
  • ちくしょう、やつらは病気だよ。俺にもこんなスキルが有れば車を塗るためだけにゲームを買うさ
  • とんでもないインフレがオークションで起きている。一部の奴らしかこの素晴らしい車を触る事ができないなんて問題じゃないか?
  • (オークションの入札合戦について)これは戦争だ!
  • 欲しい!でも高すぎる。これを買うためにどれほどの金が必要になるのか想像もできないよ
  • この車は素晴らしすぎる!もしこの車を手に入れられないのなら、俺は麻薬を静脈注射するつもりだ…
  • まったく驚きだよ。完全な漫画のキャラじゃないか
  • この病人どもめ!
  • これによって俺の健康が損なわれてしまった。あまりの衝撃に口から泡を吹きっぱなしだ。凄すぎて脳が溶けちまったよ!
  • 俺には日本人が俺たちと同じ星の人間だとは思えないよ
  • こんちくしょうめ!どれもこれも高すぎるんだよ。これを買えた奴はBANされちまえ!
  • 凄いデカールの数々…。プリングルスとドラゴンボールは特にいいね
  • なんて細かく描かれた糞なんだ!メーカーはMSポイントを賞金としたペイントコンテストを開くべきだよ
  • いかれてる。これが日本のレビューで高得点を取った理由なんだな?
  • これは画像をインポートしたの?それとも内部での組み合わせ?
    • →後者だね。それがこのカスタムカーを印象深くさせている理由のひとつだよ
  • なんてことだ。俺は仮想世界でも再び日本人から車を買うハメになるというのか!
  • これは前作と同じシステムを使ったペイントってことか?だとしたら俺は彼らに拍手喝采を贈らなくてはならない
  • 『やらないか』ガイがいるぞ!
    • →俺は『ペドベアー』のワゴンが欲しい
  • 凄いな。このゲームが欲しくなったよ。今まで俺はレースゲームにたいして興味なんて無かったのに
  • 奴らは非常に優秀なオタクで、奇妙な技術と有り余る時間LOL(=爆笑)に恵まれているんだよ

日本では匠に続けと多くの人が痛車作りに励んでいるようだが、海外では驚愕するばかりであまり自分で描こうという人はいないようだ。Photoshopから画像をインポートできるツールを用意すべきだと主張している人はいるようで、ツールさえまともなら俺もと思っているユーザはいるらしい。あとは、勝手に他人の著作物をペイントすることに対する訴訟の可能性を懸念するレスもあり、さすが訴訟大国アメリカだと感じた。

痛車はゲーム内のオークションで高値で取引されているようで、購入資金を稼ぐためにはレースをこなすしかないわけだが、日本で先行発売されたこともあり、購入するのは金持ちの日本人ばかりというところに不満もでているようだ。

なんにせよ、痛車を生み出すことができるペイント機能がFORZA2の最大の売りであり、今回の成功を受けてこうしたカスタマイズを可能とし、かつオークションなどの場で他人の評価を得るようなオンラインゲームがこれから先も発表されることは間違いない。今までもカスタマイズ可能なゲームはあったが、自己満足の世界にとどまっており、オンラインで共有可能、かつ他人の評価が得られるというインセンティブを与えたゲームはこれが最初だったのだろう。

しかし、画像をインポートして誰でも簡単に作れるようになってしまうと逆にありがたみが減るのだろうか。ペイントツールは高機能すぎず、すばらしいペイントを描くにはそれなりの絵心と根気が必要なことが、ペイントの希少性を高める上で重要な気がする。そう考えると、FORZA2のインタフェースはゲームを盛り上げる上で極めて秀逸なバランスの上に成り立っているのかも知れない。

関連エントリ

2007-06-01

科学ではなく政治が支配する国際捕鯨委員会

産経新聞が伝えたところによれば、日本は米アラスカ州アンカレジで開かれている国際捕鯨委員会(IWC)総会において、IWCからの脱退や、新しいクジラ資源管理機関の設立に向けた準備を始める可能性を表明した。事なかれ主義の日本らしくない思い切った反対表明である。事の是非はともかく、このように国際社会で主張を行っていくことでプレゼンスを拡大していってほしいものだ。

日本は同日午後の総会で、和歌山・太地など4地域で行うミンククジラの沿岸捕鯨の捕獲枠設定に向けた決議を提案したが、米国やニュージーランドなどから反対が相次ぎ、合意形成の可能性がなくなった。これを受け、水産庁の中前明・次長が「資源管理機関としての役割を取り戻す最後の機会を失った。忍耐も限界だ」と強い口調で反捕鯨国を非難。IWCからの脱退や沿岸捕鯨の再開の可能性を表明した。

 特に新機関設立については「準備会合の開催に大きな関心がある」とした。2009年の年次総会を誘致していた中田宏横浜市長も辞退を表明した。

産経ニュース

商用捕鯨が禁止されて20年余、鯨を食べる機会もめっきり減って、今の日本にどれだけ捕鯨再開を待ち望んでいる人が残っているか定かではない。このまま捕鯨禁止が続けば、鯨食文化の息の根を止められてしまうとの焦りが関係者にもあるように思う。ネットにおける反応を見ても、「そんなに鯨の肉が大事か?」と冷ややかなものが多い気がする。

筆者自身も、正直鯨肉を食べたいとは思わないし、鯨自体の利用には興味がない。それでも科学的に見て理不尽な理由で捕鯨再開が認められない現状には歯痒さを覚える。無理が通れば道理が引っ込むIWCという組織にはうんざりだ。脱退、新機関設立を示唆した水産庁の担当者もよほど腹に据えかねるものがあったのだろう。

日本捕鯨協会内のIWC条約を愚弄する輩には、IWCにおける問題点が論じられている。これに基づき、事なかれ主義の日本が脱退を示唆するに至った経緯をまとめておきたい。

1975年の新管理方式(NMP)の導入

IWCは最初から道理の通用しない場ではなかった。1975年、IWCはNMPと呼ばれる鯨資源管理方式を導入している。NMPでは絶滅が危惧される鯨種については捕獲を禁止し、十分な資源量が確認される時には一定量の捕獲を許すという方式で、オーストラリアが提案、アメリカが強く支持し、科学委員会の承認を得て導入された。この方式の導入後いかなる鯨種も衰退せず、NMPは一定の成功を納めたと評価されている。この時点でIWCは科学的手法による鯨資源管理を上手く行っていたと言えるだろう。

1982年の商業捕鯨モラトリアムの採択

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ところが、反捕鯨陣営は、多数の非捕鯨国を新たにIWCに加入させ、捕鯨陣営と反捕鯨陣営のパワーバランスを一気に逆転させた。右表はIWCの加盟国推移を示しているが極めてあからさまである。

NMPは資源量、資源成長率、地方群の判別など種々のデータに依拠するが、反捕鯨陣営はそれらのデータは不確実であるとして、1982年に商業捕鯨の全面禁止決議を成立させたのである。いわゆるモラトリアムの導入である。これにより、日本でも1988年より商業捕鯨が禁止されることとなる。反捕鯨陣営のNMP批判の根拠は科学的信頼性にあったわけだが、奇妙なことに、採択において一切科学委員会の諮問を受けていない。この時点で、IWCは科学の論理性から目を背けたのだ。

1994年のRMP(改訂管理方式)の承認

理不尽な理由から捕鯨を禁止されてしまった捕鯨陣営は、NMPに代わる新たな管理方式の策定に尽力し、1993年科学委員会はRMP(改訂管理方式)を提案、反捕鯨陣営の反対にあうものの、1994年には承認された。RMPは科学的情報の不確実性や環境変化などの不測の事態に対しても資源への危険を防止する十分なフェイルセーフを内蔵した極めて厳格な管理方式である。仮にRMPを他の水産資源管理に適用すれば、どの漁業も即座に禁止しなければならないとも言われている。RMPの導入により、鯨類資源を枯渇することなく持続的に利用することが可能になると期待された。

議論の引き延ばしにかかる反捕鯨陣営

ところが、RMPは承認されたものの、いつまで経っても実行に移されることが無かった。RMPにかかる資源のモニタリングや取締り措置など、反捕鯨陣営による果てしない議論の引き延ばしにより、いつまで経っても捕鯨再開の見通しが立たない状況になっているのだ。業を煮やしたカナダ、アイスランドなどは既にIWCを脱退している。

日本は我慢強く商業捕鯨の再開に向けてIWCの場で努力を続けてきたのだが、日本沿岸の商用捕鯨の再開が受け入れられないことで、ようやく見切りをつけたのだ。昨年の総会では、日本など反捕鯨陣営が提案した「モラトリアムはもはや必要ない」とした総会宣言が1票差で採択されたが、今年の総会では昨年の宣言を無効にするようなモラトリアムを支持する内容の決議が採択されるに至っており(日本などの捕鯨陣営は投票に参加しなかった)、IWCにおける早期の商業捕鯨再開の見通しはほぼ無くなったと見て良いだろう。

機能不全に陥ったIWCに未来はない

客観的に見てIWCは鯨資源管理団体としての職務が全うできない機能不全の状態にあるように見える。科学的根拠に基づく提案は表面的には賛同されるが、裏側で道徳的な見地から反対に回り、議論の引き延ばしを図る。科学とは無縁の政治的ジェスチャー・ゲームの場がIWCの実態なのだ。

1991年、オーストラリア代表は、「かかる大型な美しい動物を食用のために利用する必要はない」と発言し、同年、アメリカ代表も「捕鯨を禁止すべき科学的理由はない」と認めた上、倫理的な理由で捕鯨反対を続けると述べている。こういう感情で動く連中に論理をといたところで、得られるものは何もない。結局、鯨類資源を枯渇することなく持続的に利用することを否定する明確な根拠などありはしないのだ。

以上のように、機能不全に陥ったIWCを脱退し、科学的・論理的議論が行える新機関の設立を指向することは無理からぬ事のように思える。問題はIWCを脱退し新機関に移行したとしても、同じ道を繰り返すだけになる可能性があることだ。話しても分からない人間ほど、対処に困るものはない。