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2012年03月20

新卒、就活、海外で働く?君は海外就職の時代?

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(参考画像:就職活動に疲れて、イオンジャカルタ店のベンチで居眠りするモリゾウさん)



『まぁ、海外就職は甘くもないんですけどね、でも日本でブラックに勤めるよりは金銭的にもキャリアを積むにもいい求人は結構ありますよ、いや現地採用ですけどね、新卒でも、ニートでも、一度くらい気軽な気持ちで覗いてみればいいじゃないですか、死ぬわけじゃないんだし』

これが氏の口癖だ。

先週、モリゾウさんからカンボジアで買ったという胡散臭いパワーストーンと一緒に氏の出版本が家に届いた。僕の思い込みかもしれないが『書評を書いてくれ』という氏からの怨念に近い無言のプレッシャーを感じた。

モリゾウさんと言えば、初めて梅田串カツ屋で飲みに行った時に悪酔いして、ゴミ箱とカウンター横の秘伝のタレ壺を間違えて、その中にゲロを吐いて、昔はカタギでは無かったという噂がたえない小指の無い店の親父に10回くらいビンタされながら、「本当にすいません」「反省していますので」「失業中ですが外資におりまして、貯金はあります、1万くらいはお払いしますので」と泣きそうな顔で、生徒指導で怒られる中学生のように怒説教されていた姿が印象的だった。その時から僕の中では氏に対して経歴は凄いのに、妙な所で抜けている面白いけど少し小汚いオッチャンというイメージが出来上がってしまった。

凄く聡明で優秀なのに、どこか嘘がつけないようで憎めない人。もちろん私は氏のことが大好きである。だからこの書評は、というかメンドクサガリ屋の私が書評をワザワザ書いていること自体が、ほんの少し氏個人をヒイキしたバイアスがかかっていることを約束したい、この記事を読まれている方々はそう思って強い偏見の目で読んで欲しい。

とは言うものの、今回の氏の書籍は正直に素晴らしいものだと思った。

一番の凄さは彼個人が体験した各国での情報を元に、人材派遣会社の選び方から、履歴書のポイント、陥りやすい現地でのリスク、格安航空券の予約、国内で起きている外資系派遣OLを中心とする奇妙な現象、さらにはボストンバックに付ける南京錠の種類まで、身もふたもなく具体的かつ、驚くほどの丁寧さで詳細に書いている点だろう。これは特に東南アジア就職を検討している人にとっては役立つ指南書ではないかと思う。

英語学習も海外就職も、日本の衰退を過剰に煽って、その逃避先として薔薇色の海外を提示するようなマーケティングトレンドだが、氏の本は淡々と膨大な体験を職人芸のように交通整理している。つまりこの本は少し地味だが、現状で最良の海外就職の取り扱い説明書なのだ。

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(参考画像:近所の市民プールに通うモリゾウさん)

氏の一文で心が震える言葉があったので紹介したい。

自分にも、海外で就職するっていう選択肢があるのだ』ということを本書を読んで感じていただけるだけで幸いです。そうすることで、今自分がいる理不尽な状況からいつでも脱出することができるという実感が沸いてきたら、国内で頑張るにしても、きっと今置かれている状況の「閉塞感」も薄れてくることでしょう。そうやって、一人ひとりの心が軽くなっていくことが、日本復活の第一歩です。よし、自分も海外で働いてみよう!こう決意した人には、私が実際に飛行機で現地に行って現地人材会社の人と話をして、地下鉄で移動して、現地企業と面接をして仕入れた情報を提供します。きっと、この情報を持って就職活動をすれば、私よりもよりスムーズに、効率よく転職活動をすることができるでしょう。そして、そんな勇気のある人たちに心からのエールを送ります。新たな道を歩み出す人たちが、日本の未来を創っていくのです。(by、モリゾウ)

自分は海外就職が必ずしも万人が幸福になれるにベストな挑戦だとは思わないが、何か閉じたサーキットの中で人生が行き詰ったとき。自身を外部広く広がる不確実性のリスクと可能性に身をさらすのは良い方法ではないかと思う。日本の労働市場の問題点は、この良くも悪くも不確実性の部分が減っていることにある。それに単純に使い捨ての国内ブラックでしか選択肢がない場合、キャリアを積む飛躍として挑戦してみてもいいじゃないの。

そして何より国内で挑戦するにも、一番重要なのは『精神の自由』と『生きる意志』だ。どんな状態でも生きられる、いや、生きてやるぞという覚悟が大切で、それは既存フレームの外の世界に大胆に晒された場合にジワジワと芽生える感性と理性の狭間にある何かなのかもしれない。もしかすると、そのメンタリティーの重要性をモリゾウさんはどこかで知ったではないだろうか。

派手に売る為に『海外就職すればきっと君も〇〇』とモリゾウさんが安易にアナウンスメントせず。淡々と選択肢の1つとして提示・体験説明したことは偉いと思った。

きっと『〇〇すれば〇〇』というアナウンスメントは高度経済成長時代の文脈だと思う。確かに国内市場は縮小するがすべての仕事が無くなるわけではないし、海外に出ても個々人のキャリアやスキル賃金待遇を含む多様な選択肢の格差がある。

事実、私の友人で多くの海外勤務者がいるがある者は現地採用労働だったり、ある者はキャリア採用で豊かな生活をしていたり、ある者は賃金的には微妙だけど現地人と良好な関係を築いて幸せに生活していたり。

個々人の状況によって千差万別で、彼らそれぞれの状況は『海外就職』と1つの働き方として安易にカテゴライスできるようなものでもない。だから国民一体で幸福感を共有していた時代の言葉は意味を持たない。万人が幸福になれるモデルはない。いや、そんなモデルは誰も知らないのだから。

この本が、そのデリケートな部分に驚くほど誠実なのは、やはりモリゾウさん自身が、現代に生きる個人の人生選択のどうしようもない複雑さを知っていて、その延長線上の文脈で『海外就職』を考えているからだろう。

結論から言うと、後で氏に怒られるかもしれないけど、この本は売れないと思う。

何故ならば、こういった誠実な取扱説明書は、いつの時代も、隠れた良書となって流行のトレンドからは埋没してしまうからだ。

でも、小さな金儲けの話が好きで、TLで派手に宣伝している反面、こういった部分でマーケティング不器用なモリゾウさんは面白い。たぶんその部分が彼の根の誠実さなのかもしれない。

ここ数年で私が読んだ本の中で、最高の書籍でした。

はじめてのアジア海外就職

はじめてのアジア海外就職

(この本、装丁は超ダサいよ!)

【追記】

モリゾウさんと昨日7時間くらい話したのだけど、2時間くらいは冒頭の『ゲロの部分を削れ』、『削らない』の交渉だった。後の五時間は海外労働市場に関するもので、シンガポール香港の就職難易度はかなり上がっていて、それなりのキャリアがないと厳しいが。その他の国の日系支社で、現地採用枠だが日本人対象に手取り15万以上の求人が多数でており、その中でもインドネシアの人手不足は深刻で高給与かつキャリアを積める求人数も多いとのこと、新卒や、キャリアをつめないドロップアウト組みにもチャンスが多く、私も詳細はわからないのだが『インドネシア語は各島バラバラの言語を纏めた人工言語みたいなもので、俺に任せれば半年で片言に話せて採用されるレベルにもっていってやる』と豪語していた。(厳密に言えば、インドネシアのことばかり豪語していた)

氏いわくドロップアウトした普通の人でも、賃金ワタミのような外食ブラック以外の選択肢があることを知ってほしいと望むとのこと。

氏の中で、このまま再就職するか(モリゾウさんは超エリートなので引く手あまた)、海外就職コンサルのようなアドバイザー事業をするかで悩んでいる様子だった。もし事業が駄目なら『僕は、おいしい日系駐在員を狙っていて・・』など黒い本音をボロッと漏らしたり^^僕の聞き違いだったり・・・・。

自分は、氏がここまで詳細に(大金もかけて)、海外労働市場を精査したのだから、是非、国内の悩める労働者の為にも、そのノウハウを還元してほしいと思う。この記事は、氏の背中を押す為にも書いたつもりだ。(事実凄まじい知識量で話すと驚かされる)

モリゾウ〜!ガンバレー。

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(参考画像:自転車の空気を入れるモリゾウさん)


追記、このような分野・問題に関して、ゴムホース大學大学院ベーコン研究所では、日々メンバーと研究活動や情報共有しています。

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所長 宮崎より 

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