ガチャピン師匠

「永遠の5歳」。
ポンキッキ』は「大人」を見せて子供に将来を示す。「子供」はほとんど登場しない。
おかあさんといっしょ』他多くの子供向け番組は「子供」を見せてテレビを通してでも一緒に遊んでいる様な疑似感覚をもたらす。テレビを見ている子供は、テレビに映っている子供をインタフェースとして無意識に同化する。
子供は『ポンキッキ』に登場する、色々な事をやってみせるガチャピンや、知恵のあるお爺さんキャラ、元気なお姉さんキャラ、好奇心旺盛なねずみ(もうやっていないけれど)、などなどを示されて、こうありたい、こうはなりたくない、と将来の選択肢を様々見て学び、成長する。
名探偵コナン』は「大人」としての工藤新一と「子供」としての江戸川コナンを同時に提供している事が、ここまで成功した要因の1つだと思う。『金田一少年の事件簿』との大きな違い。

科警研の見学男

学科で科学警察研究所の見学に行ってきた。

参加には人数制限があり、ウチの研究室からは4名参加。
科警研の中の雰囲気は、そんなに堅苦しい感じは無く、とても綺麗。姫路工業大学を思い出した。
ほぼ正確に13時半に始まり。1階の大会議室で見学用ビデオを視聴。学生がビデオを見ている間、先生達は所長訪問。
ビデオは数年前に制作されたもので、近隣建物紹介の時に「現在建設中の東京大学柏キャンパス〜」と言っていて数名苦笑。関わった主な事件の紹介。余部鉄橋列車転覆事件、地下鉄サリン事件など。組織編成の紹介もあったが、現在は少し変更されている。新しいビデオを作ろう。
先生達が所長室から戻って来て、情報科学第二研究室の紹介スライド。主に偽造紙幣などの判別鑑定を行っているそうな。昔と比べてアマチュアが持つ印刷機器の性能が上がったりしていて、対策も色々。すかし、ホログラム、ミクロ文字、などなど。
移動して情報科学第三研究室。音声、声紋鑑定。『ドラえもん』で「声のキャンデー」という道具があり、その際のドラえもんの説明が「声にも指紋の様な人特有のもの、つまり声紋があるんだよ」といったものだったのだが、初めてそれを読んだ当時の僕はその声紋なるものは実在しない、SF的なものだと解釈していた。後に声紋が現実に存在することを知り、ドラえもんに謝罪した。全く音が反射しない無響室や音の反射を調整できる部屋などを見た。無響室は長時間居られないくらい不自然な感覚だった。無我の境地に立てるかも知れない。
次は生物第二研究室。頭蓋骨と写真の顔との照合など。目視やコンピュータを使った数値解析的な話など。ドラマでよくある、頭蓋骨に粘土を貼るやり方はイマイチだそうだ。
情報科学第一研究室。所謂嘘発見器。犯人しか知り得ない情報を尋ねていって、反応を見る。アルミのアタッシュケースに入った機器とノートパソコンを持ってチェックできる。格好良い。説明をしていた女性が綺麗でした。
理研究室。レーザ光で指紋検出や体液検出。テレビ朝日のドラマ『科捜研の女』に出ていた青色レーザで指紋を検出する機器の大きいものが見れた。画像解析では、不明瞭(真っ暗)なビデオ映像から特徴を抽出したり、写真が偽造でないかを調べる検査をしたり。
化学第四研究室。毒物の検出の話。内容は高校生の時に見学に行ったSPring-8に似ている。あれと比べてどう違うのか聞いてみたら、設備自体が全く別物だそうで向こうは大きくて距離が使えるからやり方も違うと。
交通科学第三研究室。ドライビングシミュレータ。S先生が乗車。前のスクリーンに映る映像を見ながら、非常に大きな油圧式シミュレータ機器に乗って、様々な計測が行える。
お終い。どこかのイベントの様にノベルティグッズが配布されるでもなく、解散。
割と、ミステリィ小説の描写は間違っていない。さすが、書く前にちゃんと調べているという事か。それに比べてテレビは嘘ばかり。
面白かった。ああいう仕事も良いね。