SilverStone SST-HDDBOOSTを買ってはみたものの…

SST-HDDBOOSTというキワモノが販売されていたので、ついつい手を出してしまいました。
この製品は、SSDを用いてHDDの読み込み速度を向上させるというものです。原理は簡単で、HDDの内容の一部をSSDミラーリングし、読み込みのリクエストが来たときに、そのデータがSSD上にあればSSDから、なければHDDから読み込むというものです。SSDの方が圧倒的に読み込みが速いので、この仕組みでドライブ全体のパフォーマンスが向上するという寸法です。HDDのデータのうち、どの部分をSSDミラーリングするかというのは色々工夫ができそうなものですが、この製品の場合は単にHDDのLBAの先頭部分だけがミラーリングされます(参照:代理店のマスタードシード社のページ、ギャラリー6枚目のHD Tuneの結果)。小細工を弄さず、男らしい割り切りですね。
この製品を用いれば、JMF602搭載SSDが救済されると考えられます。これらのSSDはリード全般とシーケンシャルライトは速いものの、ランダムライトが非常に低速です。それが原因でプチフリが発生してしまうので、これらのSSDはシステムドライブとして使うには向いていません。ところが、HDDBOOSTは、システムの起動時に同期を取る以外ではSSDに対して書き込みを行わず、専らHDDにのみ書き込みを行います。SSDに対して書き込みが行われないなら、当然プチフリは発生しなくなるはずです。なお、公式サイトではIntel G2を使った紹介画像が出ていますが、このSSDのランダムライト性能は非常に高いので、HDDBOOSTに使うにはもったいなさすぎます。
今回は、普段録画&ファイルサーバーとして使っているマシンにHDDBOOSTを接続してみました。SSDはBUFFALOのSHD-NSUM30、HDDはWestern DigitalのWD15EADSです。OS(Windows XP)はWD15EADSの先頭60GBのパーティションにインストールされているため(使用量20GB)、システムに関連したファイルはほぼ全てSSDミラーリングされ、快適な環境ができるはずです。
…という目論見だったのですが、どうも何かおかしいです。ミラーリングのプロセスは終了しているにも関わらず、使用感は全然快適でなく、ものすごく引っかかりを感じます。
そしてCrystalDiskMarkの結果は以下の通り。

この結果は公式サイトの説明と矛盾しています。CrystakDiskMarkはベンチマークを開始する前に一時ファイルを作成し、そのファイルに対して読み書きを行い、結果を出力します(テストサイズはそのファイルの大きさを示します)。公式サイトにあるように、システムの起動時にしかSSDに書き込みが行われないなら、その一時ファイルはHDD上に置かれるはずです。しかし、上記のベンチマーク結果を見る限り、読み込みのパフォーマンスは明らかにSSDに由来しています。すなわち、HDDBOOSTはHDDと同時にSSDにも書き込みを行っているとしか思えません。
というわけで、全く納得がいかないので、SilverStoneに問い合わせのメールを送ってみました。ついでに、HDDBOOST Utilityのよく分からない項目(Start/Stopボタン、Buzzer Muteチェックボックス、"Mode : Protect"の意味)についても聞いてみました。台湾は来週末から旧正月で休みになるようですが、果たして返信は返ってくるでしょうか…