2011年 J2 プレビュー 大分トリニータ編


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シャムスカマジックが解け、ポポヴィッチを監督に迎えて立て直すも及ばず、降格となった'09シーズン。おまけに経営危機が発覚して、頼みのポポヴィッチとの契約を継続できず、森重、金崎、深谷、上本ら主力選手が流出。社長の溝畑氏は責任をとって観光庁長官に栄転・・・・?したことは記憶に新しい。


チーム草創期の功労者・ファンボカンを新監督に迎えた'10シーズン。キムボギョンの活躍でスタートダッシュに成功したがに思えたが、すぐに失速。以後は不調にあえぎ、終盤戦にマンマークの3-4-3を採用してやや盛り返したかにみえたが、時すでに遅し。
結局、10勝11分15敗、勝ち点41で15位フィニッシュ。得点39失点49得失点差-10という結果に終わった。


大分を生観戦したのは真夏の大銀ドームで行われた富山との試合。「戦術はキムボギョン」というサッカーで、左サイドをキムボギョンが突破してサポートがなく詰まり、また突破してはまた孤立、の繰り返しというひどい内容の試合だった。昨シーズンの大分は、このキムボギョンやMF東、DF菊池といったJ1でも上にいくんじゃないかという実力を持つ選手と、並みのJ2級選手との混成チーム。これは経営事情を考えれば仕方がないのだが、J1級の有力選手を核にしてチームを作るというより、ピッチ上の不都合の尻拭いを有力選手の個の力に依存してなんとかもたせている、という印象。はっきりいってファンボ監督の手腕を疑わざるを得ない内容だった。
今オフの退団選手は合計13名。MF東は大宮へ、DF菊池は一時在籍していた新潟へ、藤田が磐田へ移籍。再び草刈り場になってしまった。さらに、キムボギョンと河原もレンタルバック。怪我の影響もあって出場機会が減っていたものの、チームの顔だった高松も東京へレンタル移籍し、主力選手がこぞってチームを離れた。このほか、甲府へレンタルに出していた松橋も甲府への完全移籍を選択。GK下川とは契約を継続せず。ベテラン梅田は引退した。

新加入は11名。ディフェンスラインの補強に、水戸で頭角を現した作田と藤川を強奪。経営危機とはいえ、水戸に対してはマネーゲームを挑めるわけだ・・・。このほかに熊本との契約が終了となったMF西を加え、レンタルでFWリドンミョン、FW三平、MF幸野ら若手が加入した。ユースからはMF松原が昇格し、他にMF為田が2種登録となっている。


現登録選手数は計25名。シャムスカ時代の主力がほとんどチームを去り、平均年齢22.3歳という若いチームになった。外国籍扱いの選手は韓国人2名(姜成浩は在日枠)。日本人のうち、新加入のGK安藤が社会人出身(JFLびわこMIO)。大卒が11名(うち2名がJユース出身、残りは高体連)、高体連出身が2名、大分ユース出身が6名、他Jユース出身が3名となっている。


指揮官に初監督となる田坂を迎えて挑む2011シーズンの予想スタメンは以下。


GK:昨シーズン後半、清水が正GKに定着。今季は背番号1を付ける。第2GKは新加入の安藤と大分ユース出身の石田との争い。

DF:CBは水戸から加入した作田と、昨季後半レギュラーに定着した池田のコンビかな。右SBはレンタル延長の土岐田、左SBは内田か。藤川がレギュラーに割って入れるかどうか。

MFボランチはチーム最年長(32歳)の宮沢と、昨季頭角を現した井上とのコンビ。バックアップの層が薄いので、幸野にも出場機会はあるだろう。つーか、宮沢は70分で電池切れるんだから使え。攻撃的MFは、熊本から来た西や、ユース出身の小手川あたりか。

FW:実績からみて、昨季もレギュラーだったチェ ジョンファンが軸になる。相方は、岡山からレンタルしたリ ドンミョンもしくは森島。三平はスピードを生かしてスーパーサブ起用かな。前俊の出番はあるのだろうか?


チームの平均年齢は22.3歳。宮沢は名実ともに爺さんであるw。
売れる選手を売って(売れたのか?)、若手主体のチームで人件費を切り詰め、育成を行いながらクラブ経営の再建を図る、という構図がはっきり見える編成となった。ほんとは、降格&経営危機発覚時点で、この路線に切り替えればよかったのだろう。昨シーズンは、早期にJ1へ復帰するのか経営再建を優先するのかはっきりしない、ただ状況に流されたという印象があるからね。サッカー批評木村元彦氏の記事を読むと、前知事の肝入りで出来たクラブと地元(の偉いさん)との間に溝があったことが不幸の根源だと感じる。地元企業が胸スポンサーが付くなど徐々に資金的なサポートも得ているようだし、地域を巻き込んでのクラブ再建がようやく始まったのだなと思う。


鳥天、関サバ、焼酎、温泉。あー、大分行きてえ。アウェイ遠征に行く方は、時間を作って別府の遊園地・ラクテンチに行くことをおすすめします。ものすごくレトロな遊園地で、タイムスリップ感が存分に味わえます。ラクテンチの訪問記はこちら