実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第366回】景子の稽古 居合い篇の巻(NHKドキュメンタリー『輝く女 北川景子』前編)



 今井康絵の漫画『とっても!B.B.』(『ちゃお』1999年2月号〜2000年5月号)には、安座間美優、又吉舞、喜友名星(ティアラ)たちが実名で出演していた。その前作にあたる『はじけてB.B.』(『ちゃお』1997年6月号〜1999年1月号)には山田優が出ていた。同じ作者の『シンデレラコレクション』(『ちゃお』2003年1月号〜2005年3月号)には河辺千恵子が登場した。
というような話はこれまで何度か書いたのだが(たとえばここ)画像資料がいまいち不鮮明だった。昔は自分のスキャナなんて持っていなかったんで、家族が寝静まったころダイニングテーブルにコミックスを広げフラッシュライトで照らしてデジカメで撮る、なんてヘンタイみたいなことをよくやっていた。
数日前の『M14 の追憶』コメント欄で、この件に関する話題がちょっと出てきて、研究員からコールがかかっていたみたいなのだが、私うっかりスルーしてしまった。近いうち漫画の画像をちゃんとスキャンして、改めてご紹介いたします。


さて、今回はcypさんのお力を借りて、例のアレのレポートにしたい。

1. 彦根にて


まずは無双直伝英信流 滋賀居合道友会のサイト。よかったらこちらを訪問してみてください。現在はトップページの画像をクリックすると、師範代の富田幸児剣士の次のようなメッセージを読むことができる。



 NHKBSプレミアム平成24年4月7日23時15分からの1時間番組「輝く女 北川景子」で北川さんの本質に迫るべく、「彦根藩武士の血が流れている」「武士道とはを具体的に体験してみたい」との北川さんのご希望により、居合道を武士の所作、礼法、禅修業など含めて初歩から修行することになりました。
 石田三成(北川さんがあこがれる武将)、井伊家とつながりの深い彦根市佐和山の古刹龍譚寺で、3月9日から12日まで連日8時間の稽古(もちろん休憩を挟んで)をいたしました。
 その間、武士道観や人生観についていろいろ話していただき、北川さんの深層に迫れたのではないかと思います。
 技としては、「前」「受流」のみとなりましたが、最終日には「ここでやめるのは心残り」との発言が出るまでに集中していただきました。
 3日間のべ20時間近くの撮影でしたが、この他に彦根城や関ヶ原などのロケもあり、これを1時間番組に編集されるので、現時点ではどのような番組構成なのかは不明です(^^)

  師範代 富田


最後にちゃっかり絵文字を入れる師範代。



ともかく、主旨は上の通りでありまして、彦根城で「ひこにゃん」に出遇うところから始まって、「私の祖父が眠っているお墓の近くなんで、実家って感じです」という彦根の地、石田三成の菩提寺で3日間(上の記事だと足かけ4日にも見えるが)師範代から居合いの稽古をつけてもらったという、そのドキュメントである。



内容は、見たまんまというか、もう解説も深読みも必要ないくらいストレートに北川景子。だから、わざわざブログの記事にとりあげなくてもいいか、とも思った。ただ、これだけまとまった量だと研究資料(何の?)として貴重だし、自分で録画ビデオをPC用ファイルに加工する手間もはぶけたので(笑)北川さんの語りの部分を中心に活字に起こして、ご覧にならなかった方々にも、その雰囲気の一端をお伝えしたいと思いました。

2. 禅と武士道



てことで改めまして滋賀県の龍潭寺。これから3日間、北川さんに居合いの稽古をつけるのが、「無双直伝英信流」の師範代、富田幸児六段である。



無双直伝英信流の「英信」とは江戸時代初期(17世紀)に活躍した長谷川英信から来ている。無双直伝英信流のほかにも、無双神伝英信流、法蔵院流槍術長谷川派、などといった居合いや剣術や棒術の流派で創始者と仰がれる伝説の武芸家である。伝説すぎて生存年代をはじめ史実には不明な点が多い。文禄7年(1598年)生まれ(でも文禄は5年で改元しているため、ほんとうは文禄7年は存在しない)とか、享保4年(1719年)118歳で亡くなるとか、出身地については土佐説が有力だけど讃岐説もあるとか。
みなさんご存じとは思うが、剣術のスポーツ的発展型である剣道は、実際に二人で対戦して打ち合うフルコンタクト系で、その代わりケガをしないように竹刀を使う。



資料映像は映画『武士道シックスティーン』の北乃きいと成海璃子。もちろん通常は面とか胴とか防具もつける。
一方、居合(抜刀術)は、エア剣術というか、敵を頭の中でイメージして刀を抜くので、見た目は一人でやっているから、演舞というか、デモンストレーションっぽい。でも防具なんかつけないし、使う刀は真剣、もしくは真剣なみの重さの模擬刀をもちいる。実際この番組で北川さんが手にしているのも、重量800グラムある模擬刀だという。
だから剣道は、まず向かい合って「はじめ!」で威勢よく打ち合ったりみたいな、武道としてはスポーツライクな印象が強いんだけど、居合いの場合はもっと精神論的な部分が前面に出る(ように思う。素人の勝手なイメージなので、間違っていたらコメント欄でご指摘ください)。居合いは「抜刀術」とも言うけど、本当は、武士が刀を抜くということはつまりもう、あっちが死ぬかこっちが死ぬ、それ以外に解決はありえない、というのっぴきならない状況を意味する。だから抜かずに収めるのが最良の選択である。
「抜かないのが究極の抜き方」なんて、私が言うとアダルトビデオ鑑賞の指南ぐらいにしか聞こえないだろうが、パラドキシカルな世界でもあるのだ。そういう哲学的な色合いの強さみたいなことも考えると、北川景子さんが居合いを習いたがるというのは、いかにも、という感じ。



なかなか話が始まらなくてすみません。えーと、滋賀県の弘徳山龍潭寺。石田三成やら井伊直弼やら、教科書に出てくるような人とゆかりある名刹である。所属は臨済宗妙心寺派。禅寺ですね。ということでまずは座禅を組んで精神統一。


  


富 田「日頃、どうですか? 何も考えない時間というのはありますか?」
北 川「ない、と思います。ずっと何かを考えています」


  


北 川「何かしら余計なことを考えていて、どうしても引きずってしまうような時があるんですよ。なるべく、そういう無駄な悩みとか、くよくよした気持ちっていうのは捨てるようにして、やっているつもりではいますけれども、多分、精神的に無駄が、まだ多いんだと思いますね」


このくらい化粧っ気が薄いと、やはり素材の良さがきわだちますね。袴姿だし、昔のまんまの可愛い顔で、実写版の火野レイがそのまま大人になっちゃったような感じがして嬉しくなる。小鼻のあたりがちょっと赤いのは、花粉症のせいか風邪のせいか。視線もなんかぼんやりしていて、たぶんコンタクトをつけていないんだと思う。全体的にかなり無防備である。でもそこが北川景子だ。「別にいまはドラマの仕事じゃないし、役を作らなくてもいいから、普段着で」と思っているだろう。そうは言っても普通、彼女くらいのトップ女優になってしまうと、プライベートですら、なにかしら「女優」を演じているものなんだが、けっこう空っぽ。以下、北川さんのモノローグ。


  


 イメージでは私はガラスのコップなんですけど。私、不器用なので、いろんなこと興味もってやると、残りの容量が少なくなってしまって、今度は役を調整するときに、残りの部分で調整するみたいなふうになっちゃうので、あの、ピアノ習いに行っている女優さんとか、お習字している女優さんとか、聞きますけど、そんなことはできない。もう「書道の先生の役をやる」って決まったら、みっちり書くとか、もうばーっとやって、コップを空っぽにしちゃったのを、どんどんどんどん入れていって満タンにした状態で、クランクインに合わせていくっていう…。で、その役が終わったら全部ぱっと捨てて、また空っぽにして、みたいな、そういうイメージでいます。

3. ある意味、贅沢な悩みではある


しばらくインタビュー。このあたりはファンだったら知っているような内容ですけどね。
ただこのへん、いちおう話は繋がっているんだけど、ちょっとキレイに編集されすぎちゃった感じもある。前回のコメント欄でyamabosiさんも触れておられたが、カットされた部分で、NHKの人がビックリしちゃうような、もっとすごいことを言っていそうな気がしませんか。


  


 小さいころから、人の役にたつ仕事がしたいっていうふうに思っていたので、「人助けをできる」ってことは「お医者さん」なんじゃないか……って小っちゃい頃に思ってからは、ずーっとお医者さんになれたらいいと思って、勉強していたので……。


  


 高校2年生の夏を過ぎたら、みんなも頑張るから(成績が)なかなか上にあがれないなあっていうふうに、スランプに思ってて、このままだと、幼稚園のときからずっと「お医者さんになって、沢山の人を助けるんだ」っていうふうに勝手に思っていたけど、「これ大学も受からないかもしれないなぁ」っていうふうに悩んでいる時だったんですけど、そんな時に突然スカウトされて、「もう今まで通りの生き方を一回やめてみろ」っていう、なんか神様のそういう徴(しるし)というか、アドバイスなんじゃないかっていうふうに突然思って……。


北川さんはミッション系の学校を出ていて、たぶん必修で聖書とか宗教の授業を受けたから、こういう表現になるんだろうね。芸能界にスカウトされたことを、神様からの啓示みたいに感じること自体は特殊ではないが、それを言うのに「神の徴(=神様が実在する証)」なんて単語がさらりと出てくるあたり、この子はやっぱり学校の授業もきちんと聞いていたのだなと感心する。私の理解は間違ってますか?


  


 同年代の女優さんとか、女優さんを目指している人が、演技のレッスンとかにどんどん打ち込んでいて、そういうことに時間をこう、純粋に費やして、どんどんどんどん色々な作品に出演されて、どんどん上手になっていってて、「あぁ(私は)スタートも遅かったけれども、これじゃどんどんどんどんもっと引き離されて、私は役がもらえないかなぁ」っていうふうに思ったのが……在学中、そういう気持ちの焦りがあって、辛かったかなと思います。


う〜ん。これが「下積み時代の苦労」ってことなんだが、えーと、キミそれはゼイタクだよ。そもそも「在学中は、学業を優先して仕事の数を落とす」という仕事の仕方を、事務所に許してもらえたこともラッキーだし、世間には、べつだん大学に入ったわけでもなくて、いつも仕事が出来る状態にあったにもかかわらず、あなた以下のペースでしか仕事の入ってこない女優もいるんだよ。それもあなたがかつて一緒に仕事をして、その女優としての実力が優れていることも、あなただったらよくご存じの人とかね。だからちょっと、そういう人たちの気持ちも考えなさいね。



まあしかし、そんなことを言ってもしかたがないけどね。ともかく、そういう仕事ペースだったので、学生時代はさして収入もなかったという話だ。


  


 夏休みとか冬休みとか、そういうお休みに撮ることのできる映画に出る、っていう感じだったので、貧乏なんですよね普通に。だからそれも辛かったですよね。うーん、どうしよう(言っちゃおうか)……私服を紹介する雑誌とかあると、うーん、結局まあ、親に頼ってましたけど。「私服を、雑誌で見せなくちゃいけないんだけど、いつも同じ服を着ていくわけにはいかないから、ちょっと、出世払いでいいかしら」って言って……。


駆け出しの頃は、結局いろいろ物入りで、ギャラより必要経費のほうがかかって、どうしても親に頼ってしまう。そういうことは女優やタレントさんには珍しくないのでないかな。ただそれをここまで「仕事で女優やっているのに、親がかりは恥ずかしい」と考えているところは、北川景子らしい感性である。
しかしこれもね。貧乏って言ってもね。たとえば、今年三十路を迎えるグラビアアイドルの尾崎ナナさんなんか、レストランの厨房でハードに働いて、常に移動は自転車で、コンビニで雑誌を買おうと思ったらお金が足りなくて、レジのところで「やっぱり止めます」って言っていたら、グラビアアイドル仲間にばったり会ってとっさに隠したり、大変そうだったぞ。ことば通り裸一貫だ。いやビキニ一枚か。いや尾崎ナナさんの場合はかつて裸一貫に(以下自粛)。



小松彩夏はダントツのトップで当選確実なので、悪いけど私、尾崎ナナさんに一票入れようかな(何をやっているんだか)。



イヤそれは『グラビアアイドル裏物語』の話でしたね。今回は北川さんのドキュメンタリーだ。すみません。
さて、今回は「行きつけのお店でキムチラーメンとチャーハンとギョーザをがっつりいただく北川さん」というところまで進めて終わりたかったけど、もうだいぶ、いつもの更新時間を過ぎてしまったのでこれで終わり。
このレビューは前篇・中篇・後篇の三部構成ぐらいでいきたいと思います。じゃまた。