輪廻転生(施工の楽しみ〜お施主さまの栗山にて)

昨日、大阪にしては珍しく車や道路に雪が積もったなか、愛知県の現場に搬入に行ってきました。


道中、かなりの覚悟で出かけたのですが、大阪市内を出れば雪の「ユ」の字もなくて驚き!それはそれで安全のためにはありがたいことにだったのですが。笑笑

前回、下見にお伺いした時には『ちょうど栗ができる頃の施工かな?』と楽しみにしていたところ、現場の都合で大幅に遅れると連絡が。
と同時に大量の栗を送ってきてくださいました(それらはすぐに甘露煮となりお正月の祝膳に)♪

施工の間じゅう、お施主さまは一段と小高くなった裏の栗山で何やら作業を。今の間に栗の木の剪定や何やかやと雑事をこなされるそうです。

例えばこの木。


普通に枝が伸びているように思うのだが、栗の木の間に栗が落ち込み、そのまま実生の枝になったとかで、これで2年は経っているはずと。

このまま置いておけば確実にこの枝は栄養不足で枯れてしまうのだそうで、このコの救済処置を施し新たに植えなおしするそうな。

それぞれの木の根元には剪定を終えた枝が置かれている。


これらをひとまとめにして小さく切り、搬入させて頂いている新居の薪ストーブに使うのだと顔をほころばせていらっしゃいます♪

所々にまるでオブジェのように置かれているのはもう一生を終え、朽ち果てた木々の塊。

既に生涯を終えた木々たちは、わざわざ掘り起こさなくとも、そのうち自分で朽ち果てて大地から離れ横たわるという。

今後も栗を送っていただけるように交渉して(笑)おいとまをしたけれど、これから送られてくる栗を見るたび、私は、この朽ち果てた木々たちのことを思い出すに違いない。

嬉し懐かし来訪者

「お水ですか?」

いったい私はどんな顔をしたのだろうか、その私の疑問を打ち消すように

「そうなんです、お水はご存知の通りいろいろと言われていて・・・」
話すのを躊躇うような素振りをされたので、私は慌てて続けるようにお願いをした。

確かに水はクセものである。
浄水器にはじまり、整水器、生成器といろいろあり、電解水、軟水、イオン水、水素水、新しいところではCMで油性マジックが消えて驚いたマイクロバブルシャワーなどなど。
おしなべてかなり高価なもので平均2〜30万円。私の知っている(お施主さま)限りで3〜500万円というものも経験した。

それぞれその使用感は各自様々。ある種の信じるものは救われる〈お水教祖的〉とは言いすぎか?(笑)

私はというと、創生水(生成機は買えないのでお水だけボトルで購入)を試したり、24時間風呂を使用しているので、いろいろ考えて風呂場に家庭用軟水器を備えている。本当は水道の元に付けたいのだけれど、マンションなのでそうはいかないらしい。マンション用に開発されるのを心待ちにして20年(笑)

24時間風呂のメンテナンス時には来られた係の方々が口を揃えて
「お風呂が綺麗ですね!」と驚かれる。
軟水が風呂桶を汚さないというか綺麗にする?
何年かして24時間風呂が軟水生成を標準装備し、それはいいのだけれど、何かの調子に塩分が風呂桶に入り込み、ありえないことに硬質琺瑯の湯船が錆び出した。まだ穴が開くほどではないけれど、時間の問題だと覚悟している。
話が逸れてしまった!元に戻そう。

ことほど左様に水に関する問題は大きく多岐にわたる。記憶に残るニュースでは


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弾けた「水素水バブル」、日本トリムの言い分 国民生活センターの報道発表が大打撃
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などがあり、なぜに問題なのかがわかっていただける実例の一つ。

要は自己責任で納得したものを使えばいいのでは?と、無責任な回答となるのだが・・・。

次に、ここでは興味のある事柄が載っている。お水(このHPでは「ドクター水素水」)がいいらしいのでそれもお時間があるときにお読みいただければ・・・。
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猛母参戦!!: 体内の化学物質を排除するには、どうしたら良いの?!
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化学物質過敏症 私の方法
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ところで、Kさまの仰ったお水とは「ナノバブル水素水」
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ナノバブル水素水生成器「AQUA CLOVER」(アクアクローバー)
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K一家の大変さを知っている私は、単に「お水ね」と見過ごすことはできなくて、しばらくはじっくりと調べてみようと思った。

尽きないお話をさせていただいていたのだが、お行儀の悪い私の腹時計が鳴って(笑)また、お会いする約束をし、白いプリーツスカートが風に翻る後ろ姿が小さくなるまでお見送りした。 (完)

なお、化学物質過敏症のことをもっと知りたい方はこちらをどうぞ。
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化学物質過敏症支援センター〜リンク〜
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嬉し懐かし来訪者

嬉しいお客さま②

大阪に行くことがあるのでルプに立ち寄りたいとの連絡があり、その日は朝からシャワー(石鹸は無添加)をして自然素材の服で身を纏い、事務所の埃など拭き掃除をしてお待ちしていた。ユーザーさまご自身とお子さまお二人が化学物質過敏症でご苦労されていたので万全の体制で臨む。

数年前にお子さんの学校の都合で大阪に住まわれ、その間にもルプへ遊びに来てくださっていた。京都のNさんも一緒にお食事を約束していたのだが、私の都合でその約束も叶わず、すでに新潟へと戻られていたのだった。

国土交通省による改正建築基準法の実施により、ホルムアルデヒドやシロアリ駆除薬など13物質が制限されたことで、家の中で頭が痛いという話は聞かなくなった。
まるで「化学物質過敏症」は無くなったかのように、ルプの「スタット製作」へのお問い合わせは皆無と言っていいほどになり、社内では過敏症対応型キッチンの存在をどう扱うかの会議も開かれていた。

本当に化学物質過敏症は無くなったのか?それともどこかの影に潜んで深く深く進行しているのではないか?

私の中でのこの疑問は、福島あの原発事故にも似通っている。
本当に健康被害は出ていないのか?それともどこかで隠されているのではないか?

どちらも当事者ではないので、ネット情報を集めて心配するだけにとどまっているが。

尤も5月に高速道路を走っていた時に窓を全開していてもあのイヤな臭いがなくなっていることに驚いたごとく、確かに環境はよくなっているのだろう。ただ、その影で未だに苦しんでいる方はおられるはず。

Kさんは、それにも明快に
「変わっていますね、今はCS窓口は、呼吸器過敏症とかアレルギー内科、若しくは心療内科に」と。

そして、私の質問、結局は何が良かったのか?という答えには
「お水でした」と。


                 ・・・つづく

嬉し懐かし来訪者

「こうして大阪に来れるところがあって嬉しいのです」

爽やかな笑顔で彼女は言った。
普通ならお愛想とも思える言葉だけれど、彼女と私の間ではこの言葉はズシン!とくるのである。
走馬灯のように思い出されるあれやこれやにどこから話せばいいのかもどかしく!(笑)

「もう大丈夫ですか?」
お顔をうかがいながら恐る恐る聞き出す私を楽しんでいるかのように
「私、タバコを吸っていらっしゃる居酒屋さんでもアルコールをいただけるようになったんですよ!」
「大阪にいるときは派遣でデパートなどの仕事もしていたのですよ!」
つぎつぎ発せられる言葉に驚きの連続である。

Le purをはじめた2000年ごろ、化学物質過敏症は社会的問題になりつつあった。
シックハウス、シックスクールなどの活字が新聞紙面を賑わすこともあり、そんななか Le pur(ルプ)のキッチンが生まれた。

彼女からのお電話でキッチン製作のお話をいただいたのが 2004年、もう13年前の話になる。
「チルチンびと」で接着剤を使わず溶接と組立てだけで作る過敏症対応型キッチンをご覧になり、これだ!と思いご連絡くださったとか。

キッチン製作にあたり、化学物質過敏症のお客さまとのヒアリングはルプの宝となった。特にこの彼女の症状は酷く、家を建てるのにその土地の土から入れ替えるほどの重症だった。住宅地を縦横する下水からも反応が出て家を一歩も出られないこともあったという。

当然、工事の職人さんたちの意識も問われる。
大工さんの良かれと思って変えた材料も彼女にとっては迷惑以外の何者でもなく、たとえ彼女が発注した材料であっても症状が進行するので、どんどんダメになっていくという悲惨なことも目の当たりにした。もっと言えば、私の今までの生活や価値観をガラリと変えてしまうほどの案件でもあった。

この話をするときに外せないのが京都のNさま。私は新潟のKさまとの間をとりもった。同じ症状のお二人ならきっといい方向に導きあわれるのでは?と。案の定、意気投合されたお二人は次第に行き来されることとなり、今でも家族単位でのお付き合いが続いておられるとか。

しかも!お二人とも過敏症の症状がほとんど良くなっておられる。完治しないと思われていた化学物質過敏症もその症状との付き合い方では軽減するという例を目の前で実践されたお二人。
私の経験で、化学物質過敏症の症状がよくなる傾向がみられる二つの条件はみつけた。新潟のKさまも京都のNさまもその二つは完備されている。

〇ご主人が一緒になって理解を示してくださること。
〇ご本人の前向きなポジティブな性格、それなくしては決して良くはならない。

ただ、この条件だけで良くなればこの病気が発症することはない、あくまで必ず良くなる傾向にあるということ。

「そこまで改善されたのには、結局、何が良かったとお思いですか?」
難しい質問をぶつけてみた。

すると彼女の口から意外な答えが飛び出した。             


                         ・・・つづく

印刷カタログ初挑戦!

2000年にLe purをはじめてカタログはプリンターで印刷する自社制作に決めていました。何故って、無駄な紙を排出したくなかったことが一番のワケ。まだ商品も固まらずみなさんにお届けするカタログの内容も転々と変わり右往左往する日々でしたから。

その結果、写真のクオリティーも悪くショールームで実物を見られた方は必ずと言っていいほど、現物のイメージがカタログではわからない(自社のプリンターでは限界がありました)とのご指摘をいただいていました。


そこで、やっと重い腰をあげ去年から今年にかけてキッチンの撮影を実行。

材料をそろえ、Webで公開されている<印刷通販>で探して作り、本日、発送されて手元に届きました。
はじめてで、ちょっと心配していましたが、クオリティーが高くて満足しています。

今後は、私のデザイン力に磨きをかけなくっちゃ!というところです(笑)

町家再生住宅の魅力

心地よいカジュアルなジャズに迎え入れられた。
ここは、今年2月に納品させていただいた町家再生住宅。

搬入して帰ってきた施工班が口を揃えて褒めた家だったので楽しみにしていたが、その期待に違わずいい気が流れているのを感じる。

お施主さまの拘りや趣味の良さを部屋のあちこちに

元の主が持て余し解体の危機に陥ったものを縁あってお施主さまが買い取られたという。
よくある話だけどこうして命が繋がることは珍しい。たいがいは見るも無惨な姿になりその後解体撤去。この辺りにも勿体無いほどのものがまだいくつか残っていたけどそれも時間の問題かも。

ご挨拶もそこそこに上り込むとうわぁ!私たちの眼はキラキラと光りだした。なんと、お施主さまは木が大好きで、各部屋のあちこちにはかなりのコレクションが置かれ、あまりの興奮にその荷を解かれて見せてくださる場面も。

キッチンの写真を撮るのも忘れて魅力的な家の隅々を撮影するワタシ・・・(笑)


にしても、玄関の沓脱石の代わりにじゅうぶんテーブルになる大きな栗が敷かれていたには驚いた!
勿体なくて足をのせることがはばかれた。

キッチンの写真は Le pur<ルプ>キッチンのいろいろ で紹介させていただきます。

キッチン屋冥利に尽きる一瞬、懐かしいキッチンとの対面②

前回に書かせていただいた2009年10月搬入の Le pur No.303 キッチン訪問のすぐあとに、同じ2009年3月搬入 Le pur No.286 キッチンへお伺いする機会を得、人間で言えば眉目秀麗ともいえるその住宅は、6年経ってより魅力的に表れました。

ここは、茅葺職人塩澤さんご自身で茅を葺かれた新築のこだわり茅葺住宅。茅葺のイメージを払拭した現代でも充分に対応できるように工夫されたオシャレな住宅です。

住まいは別に神戸でお暮らしで、しかも途中、長期入院をされていたとかで気になっていたお施主さま。ご縁があって、ダーチャプロジェクト高草氏とNPO法人新月の木国際協会理事岩越氏お二人とご一緒に塩澤さんのお宅訪問。

6年後にお伺いしたのですが、一部のステンレスがもらい錆状態でイノウエと私は慌てて懸命に磨き、なんとか大丈夫かな?と思われるくらいに復旧はさせましたが、もらい錆は深く進行するので、ときたまお伺いして磨かせていただこうと決心したのでした。

磨き終ったキッチンをみて塩澤さんはもちろんのこと、同行した岩越氏や高草氏にも驚いていただきました。ステンレスは磨くと新品になります。ルプのキッチンにしてよかったと言っていただけることに誇りを感じます。