中居&草なぎのオンチによるオンチ批評
現在『24時間テレビ』が放送されているさなか、また『27時間テレビ』に関するエントリーになってしまいますが、今更。
名場面が続出した『27時間テレビ』。前半だけでもvsとんねるずや明石家さんまの凄さを改めて見せつけた「ホンマでっか」から「今夜も眠れない」、そしてビートたけしの火薬田ドン。さらにハケ水車復活での今田&中山秀征の珠玉のトーク*1……、と挙げればキリがありません。で、後半、あのエンディング*2まで怒涛のように名場面が続くわけですが、中でも印象的だったのが、早朝に放送されていた「FNS歌へた自慢」です。
このコーナーはFNS各局の歌が下手な社員を一堂に会し、NHK「のど自慢」のパロディで日本一オンチな局を決めるというコーナーですが、そこで審査員として登場した「理事長」こと草なぎ剛と、中居正広がイキイキと抜群のコメントを連発していました。早朝の放送だったため見ていた人が少なかったのがもったいない!
そんなわけで二人の名(迷)コメントをまとめてみました。同じオンチ(?)だからこそ分かる秀逸な批評の数々。あえて歌声がどんなものだったかは説明しないので、彼らのコメントで想像してみてください。
・フジテレビ/夏色(ゆず)
中 居: 音を置きにいっちゃってるね。言葉を置きにいっちゃてるから、(音程が)行方不明になっちゃうんですよ。まだ自覚症状がないタイプですよね。張っちゃってるから。張っちゃうとどっかいっちゃうのよ。ウィスパーにすればちょっと抑えられるから。
草なぎ: むしろね、放て! 置きに行くより放つほうがいいんですよ。彼の場合、1音節もあってないから、基本メンタルの問題かな。
中 居: もうちょっと声を曇らせたらなんとかなる。やっぱりね、いっちゃってるんだよね。気持ちよくなりたいタイプだから。もうちょっと濁らすっていうか、曇らすと何とかなる。全然大丈夫。オレも昔経験したから。感情を抑えて協調性を持てば全然治る。
草なぎ: そうですね、中居さんの言うとおり曇らせて楽曲にもうちょっと巻き入れるんですよ。音に隠れるんですよ、自分を。
中 居: 歴史を感じたね。マイクを動かすっていうのはすごくいいです。なんとかなりますから、これで。
草なぎ: 典型的なひっちゃかめっちゃかパターンですね。
中 居: 半音ズラすってすごい難しいこと。これ一番高度でホントにメジャークラスですよ。ちょっとはずすってすごく難しいから。
草なぎ: 表現力がもう少しあるとイイですよねえ。もうちょっと大人っぽくやってほしかったですね。あとだから2年練習してほしいですね。
中 居: 見せる踊りにしたっていうのは、「$10」の時の僕の感じですね。あの時を思い出しますね。切り替えたんだね、見せることに。
中 居: 質の悪い悪ふざけ。悪ふざけしちゃいけない。歌ってやっぱり気持ち込めて歌わないといけないから。どんなことがあっても、悪ふざけは、ちょっとね。
草なぎ: そうですね、正直みなさんが笑わない空気作ってたんですけど、心の奥の方からちょっとクスクスって。
中 居: これは難しいね、でもたぶん(声を)張っていれば自信のあるいい歌が聴けるんじゃないかって思うんですけど。
岡 村: 中居さんは口パク得意ですもんね?
中 居: 得意か得意じゃないかって言えば、得意ですよ。(口パク歴が)長いですから。もうちょっとね、もうちょっと(口を)開いて、歌わないコツがあるんですよね。それを取得すると一流になります。マイクで隠すとか、回っちゃうとか。
草なぎ: いや、今のよかったと思いますよ。一人口パクはなかなか勇気がないとできないですから。
中 居: 練習して上手くなる。羨ましいです。
草なぎ: 「島唄」の「うー♪」とか僕できないから。
・AKB好きアナウンサー3人/AKBメドレー
中 居: 歌って初めて分かると思うけど、「歌って踊る」ってやっぱり不可能なんだよ。
岡 村: SMAPさんは歌って踊るわけじゃないですか?
中 居: キャラで出来る人とできない人がいるんだよね。基本的には「歌って踊る」っていうのは生バンドでは無理です!
岡 村: 中居さんはSMAPではどちらに重きを?
中 居: 僕は見せるほうです。
草なぎ: そうですね。歌って踊るっていうのはどこかで無理が生じますから。そこをどうカバーするかっていう。
中 居: 複数の強みですよね、それができるのが。独立は無理ですね。
草なぎ: ソロ活動はやめたほうがいい。
岡 村: やっぱりやってはるから分かるんでしょうね。
中 居: 20年ですから。20周年ですから!
岡 村: 20年間、なんと口パクっていうね。
中 居: もし一人でやるんだったら、香取くんみたいにアニメとかキャラだったら成立しますよ。
岡 村: やっぱり踊りか歌、どっちかにしないと?
中 居: どっちかにしないと無理、無理。
中 居: 口パクを薦めますね。
草なぎ: これはですね、いわゆる棒読みパターンですよね。もうちょっと思い切ってなんか変な音を出してみようっていう気持ちも大事なんですよ。
加藤浩次: あの二人はどうなんですか? 前半戦からああいう形で評論してますけど、音痴が音痴を批評してるってことでよろしいんですか?
草なぎ: 違います、違います。僕らは20年間凄いところで戦ってきてますから。だって5万人の前で歌ってますからね。
中 居: 5万人の前で歌いました。紅白の大トリもしたことがあります。もう怖いものなにもないです!
加 藤: やっぱグループの中の音痴側ってことですよね?
草なぎ: 違います!色々役割があるんですよ。
岡 村: コンサートのお二人の役割は?
中 居: 間奏になるとしゃべりますから。元気になるよね?
草なぎ: 「イエーイ!」とかね。
中 居: 押し引きがあってフラットになるから。
中 居: やっぱり聞こえちゃってるんですよね、「いとしのエリー」がこういうもんだと思っちゃってる。だから出してる音は自分で間違ってるとは思ってない。自覚症状がない一番質の悪い(音痴)。でもね、これ一流になれますよ。これ、メジャーリーガーですね。
中 居: 置きに行って、この歌唱はまずいですね。かなり音を置きに行って、声も置いて行ってるんですよ。置いて行ってるってことは絶対にブレないはずなんですけども、にも関わらずこのブレはかなりの重症だと思います。僕も経験しました。
草なぎ: これは深いですね、やっぱり。親子愛も感じられますし、泣きのブレスになんとか合わせてる姿が、その呼吸のブレスがスゴかったですね。
岡 村: 「呼吸のブレス」っていうのが、専門用語であるんですか?
草なぎ: あるんですよ。やぱり泣いてしまうと呼吸って乱れるじゃないですか。だけどそこに一音ずつなんとか持って行こう、っていう。
中 居: 初めてですね、一個も音程があってなかった! ひとっつもあってないんですよ! びっくりしました。ひとつぐらい合って、次の音ではずれたり、シャープにしたりフラットにしたりっていうのはあるんですけど、一個も合ってない!
加 藤: あの人、音程分かるんですか?
中 居: 分かりますよ。5万人の前で歌ってるもん、なあ?
草なぎ: これは素晴らしいです。歌ヘタも行き過ぎると替歌になっちゃうんです。もう新しいメロディーを生み出してました。素晴らしいですよ!
中 居: 天才かもしれない、ホントに。曲作ったんだもん、今。
中 居: この感じで「気持ちい」って言える勇気。僕は素晴らしいと思います。間違いなく僕ラインの方ですから。ただね、初めてですけど、原曲がわからなくなりましたね。彼のインパクトが強くて。どんな歌だっけな?って。
草なぎ: あのまだ迷ってる時期だと思うんで。それを抜けるとまた変わってくると思いますね。横ノリは良かったんですけど、そこに緊張が出てましたね。
岡 村: 横ノリに緊張が見えた、と。どういうことですか?
中 居: ありますよ。(ノリが)縦になってくると、ホッとしてる時ですね。
加 藤: そういう時はどうほぐせばいいんですか?
草なぎ: やっぱ、手首じゃないですか。手首回せば。
中 居: 手首を柔らかくすることで音程がブレないというね。
中 居: (歌が上手いんだから)来ちゃダメな人ですよ。ジーンとしちゃったもん。ジーンとさせちゃダメ。笑顔だから。笑えないもん。そのまんまの「涙そうそう」だから。羨ましいよ、尊敬するよ。
草なぎ: いや、なんかステキな空とか海とかが見えてきちゃって。まさかここでそんな景色が思い浮かぶとは思わなかったから。びっくりですよ。
中 居: 上手すぎるよ、強弱もしっかりしてるし。なんで来られたんですか?
草なぎ: 安定感ありますね。お腹の下から出てるから。
岡 村: お腹の下?
中 居: お腹の底ね。
・総括
中 居: やっぱりレベルの高い戦いを拝見させていただきました。素人ながらメジャーに行ける逸材はいましたね。僕くらいのクラスの人間がいたということですよ。
草なぎ: それぞれの方の人生も現れてましたし、今まで色々頑張ってきたんだなーっていう。まあ、あとそれぞれ研究してもらってなんか今の自分から脱皮して行ってもらいたいですね。
岡 村: 草なぎさん、何をおっしゃってるんですか?
最後にこれも屈指の名場面と言ってもいいと思う東海テレビの警備員川村さんによるなぜか聴く人を号泣に導く8分30秒フルコーラスの『トイレの神様』の動画を貼っておきます。フルコーラス聴いてこその名シーンです。
<関連>
・中居正広の視点