太陽嵐「ソーラーストーム」

http://gigazine.net/news/20100608_solar_storms/




2013年5月に新たな人類の危機、巨大な太陽フレアによる「ソーラーストーム」が地球に到達する可能性



NASAによると、今までもありうるのではないか?として危惧されていた大規模な「太陽嵐(ソーラーストーム)」が地表に到達する可能性について、2013年5月頃に発生するかもしれないとして、人類の文明が太陽嵐によって破壊されるのを防ぐため、ワシントンで6月8日から開かれるナショナルプレスクラブの「宇宙天候企業フォーラム(Space Weather Enterprise Forum)」にて会合を持つことになりました。この会合によって、社会の重要なインフラを保護するための方法が検討されることになります。

詳細は以下から。




The Newest Threat to All Human Life on Earth: Solar Storms

As the Sun Awakens, NASA Keeps a Wary Eye on Space Weather - NASA Science

前回大規模な太陽嵐が発生したのは1859年。この際には巨大な太陽フレアによって口火を切られた磁気嵐が地球に押し寄せ、電線がショートして家が火事になるなどの被害が発生、さらに赤や緑に光り輝くオーロラがハワイでも観測され、その光で新聞を読むことができたほどだったそうです。

以下の写真は2003年10月22日にウィスコンシン上に現われたもので、これと同じようなものがハワイで観測された、ということです。

この「太陽嵐」について研究し、「宇宙の天候」とも言うべきものをモニターして予測するという研究分野は比較的新しいもので、科学者たちは次の数年にわたって太陽風の著しい増加を予測しています。NASAの科学者であるリチャード・フィッシャー氏は「太陽は深い眠りから目覚め、次の数年ではるかに高いレベルの太陽活動に遭遇するでしょう」としています。

この太陽嵐は電子機器、例えば携帯電話やパソコン、ネットが好きな人にとってはまさに必殺の一撃となるもので、特に人工衛星に関するサービス、例えばGPS・携帯電話・クレジットカード決済(人工衛星を実は使っているらしい)などは荷電粒子の大きな波によって無効になる場合があるか破壊される場合があります。


NPRによって報告される最悪のシミュレーションによると、特に厳しい太陽風の場合、大多数の民間通信衛星を破壊し、変圧器の故障によって何百万もの人々が電力のない停電状態に置かれることになります。

NASA制作のこのムービーを見ると、大体どのようなことになるのかがわかります。(WMV形式、35.2MB)


2010年4月19日に観測された最も大規模な爆発のうちのひとつはこんな感じです。この規模でもまだ影響はありませんでした。(MOV形式、25.1MB)


ちなみにこの太陽嵐については2年前に米国科学アカデミーが「厳しい宇宙気象」というタイトルを付けた画期的な報告書の中でその社会的および経済的影響について述べており、スマートグリッドGPSの操縦、飛行機旅行、金融サービスおよび緊急無線通信はすべて、極度の太陽活動によって影響を被るとされています。ハリケーンカトリーナより経済的な損害は大きく、これらを防ぐためには、例えば人工衛星であれば「セーフ・モード」にして変圧器を分離することによって電気的な急上昇による破損から保護することができるそうです。

なお、この「宇宙天気予報」についてはまだはっきりとした予報技術が確立されていなかったのですが、日本の京都大学宇宙天気予報の基礎となる太陽嵐の最新モデリングに成功しています。

宇宙天気予報の基礎となる太陽嵐の最新モデリングに成功 京都大学
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2009/100315_1.htm


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2010年06月08日 23時00分20秒 in サイエンス, ムービー Posted by darkhorse

サイクル24

http://119110.seesaa.net/article/131299925.html


人類と太陽(サイクル24の活動期を迎えて)


太陽フレアのこと

太陽は、今年の7月に第24活動周期(サイクル24)に入ったと思われていたのですが、サイクル24の活動が始まった後も長いこと黒点のない状態が続いていました。1645年から1715年にかけて続いた、異常に太陽黒点数のない時代である、マウンダー極小期のような特別な時期を別にすれば、最近では本当に長い無黒点時代でした。

たまに小さな黒点が現れてもすぐに消えてしまうし、フレアと呼ばれる太陽面で発生する爆発のような現象も弱いままでした。

しかし、やっと本格的に太陽活動が始まったような感じを受けます。

宇宙天気情報センターによると、10月26日にも、小さなフレアが出ていて、1029と番号をつけられた黒点も成長を続けているようなので、近いうちにもフレアの活動も大きくなっていくかもしれません。

ちなみに、太陽フレアは「A・B・C・M・X」の順にクラスわけされています。Aが一番小さくて、Xが最大級のフレアとなるようですが、現在はCクラスの中規模のフレアまでが観測されています。

このフレアというのが地球にどんな影響を与えるかというと、専門的なことは私にはわからないですが、ごく簡単にいうと、地球の磁気や電波などに影響を与えます。これが極端に大きくなった巨大フレア(CMEと呼ばれるものです)が、もし地球に到達した場合は、インフラや精密電気機器などに相当な影響を与えることになると思われます。



▲ 2003年11月に観測されたフレア。右側に見える明るい部分がそうです。規模は「Xクラス」で、もし地球に向けて放射されていたら、想像を絶する事態になっていたと言われています。


以前、クレアなひとときに書いたことの繰り返しとなりますが、最近では、1989年に発生した太陽フレアが地球を直撃して、カナダからアメリカ西海岸までの広大な電力網を破壊しました。復興にカナダでは数ヶ月かかっています。この時のニュースなどの詳細はWired Visionの2000年4月10日の記事にあります。

ただ、この時にはインターネット以前の時代で、特に個人は今ほど生活上の様々をインターネットに依存していなかったので、影響は限定的だったとは言えます。

2003年には観測史上最大の太陽フレアが発生しています。幸いにも、このフレアは地球に向かわなかったので、今、私たちはいます。このフレアが地球を直撃していたら、今のIT社会の繁栄はなかったか、少し遅れていたかもしれないと言われているほどです。

そして、現在のサイクル24の最大の太陽活動期には、これを上回るフレアが起こるとされています。

米国の NASA はすでにこの場合の被害想定を試算していて、1989年や2003年の時と同等のフレアの地球への直撃が米国で2012年に起きた場合の想定では、

> 米国での被害額は「最初の1年間で100兆〜200兆円」にのぼり、「完全復旧には4年〜10年」を要すると予測している


とのことで、他の自然災害とは比較にならない甚大な被害を想定しているようです。

この仕組みについてはナショナルジオグラフィックがわかりやすくまとめたビデオがあります。







サイクル24の太陽活動が最大になるのは、現在のところ、2012年から2013年くらいの間だと見られていますが、太陽活動は基本的に11年前後の周期で、今年2009年にスタートしていますので、個人的には2015年前後が最大の活動期になるのではないかと感じています。ただ、過去の黒点のグラフを見ていますと、上昇する時は数ヶ月で一気に上昇しますので、よく言われているような2012年頃に太陽活動が最大になる可能性もあるのかもしれません。


個人的な予測ではもし巨大なフレアの地球への直撃があった時には、地球には上にあるような「復旧に100兆〜200兆円もかかる」ようなことのできる経済エネルギーはないはずですので、文明そのものがある程度脅かされるのは仕方ないとは思いますが、しかし、それが悪いことはどうかは人それぞれです。

私はそろそろ「人間に一休みしてもらう」のも地球にとってはいいのではないかと思ったりいたします。人間は少し地球から搾取し過ぎたような気がします。

まあ、そういう個人的感想はともかく、仮に太陽活動が活発化していった時には、上に書いたようなことが起きる確率は高いと思われます。



太陽活動と人の心の関係

また、これは全然関係ないのですが、ロシアで様々なサイクル(周期)を研究している機関が、第一次世界大戦の後に発表した論文が、こちらにあります。

まずはこのグラフをご覧下さい。



黒点活動の観測が始まった1749年から1922年までのグラフです。
上の細い線と下の太い線との相関関係を示すグラフです。

何の相関関係のグラフかというと、

・下の太い線のほうが太陽の黒点

・上の細い線のほうは世界で起きた軍事と政治暴動の数

なのだそうです。

これを見た時にはさすがに驚きました。
私は様々な相関グラフを見ましたが、関係のないふたつの事柄が数百年単位でここまでリンクするものを見たことがありません。

つまり、このグラフが語るところはハッキリしていて、「太陽黒点数が増えると、戦争や社会動乱が増える」ということです。この1年、起きても不思議ではなかった新規の戦争があまり起きなかった原因も、この1年、黒点0の時が続いたということと合わせて考えてみると、何となく納得できるような気がしました。

ついでに、こちらは以前、私が調べたもので、こちらの記事にありますが、太陽周期活動のピークに起きた歴代の事件です。

第5太陽活動周期(1790年前後がピーク) フランス革命(1789年)
第6太陽活動周期(1805年前後がピーク) 神聖ローマ帝国の解体(1806年)
第7太陽活動周期(1815年前後がピーク) ウィーン体制の開始(1815年)
第8太陽活動周期(1830年前後がピーク) フランス7月革命(1830年
第9太陽活動周期(1838年前後がピーク) アヘン戦争(1840年)
第10太陽活動周期(1850年前後がピーク) 太平天国の乱(1851年)
第11太陽活動周期(1860年前後がピーク) アメリ南北戦争1861年
第12太陽活動周期(1870年前後がピーク) 独仏戦争(1870年)
第13太陽活動周期(1885年前後がピーク) 甲申政変(1884年
第14太陽活動周期(1895年前後がピーク) 日清戦争(1895年)
第15太陽活動周期(1918年前後がピーク) ロシア革命(1917年)
第16太陽活動周期(1930年前後がピーク) 大恐慌スタート(1929年)
第17太陽活動周期(1940年前後がピーク) 第二次世界大戦勃発(1939年)
第18太陽活動周期(1948年前後がピーク) 第1次中東戦争(1948年)
第19太陽活動周期(1958年前後がピーク) チベット動乱(1959年が頂点)
第20太陽活動周期(1970年前後がピーク) ブレトン・ウッズ体制の終了(1971年)
第21太陽活動周期(1980年前後がピーク) イラン革命(1979年)
第22太陽活動周期(1990年前後がピーク) ソ連崩壊(1991年)
第23太陽活動周期(2000年前後がピーク) アメリ同時多発テロ(2001年)
第24太陽活動周期(2013年前後がピーク) 


太陽活動のピークに起きた事件というのは、近代世界を作ってきたような大事件ばかりだということがわかります。巨大な事件でカウントされていないのは、第一次大戦くらいではないですかね。偶然と考えられないこともないでしょうが、上の相関グラフと合わせて考えると、人類の活動というのは太陽と見事にリンクしてきたのだということがわかるような気もします。

黒点活動が記録されていない1749年以前もそうだったのではないでしょうか。
太陽の何に動かされているのかはわからないですが、人は確かに太陽からの影響を受けてながら、ここまで来たようです。

今から数年後にまた私たちは太陽活動周期ピークを迎えるわけですが、今度はどんなことが起きるのでしょうね。地球にとっても人類にとってもいいことだといいのですが。

プロジェクト・ノア


http://geocities.yahoo.co.jp/gl/itoyoniro/comment/20100308/1268041020


人類移住計画 「プロジェクト・ノア」
古代マヤ暦の示す「人類滅亡の日」とされる2012年は、太陽活動の11年周期、すなわち“極大期=サイクル24”と見事にリンクする。しかも、今度は「史上最大のサイクル」だとNASAの科学者が指摘している。そればかりか、このとき太陽が暴走し、強烈な磁気嵐が地球を見舞う可能性もあると警告しているのだ。 いったいどのような災厄が地球を襲うのかは、予測もつかないという。  最近では、小天体のニアミス事件も目立ちはじめている。磁気嵐ばかりでなく、小惑星などの激突も場合によっては大惨事の引き金となる。 すでに、NASA小惑星エロスに観測装置を置いて、地球に接近してくるこれらを警戒しているのだ。  こんな噂がある。 実は、歴代のアメリカ大統領は、以前から古代マヤ予言を気にかけ、特別チームを編成して調査にあたらせていたといわれている。それを主導しているのが、“ 裏NASA ”だという。 裏NASA ?そう、もうひとつのNASA。つまり、“NASA−2”が存在するというのだ。NASAに精通する科学ジャーナリストリチャード・ホーグランドは、カリフォルニア州パサディナにあるJPL(ジェット推進研究所)とは別に、もうひとつのコントロールセンターの存在を暴露している。その場所は、テキサス州ダラスだという。JPLとは別に、極秘ミッションに関してのコントロールが、ここダラスで行われているという。そして、噂では、アメリカ政府が“ 裏NASA ”を使って進行しようとしている極秘計画がある。 その名は、「プロジェクト・ノア」。  大激変によって生命の存在に適さなくなった地球を見捨て、巨大な宇宙船を駆って他の星に移住しようというものだ。 その候補の星とは、生命の存在が濃厚だといわれている火星、そして木星の衛星エウロパ土星の衛星タイタンだという。 NASA−2による宇宙開発の隠れた目的こそ、地球脱出のための移住先探しである。もちろん、人類をすべて移住させることなど不可能だ。そこで米政府は、すでに他の惑星に移住させる「エリート」の人選を極秘に進めており、その選定も完了しているという噂もある。そして、地球脱出のとき、エリートたちが集結する場所まですでに用意されているというのだ。 ペンシルベニア州メリーランド州境のレーブンロック丘陵地帯にある「サイトR」と呼ばれる地下施設がそれだ。  内部の詳細は、最高機密になっているが、漏れ伝わる情報では、核爆弾でもビクともしない頑強な防災都市と化しているという。大気が汚染されても、通信網やエネルギー網が遮断されても、ここだけは長期に渡り暮らしていける別世界となるべくシステムが完備されているという。  つまり、地球が大激変に見舞われたとき、唯一、「完全防災都市」として機能する役目を果たすのである。 いざ旅立ちの暁まで、エリートたちは、ここで満を持すことになるのだ。 一部のエリートだけを乗せて地球を脱出していく“ 方舟=巨大宇宙船 ”。 そんなSFのような光景が‥・・ ・。    話はかわるが、最近、恐竜絶滅の原因がメキシコのユカタン半島に落下激突した巨大な隕石(直径が約10キロ、山手線に匹敵)によるものであると結論づける論文が発表された‥・。                  宇宙のファンタジー⇒  http://www.youtube.com/watch?v=Qve1F1hRNjc                             UFO&宇宙人 日本政府が肯定 1/2⇒ http://www.youtube.com/watch?v=UsBL2raX2dU

サイトR


http://ameblo.jp/gitarcla/entry-10066583495.html

謎の地下軍事施設-サイトR




アメリカ・ペンシルヴアニアとメリーランドの州境捉あるレーブンロック丘陵地帝に「サイトR」と呼ばれる地下施設がある。




ここは'有事の際の緊急避難施設であり'電子制御センターとしてペンタゴンによって建設されたものである。




他の地下施設とを結ぶトンネルも張り巡らされており、この丘陵地帯のすべてが核爆弾でもびくともしない'巨大で頑強な施設と化している。




地上の通信網が遮断されても'大気が汚染ざれても'ここだけは別世界となるシステムが完備されているのだ。




この施設こそが'緊急事態が発生した時に'政府および軍の首脳をはじめとした限られた人間のみが逃げ込むことができる場所なのである。




このサイトRには〟裏″の存在理由があると噂されている。


い-ら超大国アメリカといえど地球の人間すべてを連れてい-ことはできない。




他の惑星への移住が許されている人々-エリートたちはすでに選定されているのだ。




その人間たちが地球脱出までの準備が整うまでの緊急避難所としての存在、それが「サイトR」なのだ。








アメリカ政府主導による極秘計画-「プロジェクト・ノア」。




その存在が明らかになる日は近いかもしれない。




その時へあなたはどこにいるのでしょうか--。

100ミリシーベルト以下は安全だとする説は、ここ数年でほぼ間違いだとされるようになっています。

低線量被ばくの人体への影響について:近藤誠・慶応大 | Science Media Centre of Japan


低線量被ばくの人体への影響について:近藤誠・慶応大
Ver.1.1 (110405-17:12 Updated 110405-23:56)

この記事はジャーナリスト向けのフリーソースです。東日本大震災に際し、一般にも公開しています。

記事の引用・転載(二次使用)は自由ですが、末尾の注意書きもご覧下さい。

※あくまでコメント時の状況に基づいています。ご注意下さい。

近藤誠(こんどう・まこと)
慶応義塾大学医学部放射線科講師
1948年生まれ。東京都出身。慶應義塾大学医学部卒。患者の権利法を作る会、医療事故調査会の世話人をつとめる。

 テレビや新聞で報道されている被ばくに関する専門家のコメントに100ミリシーベルトを基準として「これ以下の被ばくは問題ない」とするものが多々見受けられますが、この表現には問題があるので、指摘します。

「広島、長崎のデータなどから100ミリシーベルト以下では人体への悪影響がないことは分かっています」という記事がありました。

 確かに100ミリシーベルト以下の被ばくでは火傷のような急性症状は出ません。急性症状について言っているなら妥当な表現です。

 しかし、広島、長崎で被爆した人の追跡調査では50ミリシーベルト以下の低線量被ばくでも発がんによる死亡増加を示唆する研究結果があります。[文献1]

 放射線はわずかな線量でも、確率的に健康に影響を与える可能性があります。

 低線量被ばくについては、日本を含む世界15カ国で40万人の原子力施設作業員の調査をしたレポートがありますが、これによると、被ばく量が50ミリシーベルト以下でも発がん率は上昇しています。[文献2]

 また被ばく量が1シーベルト上がるごとに、がんによる相対過剰死亡数が率にして0.97(97 %)増える計算です。相対過剰死亡率の計算は若干難しいので、結果だけ示しますと、死亡統計により国民死亡の30 %ががんによる日本では、10ミリシーベルトを被ばくすれば、がんの死亡率は30.3 %、100ミリシーベルトの被ばくでは33 %になります。

 100ミリシーベルト以下は安全だとする説は、ここ数年でほぼ間違いだとされるようになっています。

 人間は放射線被ばくだけで発がんするわけではありません。

 私は、「発がんバケツ」という考え方をします。それぞれの人が容量に個人差のある発がんバケツを持っています。放射線だけでなく、タバコや農薬など、いろんな発がんの原因があり、それがバケツにだんだんとたまっていき、いっぱいになってあふれると発がんすると考えます。

 ある人のバケツが今どのくらい発がんの原因で満たされていたかで、今回被ばくした量が同じでも、発がんする、しないに違いがでます。ですから、放射線量による発がんの基準値を決めるのは難しいのです。

 たばこを吸う本数による発がんリスクも、吸う本数や年齢、吸ってきた年月により変わり、計算が難しい。ですから、放射線被ばくのリスクと喫煙による発がんのリスクを比較してより安全だということに疑問を感じます。

 同じ記事中に

「100ミリシーベルトを被ばくしても、がんの危険性は0.5 %高くなるだけです。そもそも、日本は世界一のがん大国です。2人に1人が、がんになります。つまり、もともとある50 %の危険性が、100ミリシーベルトの被ばくによって、50.5 %になるということです。たばこを吸う方が、よほど危険と言えます」とあります。

 0.5 %という数字は、国際放射線防護委員会(ICRP)の2007年の勧告中にある、1シーベルトあたりの危険率(5 %)に由来していると思います。つまり1シーベルトで5 %ならば、その10分の1の100ミリシーベルトならば、危険率は0.5%になるというわけです。しかし、この数字は発がんリスク(がんになるリスク)ではなく、がんで死ぬリスクです。ここでは、2人に1人ががんになるというのは発がんの確率ですから、ここに、危険率(がんで死ぬリスク)の0.5 %をプラスしているのは、発がんリスクとがん死亡のリスクを混同していると考えられます。

 リスクを混同している上に、喫煙量も明示せずにたばこの方が危険と言っている。

 メディアの方は、こういう乱暴な議論に気をつけ、科学的な根拠の誤用に気をつけていただきたいと思います。

参考文献
文献1:Brenner DJ, Doll R, Goodhead DT., et al. "Cancer risks attributable to low doses of ionizing radiation: assessing what we really know." Proc Natl Acad Sci U S A. (2003) Nov 25;100(24):13761-6.【PubMed

文献2:Cardis E, Vrijheid M. Blettner M., et al. "Risk of cancer after low doses of ionising radiation: retrospective cohort study in 15 countries." BMJ (2005) 9;331(7508): 77【PubMed

【関連記事:放射線被ばくに関して:近藤誠・慶応大】

他関連文献: Shuryak I, Sachs RK, Brenner DJ. "Cancer risks after radiation exposure in middle age." J Natl Cancer Inst. (2010) Nov 3;102(21):1628-36. 【PubMed

処理施設周辺の地下水汚染 福島第一、漏れ出した疑いも

http://www.asahi.com/national/update/0515/TKY201105150262.html


2011年5月16日3時1分
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汚染水の移送のイメージ
 東京電力は15日、福島第一原発で、高濃度の汚染水の保管場所としている「集中廃棄物処理施設」の周辺で、地下水の放射性物質の濃度が上がっている、と発表した。汚染水が漏れ出した疑いも否定できず、汚染水の処理計画の見直しを迫られる可能性もある。

 放射性物質の濃度が上がったのは、4号機の発電機があるタービン建屋の南東部分。地下水から、ヨウ素131が13日に1立方センチあたり0.16ベクレル、14日に0.21ベクレル検出された。セシウム134、137も12日には約0.04ベクレルだったのが13日に上昇し、14日に2.6ベクレル、2.9ベクレル検出された。

 ただ、15日午後の速報値では濃度が下がり始めており、東電の原子力・立地本部の松本純一本部長代理は「汚染されたがれきが近くに落ちて、一時的に線量が上がった可能性もある」とした。一方、原子力安全・保安院の西山英彦審議官は会見で「集中廃棄物処理施設の中の方が水位が低いので漏れ出しているとは考えにくい」と話した。