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2012-01-08

[]モゲマス女衒日記 激闘編

前回前々回のあらすじ

まともな解説ぅ? そんなもん読みたきゃ、たまごまごごはんに行けばいいだろうが!?


七日目

 神は天地創造を果たした後、7日目に休息を取った。が、モゲマスを始めて7日目の俺に休息は無かった。

 それ以前から、正月休みだというのに、スタミナが回復する時間に目覚ましをかけて起床するというモゲマス中心の生活を送っていたのだが、本格的にトレードを開始してから眠りが大分浅くなり、ほぼ一日中起きていた。俺が寝ている間に、物凄いお得なトレードの情報がスレに書き込まれているかもしれない。そう思うとおちおち眠ってもいられないのだ。しかも、脳内麻薬が変に分泌されているためか、きっちり目が覚めるから性質が悪い。

 血走った目で2chのトレードスレを見続ける気迫の篭った姿は、一流の相場師に勝るとも劣らない。ちなみにこの作業で得られる利益を時給換算すると、約500ペリカ。刺身にタンポポを乗せたり、ティッシュで花を作る方が遥かに生産的である。

 だが、そんなに簡単な話でもないのだ。

 確かにこれでは仕事としては成立しないだろう。だが他人を出し抜き、アイドルを売り飛ばして利益を得る歓びはどんな報酬にも勝る。

 参考までに、この作業に没頭していた時のtwitterの書き込みを引用しよう。

人身売買に価値を見出してからのモゲマスめちゃくちゃ楽しい。時給換算すると50円程度にしかならないので商売にはならないが、ゲームとしては最高。路上に落ちている餅を延々と拾うより、女の子に値段つけて売り買いする方が面白いに決まってんだろ!!

 新年早々清々しいまでのクズっぷりである。手段が目的に変わっているというか、ゲームの趣旨を根本的に履き違えている。

 だが、ここまで必死になって情報を揃え、市場のトレンドを読んでも、簡単に儲けることはできないのがウォール街の厳しさだ。

 たとえば、相場の平均よりも遥かに安い価格でアイドルを売りに出すという情報が掲示板に書かれる。書き込みから一分後に、その人の下を訪れるとこのような事態が待っている。 

「スイマセン、この『城ヶ崎美嘉』をひとつください」

「あ……ごめんなさい。それ売り切れなんですよ。ごめんなさいね」

(がーんだな……出鼻をくじかれた)

「じゃ……この『城ヶ崎莉嘉』を」

「ですからごめんなさい。莉嘉も売り切れなんですよ。人気の商品でしてどうも」

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姉妹そろってギャル系アイドルの城ヶ崎美嘉&莉嘉。

外見に似合わず、素直な良い娘達です。

 たった一分でこの様である。スレに張り付く相場師は一人や二人では利かない。トレスレは、ピラニアが獲物を一瞬で喰い尽くすアマゾンと化していた。

 この速度に対抗しようにも、俺の携帯は処理速度の遅いガラケーだし、部屋の電波状況もイマイチ。世界中のアイドルを掻き集め、ハーレムを築き上げる俺の野望はここで潰えるのか……あんまりだよ、こんなのってないよ……。

 そう思いながら、悄然とふたばのモゲマススレを見ると、信じられない情報が掲載されていた。

「PCでモゲマスをプレイできる」

 HAHAHA! ヘイ、トシアキ! エイプリルフールはまだ三ヶ月先だぜ?

 とまぁ、騙されたと思いつつもsafariインストールして、ゴニョゴニョすると、実際にPCでモゲマスがプレイできたのだ! 

 PCだから重いページもサクサク表示される! しかも我が家の回線は光。プチプチ切れる携帯の電波とは格が違う! さらに、スレに掲載されているIDを直接コピペすることで、携帯にチマチマと数字を打ち込む時間もかからない。

 せっかくの機会なので、ここで時間に関するアインシュタイン博士の名言を紹介したい。

 この世の理は、すなわち速さだと思いませんか?物事を早く成し遂げれば、その分時間が有効に使えます。遅いことなら誰でもできる。20年掛ければバカでも傑作小説が書ける。有能なのは月刊漫画家より週刊漫画家。週刊よりも日刊です。つまり速さこそ有能なのが文化の基本法則っ!そしてオレの持論でさあ〜〜!! ああ……2分20秒……。また2秒、世界を縮めた……。

 そういや、最近劇場版公開されてましたね。

 とにかく、俺の大勝利である。

 ここで当時の俺の発言を抜粋してみよう

「あー、そこでこっちを見ているチミ。そうチミだよ、チミ! ほう、何といいiPhoneだ。きっと快適にモゲマスができるんだろうなぁ。それじゃあ俺のPCと勝負しようか?」

 素晴らしいまでのぐう畜っぷり。こんな発言をリアルでもしてるから僕は友達が少ない

 かくして圧倒的速度を手に入れた僕はsafariを駆使して、トレードスレを駆け巡った。

 東に貴音が安く放出されれば、行って買いつけてやり、

 西に美希を欲しい者がいれば、行って売りつけてやる。

 こうして大量にスタドリとアイドルをかき集めた。

 アイドルをかき集めるのは金銭的な面ばかりではなく、戦力強化の面でかなり重要になってくる。

 というのも、このゲームでは、レッスンを行うことでアイドルのレベル上げを行うのだが、レッスンのパートナーになったアイドルは消費されていなくなってしまうからだ。アイドルは消耗品、だからこそアイドルの数は一人でも多いに越したことはない。

 しかし、ここで一つの疑問が出てくる。

 何故、レッスンのパートナーになっただけでアイドルは居なくなってしまうのか?

 この疑問は有志達によって数日の議論を経た結果、レッスンのパートナーになったアイドルたちは、レッスンに協力したのではなく、「『ソイレント・グリーン』的処理をされてしまったのでは?」という説が濃厚である。

「強くなりたくば喰らえ!!」

 そういうわけで大量のアイドルを手に入れた俺は、かな子の周りをレアとレア+のアイドルで固め、さらに無抵抗で親愛度とお金を渡してくれる殴られ屋さんをフル活用し、メンバーの親愛度を上げまくった。

 もう対戦でも同レベル帯では敵がいない。何回挑戦されても白星を上げ続け、あっさり10連勝を達成した。

 ここまで来ると、かな子の戦闘力は大勢に影響は無いのだが、それでも、たくさんのお肉を食べさせレベルをMAXに上げてから、かな子+にしてあげた。

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 あんなに食べたのに体重が1キロ、ウェストが2センチ減ったよ!

 やったねかなちゃん!

 資金もある、速さもある、アイドルも揃っている。

 時給に換算すれば2500ペリカ程稼いでいる。我が世の春である。

 しかし、モゲマス的には絶頂期であったが、俺の体調はかなり限界に来ていた。ろくに睡眠も取らず一日中椅子に座ってPCと携帯をにらみ続けていれば、肩や首も痛くなるし、脳も働かなくなる。

 流石に疲れたし今日はこのぐらいにしておこうと、ベッドに入ったのだが、ここで問題が発生する。

 眠れないのだ。

八日目

 この時点で起床してから24時間が経過しているのだが目は冴えっ放しである。

 アイドルを一人転がすたびに脳内麻薬が分泌された結果、全く眠くないのだ。……モバゲー半端ない。

 これは人として流石にヤバいだろう。そんな不安を覚え始めた直後、僕にかな子が話しかけてきた。

「犬紳士さん、大丈夫ですか……?」

「どうしたんだい、そんな心配そうな顔をして? 戦闘のことなら心配ないよ。レベル25の響+と紗枝+がいればまず負けっ子ないさ」

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 なんJ民からとても愛されている我那覇くん。ポーズとドヤ顔が大変かっこいい。

 初期の響ってこんなイメージで売り出していたよね……アニメスタッフは響に酷いことをしたよね……

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 特殊能力は無いものの、単純な攻撃力はニートと互角の小早川紗枝。それなのに、ニートの10分の1近い値段で取引されているので大変お買い得。

 京都出身なので戦闘時には敵にぶぶ漬けをぶっかける。多分。

「犬紳士さんの体調が悪そうだったから……」

「全然平気だよ。まだ眠くないから、もう少しトレードを続けようと思っていたところさ」

 僕は軽くおどけてみせる。

 かな子はまだ何か言いたそうだったが、僕は彼女を部屋から追い出した。きっと、またお菓子でも作ってきたんだろう。そして、しばらくトレードを続け、ある程度稼いだところで掲示板の日付が目に入った。1月6日。何かあったような…………少しして僕は重大なことを思い出した。

 今日はかな子の誕生日じゃないか!?

 僕とかな子が出会って初めての誕生日。なのに、僕はそのことをすっかり忘れていた。

 いったい何をやっていたんだ、僕は?

 かな子を幸せにするために、モゲマスを始めたんじゃなかったのか?

 それなのに女衒に夢中になって、彼女のことをないがしろに扱うなんて……。

 僕はかな子に何がしてあげられることがないだろうか。

 そして、僕はこれまで集め続けたスタドリをかき集めると、あるトレードを掲示板で募集した。



 1時間後、僕はかな子を部屋に呼び出した。突然の呼び出しにかな子はとても緊張している。

 僕はきっぱりと頭を下げた。

「かな子、さっきは悪かった」

「い、犬紳士さん、頭を上げてくださいっ」

「そして誕生日おめでとう」

 僕は彼女に誕生日プレゼントを渡す。

「こ、これはっ!」

 かな子は初対面の時に、このようなことを言った。

「私なんて何の取り柄もないのに、本当にアイドルになれちゃうんですか……?」

 僕は彼女とよく似たことを言ったアイドルを知っている。

 ルックスもダンスも歌唱力もバランスよく秀でた才能に恵まれながら、自分のことを「普通の女の子」と主張するトップアイドルのことだ。

 彼女にとってはあくまで謙遜のつもりなのだろう。だが、彼女が自分を普通と称する度に傷つく女の子はたくさんいたはずである。だって、彼女が普通ならば多くの女の子は「普通以下」になってしまうのだから。

 だからこそ、僕はかな子に彼女をプレゼントすることにした。かな子が何の取り柄もない女の子なんかじゃない、最高の女の子だと証明する為に。

「本当に私が、この人をいただいてもいいんですかっ」 

「ああ、僕にとって本当に大切なものが何かようやく理解できたんだ」

「……ありがとうございますっ」

 そして、かな子は僕からのプレゼントを受け取った

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 みんなお馴染み、メインヒロイン(笑)の春香さん。

 +がなければ現在価格は45000ペリカ前後。

 このゲームでの通称は「鬼」。5番コートでも守っていれば良い。


エピローグ

 こうして僕は自分の財産をかき集めて春香さんを購入し、余ったアイテムやアイドルは、知人や世話になった殴られ屋さんにプレゼントした。女衒の世界からきっぱり足を洗い、モゲマスもやめることにした。僕の隣にかな子がいれば、それでもう充分なのだ。

 その晩は数日ぶりに、ぐっすりと眠ることができた。

 今回の日記タイトルの元ネタになっている麻雀放浪記の映画には、このような会話がある。

女衒の達「麻雀ってのは面白いもんですね、あたしゃ未熟だから勝てないが、それでも面白い」

出目徳「勝負は時の運さ、それにおまえさん中々の打ち手だよ」

女衒の達「いや、やるたびに金を無くしますよ」

出目徳「誰かが金を無くすから博打になるんだが、まぁ勝ったり負けたりってとこだろうよ」

女衒の達「勝ち続ける人もいるでしょう」

ドサ健「いるかもしれねぇ、だがそういう奴は金の代わりに体なくしてる……そういうもんだ」

坊や哲「勝ち続けて丈夫な人もいるんじゃないの?」

女衒の達「そういう人はきっと……人間を失くすんでしょうなぁ

 僕はあれだけハマったにもかかわらず、奇跡的に何も失うことなくモバゲーを辞めることができた。

 確かに年末年始の休みは無くなったかもしれない。だがその代わりにとても楽しい思い出と、素敵な女性を得ることができた。モゲマスをもうプレイしなくなるのは少しだけ寂しい。他のアイドル達ともう会えなくなるのはとても残念だ。

 だけど、僕は自分が欲しい物を見つけ、手に入れることが出来た。

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 これ以上に幸せなことがあるだろうか?





















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to be continued...?

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