脳髄にアイスピック このページをアンテナに追加 RSSフィード

2012-01-24

[]わたし、気になります

 タイトルから勘の良い方は察せられるだろうが、古典部ステマである。

 それは置いといて何が気になるかと言えば、id:fujiponさんのことである。

 氏は最近のエントリーでこのような記事を書いている。

 僕は「フィクションに騙されて、現実逃避したいバカ」です。 - 琥珀色の戯言

 ここでの主張をまとめるならば、「出来が良ければ、嘘か本当かなんてどうでもいいじゃないか」といった内容である。

 個人的には首肯しかねるものの、そのような考えの人間がいるのは悪くない。騙されたい人が騙されるのはかまわない。ただ、fujipon氏は少し前のエントリーでこのような記事を書いている。

 突然、僕は殺人犯にされた - 琥珀色の戯言

 『スマイリーキクチ事件』から、何も学ぶことができなかった人々へ - 琥珀色の戯言

 スマイリーキクチと言えば、僕の中学時代の友人の東(仮)くんにそっくりな男であり、当時大ブームだったボキャブラ天国にスマイリーが初登場した翌日から、彼のあだ名はそれまでの「アズマッチ」から「スマイリー」へと変貌していき、一時期は「アズマッチ」派2:「スマイリー」派8とまでなったが、その後ボキャブラブームも終焉し、それから数年後、東くんは『冬のソナタ』のペ・ヨンジュンにも似てたために、あだ名はヨン様へと昇格したのだった。

 そんな彼もいつの間にか結婚したそうなのだが、中学時代からの親友であり、嫁さんの知り合いでもある俺への報告は一切無く、式に招待された共通の友人からの報せで彼の結婚を知り、私は泣いた、ただただ泣いた……………………で、何の話だっけ?

 思い出した。金谷ヒデユキって今何してんのって話だった……違うな、スマイリーが犯罪者の濡れ衣を着せられたために、ネットの人達から糾弾されたり、いわれの無い誹謗中傷を受けて大変だったねって話だ。具体的にどう大変だったのかはリンク先のエントリーを読んでいただきたい。

 氏はスマイリーに誹謗中傷を加えた人間に否定的だが、ここで気になるのが、スマイリーを叩いていた人の多くは2chなどに書かれていたデマ情報に煽動されたという点だ。

 彼らはネットに書かれたフィクションを鵜呑みにし、感動というわけではないが、感情を大きく動かされ、義憤に駆られた結果、スマイリーに粘着し、攻撃し続けた。

 出来が良ければ騙されても構わないという態度で、フィクションを安易に信じれば、このような事態もありうるかもしれない。

 だが、fujipon氏は最初に紹介したエントリーの結びでこのようなことを書いている。

 「誰も大きくは傷つかない話」であれば(誰もまったく傷つかない話なんて、フィクションにもノンフィクションにもありません)、そこに書いてある話が面白かったり、感動できるかどうかだけが「判断基準」で良いのではないでしょうか。

 なるほど、これを基準にすれば、スマイリーの件は、元犯罪者というのが嘘だった場合、スマイリーキクチが大きく傷つくことになるので、安易に信じるべきではなかった。という結論になるのかもしれない。

 これだけならば、まだいい。

 しかし、fujipon氏はスマイリーの件を扱うよりも昔に、このような記事を書いている。

 世の中には、天性の「イジメ上手」がいる。 - 琥珀色の戯言

 個人的にはデーブは大嫌いであり、デーブ大久保に真っ赤なジャムを塗って食べようとする奴がいても、「食い合わせ悪そう……」ぐらいにしか思わない。また、デーブの好き嫌いとは別に、このエントリーで氏が出した結論は納得できる。

 だが、しかし、コメント欄で指摘されている通り、この記事にはデーブの記述に関して大きな誤りがある。

 この件に関して詳しくは、コメント欄で間違いを指摘した、id:Ri-fie氏のblogを読んでいただきたい。

 『世の中には、天性の「イジメ上手」がいる。 - 琥珀色の戯言』に対し、訂正をお願いし続けていることについて。 - ほめことばです。いや本当に。

 この記事でfujipon氏は間違った情報を元に、デーブ大久保をいじめっ子の典型呼ばわりしているのだが、それについてどのように思っているのだろう。

 そのことをはてなブックマーク - 僕は「フィクションに騙されて、現実逃避したいバカ」です。 - 琥珀色の戯言で指摘したRi-fie氏に対してfujipon氏は

id:Ri-fieさん。事あるごとにその話を持ち出しているようですが、該当エントリをちゃんと読んでください。あと、以下の大久保さん本人へのインタビューもどうぞ。http://d.hatena.ne.jp/fujipon/20110628#p1

 僕も該当エントリをちゃんと読んだつもりだが、結論はどうあれ、誤った情報からデーブをいじめっ子呼ばわりしたことに関しては変わりなく、それに対しては何らかの訂正があっても良いと思うのだが……。

 fujipon氏にはあのエントリーを通じて伝えたいことがあったのだろうし、決して悪意は無かったのだろう。だが、だからといって間違った情報をいつまでも訂正しなければ、それはスマイリーキクチに関するデマを拡散させた人間と大差ないのではないだろうか? 書かれている内容には同意できる面が多いばかりにそれはとても残念である。

 あの文章は悪意からではなく、いじめられっ子を勇気づけるためのエールだという意見もあるかもしれない。だが、スマイリーに関するデマを信じ込み拡散した人だって、悪意によるものばかりとは言い切れないだろう。中にはあんな鬼畜が平然とテレビに出るなど許してはおけないと正義感を燃やしていた人もいたはずである。

 はてなブログの方では

「ウソ」が大嫌いなインターネットの聖人たちへ - いつか電池がきれるまで

 

もちろん、すべてのウソを許しているわけじゃない。

人を傷つけるようなウソには、「そんなウソをついちゃダメ」と言っている。

 と書かれているが、デーブに関してはノーカウントなのか。デーブの心は傷つかないとでも言うのか。あるいはデーブは人間扱いされていないのか。「ブタはブタ小屋へ行け!」ということなのか。ちなみにこの「ブタ小屋へ行け!」っていう台詞は連載時には「屠殺場へ行け!」だったらしいよ。

 で、ステマ疑惑のあるタイトルに戻るのだが、

・良いフィクションならば(大きく傷つく人がいない限り)騙されてしまっても問題は無い。

・嘘か本当かわからない情報に煽動されて他人を叩いてはいけない。

・自分の伝えたいことのためならば他人に関する嘘、あるいは誤りをそのまま放っておいてもかまわない。

・人を傷つけるようなウソには、「そんなウソをついちゃダメ」と言っている。

 果たしてfujipon氏の中では、これらの事柄にどう折り合いをつけているのだろうか? そのことが気になってしかたない。あと地下鉄の電車はどこから入れたの?

 まぁ、人間とは心変わりするものである。誰とは言わないが、散々モバゲーを馬鹿にしてたくせに、いざアイドルマスターをプレイしてみたら見事にハマり、その後日記を三日連続で書いて「もうプレイしない!」とか堂々宣言しやがったくせに、一週間も経たぬ内に結局プレイ再開した上に、実家の母に電話してモバゲーアカウントを作らせるような真似をする人間を私も一人知っている。

 だが、今と当時でそれほど自身の考えが変わらないというならば、納得のいく説明をしてほしいものである。ま、単純に下世話な興味本位でしかないのですが。

 以下、蛇足。

fujipon氏は僕は「フィクションに騙されて、現実逃避したいバカ」です。 - 琥珀色の戯言にこのような事を書いておられる。

 いやしかし、「これウソですからね、フィクションですからね!」ってキッチリ前置きされたら、どんなフィクションでもつまんなくなると思うんですよね。

 そんなことは無いだろうと思ったので、冒頭からきっちり「これウソですからね、フィクションですからね!」と書いている小説の傑作を一つ紹介しておこう。

あ・じゃ・ぱん!(上) (角川文庫)

あ・じゃ・ぱん!(上) (角川文庫)

あ・じゃ・ぱん!(下) (角川文庫)

あ・じゃ・ぱん!(下) (角川文庫)

 戦後、東と西に日本が分断され、そこにある老人を追い求めてCNN特派記者が訪れるという作品なのだが、その冒頭1ページ目がこれである。

 アテンション・プリーズ。このフィクションは小説です。あらゆる物語はロマンスなので、登場する団体名、会社名、及び個人名と現実のそれらとは一切関係がないなどと誰に断ずる権利があるでしょう。

 とまぁ、とにかく人を喰っている。富士山原爆が落とされていたり、関西弁が標準語になっていたりと、『不思議の国のニッポン』とでも言うべき作品だが、それにもかかわらず、外人記者の目線から日本人の特徴を見事に描ききっており、一度読み始めれば最後までのめり込むんでしまう強度を持った作品である。読んでおられないようならば、是非ご一読を。

 あと、冒頭でステマって書いたので、一応この作品も紹介しとこう。

夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫)

夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫)

 古典部よりもこっちの方が好き!