ダブスタで正論言われた時の居心地の悪さって何だろうね?

 だからさ本気で殺すんだったら、やっぱ刃物じゃないですか。近年の数々の物騒な事件を経て刃物の殺傷性の高さは世人の方々にも知れ渡っておりまして、どんなに身体を鍛えた格闘家でも刃物で切りつけられたらガード無効でガシガシライフゲージを削られていくわけですよ。刃物マジつええ。
 それなのにさ、わざわざ人殺しのために、埼玉っていう田舎からわざわざ大津なんていう糞田舎に2週間かけて出かけて、しばらく野宿しながら下見までしたっていうのにですよ、持って行く武器がハンマーってお前、何考えてるんだよ? しかもわざわざ絞殺用に針金買うなよ! 何で無駄に用意周到なんだよ。そんなもんいらねえから刃物ぐらい買っとけ。埼玉のジャスコにも包丁ぐらい置いてあんだろ!
 で、それだけの装備して区役所の下見までして、やることと言ったら朝っぱらに正面から侵入して殴るとかさ、もっと考えろよ。夜中にこっそり殴るとかさ、陽の高い時間にしかけるにしろ、せめて後ろから殴るとかさ、もっとやりようがあんだろうが。明らかに殺る気ねえだろ、お前!
 その結果、相手にガードされて全治三週間の軽傷ですよ。まあ、それは仕方ない。下手に殺して重い十字架を背負うよりは傷害で済んだ方が良かったのかもしれない…………って思ってたら、あっさり殺意を認めて殺人未遂容疑でとかどこまでもアホなんだよ。しかも計画性あったことまでバレちゃって、ますます罪が重くなりそうじゃない。せめて弁護士来るまで黙秘を貫けよ! リスクとリターンが全然釣り合ってないよ!
 あれですか、これが今流行の真面目系クズという奴ですか。
 普段の生活どころか犯罪を犯す場合でも損をするあたり、真面目系クズってのは本当にろくでもないライフスタイルなんだな、と。
 だって、これが不真面目なクズだったら「ネットの影響で面白半分でやった」とか言って殺意の否定ぐらいはしたよ。
 ところで、裁判になった場合にこれってどっちが罪重くなるんでしょうね?
「義憤に駆られて殺してやろうと思った」と「ネットで叩かれてるのを見て物理的にも叩いてやりたくなった。殺す気はなかった」。
 世間のイメージ的には後者よりも前者の方がマシな気がするんだけど、やっぱ殺意を認めちゃってるから前者の方が罪が重くなるんかね。
 まあ、どちらにせよ人様をハンマーで殴るなんて褒められたことではないですが(道徳!)。
 しかし、そんな彼のハンマーパンチはガス抜きとしては、それなりに有効だったようで、世間の色々な場所では「スッキリ!」とか「ガッテン!」とか「ヨクデキマシタ、ヨクデキマシタ」とか喝采の声が上がっているわけですが、そうした風潮に意を唱えるのが、小説家にして、と学会会長の山本弘先生。
山本弘のSF秘密基地BLOG:世の中にはこんなにも異常者が多い、という話
 mixi日記に書かれた事件に好意的な意見を、快刀乱麻を断つが如くバッサバッサと切り捨てていっています。
 けど、冷静に考えたらmixiなんて、人間の知性をネアンデルタール人レベルに貶める、逆モノリスみたいなもんじゃないですか。そんな馬鹿の集まりから発言を引っ張って批判なされても、「mixiはやっぱ馬鹿しかいないな…………やはり時代は『知の巨人』や『インテリジェンス・モンスター』が集まるはてなダイアリーだな…………」ってなっちゃうんで、不毛ですよね。もうちょっとマシなところから参考のコメントを拾っていただきたい。できればtwitterあたりから。はてな? あんな限界集落誰も見てないから気にしなくたって良いよ。そのうち潰れるって。
 それで、その山本先生が、mixi日記の馬鹿の発言を取り上げて、「背筋が寒くなってきた。日本にはこんなにも異常者が多いのか。」と言っているのですが、それは日本じゃなくてmixiだからね、あそこは馬鹿しかいないからさ、本当。mixiを覗いて『日本にはこんなにも異常者が多いのか』っていうのは、東京拘置所を覗いて「この国にはこんなにも犯罪者が多いのか。」って言ってるようなものだからね…………これは流石にちょっと言い過ぎだな、小菅の人ごめんね!
 でさ、とりあえず話を戻すけど、山本先生が今回の件に対して、元・いじめ被害者の立場から、

げんに人が殺されかけたというのに、それを笑って済ませる心理が、いじめを楽しむ加害者の心理と同じものだと、なぜ気づかない?

 と仰られており、それはそれでわかる話なのではあるのですが、ただ一つ気になることがあって。
 貴方、と学会の会長ですよね?
 と学会というのを一応説明しておきますと、頭のネジがちょっと緩んで世間の常識や道理から外れてしまった方々を、トンデモさんと呼んで楽しく観察しようという集まりです。けど、それってそもそもの発想からして、「いじめを楽しむ加害者の心理」と大差ないっていうか、まんまそれですよね。
 2chのネットwatch板では「ウォッチ先 さわらず荒らさず まったりと」という箴言が掲げられているわけですが、と学会なんてそいつらをネタに本まで出しているわけで。
 別に「と学会が非道徳的な集団だ!」とか「あいつらは人を笑い者にして楽しむ最低の奴らだ!」とか言いたいわけではないのですよ。昔はと学会の本、結構読んでいたし、今だってネットでアレな人を見かけたら率先して指差して笑いに行きますよ。ただ、そこの会長に「それを笑って済ませる心理が、いじめを楽しむ加害者の心理と同じものだと、なぜ気づかない?」と言われるとちょっとモニョらざるをえない。
「それじゃ、貴方のやってることはなんだ?」とか言いたくなるわけですよ。
 人間どうしたって矛盾する生き物だし、「それはそれ、これはこれ」で片付けるのも一つの手段だし、さすがに教育長をハンマーで殴るのはアレなので批判するのはよくわかるのだけど、その際にさ「いじめを楽しむ加害者の心理」なんてのを持ち出すのはどうかと思うのですよ。
 僕も普段の行いが十二分にアレなので、こういう時に「いじめいけない!」とかなかなか言いづらく、何か言いたくなったら2chに行って、コソコソと匿名で正義の旗印の元、色んな奴を糾弾したり、「篠崎愛の画像ください!」とかスレ立てているわけで、それは決して褒められたものじゃないのでしょうが、だからといって、普段の言動と180度逆の角度から他人を批判している人を見かけると、「何だかなあ」と思ったりもするわけで。
 まあ、僕のようなナイーブ、あるいは小心者の人間にはどうしたって生き辛い世の中なので、やっぱタフにこの世を生きる為に必要なものは、差別はいけないと口で言いながらその手で黒人をガシガシ殴ったり、ソープで一発抜いてもらった後、早速嬢に説教を始めるような、高潔な精神性だったりするんでしょうね。
 はぁ、くわばらくわばら。