インドで代理出産でうまれた女児は「出国」するのだろうか? 「帰国」なのか?

最初の報道では「帰国」という表現も多かった。

代理出産の女児、帰国できず…父母が離婚、国籍なし 読売新聞 - 2008年8月6日

インド人代理母の産んだ女児帰国できず、両親離婚で親権は? AFPBB News - 2008年8月7日

代理出産赤ちゃん出国不可 インド、日本人夫婦離婚で 47NEWS - 2008年8月7日

インドの代理出産赤ちゃん 依頼の日本人夫婦が離婚で出国不可 MSN産経ニュース - 2008年8月7日

インドで代理出産、女児帰国できず=出産前に離婚−日本人夫婦 時事通信 - 2008年8月7日

代理出産:誕生前に離婚、女児出国できず 日本人夫婦、インド人女性に依頼 毎日新聞 - 2008年8月7日


最新の見出しでは「出国」という表現に統一されつつあるようだ。
毎日新聞に「帰国」と書き続けている記事が出ている。 同じ社内でも統一されていないようだ。
代理出産を依頼した愛媛県内の40代の男性医師の言葉を、そのまま記事のタイトルにしている。

インド代理出産:女児、無国籍状態に 父、早期帰国を要請


 今年7月にインド人女性の代理出産で生まれた女児が日本に帰国できなくなっている問題で、代理出産を依頼した愛媛県内の40代の男性医師が毎日新聞の取材に応じ、出生届の母親欄が「Unknown(不明)」と記載され、女児が日本とインドのどちらにも属さない無国籍児となっていることを明らかにした。男性は「このままでは『孤児』のような状態になってしまう。一刻も早く帰国させたい」と話した。


 男性は昨秋、関東の医師仲間の紹介で、インドにいるインド人実業家を通じて現地の病院に「第三者卵子提供で代理出産をする」ことを依頼。男性は取材に、代理出産を頼んだ理由について「男として子どもが欲しかった」と説明した。その前にはインターネットなどで代理出産について調べ、米国の病院に「独身でも代理出産を頼めないか」と問い合わせたこともあったが、断られたという。


 代理出産の費用は一部を既に支払っており、医療費や渡航費を含めた総額は400万〜500万円かかりそうと述べた。代理母の20代後半のインド人女性には約20万ルピー(約56万円)が支払われたと聞いたという。


 インドにいる弁護士からの連絡によると、出生届の父親欄がこの男性になっているため、男性は女児を引き取るための養子縁組ができなかった。また、母親が不明となっているため、インド国籍も取得できない状態になっているという。このため、男性は現地の弁護士に相談するとともに、女児の帰国について日本の法務省に対応を要請している。女児は健康状態がよくなく現在は男性の実母がインドに渡って病院で女児の世話をしている。


 男性は交際していた女性がおり、代理出産についても伝えた上で結婚。しかし、女性はインド人女性が産む子どもを受け入れることについて悩み、2人は女児が生まれる前の今年7月に離婚した。【後藤直義】



毎日新聞 2008年8月9日 大阪夕刊
http://mainichi.jp/life/edu/child/archive/news/2008/08/20080809ddf041040009000c.html

「帰国」か「出国」なのかは微妙な問題だ。
出生地はインド。 出産した女性はインド人。 卵子を提供した女性の国籍は不明。
「帰国」という表現だと、赤ん坊は当然「日本人」だという認識なのだろうな。


その昔、韓国で代理出産ビジネスを利用する日本人が増えたことがあった。
そのとき韓国の男性側に「自国の女性が日本人の子供を産まされるなんて、いやだ」という感情が出てきてきたので、その後代理出産禁止の方向に向かったはず。

もしも韓国代理出産ビジネスが継続していたら、………このケースは昨今のご時世だと、赤ちゃんを日本に引き渡すことに強い反発が有ったりするんじゃないだろうか?


最近こんなニュースも報道されていた

「国際離婚、勝手に子連れ帰国ダメ 日本、国際条約締結へ」
http://www.asahi.com/life/update/0509/TKY200805090165.html

勝手に子連れ帰国は「誘拐」ということになる。 親権ってのは、ややこしい。
「帰国」という言葉を使う記事は、そこあたりの事情に目配せが無いのではないか、という疑いがあるなぁ。




インドは、世界中から代理出産を望む人たちを受け入れているようである。
総額は400万〜500万円というのは、確かに安い。 アメリカだと、もう一桁多くかかる。


それにしても………
赤ん坊は無国籍の状態なので、「難民」に準じた扱いになるのだろうか?