クリスマスの贈り物に!その2 ベルリオーズ:幻想交響曲 ミンコフスキ指揮/マーラー室内管弦楽団&Les Musiciens du Louvre
12月となりました!クリスマスの時期も近づいております。弊ブログで時折やっております
こういう機会にクラシックCDの贈り物は如何でしょう?
の企画です。ちょっと間が空きましたが、本日第二回は、タイトルにある通り、
Berlioz: Symphonie fantastique - Herminie, Import
アーティスト: Hector Berlioz,Marc Minkowski,Mahler Chamber Orchestra,Les Musiciens du Louvre,Aurelia Legay
レーベル: Brilliant Classics
このCDをおすすめいたします!
この録音、元々はグラモフォンから発売されて居りましたが、しばらく絶版状態。良い演奏なのにあれれ・・・と思っておりましたが、中身はまったく一緒に Brilliantから再発売です!
Berlioz: Symphonie fantastique - Herminie, Import
アーティスト: Hector Berlioz,Marc Minkowski,Mahler Chamber Orchestra,Les Musiciens du Louvre,Aurelia Legay
レーベル: Deutsche Grammophon
この演奏は、はじめて幻想交響曲を聴く方にもおすすめできますし。もう散々聴いていて、「今更、幻想、、、大体最近はベルリオーズも聞かないし・・・」なんて方にも興味を持っていただけるかと思います。
収録曲は以下の通り、
- 曲目:幻想交響曲全曲 & カンタータ《エルミニー(Herminie)》*1
- 指揮:マルク・ミンコフスキ Marc Minkowski
- 演奏: Les Musiciens du LouvreとMahler Chamber Orchestraの合奏(古楽団体とモダーンの楽団の合奏です)
- その他:エルミニーでは、ソプラノにAurlia Legay
・・・と、実はここまで書いて、どう宣伝しようか迷って数日過ぎてしまったのですが、自分に書ける事などたかが知れているし、といって演奏者やこの曲の蘊蓄をちょこっと調べて書くのもなんです。背伸びせずに、正直に感想をいいますと・・・
このミンコフスキ指揮の演奏は、ことさらな奇抜さはないにも関わらず、こういう響きがあったのか!?こんな曲だったんだ!と思わせられる部分が多々。ちょっと目立つ特徴というと、古楽器と現代楽器の混成オーケストラ、遅めの演奏というところですか・・・
ミンコフスキも、「今更、幻想・・・」という問題を前にして、“自分の個性”なんてものにいきなりとっつかないで、楽譜を正面にきちっとどういう曲なのか、よくよく考え直したのではないか・・・。楽譜を読めない私が言ってもなんですが、そういう気が致します。
ちょっとした唱わせ方など、別に違和感を感じないのに、なんだか新鮮で楽しくまた興味深い演奏。さまざまな録音を聴いた方も、幻想交響曲にはこういう面白さもあるのかと驚きながらも、素直に受け入れられると思います。
奇抜ではないから、はじめての人にもおすすめ。
リンク先ご覧の通り、だまされてもという価格と思いますので、よろしければお試しのほどを!
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序でながら、昨年ベルリオーズ関連の著作をいくつか紹介しましたが(旧ブログの記事です http://sergejo.seesaa.net/article/111124660.html)、旧字体のえらい古本でしか手に入らないとは言え、『作曲家の手記』はやはり是非にとおすすめしたい一冊。
ベートーヴェン、シューマン、ドビュッシー、バルトークなどなど、「あのような曲を書く人なら、まさにこういう文章だろう」と感じさせる作曲家がおりますが、ベルリオーズのこの自叙伝は予想を超える破天荒さを見せます。
文章でのベルリオーズは音楽以上に劇的なのか、それともベルリオーズの音楽は、まだまだおとなしく演奏されているだけなのか。「どこの活劇ヒーローですか!?」と呆れるほどのスタイルです。
誰だって武勇伝は盛るものですが、ここでのベルリオーズは9割は盛っていると疑わせます。そうであっても面白い。
私は中身を確かめていませんが、白水社や音楽之友社に『ベルリオーズ回想録』と題された翻訳もあり。同じく古書しかありませんが、なぜこれが絶版中なのか!?
上のURL先旧ブログの記事に少し引用を載せましたのでぜひご覧下さい。音楽家の自叙伝というより、ピカレスク物冒険譚と思われませんか!?
Amazonや日本の古本屋のサイト(http://www.kosho.or.jp/top.do)で古書を見つけてくださいませ。
いやほんと・・・作品は作品として独立した存在として扱うにしても、この自叙伝を正とするならば、聴衆はベルリオーズの演奏にもっともっと破天荒な大活劇を求めてもいいんでしょうね。毛並みの良い文化としてのクラシック音楽ではないのでしょう。
*1:エルミニーは、言語のフランス語のみでスリーブノートに歌詞の記載あり。