春のビデオまつり「タフ」「クーリエ:最高機密の運び屋」

昨日の記事に書いた「おどるポンポコリン」は名曲だと思うんだよね。さくらももこが書いた狂気の歌詞に、ほどよく狂ったメロディを付けた。あれこそプロの仕事だ。

   

タフⅠ~Ⅳ
【1,700円】1990年の作品で主演は前科何犯かの木村一八。この人のことが好きではないので逆に安心して見られたバイオレンス映画。全4作だが、1と2、3と4が前後編になっている。ピザ屋の配達員だった主人公、やくざの事務所に殺し屋が単身で乗り込んで皆殺しにする現場に居合わせる。あまりの手際の良さに感動して殺し屋に弟子入りする主人公。低予算のB級Vシネマなのだが、意外と脚本や演出がしっかりしていてテンポが良いので全4作を一気見。監督はその後「日本のいちばん長い日」(2015)や「燃えよ剣」(2021)を手がける原田眞人。名監督の片鱗がたしかに見える。1と2に出てくる三原じゅん子がこのとき26才でエロ可愛い。ベッドシーンで胸のアップがあるが顔は映らないので代役かもしれない。誰かの応援演説で三原先生が来ていたら聞いてみて欲しい。「恥を知りなさい」と一喝されるよ、きっと。

ザ・ハロウ/侵蝕(字幕版)

ザ・ハロウ/侵蝕
【1,000円】生物学者が妻と幼い子を連れて森のそばの一軒家に引っ越してくる。だがその森は地元の人たちにはけっして入ってはいけないと畏れられている場所だった...最初に奇妙な出来事が起こった時点で逃げればいいのに、学術的な好奇心から言うことを聞かない夫。奥さんと子どもがかわいそうだ。映像や音楽がしっかりしているのでメジャーな作品として作られたのだと思う。森に住んでいるあれは何なのか。もう少し伝奇的なバックボーンがあると良かったと思う。

クーリエ:最高機密の運び屋
【1,700円】ケネディ大統領時代に起こったキューバ危機。ソ連キューバにミサイル基地を建設している事実を衛星写真で米国が把握したわけだが、その位置をMI6経由でCIAに教えたのがソ連の高官。その高官が入手した情報をソ連で受け取ってMI6・CIAに渡したのが一民間人である主人公。これは実話でエンドロールで映像が出てくる。そこまでは予告編で知っていたが、主人公と高官に芽生える友情、なんとか高官を亡命させようと奮闘するCIAに胸が熱い。だがあと少しのところで二人とも逮捕され、主人公は2年近く拘留され、高官は処刑される。げっそり痩せ細ったカンバーバッチ、メイクだけではなく実際に減量したんだろうな。ラストの二人の対面は泣ける。