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DREAM SCHEME

2016-04-08

[][][]Report of Mares Bred 2015 22:34

アメリカのThe Jockey Club*1が公開しているReport of Mares Bredの2015年版のデータをもとに作成しました。基本的に去年のものと同一ですが、せっかくなので去年の報告頭数と比較できるようにしてみました。

以下のGoogle Documentで公開しています。

Report of Mares Bred 2015 (Google Spreadsheet)

Report of Mares Bredは昨秋公開されていますが、その段階では合計34626頭の種付けが報告されています。これは2014年とほぼ変わらず、北米の生産界の規模縮小は全体としては歯止めがかかったと言えそうです。ただし、ケンタッキー州への集約が見られるため州毎の生産頭数を個々に見ていくと違いますが、それはまた別の話で。

種付けが報告された種牡馬頭数は1448頭で、去年のラインナップと比較すると500頭強の種牡馬の名前がなくなり新たに入ってきたのが400頭を超える程度ですから、2015年に種付けが報告された種牡馬は100頭程度減っています。こちらはケンタッキー州で30頭以上の減少となった影響が大きいのですが、減少傾向に歯止めがかからない小規模な生産州の影響もあります。

去年のように逐一見ていく時間がありませんので、とりあえずNearcoNative Dancerということで次のようなものを用意しました。

Nearco

NasrullahNearctic、Royal Chargerの3分枝を合計すると21400頭に達する大勢力です。この3ライン以外の直系は存在しません。Nasrullahが7630頭、Nearcticが12230頭、Royal Chargerが1540頭です。

Nearco 21400
Nasrullah 7630
Bold Ruler 5957
A.P. Indy 5618
Bernardini 670
Malibu Moon 471
Mineshaft 306
Pulpit 2386
Tapit 1227
Sky Mesa 217
Caro 1015
Cozzene 159
In Excess 835
Indian Charlie 712
Blushing Groom 629
Cherokee Run 284
Nearctic 12230
Northern Dancer 12135
Danzig 1991
Boundary 197
Langfuhr 331
War Front 703
Dixieland Band 552
Dixie Union 454
Nureyev 277
Unusual Heat 185
Sadler's Wells 1991
El Prado 1223
Kitten's Joy 304
Medaglia D'Oro 575
Galileo 553
Storm Bird 5720
Storm Cat 5693
Forest Wildcat 239
Forestry 463
Giant's Causeway 1088
Harlan's Holiday 937
Hennessy 536
Johannesburg 419
Stormy Atlantic 174
Tale Of The Cat 889
Deputy Minister 1486
Awesome Again 887
Silver Deputy 224
Royal Charger 1540
Halo 746
Southern Halo 462
More Than Ready 435
Sunday Silence 143
Roberto 777
Dynaformer 411
Kris S. 344
Arch 321

Nasrullah

その数の大部分がA.P. Indyによるもので、中でもTapitの伸長が著しくなっています。A.P. Indy全体として5618頭となっており、Storm Catにほぼ匹敵しました。

Tapit自身が30万ドルの種付け料で134頭の種付けをこなしており、また2015年からは後継種牡馬としてニューヨーク州で170頭のHonorable Dillon、ケンタッキー州で157頭のFlashbackが加わり、2年目のTapizarも143頭と頭数を増やしています。Tapitのところだけで去年の倍以上に伸ばしていますから恐ろしいですね。反面Bernardiniは一時のブームが去る形でWilburnが種付け頭数を減らしているのと、新たに種牡馬入りする大物がいないので伸びません。

A.P. Indy以外となるとIndian Charlieが健闘しています。初年度産駒が2歳戦で活躍していたUncle Moは221頭の種付けを報告していますが、この数字は2015年の北米最高の数字となりました。その産駒筆頭であるNyquistは去年のBC Juvenileを勝ち、今年になっても負け知らずでFlorida Derbyまでクリアしました。このまま大本命としてKentucky Derbyに臨むことになりそうです。他にもLeComente Sを勝ったMo Tomが出走権利を確保していますし、週末にはWood MemorialにOutwork、Santa Anita DerbyにUncle Lino、Blue Grass SにLaobanがエントリーしております。

Indian Charlieの後継種牡馬では他にLiaison、Adios Charlieも種付け頭数を増やしていますが、Adios Charlieはフロリダ供用としても産駒成績が期待したほどではないように見えるので今年は減らすのではないかな。

Northern Dancer

Storm Catは5693頭とその半分までも行かない数字で、他にDanzig、Sadler's Wells、Deputy Ministerが大きな集団となっています。

Storm Cat直系ではScat Daddyを筆頭にInto MischiefとShanghai Bobbyが200頭を超える種付けを行っています。Harlan's HolidayはInto Mischief、Shanghai Bobbyの他にGoldencentsとMajesticperfectionまでならまだしもCan The Man程度でも100頭を超えてくるのだから何なのだろうね。

Giant's Causewayは安定してリーディング上位の結果を残しているものの、種付け料や種付け頭数がそこに連動しなくなっている不思議な印象を受けます。上位の種牡馬の種付け料が上がる局面に入っているように感じられますが、Giant's Causewayだけはそこに乗ってこなくて、10万ドルの大台にも戻していません。

DanzigはWar Frontが強力で今年は種付け料を20万ドルに設定しています。その仔Declaration Of Warは種牡馬入り初年度で192頭への種付けを行いました。ここにThe Factorも加えてしばらくは北米のDanzig父系の中心的な存在となりそうです。芝・ダート、北米・欧州のどちらでも活躍馬を出しているのは大きなメリットでしょう。短距離志向が強そうですが、Declaration Of Warは2000mをこなしましたし。

Sadler's Wellsは実績十分のEl Pradoとこれから実績を求められるGalileoといった風。現状Cape Blancoの初年度産駒は期待はずれなので二の矢としてのNoble MissionとMagicianでどうなるかでしょうね。

Deputy MinisterのラインはAwesome Againの後継種牡馬にPaynterとOxbowが加わってGhostzapperと共に数を稼いでいます。ともに2年目のPaynterとOxbowはどちらも初年度より種付け頭数を増やしました。また、Oxbowの全兄Awesome Patriotも100頭を超えてきて、Cee's Songの孫3頭で400頭近くありますね。つまりはTiznow最強ということか。

そして相変わらず面白いことになっているNureyev直系。カリフォルニア州のUnusual Heatとその後継種牡馬で185頭と増えています。活躍しているのがほぼ西海岸限定であることも影響していますが、Unusual Heatの後継種牡馬はカリフォルニア州にしかいません。2015年にLakervilleやHe Be Fire N Ice等が加わって陣容を増しました。ここにAtticusなんかも加わってくるNureyev直系はカリフォルニア州では8%を超える有力な系統になっています。

Royal Charger

Royal ChargerはHaloとRobertoに二分されます。

HaloはMore Than Readyが伸長しましたが、その他の系統は衰えており、Sunday SilenceもHat TrickとSilent Nameがともに減少していますから日本から新しい種牡馬を売り付けないと無理かなという感じですね。

RobertoはTemple Cityが199頭と謎の急増となりました。初年度産駒が良かったのではありますが、200頭近いところまで種付け頭数が伸びるほどとは思えませんでしたが。Kris S.直系はほぼArchであり、Arch自身とBlame、Archarcharchで構成されている状況に変化はありません。BlameにしろArcharcharchにしろデビューした産駒はそこそこ走っているようです。

Native Dancer

Native Dancer全体として10958頭、そのほとんどがMr. Prospectorを経由します。

Native Dancer 10958
Mr. Prospector 10409
Afleet 281
Carson City 536
E Dubai 181
Fappiano 3310
Cryptoclearance
Candy Ride 565
Quiet American 285
Real Quiet 219
Unbridled 2369
Empire Maker 559
Unbridled's Song 1486
Forty Niner 1232
Distorted Humor 1042
Fusaichi Pegasus 203
Gone West 2034
Elusive Quality 443
Grand Slam 191
Mr. Greeley 153
Speightstown 850
Gulch 209
Kingmambo 312
Lemon Drop Kid 287
Street Cry 685
Seeking The Gold 326
Smart Strike 647
Maria's Mon 376

Fappiano

北米に連れ帰られたEmpire Makerの種付け料が10万ドル、三冠馬の父となったPioneerof The Nileの種付け料が12.5万ドル、三冠馬となったAmerican Pharoahの種付け料が20万ドルで、三冠凄いとしか。Empire Makerに関しては日本に来た後に北米に残してきた産駒からRoyal Delta、Grace Hall、Emollient、Bodemeisterが出ていますから、10万ドルと種牡馬入り当初の設定で再スタートを切ることも可能ということでしょう。カタログには"MAKING OF AN EMPIRE"の文字が躍っていますが、いまいちこれといった後継が定まらないUnbridled's Songに代わってFappiano父系の中心となる可能性を秘めています。

Candy RideはTwirling CandyとSidney's Candyまで含めて順調。ともに去年が産駒デビュー年となったTwirling CandyとSidney's Candyは、これまでのところTwirling CandyがUncle Moに次ぐリーディング2位を確保して優位ですが、どちらもKentucky Derby路線に乗る産駒を出しています。

Gone West

主流はSpeightstownとなっており、その後継もI'm A ChatterboxのG1勝ちでセカンドクロップリーディングを獲得したMunningsが抜け出したように見えます。

Munningsと同期のQuality Roadは2世代目の産駒からFrank Conversationが出てKentucky Derby路線に乗ってきたので一安心といったところか。

このようにSpeightstownとElusive Qualityはまだしも、Mr. GreeleyやGrand Slamのラインは衰えていると言えるでしょう。

Gone Westの直仔世代に当たる種牡馬は減ってきており、ケンタッキー州ではSpeightstown、Elusive Qluality、Istan、Proud Citizenが活動しています。

Maria's Mon

ミスプロではないNative DancerはMaria's Mon。意味のある数字は165頭のSuper Saverだけでしょう。RunhappyでBCを勝ったのを始め、重賞級の産駒が多いことは特筆すべきです。そんなわけで今年は種付け料が6.5万ドルまで上昇しました。

その他マイナー父系

ざっとメモ程度に書いておきます。

Holy Bull

Mucho Macho Manの初年度の種付け頭数は99頭で、マイナー父系の種牡馬としては十分な数字でしょう。Macho Unoが明らかに数を減らしたので、そちらの需要を食った面もあるにはありますが、ケンタッキー州で合わせて150頭強の繁殖牝馬を確保できているのでしばらく持つでしょう。

Musketier

Acatenango産駒のドイツ産馬Musketierは2015年にはケンタッキー州に移りましたが、ここでも36頭に種付けを行っています。10歳まで現役に残った北米芝のステイヤーにどんな繁殖牝馬が来ているのかよくわかりませんけれども、今年はカナダ時代の初年度産駒のデビュー年となります。

Tiznow

全体で843頭の種付けがあり、規模を保っています。

Tizwayが178頭と繁殖を集めましたが、初年度産駒は数が少ないにしてももう少し上に来てほしかったというところ。今年の種付け頭数の変化で評価の一端が図れるのではないかと思って見ています。

新種牡馬のStrong Mandateは110頭でした。2歳での実績しかない種牡馬としてはまず合格の数字でしょう。Clear Mandateの仔は種牡馬としていまいちな結果が続いていますが、父がTiznowに変わったので何とかなってくれませんかね(切実。なんかこの子もチリにシャトルされたみたいなんですが、なんでチリのみなさんはそんなにこの一族が好きなのか。

*1:www.jockeyclub.com

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