1つの永久運動装置

 自分の体感では、2000年くらいのまでのネット界隈では、主に部落の話題を中心にした、日本内部を敵として想定した差別書き込みが多かったように思う。全国部落リストみたいなコピペが、2ちゃんねるのあちこちのスレッドにあった。この時代は、そもそも韓国とか、中国とか、そういった国外の対象が、ターゲットとして視野に入っていなかったように見える。

 それが2001〜2年くらいから、一気に韓国叩きにシフトしていった。
 部落叩きをしていた頃は、竹島のたの字も知らなかった人々が、一気にネット国士様に鞍替えした時期とでもいうのだろうか。同じ叩くなら、やはり国内を相手にするより、都合が良いからだろう。

 これの同類は、ここ数年でよく見かけるようになった、外国人が日本を絶賛する(胡散臭い)コピペを集めて嬉々としている方々。文化や生活習慣の違いに目を向け、そのギャップを楽しむ、といった物では無く、ただひたすら「日本」と自己を同一化して、絶賛される自分に酔いしれる自慰行為に夢中の面々。気付いていない人もいるのかもしれないが、それ「愛国」じゃなくて、ただの「日本オナニー」ですから。

 結局、誇りとか、自己承認の欲求のアウトソーシングなのだろう。
 そのために、自分は日本と一体だという、腐汁を煮詰めて作った自己陶酔に、頭から浸って生きてく。
 端から見たら、自分の吐いたゲロをまた食って、無限に生きているだけの奴なのだが。