新刊『ダグラス・ラミスの思想自選集』(萬書房)

〈ダグラス・ラミスの思想〉自選集「普通」の不思議さ

〈ダグラス・ラミスの思想〉自選集「普通」の不思議さ

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ダグラス・ラミスの思想〉自選集
「普通」の不思議さ
C・ダグラス・ラミス 著

四六判並製 336頁 定価(2500円+税)
ISBN978-4-907961-11-4 C0031
2017年5月10日発行

装幀:臼井新太郎


日本の英語教育に一石を投じた『イデオロギーとしての英会話』から単行本未収録の『想像しうる最小の軍隊―ガンジーのインド憲法私案と日本の平和憲法』まで12篇を収録。およそ40年にわたる著者の思想の系譜をたどる。

今こそ、窓の学問が必要だ!

この本に収録した文章にはいろいろなテーマがあるが、共通点もある。「普通」のことを別の角度から見ると「不思議」に見える、という点だ。自分が生まれ育った文化の外に住んでいた人間によって書かれたせいか、「外」という共通テーマもある。(「まえがき」より)


●目次(収録された12篇。収録順)

アメリカを想像する――
イデオロギーとしての英会話

日本を想像する――
◆『菊と刀』再考〈パート?〉

「外」を想像する――
◆影の学問、窓の学問

進歩を想像する――
イデオロギーとしてのアメリカ近代化論

戦争を放棄する?――
◆ラディカルな日本国憲法――国家の権力から国民の権力へ

戦争を放棄する?――
自衛隊カンボジアに何をしに行ったか――司令官は語る

戦争を「放棄」する――
◆要石

戦争をする?――
◆暴力国家

戦争をする?――
イラクで考えたこと

自由を創立する?――
◆ラディカルな民主主義

自由を創立する?――
◆意見書「天皇制・君が代について」

戦争を放棄する?――
◆想像しうる最小の軍隊――ガンジーのインド憲法私案と日本の平和憲法


●著者紹介
1936年米国カリフォルニア州サンフランシスコ生まれ。1958-61年米海兵隊将校。その後、カリフォルニア大学バークレー本校で西洋政治思想を学び、米日両国でベトナム戦争反対運動に関わり、1972年博士号を取得。UCサンタクルーズ、西ワシントン州立大学、デイープスプリングズ大学、津田塾大学などで教える。現在、沖縄キリスト教大学客員教授。「平和を求める退役軍人の会琉球・沖縄国際支部」(VFP-ROCK)代表。
著作は『イデオロギーとしての英会話』『内なる外国』『ラデイカル・デモクラシー』『憲法は政府に対する命令である』『ガンジーの危険な憲法案』ほか多数。翻訳書に『もし世界が100人の村だったら』など。

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http://d.hatena.ne.jp/MASIKO/20161223/1482428546
木村護郎クリストフ『節英のすすめ 脱英語依存こそ国際化・グローバル化対応のカギ!』につづいて、萬書房から、いただきもの。


先日「『社会学のまなざし』で『ものぐさ精神分析』を紹介したとおり、20代に深刻な影響をうけた10冊のひとつといってさしつかえない作品だった」とかいた(http://d.hatena.ne.jp/MASIKO/20161224)。
本書に再録されている、「イデオロギーとしての英会話」「影の学問、窓の学問」を表題とする評論集も、そのなかの2冊といえる。「影の学問、窓の学問」にいたっては、博士論文で言及したことが『イデオロギーとしての「日本」』でわかるし、『日本人という自画像』『ことばの政治社会学』『知の政治経済学』と、再三ふれる作品でありつづけている。

イデオロギーとしての「日本」―「国語」「日本史」の知識社会学

イデオロギーとしての「日本」―「国語」「日本史」の知識社会学

日本人という自画像―イデオロギーとしての「日本」再考

日本人という自画像―イデオロギーとしての「日本」再考

知の政治経済学―あたらしい知識社会学のための序説

知の政治経済学―あたらしい知識社会学のための序説

ことばの政治社会学

ことばの政治社会学

知人は、「ラミスさんがわたしたちの同時代人であってよかった」と私信でつたえてくれた。同感である。
海兵隊員として沖縄にも駐留した経験が、こんなかたちで平和運動につながっているアメリカ人はおおくないとおもうし、ある意味「ウチナーンチュやラミスさんがよんだら、どうおもうか?」という自省こそ、本をかくときの羅針盤となっていることを、しるしておこう。

不充分な記述だが、ウィキペディアもリンクしておく。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%82%B9