MB13が摂取したもの

読んだもの、見たもの、食べたものなど、外から取り入れたもの全般についての感想を書いておくチラシの裏

軍ファシズム運動史


処女作『日中戦争史』に続く、秦郁彦氏の2作目の著作にして、博士論文。「軍ファシズム」というのは昔に流行った言い方らしく、日本のファシズムを西洋とは異なる特殊なものとした上で天皇制ファシズムと軍ファシズムに分類したものらしい*1。まぁ、つまり旧日本軍の活動をまとめたもの。大学時代、著者の指導教授は丸山眞男であったらしく、彼の影響が随所に散見される。

とりあえず著者いわく、昭和のファシズム運動において派閥抗争は見逃すことの出来ない要素であるという事らしく、陸軍、海軍、政府、民間のさまざまな派閥が対立していくなかで、ロンドン海軍軍縮条約における統帥権干犯問題から三月事件、十月事件、士官学校事件、相沢事件と続き、二・二六に至る道筋を描き出していく。まぁ、資料が豊富に付属しているということもあり、とりあえず事件の概要を俯瞰するのには適切な資料であろうと思われる。

*1:もっとも、現在はそういう言い方をしない

破獄

破獄 [DVD]

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「見たもの」なんてタグあるの忘れてたよ。

緒形拳が亡くなったので、BSでやっていた映画。北海道の貧しい暮らしから、盗みを働かざるをえなかった男(緒形拳)。ある日、捕まってしまうのだが、窃盗のプロであり子煩悩な男でもある彼は、脱獄をして家族に会いに行こうと試みる。

どこかで見たことあると思ったら、前に一度だけ部分的に見たことがある映画だった。L字の壁に手と足をついて登っていくシーンと、味噌汁で牢獄の鉄格子をさび付かせるシーンがやたらに印象的。まぁ、鬱になるタイプの映画である。

ピエロの赤い鼻

ピエロの赤い鼻 [DVD]

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教師である主人公は、ピエロでもある。たまにピエロを演じては人々の笑わせている彼。ところが、かれの子供はそんな父親をどうしても好きになれない。それを見かねた父親の友人は、ついに父親がピエロを演じるようになった、悲しい思い出を語りだすのであった……

って言われるとすごく内容に期待しちゃうんだけど、若干期待はずれだったのが残念。特に、穴の中でモメてるシーンあたりは映像的にも動きが少なくて、僕は疲れていたから寝ちゃいそうになった。まぁ、しかしアリな部類の映画ではある。

ねじ式/夜が掴む

つげ義春コレクション ねじ式/夜が掴む (ちくま文庫)

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生協においてあったから購入。バスの中で読んでたら周りから人が居なくなってた。エロい描写も多いが、それ以上にシュールなので、なかなか受け入れてもらえない。ぶっちゃけ絵もキモいっていうかグロいっていうか、つまり見方によってはエロいので、結局エロい。