愛と哀しみの古本屋

ブックオフせどりをしていると、当然買取のお客さんも多く来る。そして当然、そのうちの一部の人は「そんなに安いの…」みたいなリアクションをする。驚きと怒りと悲しみ。恥ずかしながら僕も若かりし頃、お金に困って手持ちのCDやゲームを売ったときに似たような思いをしたので、気持ちはよくわかる。

ブックオフの買取価格と、いわゆる「町の古本屋」のそれとで、どれくらい差があるのかないのかわからない。一般の人に(特に仕事経験が少ない人に)、コストや不良在庫のことを考えろというのも限度があるだろう。永遠に一定の割合で起こり続ける軋轢といえる。日常的な光景だが、あれを見る度に買取はやりたくないなと思う。

そういえばこの前、池袋のブックオフで成人向け雑誌を裸のまま1冊持ってきて、30円受け取って帰ったおじさんがいた。

★★★

(先週の)土曜日〜体育の日。
当然内勤。3日かかって50点ほどの出品とその他の作業。外出時間は3日合計で1時間もなかっただろう。

夜は当然教育テレビ、じゃなかったEテレで古本屋の番組。買取の様子や市(いち)の様子も垣間見ることが出来て面白かった。本をバンバン投げるのもリアルだった。給料は18万円くらいだっただろうか。支出の内訳(家賃・食費・etc)に保険・年金が入っていなかった気がした(定かではない)が、でも毎月4万円くらい貯金してるみたいだしなあ。まあ若いうちはなんとでもなるか。

この方は「集団で同じことをやるのが怖かった」と言っていた。色んな人がいる。色んな人が色んな事情で古本屋やせどらーになる。僕のように、何も考えずに毎日くるくるぱーになって遊んでいたら、いつの間にかドロップアウトしていたというのは、やはり恥ずかしいことなのだろう。

最後のロシア語の原書を買っていったおじいさんが格好良かった。金魚屋古書店やビブリア堂みたいだ。でもやっぱり自分だったら「めんどくせえ客だなあ」とか思うかもしれない。

テレビ終了後、カスタマー様からお問い合わせあり。「知らんがな」としか答えようのない内容だったが、そういうわけにもいかないので、なんとか謙虚に真摯に誠実に作文する。

火曜日。仕入れ3軒。
内容悪い。買ったものも「買おうかなどうしようかな、買ってもいいけど買わなくてもいいな、とりあえず買っておくか」というものばかり。昼食後は眠くてしょうがなかった。7時間くらいは寝たはずなのだが。帰宅後はサッカー。ネイマールに4発くらって撃沈。珍しく頭も少し痛い。こんな日もある。薬を飲んで仕事をするのと、酒を飲んで早く寝るのとどちらが健康的なのだろうか。

金曜日。仕入れ5軒。
駅に行くと快速電車まで10分程時間があったので、駅そばを食べる。こうなると余所でラーメンは食べられない。ここで、ものすごくどうでもいい葛藤がある。仕入れはまずまず。かなり迷って14kのDVDを仕入れる。ちょっと微妙だったが12月・1月に売ることを意識した。うまくいけば30k、うまくいかなければ14kくらいで売れるだろう。他に、amashow、オークファン共に販売データなしのCDもなんとなく仕入れた。やや古いが、一般のというか大手メジャーのレコード会社なのだが。よほど売れなかったのかな。久々に5軒廻って帰りは9時。かなりクタクタ。

★★★

【グーグーだって猫である】 飼い猫との愛しい日々をつづった大島弓子のコミックエッセイを宮沢りえ主演でドラマ化!

大島弓子は「バナナブレッドのプディング」と「綿の国星」を読んだが、内容は全く覚えていない。内田樹は少女漫画を読むためにはリテラシーが必要と言ったが、僕にはそういうものが欠落しているように思える。でも萩尾望都くらもちふさこは読めるので、例外的な天才として認めている。「動物のお医者さん」や「のだめカンタービレ」や「ハチミツとクローバー」はもちろん読めるが、そもそも少女漫画ではないのだろう。みんな青年誌に移ったし。

【対談】伊藤政則 vs BARKS編集長 烏丸哲也「伊藤政則の作り方」最終回

最初からずっと読んではいて、内容もかなり面白かったのだが、特にせどりとは関係ないので紹介はしなかった。元々僕自身メタル成分は多くない。

林家ペーさんじゃないけど、偉大なマンネリズムというものがあると思うんです。マンネリズムを継続することが偉大だということ。今の仕事が充実していれば、5年後にまったく同じ状況でも全然いいんじゃないかという気はするね。

柳美里さんが原稿料不払いを明かす 出版業界の実情はどうなっているの?

出版は典型的な多品種・少量生産で、そもそも効率の悪いビジネスです。(中略)出版業界は、市場が縮小しているにもかかわらず、新刊本の発行点数が増加しているのですが、その理由は、とりあえず新刊を出さないと資金繰りがつかなくなるからです。新しい本が出ないと原稿料を払えないという話はあながちウソではないでしょう。

番外:
平野レミがNHKで披露したブロッコリー料理が豪快 まるごと1本が皿にそびえ立つ

平野レミは元々シャンソン歌手でCDも出している。もちろん僕もせどりしたことがある。旦那は映画「麻雀放浪記」や「怪盗ルビイ」の監督としても知られている、イラストレーターの和田誠。息子はトライセラトップスのボーカル、和田唱。唱という名前を付けたらボーカリストになるなんていうことが世の中にはあるのだ。蹴人(しゅーと)君というJリーガーはいるのだろうか。背取くんはいないだろう。美居夢(びいむ)ちゃんはいるかもしれない。


★★★

最近売れたもの
正確にはちょっと古い、先週売れたもの。


¥834→¥3,900

せどりした全く知らないCDを何気なく聴いていて「あー、この曲知ってる」というのも、「CDせどり(たまに)あるある」のひとつ。ちなみにこれはマケプレからの刈取り。輸入盤はどうしてもブックオフで見る気にはなれない。「知らないCDをなぜ電脳せどり出来るのか?」と思われるかもしれないが、それはまた、別の話。

★★★

↑このような商品紹介はせどりブログに於いてありやなしや?というのはよく話題になるが、このブログくらいアクセスも少なく、一週間に一回、なおかつ微妙に選んでいるのなら、影響は皆無と言えるだろう。先日、最近見つけたとあるCDせどりブログを読んでいたら、「商品紹介はいくらでもするが、屋号を晒すのは勘弁」みたいなことが書いてあった。

売れた商品を沢山晒して、あるいはメルマガやブログに個人情報を載せていて、屋号を特定されないというのはほとんど不可能だと思う。そして屋号がわかればいろんなことがわかる、あるいは勝手にわかったことになる。

★★★

せどりにも買取にもそれぞれメリットとデメリットがあるだろう。古本屋(正確には小売り全般)抜きにしてせどりは成立しないが、逆は真ならず。というわけでせどらーはヒエラルキー的に1ランク下になるのかもしれないが、「多品種・少量生産」の時代にマッチしているとも思う。もちろん最終的には「個」ということになるが。


駅前の小さな本屋には当然入荷がなかった。

先週の価格改定の影響がまだ続いているようで、売上はよい。だが利益率はかなり悪い。1年前に仕入れたようなものはほとんど赤字だ。