注意、枚数、せどり力

70歳のことを古稀という。「稀」という字が示す通り、昔は70歳まで生きる人は非常に少なかったが、今だと全然珍しくない。100歳くらいでやっと「稀」という感じだろうか。不惑というのも現代の平均寿命に合わせてバージョンアップすると50歳くらいに換算され、僕が未だにフラフラというかヘラヘラというかグズグズしているのもしょうがないのかなと、またひとつ歳を重ねて思う秋。

日曜日。
紅葉を見に後楽園へ。前に来たのは野球かコンサートか競馬か…いずれにせよ20年くらい前のことだろう。帰りはドームや遊園地の方をぐるっと回って帰ったが、ずいぶん賑やかだった。

月曜日。電車で仕入れ4軒。
せどらーのブラウザとしてはGoogle Chromeが主流のようだが、僕は相変わらずのFireFoxだ。理由はまあ…慣れかな。「せどらー必須の拡張機能」とか言われると「けっ、そうかよ。どうせ情弱だから要らないよ」と反抗的な態度を取りたくなる。で、朝起きたらそのFireFoxがリニュ―アルされていた。書体もかなり変って見づらいが、そのうち慣れるだろう。慣れなかったら…Chromeに変えてもいいかな。

1、2軒目でまずまず買えて、3軒目では1枚のみ。安定して買える4軒目の中型店では店員がCDの品出し作業をしていたので、3スパン程離れて控えめにサーチしていると、出し抜けに、唐突に、アウト・オブ・ブルーに「携帯電話での検索は止めてください」と注意された。全く予想していなかったのでかなりキョドり気味に「あ、すみません」となった。

一応その後もひと通り棚を見たが、サーチ無しで自信を持って買えるようなものはなく、また、さりげなくではあるが明らかにマークされていたので、既に抜いていた1枚を購入して退散。トータルで14点で25Kの仕入れ。

ひと頃の「せどり禁止」を最近はあまり聞かなくなったのと、僕自身が今まで1度も注意されたことがなかったので、完全に油断していた。おそらく店全体の方針というよりも今日遭遇した店員が個人的にせどりを蛇蝎のように嫌っているのだろう。だから彼がいない時ならば今まで通りサーチできると思うが、そうでなければかなりコソコソするか、あきらめて退散することになる。どちらにしろしんどい。それほど近い場所でもないし、ここは潔くこの店に行くのを止めようと思う。安定して買えていたので少しもったいなくはあるが。

帰宅しメールチェックするとCDの返品あり。返品理由は「製造上のトラブルまたは不具合がある」。販売の日付を見て目を疑った。なんて日だ、全く。

水曜日。バイクで仕入れ4軒。
隣で建設中のマンションのシートが外され、その姿を現した。南側に玄関、北側にベランダを配置するのはどういうメリットがあるのだろうか。

右側に写っている5階建てのマンションも2年くらい前に出来た新しいものなのだが、1・2階あたりはすっかり陽当たりが悪くなってしまった。住んでいる人にとっては「こんなはずじゃなかった」というところだろう。僕の人生も「こんなはずじゃなかった」の繰り返しだ。

3時過ぎに出発。2軒目を出たところで雨。8点で11Kの仕入れ。帰りはかなり平均速度が速い国道を、カッパを着て用心しながら走った。

木曜日。電車で仕入れ5軒。
祝日であることをすっかり忘れており、予定が狂ってしまった。いつもはバイクで廻っているエリアだが、寒さに耐えられそうもないので電車で出発。

いつからか、ブックオフのラベルにディスクの枚数が書かれるようになって、とても助かっている(と、たまには褒めておこう)。これはシングルCDにボーナスのCDとDVDが付いた3枚組で、ケースは2つにわかれているのだが、どうみても1枚しかない(中身抜きでもない)。おまけの方だけで封をしてしまったのだろう。

最初の3軒でボーズ、2枚、ボーズと独り言が止まらなくなるような釣果。最後の2軒で少し買えたがそれでも10点で22K。さすがにこれだけ買えない日が続くと、棚枯れや価格の他に自分の「せどり力」、つまりせどりのための記憶力・観察力・集中力などが衰えたことも考えざるを得ない。もう1度初心に戻るべきなのか、あるいは違う道を探すべきなのか。

夜はもう使わなくなったOCNモバイルの解約。SIMフリースマホはなにか使い道がないだろうか。


ふむふむ。なるほど。そうだったのか。

というわけで、陽だまりのような日々はやはり長くは続かず、苦しい1週間だった。返品も3件くらい喰らったし、それ以上にブックオフ仕入れが苦しかった。次の10年をどうやって生き残るか、ということを考えるには、10年後の状況というものをある程度予測しなければいけない。現在とどれくらい変わっているのか、変わっていないのか。「そんなことがわかるのなら、せどりなんかやってないんだよ」という声が聞こえてきそうだ。そうですよね。どこかに「古稀せどらー」がいたら教えを乞いたいものだ。