アマゾンの秘密
アマゾンの秘密──世界最大のネット書店はいかに日本で成功したか
- 作者: 松本晃一
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2005/01/28
- メディア: 単行本
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困難な問題を話し合う緊張した会議中でも、メールチェックしながら話すヤツもいれば、サンドイッチを食べながら会議に参加するヤツもいた。問題にされるのは、どのくらい真剣に会議の内容を考えているかであり、参加するスタイルや態度は関係なかった。
こうしたアメリカ的な風潮は昨今の日本企業にも多く見られることかもしれないが、少々古い時代に属する僕の世代にとっては大変新鮮に映った。僕の知っている日本企業の多くは、社員を言わば、できの悪い子供扱いすることが多く、たくさんの規則を作って、社員にいちいち反省を促していた。アマゾンに限らず、アメリカの企業は大体そうなのかはよく分からないが、少なくともアマゾンでは、社員を子供としてではなく、ひとりの合理的な考えを持つ大人として扱い、それを前提にすべてのことを淡々と進めた。
面自いことに人間は子供扱いされると子供のように振る舞うが、大人として扱われるといっぱしの大人として行動しようとする。そういう環境で、個人個人が大人として努力するのは極めて自然でもあった。
(P.206)