鞭打苦行のThrasher

翻訳者/ライター/最底辺労働者、待兼音二郎のブログであります

翻訳記事2本がGQ Japanに掲載されています

 1月24日発売のGQ Japan2016年3月号は俳優マイケル・ファスベンダーが表紙。おかげで、いかにも海外雑誌の日本版という雰囲気がただよっています。
 カバーストーリーはそのファスベンダーへのインタビューを元にしたもので、映画『スティーブ・ジョブズ』であのジョブズを演じることになった彼をフランス版GQが直撃しています。
 マイケル・ファスベンダースティーブ・ジョブズ。本文にもあるように、ちっとも似ていません。しかし、「伝記映画では、たいてい物語よりも物まねの出来不出来を重視する」という反語的な表現にぐっと引きつけられました。ジョブズにちっとも似ていないファスベンダーだからこそ、外見ではなく内面的な演技を通じてジョブズをスクリーンに甦らせるというのです。う〜ん、これは観たくなりますね。
 翻訳者としての技術的な見方でいうと、このカバーストーリー、日本版では4Pしかなく、おそらく原文の情報をかなり縮めなければならなかったと思うのですが、たいへん魅力的な訳文になっております。原文がフランス語なので自分にはよくわかりませんが、こういう訳ができるようになりたいと思います。

 また第二特集がランニングなのですが、有酸素運動をすることで脳が活性化するというような村上春樹の言葉が引かれていて、また作家の道尾秀介さんも走るとどんどんアイデアが湧いてくるという趣旨のことを言われていて、なるほど走るっていいなと思いました。その道尾さんも最初はロードバイクに乗られていたそうですが、安全性を考えてジョギングにされたのだそうです。たしかに自転車だとスピードが出過ぎるので、もっともですね。身体を動かすということなら、自分には肉体労働があるのですが、さすがに仕事なのであまりぼうっともしていられず、やはりジョギングをいつか始めねばと思いました。

 さて前置きが長くなりましたが、自分は「Darpaロボティクス・チャレンジ」という災害救助シミュレーション大会についてと、ニューヨークで活躍する若いジャズメン・ジャズウィメンについての記事の翻訳2本を担当しました。

 かつてのジョジョのジャンプでの定位置というか、今回も雑誌の最後の方なので、読み疲れてきた読者の興味を奮い起こすという役割があるのですが、なかなか難しいものです。
 その意味で、「GQ英会話」という記事は、ビジュアルをうまく使って読者の興味を誘っており、よい参考例だなと思いました。などなど、長くなりましたが……。