エコー&ザ・バニーメン/Echo & The Bunnymen

イアン・マッカロク出現!


1977年、イアンは後に英国のカルト・ヒーローとなるPete Wylie、Julian Copeと共に、Crucial Threeなるバンドを結成。この伝説のバンドは、残念ながら数回の練習を行っただけですぐに消滅。


78年、ワイリーとコープはそれぞれThe Teardrop ExplodesとWah!を結成するが、そのころマッカロクは、友人のギタリストのWill Sergeantと共に新しいバンドを結成しようと奮闘していた。ベーシストにLes Pattinsonを引き込んだものの、ドラマーは見つからず、結局Echo社製のドラム・マシンを使うことになった。マシンをメンバーに加えたバンドは、"Echo" & ザ・バニーメンと名乗り、まるで何かのジョークのように活動をスタートさせた。そして自信に満ちたマッカロク率いるバニーメンはその後、成功への階段を登っていくことになる。

79年、バンドは地方のレコード・レーベル、Zooからファースト・シングル「Pictures On My Wall / Read It In Books」を発表。マシンを使ったこのシングルとライブ・パフォ―マンスが人気となり、バンドはKorovaとの契約にこぎつけた。この契約の後、彼らはやっとドラム・マシンを捨て、ドラマーのピート・デ・フレイタスをメンバーに加え本格的に活動を開始。


前置きが長くなったけど、まずは
The Puppet (1980)

大好きなこの曲からスタート!マックかっこいい〜!!

エコー&ザ・バニーメン/メンバー


イアン・マッカロクを中心に78年リヴァプールで結成。
左からウィル・サージャント(G)レス・パティンスン(B)イアン・マッカロク(Vo.G)ピート・デ・フレイタス(Dr)


80's UKロック特有のエッジの効いた硬いギター・サウンドと、ジム・モリソンへの熱いオマージュによるマックのディープ・ヴォイスが交錯したバニーメンの音世界は、独特の世界観で衝撃のデビューを飾ることになる。

 

ディスコグラフィー

1stアルバム『クロコダイルズ』でメジャー・デビュー。


1980年発表のこのアルバムは、Joy Divisionの『Closer』と並ぶポスト・パンクの傑作。イギリス・チャートの17位にランクイン。同年の秋にリリースされたシングル「Shine So Hard」は、彼らにとって、シングル・チャートでトップ40入りした記念すべき最初のレコードとなった。


アルバム『クロコダイルズ』から


Crocodiles in live 1981

イギリスでトップ20にランクイン。途中の"Light My Fire"はご愛嬌!


Rescue live Liverpool 1982

The Doorsの影響を色濃く受けたサイケデリックな音世界は


Over The Wall live in Buxton 1981

美しいメロディと奇妙にうねるサウンドで80年代のヨーロッパを席巻してゆき


Do It Clean the live in BBC 1982

クールでダークそしてイアンの泣く様なシャウトが独特な世界観はこの頃からネオ・サイケと呼ばれるようになる。

1982年、2ndアルバム『 HEAVEN UP HERE』発表。


前作よりサウンドが大きく進化しサイケデリック感が強まっている。強烈なドラム、メロディアスなベース、サイケデリックなギター、そしてマックのシャウト。使用楽器はそれだけなのにそうとは思えぬ程迫力のあるサウンド。異常なまでに研ぎ澄まされ物凄い緊張感が漂う80年代ロックの傑作。1stと3rdに比べメディアの評価は低いが、個人的にはバニーメンのベストアルバム!!


アルバム『 ヘヴン・アップ・ヒア』から


Show of Strength


All My Colours live on Liverpool 1982

洗練されたサウンドと独特のグルーミーな雰囲気をもったこのアルバムは、チャートのトップ10に入る。

1983年、3rdアルバム『PORCUPINE』発表。


UKロックを象徴するような傑作3rdアルバム。UKチャート2位になった大ヒット作となる。前作までの陰りは無くなり壮大でアップテンポな世界が展開され、スピード感溢れる作品。


アルバム『ポーキュパイン(やまあらし)』から


The Cutter PV

この曲で、初のシングル・チャートのトップ10入りを果たす。


The Back Of Love PV

当時の流行、ウィルのエッジの効いたカッティングギターに痺れる。


Porcupine PV

壮大にして華麗な、アルバム・タイトル・ナンバー。


Heads Will Roll PV


Never Stop BBC live

ソング・ライティングに磨きがかかりポップな仕上がりとなったこのアルバムは、彼ら最大のビッグ・ヒットとなる。最高位は2位。

1984年、4thアルバム『OCEAN RAIN』発表。


ストリングスを多様してさらなる熟成を見せた名盤『オーシャン・レイン』を発表し、日本でも高い人気を獲得する。
かなりキャッチーでメロディアスになったこのアルバムは、コアなファンからは批判が飛び物議を醸したものの、英チャートで第4位まで上昇。アメリカのチャートでもトップ100入りを果たし、この頃のイギリスげのバニーメンの人気は凄まじいかったらしい。マッカロクのルックス、特有のビッグ・マウスにも注目が集まる。
この時点でバニーメンは、後に世界的なバンドとなるU2を凌ぐロック・シーンの中心的存在であったのだ。バニーメンが世界的なスターになるのはほぼ間違いないものと思われていたのだが、この時期を境にバニーメンの成長はピタリと止まってしまう。
自信家のマッカロクは、"そこそこの出来"の曲、「The Killing Moon」を"不世出の名曲"と思い込んでいた。これが彼の判断を鈍らせる。


アルバム『オーシャン・レイン』から


Killing Moon (live on The Tube)

彼らにとって2回目のトップ10ヒットとなるのだが・・・


『オーシャン・レイン』は当時かなりの評価を受けていたが、マッカロクは"U2"の作品ほど評価を得られなかったと発言し酷く落胆してしまう。これが大きなトラウマとなり、以後、マッカロクは迷走を続けることになる。


Ocean Rain (live on The Tube)

結成直後から注目を集め、もう少しでアメリカを制覇できるところまで来ていたバニーメン。


Nocturnal Me (live on The Tube )

しかし、彼らの快進撃はこれ以降止まってしまう…。


1985年、ベストアルバム『SONGS TO LEARN & SING/ダンシング・ホーシズ』発表。


一年間の活動休止の後、新曲1曲を収録して発売されたベスト盤。


アルバム『SONGS TO LEARN & SING』から


Bring On The Dancing Horses PV


Bring on The Dancing Horses 夜のヒットスタジオ

夜ヒト映像ゲット!飛んでる女性って、受けるわ(笑)
彼らはこの年、新曲をこの1曲しかリリースしていない。86年の初めにデフレイタスがバンドを離れ、かつてHaircut 100のドラマーだったMark Foxが加入したが、9月にはデフレイタスが復帰。バンドのバランスが崩れ、次第に勢いが失われていく。

1987年、5thアルバム『ECHO & THE BUNNYMEN』発表。


シングルの「The Game」と、自分たちのバンド名を付けたアルバムを発表。これはかなりのヒットを記録したが、音はやや単調で不満が残る仕上がり。


アルバム『ECHO & THE BUNNYMEN』から


The Game PV


Lips Like Sugar on The Roxy TV Show


そして88年の末、マッカロクはソロ活動を求めてこのアルバムを最後にグループを脱退。残りのメンバーはボーカル無しで活動を続けることを決めた。だが89年の夏、それに追い討ちをかけるように、ドラムのピート・ディ・フリータスがバイク事故で他界。結果、バンドは事実上崩壊状態に陥る。


マッカロクは89年の秋、最初のソロ・アルバム『Candleland』を、マッカロク不在のバニーメンは、90年に『Reverberation』をリリースしたが、両者とも成功しなかった。


アルバム『Reverberation』から


Enlighten Me PV

このヴォーカル誰?いったいどこに向かってるのだ…


95年、マッカロクとサージェントによるユニット「Electrafixion」結成。アルバム『バーンド』をリリースしたが、これも不発に終わる。


97年、デフレイタスを除くバニーメンがエコー&ザ・バニーメンとして再結成。

1997年、アルバム『Evergreen』をリリース。

再結成後の1作目。これは若干の注目を集めたもののマックのヴォーカルは年齢を感じさせるものになり地味な印象。人気はすぐ下り坂になる。


アルバム『エヴァーグリーン』より


I Want To Be There(When You Come) PV

もうこのへんまでくると


Nothing Lasts Forever PV

かなり痛々しい…。俺のアイドルが・・・


アルバム『BALLYHOO』(1997)


再結成に併せてリリースされたコロヴァ・レーベル時代のベスト。エコバン入門篇なので最初に買うのはこれがオススメ。ドアーズのカヴァー「People Are Strange 」も収録。


People Are Strange

このカヴァー好きなんだけど「THE LOST BOYS」って。ww

アルバム『 WHAT ARE YOU GOING TO DO WITH YOUR LIFE ?

』(1999)

再結成後2作目。レスが家庭の事情で脱退して、何故かこの作品ではウィルもあまり仕事をしておらず曲は全てマックが一人で書いたので、サイケデリックな雰囲気は全く無く穏やかで少し憂いのある作品になっていてこれはこれで好き。


Rust PV


アルバム『Flowers』(2001)


再結成後3作目。前2作とは変わりダークなサイケ。サウンド的には『ポーキュパイン』辺りに近いもの感じで、ただし全体的にスローテンポ。


It's AlrighT PV


現在の最新作は

アルバム『Siberia』(2005)


再結成後4作目。前作のようなダークさは無くなり『エヴァーグリーン』に近い感じのギター・ポップ。メロディアスなベースとビシビシ鳴るドラムがアグレッシブで、ウィルのギターの質感は相変わらず独特。


結成から約30年が以上が経過した今をもって現役で活動する。しかし、バニーメンはビッグ・バンドの称号を目前にしながら、最終的にはそれを手に入れることは出来なかった。
しかし最近は、全盛期のバニーメンから影響を受けたアーティストが台頭し、バニーメンの再評価が進んだこともあって、彼らの創造力も全盛期のそれに戻りつつある。


The CureU2New Orderなどの同期のバンドに比べ、少し落ちぶれてしまった感のあるバニーメン。だが少なくとも彼らの全盛期のアルバムは、上記のどのバンドの代表作と比べてみても決して見劣りしない。個人的には凌いでさえいると思う。音楽史の片隅に埋もれてしまうには惜しいバンド、エコー & ザ・バニーメン。是非聴いてみてください。

映像追記です:
Echo & the Bunnymen-Paint It Black Live at Canec?o,1987



現在レスは個人的事情から脱退しメンバーは現在ウィルとマックの2人。


イアン・マッカロクはソロでも活動中。


オススメのアルバムはバニーメン入門だとベスト版『Ballyhoo』
買って損はないのは最初の3枚
『クロコダイルズ』『ヘヴン・アップ・ヒア』『ポーキュパイン(やまあらし)』

クロコダイルズ

クロコダイルズ

オーシャン・レイン

オーシャン・レイン

Songs to Learn & Sing

Songs to Learn & Sing

エヴァーグリーン

エヴァーグリーン

What Are You Going To Do With Your Life?

What Are You Going To Do With Your Life?

フラワーズ

フラワーズ

SIBERIA

SIBERIA

Ballyhoo

Ballyhoo

Apple Store(Japan)