自転車の走行対策を厳格化2

 先日、触れた自転車の走行対策の厳格化だが、下記にある警察庁の通達の原文を読んでみた。
http://www.npa.go.jp/koutsuu/kikaku/bicycle/taisaku/tsuutatu.pdf


 歩道上での自転車の無法振りが目に余るから車道に追い出そうとしているような言い方が前面に出ていて気にくわないが、今日は自転車走行空間確保のための具体の対策を見てみよう。
 原文を要約すると下記のとおりだ(※は僕の見解)。


(1) 自転車専用の走行空間の整備
ア)従来の自転車道や歩道上の自転車歩行車道は両方向通行だったが、9月からこれらにも自転車一方通行が指定できるようになっている。この活用をうたっている。
 ※必要な幅が半分になるし、道路の両側に設けられるなら、文句ないだろう。
  あるいは、車が一方通行の道なら、自転車も一方通行になっても仕方がない。
イ)「普通自転車専用通行帯」を活用する。
 ※これは車道に色分けなどして通行帯を確保するもの。物理的には完全ではなく、駐停車車輌があれば、よけるしかない。
  だが、それだけに容易に設けることができ、当面の切り札と『成功する自転車まちづくり』でも推奨されていた。
 ○自転車の通行量が特に多い片側2車線以上の道路においては、自動車等が通行する車線を減らしてでも自転車道等の整備をする
  ※検討対象になっただけでも大前進。
 ○自転車の通行量が多い2車線道路に一方通行の交通規制(自転車を除く)を実施することにより道路の両側に自転車道等の整備を検討すること。
ウ)パーキング・メーター等の利用率が低い場合には、パーキング・メーター等を撤去することにより、自転車道等の整備を推進すること。
  パーキング・メーター等の利用率が高い場合には、第1車両通行帯を駐車枠と自転車道等とすること等を検討すること。
(2) 自転車と歩行者との分離
ア)幅員3メートル未満の歩道における自歩可の交通規制は見直すこと。
イ)自歩可の交通規制が実施されている歩道をつなぐ自転車横断帯は原則撤去すること。


 いずれも結構なことだが、最後のイだけ、何のことか今ひとつ分からない。
 自歩可の道路にある自転車横断帯は事故多発地帯だ。だから撤去は大いに結構なのだが、それなら自歩可は撤回し、車道に追い出さないと整合しないように思う。
 歩道は自転車を走らせておいて、横断歩道だけ降りて押せと言うのだろうか。非現実的で、これでは事故が減らない。
 できれば専用レーンを指定すべきだが、それができない場合でも、車道に追い出したうえで、交差点は直進させたほうが良い(ただだし車の左側に入ってはいけない)。
 『成功する自転車まちづくり』によればイギリス、ドイツでは、これは常識で、交差点だけ直進させるためのレーンを設けているという。


 自転車利用者も、これからは多少恐くても、ドライバーの良識を信じて、なるべく車道を走るべきだろう。危なそうに見えても、ドライバーから見えるように行動している限り、事故率は小さいのだから。


(おわり)