ほんやくこんなん〜

そういえばKUBOで一つだけ不満があったんでした。昨日書き忘れてた程度のことだけど。


不満というよりは、翻訳の本質的な難しさに関することなんですけども、字幕のテキストの時代がかり方ですね。

昨日もちょっと書いたけれど、KUBOって日本昔話的な時代設定なんですよね。
そうすると言葉遣いもちょっと違っているほうがいかにもそれらしくなるはずなんですよ。
一例を挙げると、"Thank you, Mum!"というセリフを、

  1. 「ありがとう、母さん」
  2. 「かたじけない、母上」
  3. 「おっかあ、すまねえなあ」

のどれにするのがいいのか?
それも映画の字幕という限られたスペースと時間の制約の中で!
確か映画では「母上、ありがとう」的な感じだったと思います。
1と2の折衷的な感じで、悪くはないけどもうちょっとこう…うーん、て感じ。
全般的にもうちょっと時代がかった方向にさじ加減をとってもよかったんじゃないかな、と思う字幕が見られましたね。


たしかNHK英語でしゃべらナイト!で紹介されたエピソードですけども、とある時代劇映画に英語字幕をつけた時のこと。
盗賊だかやくざだかの頭が子分をかばって倒れ、子分が親分の亡骸をかき抱いて涙ながらに「お、親分、かたじけねえ…」というシーン。
流れた英語字幕は"Thank you, Boss."
ちょっとそれはさすがにどうよと思うけどほかになんて訳すんだよ、というお話です。


この言語ごとに対応してない部分でのニュアンスをどこまで引っ張り出せるか、この辺が翻訳家の腕の見せ所であり存在価値じゃないかなと思うんですよね。
難しいと思います。
思いますけど、やっぱりプロにはそういうところを期待しちゃうなあ。