ハルだけど気は張らない

なんか一足飛びに春が来た感じで、体がついてきてない気がします。
皆さんの肉体と精神の調子を崩さないように気を付けてくださいね。


さて、また最近見た映画の感想など。
空海 -KU-KAI- 美しき王妃の謎
中国語タイトルは「妖猫傳」。
中身は「大唐楊貴妃絵巻」って感じですかね。
演出はいかにも中国古典を思わせるというか、割とファンタジーな感じでしたけど、衣装もセットも気合入ってるなと思いました。
中共作ということではありますけど、どっちかというと日本がお情けで入れてもらった感じがひしひしします。
吹き替え版しかなかったのが残念ですけど、中国では中国語版しかないらしいのでおあいこか。
高橋一生の声がねえ…棒読みちゃんかな?って感じで、主役の一人なのにひどかった印象。もうちょっとがんばりましょう。というかこの人いつまでたっても全然発声が上達してない気がする。
というか、吹き替え声優に山寺宏一がいるから、ぼそぼそしゃべりは特に下手さが際立つなと。
空海染谷将太はかなりよかった。役柄がマッチしていたのかもしれない。中国語をマスターして全編中国語で撮影したというから驚き。日本の俳優としちゃ最近になく気合入ってますね。
火野正平松坂慶子はさすがの貫禄で、ちょっとしか出てこないけどちゃんと画面にはまってた気がする。
阿部寛はどこまで行っても阿部寛ですね、はい。



15時17分、パリ行き
まあいつものクリント・イーストウッド監督作品ですねって感じ。
劇場出たとたんにおばちゃんズが「面白くなかったなー」とか言い合ってて笑った。
そりゃあんた、イーストウッドのノンフィクションものに血沸き肉躍るような興奮やラブストーリー的な感動を求めたらいかんでしょ。
ということで内容は何年か前にヨーロッパの電車内で起きたテロとそれを防いだ3人の男性のお話。
少年期と青年期と現在との時間軸がまぜこぜされてる構成が印象的でした。
おばちゃんたちはおもんないと言ってましたけど、アメリカンスナイパーが大丈夫だった人はこれも大丈夫だと思います。アメリカンスナイパーと違ってハッピーエンドだし。
というか、「フツーの青年がフツーの人生を送ってたら突然たまたまヒーローっぽいことしました」っていう盛り上がりも何もない筋書きで、派手なアクションがあるわけでもなく絶世の美女が舞い踊るでもなく、ゾンビが出るわけでもない映画を、きっちり1つの物語として組み上げて1時間半の映画に仕上げるっていうのがすごいなと。
でもまあやっぱり確かに、スカッとする面白さやドキドキハラハラを求めて映画館に行く人には向いてないかも。
ガチのドキュメンタリーとか社会派映画ってわけでもないし、そういう点では中途半端な立ち位置の映画ですよね。



ブラックパンサー
なんとなく、仮面ライダーブラックとシャドームーンを思い出す、そんなテイスト。
「黒人主体のヒーロー映画、アフリカ起点のヒーロー映画」という切り口のほかはごくオーソドックスなヒーローものだと思います。
前半と後半でちょっと断絶がある感じがしますけどね。「え、あんた大ボスちゃうの、ここでもう退場すんの?」的な点はちょっと荒いかな。
あと「お前、そこでそんな簡単に寝返るのかよ」ってところ。こまごまと主人公に不満と不信をためていく描写はありましたけどね。
おしまいに「これまで極秘にしてきた超技術で、これからは世界の平和に積極的に取り組みます」とか言っちゃうあたり、アメリカ的だなあって思います。
それ、アフガンゲリラに武器渡して訓練して支援してたら、いつの間にか自分たちに牙向いてましたってなったのと同じ流れちゃうん?って思います。ええけど。




ブラックパンサー見てて思ったのは、「日本の特撮ヒーローもこういう方向で進化してたらよかったのになあ」ってことです。
これ見ちゃうとニチアサのライダーとか戦隊ものがめっちゃ子供だましの安っぽい感じに見える。「特撮」っていうものにとらわれすぎてないかって気がしますね。
せめて映画ではもうちょっとリキ入れてほしいですよね。マーベルだって毎年のようにヒーローもの、それも全員集合的な映画撮ってるわけだし。
ヒーローもののコンテンツは揃ってるんだから、アメコミ系のやり方を取り入れて本気出して作れば世界をあっと言わせるような映画ができると思うんですよねえ。